東海中学校・高等学校

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東海中学校
東海高等学校
東海中学校・高等学校正門
国公私立の別 私立学校
設置者 学校法人東海学園
校訓 勤倹誠実
設立年月日 1888年明治21年)11月7日
共学・別学 男子校
中高一貫教育 併設型(外部混合有)
課程 全日制課程
単位制・学年制 学年制
設置学科 普通科(高等学校)
学期 3学期制
高校コード 23514J
所在地 461-0003
愛知県名古屋市東区筒井一丁目2-35
北緯35度10分48.3秒 東経136度55分48.6秒 / 北緯35.180083度 東経136.930167度 / 35.180083; 136.930167
外部リンク 学校法人東海学園【東海中学校・東海高等学校】
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東海中学校・高等学校(とうかいちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、愛知県名古屋市東区に所在し、学校法人東海学園が運営する私立男子中学校高等学校。高等学校においては、中学校から内部進学した生徒と外部から入学した生徒を第2学年から混合してクラスを編成する、併設混合型中高一貫校浄土宗教校の一つである。

概要

1888年明治21年)浄土宗学愛知支校として設立された、名古屋市の中高一貫の男子校である。東海中学第二代校長は、仏教学者・ 浄土宗僧侶・政治家の椎尾弁匡。新制高校2代校長は、後に浄土宗大本山百万遍知恩寺法主となった林霊法。浄土宗に基づく仏教教育・情操教育を行うが、実家の宗教・宗派と異なっていても問題はない。

生徒の自主性を尊重する校風である。名前から東海大学の付属校と間違えられがちだが、無関係である。同一法人下に東海学園大学があるものの東海高校からの内部推薦制度はなく、一般入試による進学者もほぼ皆無である。

進学校であり、中部地方のみならず全国的に見ても高い進学実績を誇る[1]1931年昭和6年)に建てられた講堂は、国の登録有形文化財に指定されているほか、1992年平成4年)には名古屋市都市景観重要建築物等に指定されている[2]

全国高等学校囲碁選抜大会で2014年度に団体優勝している。また、国際数学オリンピック (IMO) では第55回(2014年)に金メダリストを輩出している。その他学力を競う大会において数多くの大会で全国優勝を果たしている(詳細は#活動を参照)。

沿革

宗教教育

生命尊重の仏教精神に基づく教育の下、広く生命を尊重する「共生(きょうせい・ともいき)」の心を培うことを目指している。人々が共生という言葉を知らなかった大正から昭和の初めにかけて、いち早く共生の大切さを説き、共生運動を展開したのが東海中学第2代校長の椎尾弁匡である。共生の思想は卒業生にもその後の人生に広く影響している。卒業生の梅原猛は、共生に関する多くの著作がある。また卒業生の黒川紀章は共生の思想を建築の領域で展開し、最晩年には共生新党を結成して政界への進出を試みた。

中学校は高校と比べ宗教教育に力を入れており、中学校では「宗教」という科目の授業が実施されている。宗教の授業は主に校内に設置されている明照殿(めいしょうでん)という施設で行われる。これは阿弥陀仏を中心に学園関係者の御霊をお祀りする殿堂であり、学園の象徴とされる。

平成一桁頃、全国の中学校で体育の時間を多く見せかけていたカリキュラムの偽装問題が発覚した時、一時的に「宗教」の科目は閉講されていた。

また、4時限目終了後に「食作法(じきさほう)」を実施している。行事等で校外での食事の際にも食作法は実施される。

他にも法要法話といった浄土宗の教えに基づく行事が年間で行われている。

進学

医学部医学科の進学者が多い。国公立大学医学部医学科の合格者は2008年平成20年)以来8年連続日本一である。2015年度の本校の生徒の大学合格者数は、東京大学27名、京都大学42名、大阪大学11名、名古屋大学61名、一橋大学8名、国公立大医学部医学科96名、慶應義塾大学76名、早稲田大学89名、私立大学医学部80名などである[3]

