半沢直樹
半沢直樹 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 |
池井戸潤 『オレたちバブル入行組』 『オレたち花のバブル組』 |
脚本 | 八津弘幸 |
演出 |
福澤克雄 棚澤孝義 田中健太 |
出演者 |
堺雅人 上戸彩 及川光博 片岡愛之助 滝藤賢一 中島裕翔 宮川一朗太 モロ師岡 緋田康人 加藤虎ノ介 宇梶剛士 壇蜜 赤井英和 石丸幹二 吉田鋼太郎 川原和久 手塚とおる 前川泰之 利重剛 駿河太郎 倍賞美津子 笑福亭鶴瓶 北大路欣也 (特別出演) 香川照之 |
ナレーター | 山根基世 |
オープニング | 服部隆之「テーマ・オブ・半沢直樹 〜Main Title〜」[注 1] |
エンディング | 同上 |
時代設定 |
1991 - 1992年(第1話冒頭) 2013年(第一部・大阪西支店編) 2014年(第二部・東京本店編) |
製作 | |
プロデューサー |
伊與田英徳 飯田和孝 |
制作 | TBS |
放送 | |
音声形式 | ステレオ |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2013年7月7日 - 9月22日 |
放送時間 | 日曜21:00 - 21:54 |
放送枠 | 日曜劇場 |
放送分 | 54分 |
回数 | 10 |
公式ホームページ | |
特記事項: 初回は1時間拡大(21:00 - 22:48)。 第3話は15分拡大(21:00 - 22:09)。 第6話は25分拡大(21:00 - 22:19) 第8話は前番組のバレーボール中継延長のため、5分繰り下げ(21:05 - 21:59)。 第9話は10分拡大(21:00 - 22:04)。 最終話は25分拡大(21:00 - 22:19)。 |
ドラマ |
『半沢直樹』(はんざわなおき)は、池井戸潤による小説「半沢直樹シリーズ」のテレビドラマ化作品であり、同作の主人公の名称。テレビドラマは2013年7月7日から9月22日までTBS系「日曜劇場」枠で放送された。主演は堺雅人。
『オレたちバブル入行組』をベースとする第一部・大阪西支店編と、『オレたち花のバブル組』をベースとする第二部・東京本店編の前後編二部構成[1]。
キャッチコピーは「やられたらやり返す、倍返しだ!!」、「クソ上司め、覚えていやがれ!」。
概要
原作では、共通の主人公が登場する連続した作品で各巻ごとに異なる書名を用いているが、テレビドラマの放送途中でタイトルが変わるのは好ましくないという判断から、統一タイトルに変更された[2]。また、主人公の生き様に焦点を当てるという意図から、主人公の名前を表題としている[2]。
本作は、銀行内部での不正を扱ったフィクション作品であり、一般的には視聴率を取りにくい「経済ドラマ」というジャンルである。銀行という男性の世界を舞台にしており、わかりやすく視聴率を取れるキャラクターが少ない、女の登場人物も少ない、目立った恋愛シーンも無し、主題歌や挿入歌といったテーマソングも無し、という「ないない尽くし」の作品で、本作以前のテレビドラマ業界の常識に逆行するものであった[3]。制作サイドとしては、主な視聴層を30代以上の男性と想定し、12 - 13%から徐々に視聴率を上げて最終話で20%、平均視聴率15%くらいが取れればそれで良いと考えていたという[3]。
しかし、実力派俳優陣による骨太の演技、わかりやすい主人公と敵、チャンバラを思わせるアクションシーン、リアルかつ時代劇調の脚本・演出、現代社会のサラリーマンのテーマでもある「本当は上司に言いたい!」といった心理を如実に映し出した内容が支持され、第1話から19.4%という高視聴率を獲得。その後も着実に視聴率は右肩上がりを続け、実際には女性から未成年層まで幅広い視聴層からの支持を得るに至り、2013年第3クール(夏クール)のドラマで最も大きな反響を得るに至った[3]。テレビドラマ版において主人公の決め台詞として多用された「倍返しだ!」というフレーズは視聴者の間で話題となり、メディアでも盛んに引用されるなど流行語にもなっている[3][2]。 最終話は関東で42.2%、関西で45.5%を記録し、同枠の『ビューティフルライフ』 (41.3%) を抜いて歴代第2位[注 2]となり、平成以降の民放テレビドラマ史上第1位となった。また、視聴率調査が現在のミノル・メーター方式となった1977年9月26日以降でも『積木くずし 〜親と子の200日戦争〜』の45.3%、『水戸黄門 第9部』(最終回)の43.7%に次ぐ民放テレビドラマ史上第3位の視聴率となった。瞬間最高視聴率は関東で46.7%、関西では50.4%という驚異的な数字を出している[4]。関西地区では同年の全テレビ番組の平均視聴率首位となり、関東地区でも、同年12月31日に第64回NHK紅白歌合戦第2部が平均視聴率44.5%を記録するまで同年の全テレビ番組の平均視聴率首位だった[5]。
監督もプロデューサーも、ここまでの人気を得られるとは考えていなかったという[3]。テレビの常識がいかに適当だったか、マーケティングというものがいかにアテにならないかということを痛感したとしている[3]。またTBSの福澤克雄は「(番組の)実力以上に周りが大騒ぎになった」「子どもたちにまで見ていただいた」とも語っている[6]。
なお結末には否定的な声も出たが、これはクリフハンガーという海外ドラマ定番の手法であり、主に続編が内定している作品で取られるものである[7]。
ストーリー
第一部
半沢直樹は、「上を目指す」と公言する有能な銀行マン。半沢がバンカーとして頭取を目指すことには、ある理由があった。かつて彼の両親が経営していた工場が傾いたことで産業中央銀行に融資を引き揚げられ、追い詰められた父親が自殺したという過去があり、亡き父親のためにも銀行を変えようという信念を持っていたからだ。
半沢が入行した産業中央銀行は2002年に東京第一銀行との合併を経て、世界第三位のメガバンク・東京中央銀行となる。しかし上層部では、旧産業中央派と旧東京第一派での醜い派閥争いが繰り広げられていた。
ある日、半沢が融資課課長として勤める東京中央銀行大阪西支店で、名誉ある最優良店舗賞の受賞を目指す支店長の浅野から、これまで取引のなかった「西大阪スチール」への融資話が持ち上がる。半沢は十分な審査をしようとするが時間を与えられず、浅野の鶴の一声で「無担保で5億円の融資」が決定し実行され、彼の目的通り大阪西支店は目標額を達成し最優良店舗の称号を獲得することとなった。しかしその後、優良企業と思われていた西大阪スチールは粉飾決算が発覚し倒産、社長・東田は雲隠れし、融資された5億が焦げ付く事態に陥る。
更に半沢は同期入行で東京本部勤務の渡真利からの情報で、浅野支店長が上層部に根回しを行い、5億の融資事故の責任を融資課長である自分に全て負わせて事態を収拾しようと画策していることを知る。一週間後の聞き取り調査までに雲隠れした社長の東田を見つけなければ、半沢は地方に島流し、つまり出向させられ銀行員にとっての終わりを迎えてしまう。
そんな中、大阪西支店に国税局の黒崎による支店査察が入る。これに疑念を抱いた半沢は、コピー機に仕掛けたハードディスクの保持データを調べ、その結果国税局も脱税で西大阪スチールを調べていることを知り、まだ回収できる「隠し資産」があると確信する。さらに元経理課長から裏帳簿を入手し、東田の居場所を突き止め彼に詰め寄るが、東田の愛人・未樹の不意打ちを受けて取り逃がしてしまう。
そして東京本部での聞き取り調査の日。浅野支店長の息のかかった人事部次長らに厳しく責任を追及される半沢は、浅野支店長との徹底抗戦を決断し、啖呵を切って言い放つ。
「私は必ず、5億を回収する!二度と邪魔しないで頂きたい!」
第二部
西大阪スチールの案件での活躍により、半沢直樹が東京中央銀行本部・営業第二部次長に栄転し、1年が経過しようとしていた。半沢は営業第二部のエースとして、数十人の部下達を現場で取り仕切り、自ら最前線で活躍していた。
そして金融庁検査を二週間後に控えた最中の東京中央銀行で、大口取引先であり最近200億円の融資がなされた伊勢島ホテルが、実は株の運用失敗により新たに120億円もの損失を出していたことが判明。経営再建のため中野渡頭取は伊勢島ホテル社長・湯浅からの依頼で、半沢をホテルの担当に任命する。もし伊勢島ホテルの経営再建策が金融庁に認められなければ1000億円以上という莫大な引当金の確保が求められることになり、東京中央銀行の経営に大きく影響する事態となる。
、しかし、今の段階で融資した200億を引き上げると伊勢島ホテルの経営破綻が懸念されたため、取締役会において200億の引き上げはせず、なんとしても伊勢島ホテルの経営を再建をすることに決定した。しかし株の運用失敗による巨額の損失を出した張本人である伊勢島ホテルの女性専務・羽根夏子は、何故か東京中央銀行へ非協力的であった。その前には120億の損失を銀行に告発した経理課長の戸越を解雇しており、さらに大和田と組んで社長をも失脚させ、自分がトップの座を奪おうと暗躍していた。一方、湯浅社長は経営再建に奔走しており、伊勢島ホテルの件を任された半沢との面会では経営改善の決意を表明する。
