アミューズミュージアム

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アミューズミュージアム
Amuse Museum
地図
施設情報
愛称 布文化と浮世絵の美術館
専門分野 日本の美術工芸
収蔵作品数 約3万点
館長 辰巳清
管理運営 アミューズ・エデュテインメント(現:アミューズ[1]
延床面積 2,182m2
開館 2009年11月1日
閉館 2019年3月31日
所在地 111-0032
東京都台東区浅草2丁目34番3号
位置 北緯35度42分52.2秒 東経139度47分52.4秒 / 北緯35.714500度 東経139.797889度 / 35.714500; 139.797889座標: 北緯35度42分52.2秒 東経139度47分52.4秒 / 北緯35.714500度 東経139.797889度 / 35.714500; 139.797889
アクセス 東京メトロ銀座線東武伊勢崎線浅草駅」から370m
都営浅草線浅草駅」から500m
つくばエクスプレス浅草駅」から500m
外部リンク http://amusemuseum.com/
プロジェクト:GLAM
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アミューズミュージアム: Amuse Museum)は、かつて東京都台東区浅草にあった日本文化を展示する私立美術館布文化と浮世絵の美術館(ぬのぶんかとうきよえのびじゅつかん)とも云う。 浅草寺の東隣で2009年11月1日に開館し、2019年3月31日に閉館した。大手芸能プロダクション・アミューズが運営母体。

概要[編集]

民俗学者田中忠三郎の所有する資料を中心に、約3万点の所蔵品(国の重要有形民俗文化財「津軽・南部のさしこ着物」786点を含む)を有する。公開展示点数は約1500点。

浅草を拠点にした新事業を検討していた、アミューズ大里洋吉会長が青森出身で、田中忠三郎の親戚と知己があったことがきっかけであった[2][3]。築43年の建物をリノベーションし、6階建てのビルを丸ごとライブ・ミュージアムとして再生させていた[4]

布文化を中心とした、無名の職人や一般女性の手仕事による美術工芸を紹介しており、展示品はNHK美の壷」「新日本風土記」などのメディアでも取り上げられている[5][6]

また、2013年の春夏パリ・メンズコレクションでルイ・ヴィトンが、2014年の春夏ニューヨーク・コレクションではアルチュザラが、2015年春夏コレクションでコム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マンが、同館の展示品BOROをモチーフにした[7][8]

リトゥンアフタワーズの山縣良和や「途中でやめる」の山下陽光など、同館の展示に影響を受けたと公言するデザイナーアーティストも多い[9]

名誉館長は田中忠三郎。館長兼キュレーター辰巳清キュレーションコンセプトは「もったいない」。東京・ミュージアムぐるっとパス2015(東京の美術館・博物館等共通入場券)利用対象施設となっている。

2018年4月、建物の老朽化を理由として開館10周年の区切りである2019年3月31日をもって閉館することが発表された[10]

建物・展示[編集]

浅草寺の東門である二天門に隣接する築50年のビルをリノベーションした延床面積約2000m²のミュージアムは、1階が和雑貨、伝統工芸品主体のミュージアムショップ。 2・3階がギャラリー及び、日本の布文化を扱う4つの展示室となっている。2・3階の4つの展示室の区分は第1~第3展示室が常設展示、第4展示室が企画展示室の扱いである。

  • 第1展示室【常設展】BORO
ツギハギだらけのぼろ布のアート性に注目した
奇跡のテキスタイルアート「BORO」を展示
  • 第2展示室【常設展】「民具倉庫」
古民具を用いたインスタレーションを展示
  • 第3展示室【常設展】「夢の跡」
黒澤明監督映画「」に使用した衣裳・パネル等を展示
  • 第4展示室【特別展】
布の絵画BORO 〜美しいぼろ布展〜
  • 浮世絵シアター
ボストン美術館に収蔵されている、幻の浮世絵「スポルディング・コレクション」をデジタル映像で解説している[11]

6階にあるステージでは定期的に和楽器などのライブ公演を行っている。また6階の一部はミュージアム閉館後に営業開始する終夜営業のバーになっている[12]

脚注[編集]

  1. ^ アミューズ、「アミューズミュージアム」譲渡で運営子会社エデュテインメントを吸収合併 | Musicman”. 音楽業界総合情報サイト | Musicman. 2021年8月11日閲覧。
  2. ^ 「ぼろ」美術館、老朽化で閉館へ 黒沢映画ゆかりの服も:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年9月17日閲覧。
  3. ^ 【3/31】10年間愛された「アミューズミュージアム」が閉館しました。”. club-willbe. 2021年9月17日閲覧。
  4. ^ :: Amuse Museum :: [AMUSE MUSEUM BLOG - 施設紹介]”. amusemuseum.com. 2021年9月17日閲覧。
  5. ^ file159 「青森のBORO(ぼろ)」|NHK 鑑賞マニュアル 美の壺”. 日本放送協会. 2019年2月25日閲覧。
  6. ^ 新日本風土記スペシャル 手の国にっぽん 名品名匠の旅 - 新日本風土記”. 日本放送協会. 2019年2月25日閲覧。
  7. ^ 作り手を触発 再評価される布仕事 - 朝日新聞ファッションニュース”. 朝日新聞デジタル (2014年6月9日). 2019年2月25日閲覧。
  8. ^ コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン 2015年春夏コレクション - 洋服と音楽のパッチワーク”. ファッションプレス (2014年9月10日). 2019年2月25日閲覧。
  9. ^ 「田中忠三郎が伝える精神」東北の民俗衣コレクションと現代美術』(PDF)(プレスリリース)十和田市現代美術館、2014年11月http://towadaartcenter.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/08/2014-2-spirit-of-life-in-the-north-of-japan-press-release.pdf2019年2月25日閲覧 
  10. ^ 開館10周年の感謝と閉館のお知らせ”. アミューズミュージアム (2018年4月1日). 2019年2月25日閲覧。
  11. ^ UKIYOE THEATER(浮世絵シアター)”. アミューズミュージアム. 2019年2月25日閲覧。
  12. ^ バー・シス(Bar six)”. アミューズミュージアム. 2019年2月25日閲覧。

外部リンク[編集]