年間行事

サタデープログラムと九月祭、記念祭は当校の二大行事となっており、どちらも大きく客を集めている。また、このほかにも学外へと出向く行事が多い。

サタデープログラム

毎年6月と2月の2回、OB や学外の人材を招く土曜公開講座である(通称「サタプロ」)。学内の生徒のみならず誰でも無料で受講できる(一部有料、一部要申込)。2002年6月の開始以来、2012年2月で第20回を迎えた。各分野の第一線で活躍している人物から招聘している。愛知県および名古屋市の後援の下、企画・交渉の多くを生徒実行委員会により運営している。過去の講演者には、林修鳩山由紀夫岡田克也蓮舫田中康夫前原誠司加藤紘一亀井静香田原総一朗池上彰ピーター・フランクル益川敏英ドクター中松神野直彦塩見美喜子安冨歩等がいる。

水練会

毎年7月末頃に、三重県二見町において中学1年生の全員参加で行われる臨海学校。クラス別に色分けされたふんどしを装着し、泳力のある生徒は3kmを、あまり泳げない生徒でも1kmを完泳することを目標としている。ただし、かなりの長距離を泳ぐこともあり、危険極まりない学校行事でもある。初開催は1911年(明治44年)で、その後戦争による中断や開催日時・場所の変更が度々行われた。

九月祭・創立記念祭

どちらも毎年9月の最後の土日に2日間開催される。高校では「創立記念祭(記念祭)」、中学では「九月祭」という名称だが、総称して単に文化祭と呼ばれることもある。以前は別日程で行われていたが、2001年より中学と高校で同時開催するようになり、現在は高校・中学が同日程で行うことから併記して書かれることが多い。なお、数字(2013年平成25年)なら創立第125周年記念祭)は学校創立からの年数であり、記念祭の開催回数とは異なる。来場者数は1万人に上る。

2003年から高校生による宝塚歌劇団を捩った「カヅラカタ歌劇団」の演劇が呼び物となっている[4]。これを題材に、2012年に CBC の製作でTBS系列で単発ドラマ『ハイスクール歌劇団☆男組』(主演:大東俊介)が放映された。

部活動

中高一貫校だが、文化部の大半と運動部の一部が中高共に活動を行っている。

運動部
文化部
愛好会・有志その他(学校から部活動として公認されていない)

活動

国際科学オリンピックに関連する大会で、以下のような成績を上げている。

近年では、以下の大会で全国優勝を果たしている。

その他

  • 正門の正面にある明照殿(めいしょうでん)は、明照大師の号を持つ浄土宗宗祖法然を祀る仏殿として造られたが、第二次世界大戦中は当局の追求を逃れるため一時的に「明昭殿」と改名し、明治天皇昭憲皇太后を祀っているとしていた。そのため、現在でも明治天皇や昭憲皇太后の御真影が納められている。
  • 校舎の一部に創建当時の教室が埋め込まれている。
  • 第二次世界大戦中は校庭に防空壕が掘られた。
  • 制服は冬服が黒の詰襟学生服、夏服がグレーの開襟シャツに霜降ズボンとなっている(ただし、高校はシャツが白地のカッターシャツまたはポロシャツとなり、指定品等は存在しない)。この制服は制鞄、制帽共に100年近くほとんど変わっていない。
  • 中学では制服の他に制帽なども指定されている(白色の肩掛け鞄と濃紺の補助鞄。考査および式典時には補助鞄での登校が認められる。制帽に関しては大半の生徒が被っていない)。対して高校では生徒の自主性を尊重しており、靴・鞄などが自由になっている(ただしクロックス、サンダル、下駄、草鞋は禁止)他、携帯電話の持ち込みが許可されている。
  • チャイムは、「法然上人御歌」である、「月影」を使用している。
  • 校歌は中学・高校とも共通である。
  • 1960年代に全国で相次いだ学園紛争の際には、他校とは打って変わり「(そのような行為の内)暴力を伴わなければ、自主的な参加は認める」というスタンスを取っていた[6]
  • カヅラカタ歌劇団は男子生徒による宝塚歌劇を模した歌劇[7]。その様子はTVドラマ化され、2012年、TBSハイスクール歌劇団☆男組」として放送された。
  • 高校の卒業式には30年前、50年前の卒業生がそれぞれ招待され、オーケストラ部の演奏の中荘厳な雰囲気で始まるが、卒業生自身は12月に行われる宗教行事である卒業授戒会を「真面目な卒業式」、卒業式そのものを「ふざける卒業式」と認識しているため、卒業証書授与の際にズボンが落ちる、他校の女子制服を着てくる、送辞答辞に無数の冗談を仕込むなど、笑いと野次の絶えない非常に明るいものとなる。
    • 高3年2学期末の時点で不認定単位がある場合はセンター試験直後期に追試が行われるが、この追試において単位の取得に失敗した場合、卒業式への出席が認められない。そのため、センター試験後の追試に落ちた生徒たちを対象に行われる小規模の卒業式が"本来の"卒業式の後に何度か開催される。