そんな中、メインバンクである東京中央銀行への戸越の告発を揉み消したのが、京橋支店支店長・貝瀬であることが判明する。京橋支店の歴代の支店長には、大和田常務とその部下である岸川といった旧産業中央派が歴任している。不正の疑いの濃い大和田に対して、半沢はバンカーの誇りを持って言い放つ。
「私は担当として、どんなことをしてでも伊勢島ホテルを守ります!」
登場人物
名前の読みや人物描写は原作及び公式サイト相関図および放送に基づく。
主要人物
- 半沢 直樹(はんざわ なおき)
- 演 - 堺雅人(少年期:中島凱斗)
- 本作の主人公。東京中央銀行大阪西支店融資課課長 → 東京本部営業第二部次長 → 「東京セントラル証券」営業企画部長。旧産業中央銀行出身。1970年12月8日生まれ。石川県金沢市出身。金沢市立線西小学校 → 金沢市立線山中学校 → 石川県立金沢星条高校 → 慶應義塾大学経済学部卒。体育会剣道部。
- 1992年[12]、産業中央銀行に入行する[注 3]。「やられたらやりかえす、倍返しだ!」[注 4]をモットーとし、曲がったことを誰よりも嫌う。それ故に上司の反感を買ってしまうことが多いが、部下からの信頼は厚い。常に亡き父親・慎之助が作ったネジを形見のように携帯している[注 5]。
- 第一章では、東京中央銀行の社宅[13]に妻と息子の3人で住んでいた。産業中央銀行と東京第一銀行の合併後、東京中央銀行大阪西支店の融資課長に着任し、中西ら部下と共に仕事に邁進していたが、西大阪スチールの5億の融資事故が起こった際、その責任を自分に負わせようとする支店長の浅野と対立し全面対決を開始。騙し取られた5億の回収に奔走していく中で、浅野が西大阪スチールの融資事故を仕組んだ黒幕であり銀行員として許されない不正を働いていた事実を掴み、部下の協力を得て不正の証拠の一部である彼の預金通帳を支店長室から盗み出した。その後、「花」というハンドルネームを使い不正をネタにした脅しのメールを送って浅野を精神的に衰弱させていき、最終的に彼が自分に謝罪するよう追い込んだ。その一方で宣言していた5億の回収にも見事に成功し、同時に通帳を含めた浅野の不正を裏付ける証拠を揃えたことで彼に対しても、「あんたを刑事告発する」と宣告していた。しかしその最中に夫を心配して支店長室を訪れ、そこで張り詰めた空気を感じた浅野の妻の利恵から、涙目のまま両手で手を握られながら「(浅野を)本当にどうかお願いします」と懇願されたことにより、温情として浅野の罪を見逃がす代わりに自分を東京本部の営業第二部に次長ポストで異動させること、融資課にいる半沢の部下たちを全員希望するポストに就けさせるという取引を持ちかけ[注 6]、彼に土下座をさせた。そして取引を受け入れた浅野の尽力により、半沢の部下たちは栄転となる部署へ異動し、自身も希望通りエリート中のエリートで構成された精鋭集団である東京本部営業第二部に次長として栄転することを叶えた[注 7]。
- 第二章では東京の社宅に住んでおり[13]、次長として多くの部下の信頼を得ながら活躍していたが、過去に深い因縁のある大和田を敵視していた。同時に東京中央銀行が金融庁検査を間近に控えている最中、大口取引先であり200億の融資がなされた伊勢島ホテルの120億損失の件で頭取からその担当を一任されたことによりホテルを守るために奔走し始め、その過程で大和田によるホテルへの不正融資の事実を掴み、今度は大和田との全面対決となる。そして伊勢島ホテルの経営再建に尽力していく中で、出向中の近藤からの情報により大和田がタミヤ電機を通じて迂回融資していたというもう一つの不正も知り、その証拠を集めるためにあらゆる手段を講じて事実関係を調べていった。その後、最終的に伊勢島ホテルの経営再建に成功して金融庁検査も乗り切り、直後の取締役会議で徹底的に大和田を追及し、事前に不正の事実を掴み脅していた岸川に証言させ彼の不正を認めさせた。更には大和田を他の取締役の面前で土下座をさせることで、彼が犠牲にしてきた者達の気持ちを思い知らさせ、父の復讐を果たした。
- そのめざましい功績から昇進間違いなしと思われたが、中野渡から大和田を取締役会で土下座させた件について「あれはやり過ぎだ」と叱責を受けた後「営業企画部長として東京セントラル証券に出向するように」と直接言い渡される[注 8]。
- 半沢 花(はんざわ はな)[13]
- 演 - 上戸彩
- ヒロイン。直樹の妻で専業主婦。非常に夫思いでその言葉が直樹の心の救いや、仕事上の問題解決のヒントにもなっている。結婚前はフラワーアレンジメントの仕事をしていた。銀行での夫の立場が悪くならないよう、気の進まない社宅での奥様会にも気を使いながら参加している。
- 渡真利 忍(とまり しのぶ)
- 演 - 及川光博
- 東京中央銀行東京本部融資部調査役。旧産業中央銀行出身。慶應義塾大学経済学部卒。
- 「人事が全て」と公言するほどの情報通[注 9]。入行当時は、プロジェクト・ファイナンス志望だった。
- 非常にクールで整然とした物言いをしていたが、半沢が東京本店に栄転してからは直接会う機会が多くなり、伊勢島ホテルの一件もあって、かつての熱い情熱が再燃してきている[注 10]。
- 自らの豊富な人脈と情報網で、大和田派に関する貴重な情報や、行内の動向を収集しており、同期の友人である半沢と近藤を常にサポートしていた。近藤が半沢と自分を裏切って、大和田との取引に応じたことを知った当初は、近藤の裏切りに対して時折嫌悪感を示していたが、半沢から「お前も近藤も、俺にとっては一生大事な同期の友だ」と聞かされてからは考えを改め、負い目を感じながら銀行に戻ってきた近藤を、半沢と共に笑顔で出迎えた。
半沢家
- 半沢 隆博(はんざわ たかひろ)
- 演 - 二宮慶多
- 直樹・花の息子。幼稚園児。大阪では、銀行での父親の立場が影響して、父をバカにした同級生と喧嘩を起こしていた。
- 半沢 慎之助(はんざわ しんのすけ)
- 演 - 笑福亭鶴瓶
- 直樹の父親。夫婦で金沢にて「半沢ネジ」というネジ工場を経営していたが、直樹が中学生の時、取引の半分を占めていた駒田工業が倒産し、見切りを付けた産業中央銀行から融資を打ち切られたことで絶望。後に内海信用金庫から融資の話が来る前に首吊り自殺する。「人と人とのつながりを大切にし、ロボットみたいな仕事だけはしてはいけない」という言葉を直樹に遺す。
- 半沢 美千子(はんざわ みちこ)
- 演 - りりィ
- 直樹の母親。内海信用金庫から融資を受けて半沢ネジの倒産を回避し、夫が遺した樹脂製ネジの事業を軌道に乗せる。会社を継がなかった息子に代わって、工場を切り盛りしている。第二章では息子を連れて実家を訪れた花に、自身の夫で直樹の父親である慎之助を自殺に追い込んだ張本人が大和田であることを話す。
近藤家
- 近藤 直弼(こんどう なおすけ)
- 演 - 滝藤賢一
- 秋葉原東口支店融資課課長代理 → 東京中央銀行大阪本店システム課 → 東京本部人事部扱い → 「タミヤ電機」経理部長 → 東京本部広報部調査役。旧産業中央銀行出身。慶應義塾大学商学部卒。体育会剣道部。半沢とは大学以来の同じ剣道仲間。
- 秋葉原時代に上司・小木曽からノルマ達成の極度のストレスを与え続けられた結果、統合失調症を患い、半年間休職する。大阪本店に異動し、神戸市に一戸建てマイホームを新築し家族と僅かな期間住むが、出向が決まり、マイホームの売却と一家そろっての転居を余儀なくされる。出向先が決まるまでは東京本部の通称・座敷牢[注 11]で名簿作成をしていた。半沢同様、正義感が強いが、道理に合わないことなどを耳にすると感情が高ぶって、場所柄やタイミングを考えずに声を荒らげてしまう時がある[注 12]。
- 出向先のタミヤ電機では、無責任な社長や自分を余所者扱いし見下す部下、難癖をつけて融資を拒絶する古里の板挟みに遭い精神的に追い詰められていたが、戸越のリーク情報を貝瀬が握りつぶし、古里がそれを黙認していた証拠を半沢と共に掴み、古里に融資を認めさせることに成功する。これを期にかつての覇気を取り戻し、自分を見下す部下たちを一喝し経理部長としての立場を解らせた。その後、粉飾決算で会社が4千万もの赤字を隠していた裏帳簿を発見し、社長と野田に直訴して会社の再建に尽力し始める。その中でタミヤ電機が転貸資金による不正融資をしていたことを知り、偶然にも不正融資先の会社である「ラフィット」の女社長・棚橋を見かけて尾行した結果、棚橋が大和田の妻であることを突き止め、そこからタミヤ電機の社長が大和田からの依頼で、大和田の妻が経営する「ラフィット」に東京中央銀行から融資された3千万円もの融資金を迂回融資した事実を掴んだ。その後社長を説得し不正融資の事実を認めさせて証言を得ることに成功するが、直後にそれを知った大和田から、タミヤ電機を通じての迂回融資に関する報告書を渡すことを条件として本行に戻すという取引を持ち掛けられ、同期の半沢・渡真利との友情と、相次ぐ転勤と出向で苦労をかけている妻子への罪悪感・もう叶わないと思っていた銀行員への復帰のチャンスの間で苦悩するが、最終的に自分の将来と生活のみを優先し、半沢や渡真利、タミヤ電機の社長を裏切り大和田との取引に応じ、入行当時からの念願だった東京本部の広報部に配属され調査役に就任し、東京中央銀行に復職を果たした。半沢と渡真利を裏切って大和田との取引に応じたことに負い目を感じており、その直後は彼らとの接触を一時期避けていたが、結果的には半沢から銀行への復帰を祝福され、渡真利とも和解した。
