調布飛行場

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東京都調布飛行場
Chofu Airdrome
IATA: ? - ICAO: RJTF
概要
国・地域 日本の旗 日本
所在地 東京都調布市
種類 その他の空港
運営者 東京都港湾局
標高 42.3 m (138.8 ft)
座標 北緯35度40分2秒 東経139度31分56秒 / 北緯35.66722度 東経139.53222度 / 35.66722; 139.53222座標: 北緯35度40分2秒 東経139度31分56秒 / 北緯35.66722度 東経139.53222度 / 35.66722; 139.53222
公式サイト 調布飛行場
滑走路
方向 ILS 長さ×幅 (m) 表面
17/35 NO 800×30 舗装
リスト
空港の一覧
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飛行場入口近くにある、東京都港湾局による「調布飛行場」モニュメント
北から見る。飛行機が離陸している。
西から見る。飛行機が離陸している。
近くにある飛行場竣工当時の門柱
飛行場北側にある戦闘機用掩体「大沢1号」
飛行場北側にある戦闘機用掩体「大沢2号」

調布飛行場(ちょうふひこうじょう Chofu Airport)は、東京都調布市(一部三鷹市府中市にまたがる)にある飛行場である。東京都営空港の一つ。正式名称は「東京都調布飛行場」[1]。「調布空港」と呼ばれることもある。

歴史

開設

1941年昭和16年)4月30日、現在の位置に東京府により公共用飛行場として開設された。そのときの名称は「東京調布飛行場」で、これが現在の「東京都調布飛行場」の前身である。開設当初は現在の滑走路とほぼ同じ位置のメイン滑走路(全長1000m・幅80m)と、メイン滑走路の南端近くで交わる東西方向の横風用滑走路(全長675m・幅80m)の合計2本のコンクリート舗装滑走路が存在した。

戦時中

太平洋戦争中はもっぱら帝国陸軍が使用した。特に1942年(昭和17年)のドーリットル空襲後は帝都防空拠点として重要視されるようになり、南は現在の味の素スタジアムのあたり、西は現在の警視庁警察学校のあたりまでそれぞれ拡張され、未舗装の滑走地帯となった。

戦争末期は、首都圏に飛来するボーイングB-29爆撃機などを撃退するために戦闘機隊が配備された。中でも有名なのは三式戦闘機を装備した飛行第244戦隊で、京浜地区の空襲のたびに出動しB-29に体当たりするなどして戦果を挙げているが、沖縄戦が始まると同戦隊は特攻作戦支援のために九州へ移動したため、調布飛行場には偵察機のみが残された。

アメリカ軍による占領

敗戦後の1945年(昭和20年)9月、調布飛行場は日本を占領下に置いた連合国軍の主力であるアメリカ軍によって接収された。舗装滑走路は飛行場として使用され、戦時中に拡張された未舗装の西側地区は当初、アメリカ軍の水耕農場(人糞堆肥を用いない衛生的野菜の生産場)とされた。また、これら物資輸送の為、西武多摩川線から専用線が引かれ、物資輸送されていた。後専用線は廃線となる。

1952年(昭和27年)になるとサンフランシスコ講和条約日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約が発効、行政協定により飛行場とともに「調布水耕農園(施設番号 FAC 3702)」の名称で接収財産から提供施設区域に切り替えられた。

その後、東京都渋谷区にあったアメリカ軍兵舎・住宅施設「ワシントンハイツ」が1964年(昭和39年)の東京オリンピック開催にあわせて日本に返還されることになったことから、代替住宅施設が建設され、「関東村住宅地区及び補助飛行場」と名称変更された。

返還

1954年(昭和29年)8月、飛行場の日米共同使用がアメリカ側から認められた。

1955年(昭和30年)2月、飛行場地区の一部が日本に返還され国(運輸省)の管理により場外離着陸場として運用されるようになった。

1972年(昭和47年)2月、地元の三鷹・府中・調布の3市は全面返還後の利用等について協議するために市長及び市議会議長で構成する調布基地対策連絡協議会(略称「六者協」)を結成。同年4月、東京都は継続使用を求める国に対し3年以内に代替空港の選定および移転をすることを条件に暫定使用を了承。

1973年(昭和48年)3月、飛行場地区が日本に全面返還された。

その後約10年にわたり国(運輸省)、東京都および六者協の間で返還後の跡地の利用について協議・折衝が繰り返される。

その間、1979年(昭和54年)3月には、新中央航空が調布 - 新島間の不定期便運航を開始。さらに1984年(昭和59年)12月には調布 - 大島間が、そして1992年平成4年)7月には調布 - 神津島間の不定期便が運航されるようになる。