著名な卒業生

政官界

法曹界

研究者

経済界

週刊朝日(2006年10月20日号)の日本の社長東証1部上場企業500人出身高校ランキングでは、全国8位に入っている。

文化人

スポーツ界

兄弟校

系列校

関連項目

出典

  1. ^ 学校法人東海学園【東海中学校・東海高等学校】/学校案内/進路”. 学校法人東海学園 東海中学校・高等学校. 2013年7月12日閲覧。
  2. ^ “名古屋市:都市景観重要建築物等指定物件”. 住宅都市局都市計画部都市景観室 (名古屋市). (2012年9月25日). http://www.city.nagoya.jp/kankou/category/358-1-0-0-0-0-0-0-0-0.html 2012年11月24日閲覧。 
  3. ^ http://www.tokai-jh.ed.jp/profile/04.html
  4. ^ “名古屋:女性になりきる男子高校生「カヅラカタ歌劇団」”. 毎日新聞. (2012年10月27日). http://mainichi.jp/select/news/20121027k0000e040167000c.html 2012年11月10日閲覧。 
  5. ^ “【Z会】優勝おめでとう!東海高校/日本一の天才高校生を決める学力コンテスト「..(株式会社Z会 プレスリリース)”. 財経新聞 (財経新聞). (2014年2月19日). http://www.zaikei.co.jp/releases/150618/ 2014年2月19日閲覧。 
  6. ^ 「ライバル校ものがたり 〜 旭丘高校VS東海高校」
  7. ^ http://snn.getnews.jp/archives/422734
  8. ^ http://www.tokai-ob.gr.jp/wp/?p=3394
  9. ^ http://www.tokai-ob.gr.jp/wp/?p=3394
  10. ^ http://www.tokai-ob.gr.jp/wp/?p=1125
  11. ^ http://maedam.iis.u-tokyo.ac.jp/kako2013.html
  12. ^ http://www.tokai-ob.gr.jp/wp/?p=3394
  13. ^ http://jsmh.umin.jp/journal/51-4/641.pdf
  14. ^ http://med.m-review.co.jp/magazine/detail1/J09_23_3_82-83.html
  15. ^ http://president.jp/search/word/%E9%87%8E%E6%9C%A8%E6%A3%AE%20%E9%9B%85%E9%83%81
  16. ^ http://www.chukei-news.co.jp/news/200810/06/articles_7130.php
  17. ^ http://shinmikawa.blog.fc2.com/blog-entry-64.html?sp
  18. ^ http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/810
  19. ^ 毎日新聞出版 週刊エコノミスト2012年10月2日号による
  20. ^ http://www.yahagi.co.jp/company/news/media/pdf/media-20120718ks.pdf
  21. ^ http://www.hida.academy/Y-2014haru/2014haru.html
  22. ^ http://www.tokai-ob.gr.jp/wp/?p=2549
  23. ^ http://www.tokai-ob.gr.jp/wp/?p=944
  24. ^ http://www.tokai-ob.gr.jp/wp/?p=1125
  25. ^ http://www.satprogram.net/list.html

外部リンク