- 近藤 由紀子(こんどう ゆきこ)
- 演 - 山崎直子
- 近藤の妻。夫思いで、花とも仲が良い。花は新居を訪れ、家族生活を重視する近藤家をうらやましく思っていた。
- 近藤 洋弼(こんどう ようすけ)
- 演 - 大西利空
- 近藤の息子。
東京中央銀行
- 中野渡 謙(なかのわたり けん)
- 演 - 北大路欣也(特別出演[注 13][注 14])
- 頭取。旧東京第一銀行出身。「人」を大切にすることに重きを置いている[注 15]。
- 第二部では、伊勢島ホテルの一件で湯浅社長からの要望もあり、先の大阪西支店での融資事故を解決した半沢を伊勢島ホテルの担当に指名した。
- 半沢の追及によって反中野渡の代表格であった大和田の不正が明らかになるが、あえて大和田を軽い処分で済ませ、敵であった大和田とその派閥を逆に自らの勢力に取り込むことに成功する。
- 大和田 暁(おおわだ あきら)
- 演 - 香川照之
- 東京中央銀行常務取締役 → 取締役。旧産業中央銀行出身。1957年8月12日生まれ。東京都港区出身。現在は東京都大田区久が原在住。港区立赤坂旭丘小学校 → 都立金城中学校 → 私立帝都麻布台高校 → 東京大学法学部卒。
- 最年少で常務に抜擢された出世頭。派閥意識が強く、駆け引きに長けているが常に冷静で、これまで目にかけてきた部下であっても切り捨てる時は容赦がない。かつて半沢ネジへの融資の打ち切りを宣告し、慎之助が自殺するきっかけを作った張本人であり、更にそれは半沢ネジの取引先だった駒田工業倒産の損失を避けるため、わざと彼に情報を伝えず自宅を担保にさせるよう仕向けるための策略であった。大和田派の浅野が支店長を務める大阪西支店で起こった5億の融資事故の報告を受けてその過程で半沢の存在を知り、「旧産業中央銀行出身の優秀な男」として彼に興味を持ち、5億の回収に奔走する半沢を庇う働きを見せた[注 16]。そして半沢が最終的に5億の回収に成功したため、彼の脅しを受けた支店長の浅野からの依頼で半沢を東京本部第二営業部の次長として栄転させた[注 17]。その後、半沢を自分の派閥に取り込もうと誘いを掛けることまでしている</ref>。
- その一方で、旧東京第一銀行出身の現頭取である中野渡を追い落として次期頭取となる目論みの為、伊勢島ホテルの羽根専務と結託してホテルに不正融資を実行させ、金融庁検査を間近に控えた東京中央銀行に200億もの損失が出るよう仕組んだ。しかし同時に、頭取からの指名で伊勢島ホテルの担当となり、その不正の事実を嗅ぎ付けた半沢から宣戦布告されたことで遂に彼と敵対。金融庁検査を乗り切ることを名目に羽根専務をホテルの社長にして、それに反対する担当の半沢を更迭・出向することで彼を担当に任命した中野渡頭取も引責失脚させる策略を巡らすが、半沢の尽力により伊勢島ホテルの経営再建が成功したことで失敗。更には近藤の働き掛けにより、自身が彼の出向先であるタミヤ電機を利用して妻の貴子が経営する会社へ迂回融資していた件の証言を取られ一時は窮地に陥るが、それを伏せるため事前に近藤と接触し、タミヤ電機社長の迂回融資に関する証言の報告書を自分に渡すことを条件[注 18]に、東京中央銀行の希望するポストに戻すという提案で懐柔した[注 19]。しかし、取締役会での半沢の追及と岸川の土壇場での裏切りによって、難題となっていた伊勢島ホテルへの融資問題の黒幕だったことが露見したばかりか、タミヤ電機を通じて迂回融資していた事実まで明らかになってしまう。更には、以前の約束[注 20]を理由に半沢から土下座するよう迫られ、取締役たちの前で部下である彼に土下座をした。
- 不正が露見したことで、重く厳しい処分が待っているものと思われたが[注 21]、中野渡から言い渡された処分は、平取締役への降格という異例の軽さであった。行内融和を目指す中野渡が、旧産業中央銀行系の有力派閥のトップである大和田に恩を着せて、大和田派を自らの勢力に取り込むために手心を加えたのだろうと見られ、これによって二度と中野渡に逆らえなくなった。
- 岸川 慎吾(きしかわ しんご)
- 演 - 森田順平
- 業務統括部長 取締役 → 出向。旧産業中央銀行出身。大和田派の筆頭。大和田の不正に加担させられてきたほか、岸川の娘の婚約相手が金融庁の黒崎であり、そのことを嗅ぎ付けた半沢から、不正行為の行内およびマスコミにもリークすると脅され、それが嫌ならば「銀行員の良心」に従って大和田の不正を明日の取締役会で証言するよう要請される。
- 取締役会では大和田に圧力をかけられ傾きかけるが、半沢に威圧され、結局は大和田の不正を追及した半沢の報告書に間違いがないことを証言、今までの胸の内を吐露し泣き崩れてしまう。
- その後、詰め腹を切らされる形で出向させられる。
- 高木専務(たかぎせんむ)
- 演 - 三浦浩一
- 専務取締役。旧東京第一銀行出身。中野渡派を自認している。
東京本部
- 小木曽 忠生(おぎそ ただお)
- 演 - 緋田康人
- 秋葉原東口支店支店長 → 東京本部人事部次長 → 出向。旧産業中央銀行出身。
- 陰湿かつ粘着質な性格で、激しく机を叩きながら相手を叱責するパワーハラスメントの常習犯。近藤を心労からの休職に追い込んだ張本人でもある。元上司の浅野に肩入れし、第一部において反抗的な態度を取る半沢を転落させるために様々な嫌がらせを仕掛ける。
- 浅野と共に大阪西支店の裁量臨店を計画し、初日に半沢らが用意した資料を次々と不正に抜き取り、書類に不備があるように仕組んで糾弾した。しかし臨店の最終日、半沢の対抗策と渡真利の機転のきいた芝居で、抜き取った資料を自分の鞄の中に隠し持っていたことを突き止められる。それでも自らの不正を認めず言い逃れようとするが、中西の告白と証拠の録音で不正が明白となり敗北。その後左遷扱いで出向させられた。
- 高木(たかぎ)
- 演 - 志垣太郎[16]
- 東京本部の重役。中野渡派。
- 倉島 健太
- 演 - 吉永秀平
- 旧東京第一銀行出身。中野渡派の中堅行員。
- 問題を起こし、大和田派に与みしていないこともあり関連企業への出向が決まるが、大和田に土下座をして処分取り消しを嘆願する。
東京本部第二営業部
- 内藤 寛(ないとう ひろし)
- 演 - 吉田鋼太郎[注 22]
- 第二営業部部長。第二部での半沢の上司であり、部下である半沢の能力を認め信頼している一方[注 23]、上層部からの不条理な指令も必要と判断した時には受け入れ、渋る半沢を説得するなど、バランス感覚にも秀でる[注 24]。本作品で唯一まともな上司として描かれている。
- 小野寺 順治(おのでら じゅんじ)
- 演 - 牧田哲也
- 半沢を尊敬している。半沢からの信頼も厚く、共に伊勢島ホテルを担当する。
- 坂本 新之助(さかもと しんのすけ)
- 演 - 岡山天音
- 素直な性格で、半沢からも目を掛けられている。
東京本部融資部
- 定岡 崇之(さだおか たかゆき)
- 演 - 小須田康人
- 融資部。浅野の元部下。第一部で小木曽と共に半沢を5億の融資事故の件で責め立てるも、ことごとく論破され悔しがった。
- 川原 敏夫
- 演 - 井上肇
- 融資部。融資担当調査役。
- 灰田 雅樹
- 演 - 加藤虎ノ介
- 融資部。大和田派で、小木曽の腰巾着。半沢を潰すために浅野・小木曽が仕掛けた裁量臨店の検査役を務め、小木曽と共に半沢ら大阪西支店融資課のメンバーを徹底的に罵倒した。しかし、異常に気がついた半沢らが持ち物検査をおこなった際に、いかがわしい雑誌が発見され[注 25][17]、大阪出張を利用して風俗店で遊興していた可能性を暴露される羽目になった。更には小木曽の不正が発覚したことで立場を失い、半沢にこれまでの非礼を謝罪するよう迫られ、渋々謝罪した。
- 寺内 健太郎
- 演 - 松永博史
- 加納 正明
- 演 - 西沢仁太
- 上記2名は融資本部。中立派だが、小木曽の言いなり同然の立場。急に決定した大阪西支店の裁量臨店の検査を担当した。
- 福山 啓次郎(ふくやま けいじろう)
- 演 - 山田純大
- 第二部登場。東京中央銀行東京本部融資部次長。以前「MOF担」[注 26]だったことがあり、金融庁にパイプを持っている。データが全てと公言する合理主義者。タブレットPCを持ち歩き、情報処理に長けている。他人の顔を一切見ず、横柄な口調を飛ばす。大和田派のホープとまで呼ばれ、半沢に代わる伊勢島ホテルの担当に大和田・岸川から指名されるが、内藤が半沢の更迭に反対したため、模擬検査で担当を決定することになる。
- 模擬検査では検査官役を務め、「経営は人で決まる」という持論とデータで半沢を圧倒しようとしたものの、実は羽根はおろか湯浅にも会っておらず、岸川の評価を鵜呑みにしていたことを露呈してしまい、己の持論と行動の矛盾を突かれ、あっさりと敗北。その無様な負けっぷりで大和田から見限られてしまった。その後、岸川の命令で偽の疎開資料を作り、その行方を見守ることで伊勢島ホテルに関する疎開資料の隠し場所を突き止めたかにみえたが…
