クローズアップ

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クローズアップ(英語:Close-up)は、対象物を画面いっぱいに撮影する事。映画においては、イギリスジョージ・アルバート・スミスが、『おばあさんの虫眼鏡』(1900年)などでクローズアップを用い始め、その後D・W・グリフィスによって確立された。

概要[編集]

グリフィスは、強烈な演出効果を生み出す事を目的としていわば飛び道具的にここぞと言う時にクローズアップを利用したが、その強い演出性故に多くの作家映画でクローズアップが多用される事になり、結果的に次第に演出的な効果は薄れていった。1930年代前半に、山中貞雄が「クローズアップというのは一つの映画で一ヶ所、多くても二、三ヶ所で用いるからこそ効果がある」と力説していた事からすると、クローズアップの「発明」から10年程度の後には既に当たり前のものとして普及していた事が伺える。

しかし、クローズアップは単なる普及に留まることなく、テレビの登場により俳優表情を大写しする手段や物語のポイントを強調する便利な道具として常用されるようになる。むしろ、今日のテレビドラマにおいてはクローズアップこそが標準のフレームであるとすら言える状況であり、ここで用いられるクローズアップには本来的な演出的意図や効果はない。むしろ、クローズアップを使わない事や、逆に表情すら伺う事が出来ないほど極端なクローズアップを用いる事による演出的な効果を狙うケース(手法)が登場している。前者の代表としてはテオ・アンゲロプロスが、後者としては加藤泰が上げられる。

関連項目[編集]