都営コミューター空港

1992年(平成4年)7月、国から東京都に調布場外離着陸場の管理・運営が引き継がれた。

1996年(平成8年)7月、東京都と六者協が調布場外離着陸場の正式飛行場化に合意。

1998年(平成10年)に東京都から運輸省に飛行場設置許可申請が出され、同12月に飛行場設置許可が下りた。そして1999年(平成11年)7月に滑走路そのほか飛行場施設の整備工事に着手した。

2001年(平成13年)3月31日、正式な飛行場(都営コミューター空港)として開港。

2006年(平成18年)4月1日、これまで調布飛行場内に置かれていた国の機関(国土交通省東京航空局および気象庁の官署)が廃止され、代わって東京都が情報提供業務等を行うこととなった。

旧飛行場時代の面影

2本の滑走路のうち東西方向の横風用滑走路は占領時代以降使用されなくなっていたが、1990年代前半まではどちらも航空写真などで旧軍時代の舗装跡をはっきり確認することができた。しかし、「関東村」の跡地が国から払い下げられて開発が始まると、旧滑走路や駐機場の舗装跡は撤去された。撤去後に改めて現在の滑走路、駐機場、その他の付属施設を新設したため、旧飛行場の面影は現在ほとんど残っていない(詳細に探せばごく一部に見つけることはできる)。

現在、移築保存された旧飛行場の門柱と飛行場北側に残された戦闘機用コンクリート掩体壕2つだけが公開されている(他にも掩体壕や対空砲砲座跡がいくつか残っているが、個人の敷地内なので公開されていない)。

運航路線

旅客ターミナル

旅客ターミナル内には新中央航空のチェックインカウンターや待合室、自動販売機トイレなどが設置されている。ATMや両替所、レストランなどはないが、ターミナル外の空港敷地内にレストラン「プロペラカフェ」がある。また、旅客ターミナル前にバス停がある。

所在地

〒182-0032 東京都調布市西町290番3号(東京都調布飛行場管理事務所)

アクセス

運行本数・運賃・経路等の詳細は、公式サイト等で最新情報を確認されたい。

バス

旅客ターミナル前の「調布飛行場」停留所利用。

電車

自動車

  • 調布駅からタクシーで10分程度。
  • 自家用車の場合は、駐車場(有料)がある。

データ

  • 面積:約39ha
  • 管制圏:2006年3月31日をもって廃止(以前は滑走路の中心点から高さ約750m半径5kmの空域となっていた)
  • 航空機の駐機可能数: 固定翼機90機 回転翼機(ヘリコプター)6機
  • 運用方式:有視界飛行方式 (VFR)

その他

  • 1962年東宝『紅の空加山雄三主演 映画の後半に格納庫に戦闘機の残骸が映っている。
  • 1966年1月2日日曜夜7時、ウルトラQの放送が開始された。新聞記者が調布飛行場から取材に行くのがよくでていた。
  • 鬼頭莫宏原作のコミックおよびTVアニメーション作品『なるたる』に、調布飛行場をモデルにした本木飛行場が登場する。神津島便も登場する。
  • 年に1回『調布飛行場まつり』が開催されデモ飛行などが一般に公開されるほか、オークションやフリーマーケット、スタンプラリーや屋台なども出て賑わう。2007年10月28日に開催。2009年10月18日に開催。
  • 荒井由実アルバム収録曲『中央フリーウェイ』では、調布飛行場は『調布基地』と歌われている。
  • 戦時中の拡張工事の際には、近藤勇の生家が工事の邪魔となり取り壊されている。
  • 皆川亮二「D-LIVE!!」エピソード18に登場。
  • 飛行場北側の都立武蔵野の森公園内に残存している戦闘機用掩体壕は、復元整備され公開されている。
  • 2006年9月23日に、調布飛行場を舞台にした映画『調布空港』(主演:大友康平)が公開された。
  • 竜騎士07原作のパソコンゲームソフトおよびTVアニメーション作品『うみねこのなく頃に』でも調布飛行場が使用された。
  • 2009年の第15回多摩川クラシコ川崎フロンターレは、FC東京のホームスタジアムである『味の素スタジアム』へ行くために、竹芝ふ頭からフェリーで一旦伊豆大島へ渡り、伊豆大島から飛行機で調布飛行場へ降り立ちスタジアムへ向かうというアウェイツアーを実施した。
  • アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』には、日本を侵略占領した神聖ブリタニア帝国軍「チョウフ基地」として登場する。

参考資料

  • 東京都発行のパンフレット「調布飛行場」

脚注

  1. ^ 東京都営空港条例”. 東京都 (2009年7月24日). 2010年3月19日閲覧。

関連項目

外部リンク