東京本部法人部
- 時枝 孝弘(ときえだ たかひろ)
- 演 - 高橋洋
- 調査役 → 名古屋の関連企業へ出向。旧東京第一銀行出身。半沢とは同期入行。
- 半沢が担当する約3か月前に伊勢島ホテルを受け持ったが、前任の古里から意図的に不十分な情報しか与えられず、その後明らかになった伊勢島ホテルの資金運用失敗に伴う莫大な損失の責任を一身に負わされる形で出向させられてしまう。
大阪西支店
大阪西支店は旧産業中央銀行系の支店で、融資高は全国でもトップクラスを誇る。
- 浅野 匡(あさの ただす)
- 演 - 石丸幹二
- 東京中央銀行東京本部人事部部長代理 → 大阪西支店支店長 → 「レイエス工機」マニラ中央工場へ出向。旧産業中央銀行出身。東京都港区出身。港区立白銀北小学校 → 大阪市立梅田第一中学校 → 大阪府立光曜高校 → 東京大学経済学部卒。西大阪スチールの東田社長は中学時代の同級生。
- 大和田の派閥に属し、大和田には低姿勢な一方、半沢に対しては殊の他高圧的で傲慢な態度を取る[注 27]。中学時代の同級生である東田と結託して西大阪スチールに5億の融資を騙し取られるよう仕組み、更にはその見返りとして融資した5億の内の5千万もの金を東田から不正に受け取っていた[注 28]。一方で半沢にその融資事故の責任を負わせようと様々な圧力をかけるも、彼がそれに反発したため敵対。行内で根回しし半沢を出向に追い込もうとするが、藤沢未樹を味方につけた半沢が東田の隠し資産を探し当て見事に5億を回収、同時に不正の証拠を握られたことで情勢が一変する。刑事告発も辞さない構えの半沢により、家庭や仕事上の立場まで崩壊寸前に追い込まれる。だが、事態を察した妻、利恵の懇願により、半沢は刑事告発をしないかわりに自分と部下を希望の部署へ異動させるという条件を提示、浅野はそれを受け入れたほか、以前交わしていた約束[注 29]通り彼に土下座をして詫びた。この取引に従い半沢ら融資課の者を希望の部署へ異動させたが、最終的には大和田に切り捨てられる形で、出向取り消しとなった半沢の代わりとしてマニラに出向させられた。
- この一連の裏には株取引の失敗で重ねた5千万もの借金を返済する目的があり、これが東田との結託と全ての不始末を自分に従わない半沢に被せるという陰謀の根本だった。
- 家族に妻・利恵や2人の娘、息子がいる。大阪西支店長時代は妻子を東京に残しての単身赴任だった。出向が決まった後、妻にはまた一緒に暮らせてホッとしていると打ち明けられた。
- 江島 浩(えじま ひろし)
- 演 - 宮川一朗太
- 副支店長。浅野の腰巾着。「虎の威を借る狐」を地で行く男で浅野の顔色を伺いつつ部下たちには横暴な態度を取り威張り散らしている。常に上司である自分達に従順でない半沢を快く思っておらず、西大阪スチールの融資事故の件で5億の回収に奔走する半沢を、浅野の意を汲んで妨害した。浅野が出向になったのに伴い、次に支店長との目論見は崩壊、他から来た新支店長の就任によりあえなく撃沈した。
- 中西 英治(なかにし えいじ)
- 演 - 中島裕翔(Hey! Say! JUMP)
- 入行2年目の融資課行員。まだまだ新人であるが正義を貫く半沢を尊敬し慕っており、浅野と小木曽が仕組んだ裁量臨店の場では、半沢を陥れるための小木曽の不正を目撃したことを、小木曽の脅しに屈さず証言した。半沢と浅野の約束により、希望していた関西支部最大規模の難波中央支店へ主任待遇で異動となった。
- 垣内(かきうち)
- 演 - 須田邦裕
- 融資課。当初は浅野からの支持で半沢の行動を監視していたが、結局尊敬する半沢を裏切ることはできず、途中で浅野の命令を辞退した。半沢と浅野の約束により、かねてからの希望だったニューヨーク支店へ異動した。
- 角田(かくた)
- 演 - モロ師岡
- 融資課。課内の良きまとめ役であり、半沢にとっては唯一の年上の部下。出世よりも地元に一生根付いていこうと決めている。大阪西支店に残ることを選び、半沢の後任として融資課長の座に就いた。
- 山村(やまむら)
- 演 - 小林徹
- 為替担当。東田の個人口座から東亜細亜リゾートへの5千万円の振込依頼書を発見し、中西に知らせた。国税が二回目の調査に来た際、半沢が保管庫に先回りし振込依頼書の原本を抜き取ったため、とばっちりを食う形で江島から管理の杜撰さを叱責された。
- 松下(まつした)
- 演 - 森山米次
- 庶務行員。国税が査察に入った際、半沢の指示でコピー機の内部に外付けハードディスクを取り付け、秘密裏に本体データとの同期を図る。結果、データの確保に成功し、国税が西大阪スチールを調査していることを突きとめることになった。
京橋支店
- 旧産業中央銀行出身の大和田や岸川が歴代支店長に名を連ねる支店であり、戸越曰く「東京中央銀行の闇の中枢」である。
- 貝瀬 郁夫(かいせ いくお)
- 演 - 川原和久
- 支店長。旧産業中央銀行出身。大和田派に属する。かなりの見栄っ張りでプライドが高い性格。
- 戸越の内部告発を受けた古里から伊勢島ホテルの損失の件を知らされるが、大和田の指示によりそれを黙殺してホテルへの不正融資を実行させるようにした。後にその証拠である古里からの報告書を掴んだ半沢から事実を追及されるも、自身の証言が簡単に否定されることと金融庁検査の最中であることを理由に証言しようとはせず、後にそれを知った大和田からも見放されることとなった。
- 古里 則夫(こざと のりお)
- 演 - 手塚とおる
- 融資課課長代理。
- 上司の顔色ばかり伺い、常に高慢な態度でものを言う。わざと不十分な引き継ぎをして時枝を罠にはめて出向に追い込んだ上、近藤のタミヤ電機への融資依頼に難癖をつけて拒絶し、小木曽同様に彼をいびって精神崩壊寸前にまで追い詰めていた。しかし半沢の策略により、支店長の貝瀬が戸越から伝えられた伊勢島ホテルの損失の件を無視し、自身がそれを黙認した証拠を半沢と近藤に握られあっさり屈服。その後損失に関する内部告発の報告書を手に入れるために半沢らに強制的に協力させられ、更にその後タミヤ電機への融資の件についても半沢に一喝され、融資をするようにとの彼の命令に従わざるを得なくなった。
- 羽出(はで)
- 演 - 骨川道夫
- 課長。旧産業中央銀行出身。京橋支店の金庫室の暗証番号を週交代で管理する担当課長の一人で、貝瀬と共に金庫室の疎開資料を運び出した。暗証番号のメモを自分のデスクの裏側に貼り付けている(半沢曰く産業中央バブル入行組の悪しき伝統)。
奥様会(第一部)
- 江島 沙苗(えじま さなえ)
- 演 - 田中美奈子
- 江島の妻。夫同様に傲慢で、副支店長夫人であることを鼻にかけている。社宅のリーダー的存在で、ことあるごとに夫人会を開催している。半沢の妻・花を見下し、あからさまに嫌っている。タロット占いを好み、社員の転勤を言い当てると評判だが、実は内部情報で社員の出向を知った上で、あたかも占いの結果かのように言っていただけであった。だが、花に対して「近いうちに引っ越しする」と嫌味を掛けたつもりが、直樹の栄転で良い意味になってしまい、花から「占い本当によく当たりますね〜!」と逆に嫌味を言われさらに隆博には「オバちゃん」と呼ばれ悔しそうな顔をしていた。
- 角田 美津代(かくた みつよ)
- 演 - 中田優子
- 角田の妻。社宅歴も長く、夫人会の連絡係を任されている。
- 垣内 芳江(かきうち よしえ)
- 演 - 宇田川さや香
- 垣内の妻。おとなしく気弱な性格で、リーダー格の沙苗の言うことに逆らえないでいる。
奥様会(第二部)
- 岸川夫人(きしかわふじん)
- 演 - 松居直美
- 岸川の妻。仕事をしている大和田夫人に代わって、東京中央銀行本部の奥様会を仕切っている。出世が見込まれる部下の妻に対しては好意的な態度をとる一方、更迭や出向が確実な銀行員の妻には冷たく接する[注 30]。
- 自分の娘が銀行の敵である金融庁検査官と結婚することを不安に思うようになり、花にそのことを打ち明けてしまう。
- 貝瀬夫人
- 演 - 小柳真由美
- 貝瀬の妻。
- 福山夫人
- 演 - 大森裕子
- 福山の妻。
大阪国税局→金融庁検査局
- 黒崎 駿一(くろさき しゅんいち)
- 演 - 片岡愛之助[注 31]
- 金融庁検査官 → 大阪国税局査察部統括官 → 金融庁検査局主任検査官。
- 切れ者のエリートではあるが、かつて金融庁検査で当時大手銀行だった大同銀行を破綻に追い込んだため謹慎のために国税局に異動させられていた。傲慢な性格で、オネエ言葉で話し、激高すると部下の急所を鷲掴みにしてオネエ言葉で怒鳴る。また、そろばんが得意で、第二部において目を閉じながら右手で算盤を打つ仕草をして即座に合計額をはじき出している。
- 第一部では、西大阪スチールの脱税調査を指揮し、半沢ら東京中央銀行の前に立ちはだかる。半沢が差し押さえた東田の所有していた5千万の別荘を横取りするなどして翻弄し、更には半沢同様に藤沢未樹に目をつけ接触して、彼女の脱税を一部見逃すという条件を付けて東田の隠し資産を回収しようとするも、半沢と手を組んだ未樹の計略によって出し抜かれ、最終的に半沢に先を越され隠し資産を全て回収されてしまい、半沢に対し更なる怒りを燃やす。
- 第二部では再び金融庁に返り咲き、伊勢島ホテルの120億損失の件を踏まえた金融庁検査を指揮する形で再び半沢と対峙。そして何者かのリークで貝瀬と古里の伊勢島ホテルの一件を扱った文書を半沢が疎開資料として手元に置いていたことを知り、部下を自宅に待機させて不意打ちの如く家宅捜査を行う[注 32]、偶発的に花が自分の実家に送ったことも知って追跡をかけるなど執念深い追跡をするがどちらもことごとく失敗に終わり、最終的に半沢がホテルの経営再建に成功し疎開資料も隠し通したことでまたしても敗れ去った。
- 実はこの一連の対決の裏では、岸川に「(東京中央銀行の)上層部が皆吹き飛べば、次期頭取も夢ではない」と吹き込み、大和田を裏切るよう仕向けていた。もっとも、半沢から自身の野心のために岸川の娘に近づいたのかと水を向けられた際にはそれを否定し、「好きになったのだからしょうがない」と純粋な恋愛感情であったことを述べている。
- 相模(さがみ)
- 演 - 石黒英雄
- 大塚(おおつか)
- 演 - 永岡佑
- 脇屋(わきや)
- 演 - 岡あゆみ
- 上記3名は大阪国税局査察部での黒崎の部下。
- 島田 亮太(しまだ りょうた)
- 演 - 竹財輝之助
- 木下 愛(きのした あい)
- 演 - 近野成美
- 上記2名は金融庁検査局での黒崎の部下で金融庁検査官。島田は長方形の顔をしており、半沢からはモアイと呼ばれる。
西大阪スチール融資事故関係者
- 東田 満(ひがしだ みつる)
- 演 - 宇梶剛士
- 西大阪スチール社長。大阪市立梅田第一中学校 → 私立なにわ高等学校 → 私立浪速大学経営学部卒。浅野支店長とは中学時代の同級生。
- ガラの悪い大男であり喫煙者でもある。粗暴で人心を掌握できない人間で、半沢からは「社長の器ではない」と宣告されている。自分の経営していた西大阪スチールに3年間の粉飾決算を続けさせ、計画倒産によって東京中央銀行から融資されていた5億を騙し取った。浅野とはかつて同じ中学の同級生で、東田は浅野を「ターちゃん」と呼んでいる。脱税によって得たものも含めて、12億もの不正資産を海外の銀行口座にプールしていた。表向きは自己破産したにもかかわらず、隠し財産で贅沢な暮らしをしており、愛人の未樹が勤務するクラブ「アルテミス」に入り浸り豪遊していた。また、衰退していく日本に見切りをつけて、急速な経済成長が進むベトナム・ASEANでの新事業立ち上げを目論んでいた。第一部は彼と隠し財産を差し押さえようとする半沢達との対決が主なストーリーとなっている。最後は半沢と未樹の結託により全財産を銀行に取り押さえられ一文無しになってしまい、逆上して半沢に襲い掛かるがあっさり返り討ちにされる。そして彼から「金さえあれば何でもできると思ったら大間違いだ」と一喝され、自身の破滅を知り泣き崩れた。その様子は彼を憎悪していたはずの竹下からも同情される始末だった。
- 藤沢 未樹(ふじさわ みき)
- 演 - 壇蜜
- 東田の愛人で大阪ミナミのクラブ「アルテミス」に勤めるホステス。西大阪スチールの融資事故の件で東田が半沢に追い詰められたとき、半沢に暴行し彼の逃亡を助けた。自分の経営するネイルサロンを開業する夢を叶えるため、東田に取り入っていた。しかしネイルサロンを出店するための事業計画・経営者としての資質を半沢から賞賛され、自分を通して銀行に融資を申し込んで欲しいことと東田の隠し資産の在り処・浅野の不正を裏付ける証拠の通帳を渡して欲しいという銀行員としての申し出に心打たれる。その後、未樹自身の違法行為には一切目をつむるという有利な取引を持ちかけてきた黒崎のいる国税局へと赴くが、実はそれは半沢と示し合わせた計略であり、その目的は国税局による家宅捜査を利用して東田が自分にすら隠していた隠し口座の在り処を突き止めるためだった。そして計略通り、東田から渡された通帳の中から隠し資産のある海外口座の通帳だけをバイク便で半沢の元に送り、残った通帳は全て黒崎に渡して出し抜くことに成功した。
- 竹下 清彦(たけした きよひこ)
- 演 - 赤井英和
- 竹下金属社長。首吊り自殺を図ろうとしているところを半沢に助けられる。西大阪スチールが不渡りを出した煽りで連鎖倒産した際に助けてくれなかった銀行を信用していないが、古い付き合いのマキノ精機・牧野社長(演:志賀廣太郎)の窮地を救った半沢だけは信用し、東田捜索に協力する。デジタル一眼レフを使用して東田の行動を隠し撮りし、半沢に有用な情報を与える。東田を崩壊させた後は、回収した資金で竹下金属を復活させると誓い、東京へ異動となる半沢を見送った。
- 波野 吉弘(なみの よしひろ)
- 演 - ラサール石井
- 西大阪スチール経理課課長。倒産後に鳥谷造船に再就職。西大阪スチールの裏帳簿を隠し持っていた。心臓病の持病があり、半沢の目の前で心臓発作を起こしていた。
- 板橋 平吾(いたばし へいご)
- 演 - 岡田浩暉
- 淡路鋼材社長。会社は竹下金属と同じく、西大阪スチールが倒産した煽りで連鎖倒産する。しかしその裏では東田と繋がっており、半沢と竹下の行動を妨害する。その後、藤沢未樹と極秘に面会しているところを竹下に撮影される。
- 小村 武彦(こむら たけひこ)
- 演 - 逢坂じゅん
- 小村建設元会長。東田の遠縁に当たり、多数の不動産を所有。信頼していたメインバンクに裏切られ、不正献金を検察に密告されたことで、一代で築いた小村建設から追われた。その後世間からは犯罪者のレッテルを貼られたことで娘からは嫌われ、また自らも父親失格と考え親子関係を断絶。さらにその後には死期が迫り入院を余儀なくされた。半沢の訪問時には強がっていたが、実は孫や娘と会いたがっていることを彼に見抜かれ、半沢が来生との取引で探し出した娘・優子(演:吉沢梨絵)と再会を果たす。その結果親子は和解し、まだ幼い孫・武志(演:上野蒼真)を含めた3人で今際の際まで充実した時を過ごすことが出来、そのお礼として半沢に東田の居場所を記した手紙を書き残した。
伊勢島ホテル
- 湯浅 威(ゆあさ たけし)
- 演 - 駿河太郎[注 33]
- 伊勢島ホテルの現社長。金融庁検査の件を踏まえたホテルの経営再建において、ワンマンだった父親とは異なった経営方針で伊勢島ホテルを立て直そうと奮闘する。大東京ホテルでホテルマンの修行を積んでいた時に半沢を知り、銀行員でありながらホテル再建に情熱を傾けた半沢を信頼する。中野渡に半沢を伊勢島ホテル再建の担当者にするよう依頼し、自らも再建計画のため海外の企業に渡りを付けるなど、かなりの行動派である[注 34]。
- 大和田と羽根の策略に半沢共々翻弄されるが、伊勢島ホテルを再建する最終手段「フォスターとの業務提携」という半沢の提案を承諾。フォスターと業務提携を交わしホテルの経営再建を果たし、それと同時に敵対していた羽根も更迭して一連の争いに終止符を打った。
- 羽根 夏子(はね なつこ)
- 演 - 倍賞美津子
- 専務。伊勢島ホテルでは最古参の社員。先代のワンマン社長の尻拭いをさせられてきた自分こそが伊勢島ホテルの社長にふさわしいと考え、大和田と結託してホテルの乗っ取りを企む狡猾な野心家。半沢に「金をどうにかするのがあなたたちの仕事でしょ」と言い放つなど態度も傲慢。株の運用失敗により120億円の損失を出した張本人であるが、25年以上も財務関連に携わっている仕事柄、一度会った人の顔と名前は忘れない技量を持ち、ホテルマンとしての技術は一級品である。
- 金融庁検査を乗り切る件を踏まえたホテルの経営再建を利用し、大和田の協力を得て現社長の湯浅を追い落として社長の座に上り詰めようとするが、半沢がホテルの経営再建の最後の切り札として提示した「フォスターとの業務提携案」を湯浅が承諾したことで失敗に終わり、更には撤回の要求も認められず仕舞で120億損失の件を理由に更迭されることとなる。ホテルを去る際に大和田の不正を取締役会に報告するため証言を手に入れるために訪れた半沢と対面し、証言はしなかったものの大和田と対決する覚悟を決めた半沢に大和田にはせいぜい気をつけろと忠告した。
- 原作小説から性別が変更された登場人物であり[2]、原作の羽根夏彦に相当する役回りの人物。テレビドラマ版のプロデューサーによれば、ドラマ版では羽根を「ホテルを愛して、仕事がすべてでのし上がってきた人が陥ってしまった悪」という解釈の元、独身女性という設定に変更したのだという[2]。
- 戸越 茂則(とごし しげのり)
- 演 - 小林隆
- 元経理課課長 → 廃品回収業者に再就職 → 伊勢島ホテルに復職。
- 伊勢島ホテルの120億損失の件を東京中央銀行に内部告発するが、貝瀬と古里に握りつぶされた上、逆にリークされてホテルを追い出される形で退職させられた。そのため東京中央銀行を憎んでおり、初めは半沢のことも拒絶していた。しかし最終的には半沢や近藤と協力して古里を追い込み、半沢が湯浅社長に通告してくれたことで復職を果たす。その後、半沢に感謝しながらも「京橋支店こそが東京中央銀行の闇の中枢」で、その証拠を探し出すよう助言した。
その他
- 銀行イメージキャラクター
- 演 - 夏目三久
- 東京中央銀行のイメージキャラクター。
- 来生 卓治(きすぎ たくじ)
- 演 - ダンカン
- フリーライター。西大阪スチールの5億円融資事故を調べている。小村武彦の家族捜索の見返りに西大阪スチールに対する5億円の融資失敗の情報を半沢から聞き出し、その記事がスクープとして『週刊ファスト』に掲載される。
- 浅野 利恵(あさの りえ)
- 演 - 中島ひろ子
- 浅野支店長の妻。支店長夫人ではあるが、穏やかで常識的な考えを持っており、部下の妻である半沢花とも対等に接する。だが、一方で夫の仕事には疎く、自分の夫が半沢と反目しあっていることを知らない。
- 半沢が浅野への逆襲を行っている最中に銀行を訪ね「こんな主人ですが、どうか宜しくお願いします」と、一見単身赴任の夫を思う気持ちを半沢に伝える姿をみせた(結果的に、この行動が夫を救うことになる)が、実はこの直前に家族水入らずの休日を過ごした際の夫の振る舞いを見て、夫が何かしらの不正を働いておりまたそれを半沢が追及していることも察していたようで、その後の行動も半沢に対して許しを乞うためのものだった節がある。
- 後に夫の東南アジア出向が決まり家族で移住する際、「いつか半沢さんに、きちんと謝りましょうね」と忠告している。
- 浅野 佐緒里(あさの さおり)
- 演 - 川島鈴遥
- 浅野 怜央(あさの れお)
- 演 - 若林瑠海
- 浅野の子供たち。
- 牧野(まきの)
- 演 - 志賀廣太郎
- 第一部に登場。第1話で半沢が融資のための審査に訪れたマキノ精機の社長。大口取引先の倒産に伴う融資引き上げに見舞われ不渡りを出す危機に陥っていたが半沢の尽力で3000万円の融資を得ることができた。
- 金属加工の試作品を手作業で作ることにポリシーを持っており、「もし作業の自動化が、融資の条件だとしたら?」との半沢の厳しい問いに「そうなったら他の銀行を探すまで」「これは私のポリシーだ。これだけは譲れません」と毅然と答え、半沢を感服させた[注 35]。
- この一件が、のちに竹下からの信頼を得る決定打になる。
- 飯田(いいだ)
- 演 - 柴崎真人
- 第一部に登場。内海信用金庫融資課。
- 田宮 基紀(たみや もとき)
- 演 - 前川泰之
- タミヤ電機の社長。必要な物事は全て部下任せにする無責任極まりない人物。出向で来た近藤を目障りに思っており、銀行から融資を受けるためには中期の事業計画書が必要だという彼の進言を一蹴し、更には会社の内情をも教えようとしないなど秘密主義を貫いている。だが、半沢の協力と励ましにより覇気を取り戻し前向きになった近藤に裏帳簿を発見されて粉飾決済の事実を問い詰められ、会社の為なら自分や野田との全面対決も辞さない彼の気迫に押されていた。
- 実は5年前、大和田と当時の京橋支店長だった岸川の依頼で、東京中央銀行から融資された3千万もの資金を大和田に転貸して彼の不正に加担しており、近藤がそれを嗅ぎ付けた時も、彼をまた別の地へ出向させるよう大和田への根回しも行っている。後にその事実が近藤や半沢らによって露見し始めた際、大和田に助けと転貸した3千万の返済を求めるもあっさり見限られてしまうが、近藤の説得により考えを改めて彼に一連の事情を証言、大和田にも手を切る旨の言葉を言い残す。結局この証言の報告書は大和田に懐柔された近藤自身の手によって大和田の手に渡ることになってしまう。しかしDVD版最終話では「私は君を責められるような立場にない」と近藤を笑って許し、銀行に戻る近藤に融資事件の処理を託す一方、大和田に気を付けるよう忠告している。
- 野田 英幸(のだ ひでゆき)
- 演 - 利重剛
- タミヤ電機経理課課長。近藤を疎ましく思っており、部下の前で彼のことを「元銀行さん」と呼ぶなど、近藤を見下すような言動を公然と繰り返していた。しかし、覇気を取り戻した近藤に一喝され、更には自身の行動に不審を抱かれたことで裏帳簿を握られた。DVD版最終話では、近藤が銀行に戻ることになりホッとするが少し寂しいと漏らし、近藤からは会社を立て直すよう激励を受けた。
- 小川(おがわ)
- 演 - 望月章男
- タミヤ電機経理課社員。若手だが、近藤に敬意を払わず辛く当たる。野田と同様、覇気を取り戻した近藤に一喝された。
- 油山 哲也(あぶらやま てつや)
- 演 - 木下隆行(TKO)
- 伊勢島ホテルのサブバンクである白水銀行の融資部次長。あだ名は「アブ」[18]。
- 半沢、渡真利の慶應義塾大学経済学部時代の同期で、大学時代はラグビー部所属。戸越のリーク情報を信用して伊勢島ホテルへの融資を止めたために損失を回避し、戸越に感謝している。
- 棚橋 貴子(たなはし たかこ) / 大和田 貴子(おおわだ たかこ)
- 演 - 相築あきこ
- 第二部登場。アパレル会社・ラフィット社長。タミヤ電機が転貸資金を行っていた相手であり、その正体は大和田常務の妻である。花からは無口で無愛想な人物だと評されている。
- 経営者としての技量はおろか経営能力すらも素人以下で、大赤字にも関わらず、一等地である南青山から店舗を移転することを考えさえしなかった。改善の無いまま資金を調達するために借金を重ねた挙句、街金に頼るまで経営は困窮し、夫である大和田が気付いた頃には、借金は1億円を超えるほど膨れ上がっていた。その返済のために大和田も経済的に困窮しており、タミヤ電機を利用しての不正融資に手を染めるまでに追い込まれていた。
- 彼女自身は罪悪感が希薄どころか皆無で、取締役会の前夜には「ミラノに新作の買い付けに行くため」として大和田へ当然のように100万を要求しており、「また用立てて」と悪びれもせず言ってのけるなど、大和田への無心は頻繁である模様。
用語
- 倍返し
- 半沢直樹の決め台詞。正確には、「やられたらやり返す。倍返しだ!」[19]。上司の支店長・浅野には「10倍返しだ!」、宿敵の常務・大和田には「100倍返しだ!」と言っている。原作小説では特に印象的な台詞ではあるものの少ない場面でのみ使われた台詞であったが[2]、テレビドラマ版では単発作品と異なり毎回の見せ場を作る必要があるため[2]、各話のクライマックスにおける決め台詞として多用されている。テレビドラマ版の放送中には視聴者の間で流行語にもなり[20]、2013年の「新語・流行語大賞」の年間大賞と2013年度ネット流行語大賞銅賞(3位)を受賞した(詳細は後述)。
- バンカー(Banker)
- 銀行経営者、または銀行員を指す言葉で、単なる事務職でなく専門職の意味合いが強い。劇中では「銀行員」の意味で呼ばれている。
- 出向(しゅっこう)
- 元の勤務先企業に籍を残すか、あるいは残さず、別の企業の従業員として勤務することをいう。残さない場合は転籍(プロスポーツ界でも使われる「移籍」)である。籍を残す場合は元の勤務先については休職扱いとなり、勤続年数、昇給についても凍結される。つまり同期に対してキャリアに差がつくことになる。作中では東京中央銀行から関連企業への派遣のことと説明され、元の東京中央銀行の所属(籍)は「3年」を限界に消滅し、以降は出向先企業の所属となり、本行への復帰は不可能となると説明されている。
- 定年間近の出向では、銀行の定年退職後も関連企業に採用されるなど利益をもたらす場合もあるが、作中では半沢達「バブル最後の入行組」や浅野など出世の為に謀略を重ねてきた主要人物にとっての「事実上の追放」の側面が特に強調されている。本編では、行員が自らの不手際などの責任をとる形で「出向」させられるが、第一部での半沢や第二部での時枝のように人事上の策略として行われる場合もある。
- 稟議(りんぎ)
- 元来の意味は、上司に審議してもらうために案件を提案すること。または、提案を発議する(案件を審議する会議の開催を働きかける)こと。ここでは、融資をする際に、融資先の財務状況などから融資の判断をする、銀行内での会議の意味で使われている。責任問題になるため、稟議にかける前の段階では、バンカーは融資先に対して「融資できます」などの返答・約束は、基本的に一切出来ない決まりとなっている。
- 裁量臨店(さいりょうりんてん)
- 支店による融資の与信判断が正しく行われているか調査することを目的とした、本部が執り行う銀行内部の監査のこと。「臨店」と略して呼ぶ場合もある。劇中では半沢を失脚させようと目論む浅野と小木曽により、半沢には臨店が行われる直前まで知らされないまま、更には検査対象の会社に業績不振で問題のある会社ばかりが選定された状態で仕組まれる。小木曽が裏で融資先のヒアリング調査書などを事前に抜取るなど不正を行って半沢を陥れようとするも、事態の異変に気付いた半沢らの反撃で失敗し、逆にその不正を暴かれたことで小木曽が失脚する羽目になった。
- 金融庁検査(きんゆうちょうけんさ)
- 銀行による融資が適正に行われているかを判断するための行政検査。劇中、伊勢島ホテルに対する東京中央銀行の融資と、その後の経営悪化を受け、この検査が行なわれている。
- 引当金(ひきあてきん)
- 将来の損失に備え、会計上、負債として計上される金額。劇中では貸倒引当金を単に「引当金」と呼んでいる。特定の融資先について回収できない可能性が高いと判断された場合に、帳簿上、回収不能見込額を引当金として負債計上し、同額を当期の費用として計上する(実際に金銭を支払うわけではないが、予算凍結に等しいため経営に重大な支障をきたす)。劇中では、金融庁検査の結果、伊勢島ホテルに対する融資の回収可能性に問題があると判断された場合、1000億円以上の引当金計上が必要となることが予想されるとされ、会計上の利益が大きく目減りすることになるため、株価の大幅下落に繋がる。それにより、銀行の経営基盤に大きな悪影響が出ることが予想され、最悪の場合には破綻する恐れすらある。
- 与信判断(よしんはんだん)
- 相手先の財務状況などに基づき、融資の可否を判断すること。期限などの条件や、上限枠の設定なども含む。また、直接お金を貸す融資だけでなく、先日付の売買や売掛金回収など、債務者の信用リスクを負う行為全てにかかる判断も行う。
- 疎開資料(そかいしりょう)
- クレジットファイルという各取引先ごとに融資の経緯を記録した資料集の中でも特に外には漏らせない資料であり、同時にこれが無くては不祥事等が起きた際の経緯がわからなくなる重要書類のこと。
- 劇中、戸越が伊勢島ホテルの120億円の損失を東京中央銀行京橋支店融資課に内部告発した際の報告書が、大和田の指示を受けた貝瀬支店長により揉み消され「疎開資料」扱いとなった。
- 東京本部第二営業部
- 東京中央銀行の本店にある、トップクラスのバンカーだけが入れる部署。半沢曰く「(東京中央銀行の)エリートが集う精鋭集団」。第一部の最後で、半沢が浅野を刑事告発しないことを条件に、次長待遇での異動を叶えた。「(本店)営業第二部」または「営業二部」とも呼ばれる。
- 転貸資金(てんたいしきん)
- 銀行などの金融機関から貸出された資金が、直接の借入先に使用されずに、第三者へと「又貸し」されること。劇中(第8話)では、田宮社長が東京中央銀行から受けた3000万円の資金が、そのままアパレル系会社・ラフィットに「転貸資金」されたのではないかという描写がなされている。
- 迂回融資(うかいゆうし)
- 銀行が融資できないような相手に、顧客を通じて金を「又貸し」する詐欺行為のこと。
- MAN-ZOKU(まんぞく)
- 西大阪支店に対する裁量臨店の際に灰田調査役が持参していた風俗情報誌[注 36]。抜き取られた資料を探す手荷物検査の際に図らずもその存在が露見し、監査に臨む人間に凡そ相応しくない緩みきった感覚は、今回の臨店が半沢を陥れるために仕組まれたものであることを如実に表すこととなった。
スタッフ
- 原作 - 池井戸潤『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』(文春文庫刊)
- 脚本 - 八津弘幸
- 音楽 - 服部隆之
- 演出 - 福澤克雄、棚澤孝義、田中健太
- ナレーション - 山根基世
- 脚本協力 - 坪田文
- 演出補 - 棚澤孝義、田中健太
- 監督補 - 川嶋龍太郎
- 撮影監督 - 淺野太郎
- CG - 酒井基宏
- タイトル - 井田久美子
- 音楽コーディネーター - 溝口大悟
- 選曲 - 御園雅也
- アクションコーディネーター - 辻井啓伺
- 税理士監修 - 坂本剛
- 剣道指導 - 永島宗行
- スチール - 品川裕之
- インターネット - 佐藤英子、山田香織
- 番組宣伝 - 川鍋昌彦
- 広告企画 - 秋山真人
- 記録 - 福寿香里、舘野弘子
- 編成 - 岸田大輔
- 制作進行 - 露崎裕之
- プロデューサー - 伊與田英徳、飯田和孝
- プロデューサー補 - 萩原孝昭
- 製作著作 - TBS
放送日程
部 | 放送回 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率 (関東)[21] |
視聴率 (関西)[22] |
---|---|---|---|---|---|---|
第1部 | 第1話 | 7月 | 7日やられたら倍返し! 悪い上司に立ち向かうニューヒーロー誕生!! 5億を取り戻せるか? 社宅での妻たちの戦い 出世か? 友情か? |
福澤克雄 | 19.4% | 20.6% |
第2話 | 7月14日 | 上司の濡れ衣を振り払え! 悪者に倍返し | 21.8% | 19.9% | ||
第3話 | 7月28日 | クソ上司に倍返し! 部下のピンチを救えるか!? 裏切り者も出現 | 22.9% | 25.6% | ||
第4話 | 8月 | 4日10倍返しなるか! 上司と部下の裏切り | 27.6% | 27.5% | ||
第5話 | 8月11日 | 半沢が出向に…!? 生き残りをかけた戦 | 棚澤孝義 | 29.0% | 29.5% | |
第2部 | 第6話 | 8月25日 | 5億から120億! 東京で、倍返しなるか 本店に異動した半沢は巨大な敵と戦う!! |
福澤克雄 | 29.0%[23] | 32.8% |
第7話 | 9月 | 1日半沢が土下座する! 絶体絶命の大ピンチ | 棚澤孝義 | 30.0% | 31.2% | |
第8話 | 9月 | 8日強敵ライバル登場! 負ければ出向の危機 | 田中健太 | 32.9% | 32.7% | |
第9話 | 9月15日 | 最終決戦!〜出向をかけた金融庁検査!! | 福澤克雄 | 35.9% | 36.7% | |
最終話 | 9月22日 | 100倍返しなるか 最後に土下座するのは誰だ! 〜衝撃の結末!! 友情か?裏切りか? |
42.2%[24] | 45.5% | ||
平均視聴率 28.7%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
- 備考
-
- 初回は1時間拡大(21:00 - 22:48)。第3話は15分拡大(21:00 - 22:09)。第6話・最終話は25分拡大(21:00 - 22:19)。第9話は10分拡大(21:00 - 22:04)。
- 第8話は前番組のバレーボール中継延長のため、5分繰り下げ(21:05 - 21:59)。
- 関東地区において、初回と最終回の差が22.8%で、連続ドラマで初回と最終回の差が10%以上及び20%以上を記録したのはいずれも2011年10月期の『家政婦のミタ』(日本テレビ系)(19.5%→40.0%、20.5%)以来となった。TBSとして、最終回で10%以上を記録したのは1995年7月期の『愛していると言ってくれ』(17.5%→28.1%、10.6%)以来の記録となる。また、初回と最終回の差が20%以上を記録したのは1992年7月期の『ずっとあなたが好きだった』(13.0%→34.1%、21.1%)以来の記録となる。
- 7月21日はJNN選挙特別番組『夏の決戦!参院選2013 ニッポンどこへ行く!? 〜あなたが選んだ未来〜』放送のため休止。
- 8月18日は『世界陸上モスクワ2013』女子400メートルリレー放送のため休止。
- 42.2%を記録した最終回放送後より、NHK総合テレビ『第64回NHK紅白歌合戦』との年間視聴率1位争いを注目する向きが出ていた[25]。Yahoo!ニュース意識調査において、「『紅白』と『半沢』、視聴率争いを制するのは?」との意識調査が行われ、本作勝利を予想する声が圧倒的であった。しかし、結果は同紅白の第2部で44.5%を記録し、上回ったため、年間視聴率では2位となった(民放に限れば年間1位)。
原作との相違点
基本的な設定
- 原作では直樹には弟・和樹がいるが、ドラマでは登場せず、一人っ子の設定である。
- 原作では直樹の父・慎之助、母・美千子の名前は不詳。また、銀行に融資を打ち切られて、慎之助が首吊り自殺を図るという設定もドラマオリジナルであり、原作では、直樹が銀行に内定した段階で父は健在である。
- 半沢の入行年は、原作では1989年のところ、ドラマでは1992年。
- 来生卓治、半沢美千子は『オレたちバブル入行組』、大和田暁、中野渡謙、黒崎駿一は『オレたち花のバブル組』のみで登場するキャラクターであるが、ドラマでは『入行組』が原作の第一部、『バブル組』が原作の第二部、両方に登場している。
- 大和田の出身銀行は、原作では旧東京第一銀行であるが、ドラマでは旧産業中央銀行に変更されている。
- 妻である花と直樹の接し方が大きく異なり、花は原作では悪妻として描かれているが、ドラマでは直樹の良き理解者であり、明るい性格となっている。
- 原作では描かれていた半沢の同期である苅田などがドラマでは登場しないなど、同期のエピソードがカットされている。苅田が登場しない代わりに、第二部・東京本店編では大学時代の同期でありドラマオリジナルキャラクターでもある、白水銀行の油山が登場する。
- 半沢や近藤が剣道を嗜んでいる設定がドラマにて追加されている。半沢が剣術を披露する立ち回りはすべてドラマオリジナルである。
- 行員の妻の集まりである奥様会はドラマオリジナルである。
第一部・大阪西支店編
- 直樹の父・慎之助の工場の融資を打ち切った担当の銀行員が大和田に変更される[注 37]。原作では木村という浅野とつながりがあった業務統括部所属の部長代理でドラマ未登場。
- 竹下が自殺を図ったり、板橋が資料を強奪しようとするエピソードはドラマオリジナル。
- 小木曽の不正行為を暴く場面では、ドラマでは半沢の部下である中西の自発的な行動や渡真利の機転が強く影響しているが、原作においては半沢が資料抜き取りの現場を事務員に見張らせるなど終始半沢の行動、指示で解決している。
- 小村のエピソードはほぼドラマのオリジナルで、原作における小村は老人ホームにいることが説明されているが、半沢とは接触しない。
- 来生はドラマではフリーライターだが、原作では民間調査機関に属しており、半沢と依頼で調査を行い、東田の持つマンションなどの調査とその報告を行っている。
- 東田はドラマ版ではベトナムで事業を起こそうと画策していたが原作では中国。
- ドラマで東田の資産の証拠を持ち出させるのに、東田の愛人・未樹に半沢らが話を持ちかけているが、原作において半沢らは未樹と会話するシーンはなく、未樹と付き合いがあった板橋を利用している。未樹のネイルサロンの下りや、半沢が開店の融資話を持ちかけるのはドラマオリジナル。
- 原作では出向の内示が出る前に半沢は債権を回収している。浅野は支店長を降ろされるが、出向を示唆する程度でドラマのように具体的な出向先は明示されない。
- 原作では黒崎駿一は大阪国税局統括官ではない[27]。
第二部・東京本店編
- 原作では伊勢島ホテルの羽根専務は男性だが、ドラマでは女性に変更されている[2]。名前も、原作の「夏彦」がドラマでは「夏子」に変更された。
- 古里が不正を行った証拠が入った疎開資料の置き場が原作では貝瀬の自宅であったがドラマで銀行の金庫内に変更される。原作では古里が単身で貝瀬の自宅に取りに行っている。
- ドラマ上、京橋支店は「旧産業中央銀行」の主力支店とされていたが、原作では「旧東京第一銀行」の主力支店の相違点がある。
- 花が息子と直樹の実家に行くエピソードは完全にドラマオリジナルである。
- 半沢が自宅に疎開資料を置いたままにし、花が勝手に資料を実家に送付して難を逃れるのはドラマオリジナル。原作では半沢が先を読み、自宅には保管しなかった。また、ボイラー室の疎開資料を偽物の箱を見せて実はその場に本物の疎開資料があった、というのもドラマオリジナルであり、原作では偽の箱はあるが本物は直前に花の実家に送付している。
- タミヤ電機が3000万円を流した会社である『ラフィット』が原作では『ラファイエット』と名前が異なる。また、近藤がラファイエット社長と会話するシーンなど原作のエピソードがドラマではカットされている。
- 田宮社長が迂回融資を報告することを大和田に伝える場面は、原作では直接会って大和田に伝えた。ドラマでは留守番電話に録音して伝えた。
- また、原作では大和田は「土下座」をして取り下げるように懇願した。ドラマでは、「土下座」を「『無能な奴ら』が行う『情に訴えるだけのくだらないパフォーマンス』」としている。
- 岸川の娘が黒崎と結婚する下りが原作では半沢らが新聞社の記者から情報を受け取り、そこから露呈していたがドラマでは奥様会にて岸川の妻が花に話してしまったことから露呈するようになっている。
- 半沢が取締役会の重役らの眼前で大和田に土下座を要求する下りはドラマのオリジナルである。
- 原作では大和田は降格の後に最終的に出向(行き先は不明)させられるが、ドラマでは降格だけで終わるように変更されている。
受賞
- ギャラクシー賞 テレビ部門 2013年9月度月間賞(2013年)
- 受賞理由として「銀行という世界の細かいリアリティが随所に登場し、ドラマの面白さというものを十分に味あわせてくれた久しぶりの快作」という作品自体の評価に加え、「堺雅人の好演に加えて小木曽役の緋田康人、近藤役の滝藤賢一など脇役の熱演ぶりも光った」として俳優陣の演技も評価された[28]。
- 第78回ザテレビジョンドラマアカデミー賞(2013年)
- 以下の各部門で受賞した[29]。
- 作品賞2位
- 主演男優賞 - 堺雅人
- 助演男優賞 - 香川照之(2位に片岡愛之助)
- 監督賞 - 福澤克雄
- GyaO Entertainment Awards 2013 GyaO!ストアTVドラマ部門賞(2013年)
- 有料映像サービス「GyaO!ストア」にてユーザーに最も支持されたコンテンツとして受賞した[30]。
- 第26回 2013 小学館DIMEトレンド大賞 特別賞(2013年)
- 「今年社会現象を起こした大ヒットドラマ『半沢直樹』を制作し日本中のビジネスマンを大いに元気づけてくれた」ことを表彰理由に受賞。藤沢未樹役を演じた壇蜜も同じく特別賞を受賞した[31]。
- 2013ユーキャン新語・流行語大賞 トップテン・年間大賞(2013年)
- 劇中に登場する台詞「倍返し」が受賞。受賞者は主演の堺雅人およびTBS『半沢直樹』チーム。「今でしょ!」(林修)、「お・も・て・な・し」(滝川クリステル)、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』の劇中に登場する台詞「じぇじぇじぇ」(宮藤官九郎・能年玲奈)との同大賞創設以来史上最多の4語同時受賞となった。「やられたら、やり返す!」という胸のすくような筋書きが「巷の人気を独り占めした」として選出された[32]。
- 2013年度ネット流行語大賞銅賞(2013年)
- 同じく劇中の台詞「倍返しだ!」が受賞[33]。
- 第68回日本放送映画藝術大賞 放送部門(2014年)
- 以下の各部門で受賞した[34]。
- 2014年(平成26年)日本民間放送連盟賞(2014年)
-
- 番組部門 テレビドラマの部 優秀賞
- 2014年 東京ドラマアウォード
-
- 作品賞・グランプリ(連続ドラマ部門)
- 主演男優賞 - 堺雅人
- 演出賞 - 福澤克雄
- 第19回アジア・テレビジョン賞2014(2014年)
-
- 最優秀作品賞 ドラマ部門 [37]
反響
- ロケ地観光
- 東京中央銀行大阪西支店の建物の外観には、大阪駅前の梅田阪急ビルに看板をCG合成したショットが使用された[9][8]。また、関西地区では第5話の瞬間最高視聴率が32.6%を記録するなど特に人気を得ていることから、ヒルトンプラザ大阪、阪急百貨店うめだ本店、梅田スカイビル、芦有ドライブウェイなど、一連のロケ地が観光名所化している[9]。その後も人気は衰えず、ロケ地の1つである道頓堀では飲食店に「倍返しだ」にちなんだ新商品が登場したり、ロケ地目当ての観光客も増え始めている[38]。
- 半沢直樹 倍返し饅頭
- オフィシャル商品として2013年8月中旬からTBSストアで発売された『半沢直樹 倍返し饅頭』は、それを買い求めるサラリーマンなどで長蛇の列になり、同月9日から先行発売されたネット通販でも1か月待ちになるほどの人気を博している[39]。
- 台湾での反響
- 台湾の有力紙自由時報は、2013年9月12日付の政争を伝える記事に主人公の決め台詞「やられたら倍返しだ!」をそのまま引用している[40]。台湾では同年10月7日から同年10月18日まで『半澤直樹 王牌銀行員』(『半沢直樹 エース銀行員』の意)のタイトルで、日本専門チャンネル「緯来日本台(VIDEOLAND JAPAN)」にて放送され、平均視聴率が1.49%[41]、最高視聴率が1.60%[注 38]を記録し大ヒットとなった。1996年の同チャンネル開局以来、ドラマ部門では最高視聴率である[41]。
関連項目
- 半沢直樹シリーズ
- ママカースト(奥様会における位置)
- みずほ銀行(「半沢直樹」最終回終了後、暴力団融資問題が発覚したことが明らかになっている)
- ぴったんこカン・カン - 2013年10月4日に「半沢直樹お礼参り」と言う企画を行った。番宣でゲストが参加する内容メインなので、番組終了からの企画は記憶に無いほどだと安住紳一郎が語っていた。この放送では堺、池井戸、福澤ディレクターが登場した。なお放送開始前の同年7月5日にも番宣で堺と香川が出演し、りそな銀行赤坂支店を訪問した。
- 吉本新喜劇 - 辻本茂雄が演じるキャラクター『花沢直樹』。
- 関連作品
- リーガル・ハイ - 堺主演のフジテレビ系ドラマシリーズ。本作終了直後の2013年10月より第2シリーズが開始(第1話では本作の台詞のパロディがあった)。
- 花咲舞が黙ってない - 杏主演の日本テレビ系ドラマシリーズ。同じく池井戸潤原作の小説(原作は同著者の『不祥事』『銀行総務特命』)であり、舞台も本作と同じ銀行[注 39]となっている。また、主人公と半沢直樹の性質に共通する点もあり、一部では女性版半沢直樹と報道されている[42][43]。
脚注
注釈
- ^ 日曜劇場 半沢直樹 オリジナル・サウンドトラック より。
- ^ 日曜劇場の最高記録は『女たちの忠臣蔵』(1979年、42.6%)である。
- ^ 1970年12月生まれだと、4年制大学の在籍期間は1989年4月から1993年3月(浪人も留年もしなかった場合)なので矛盾している。ちなみに慶應義塾大学の早期卒業制度は2007年4月以降に第1学年として入学した者を対象としているため、1989年入学の場合不可能である。
- ^ 時には10倍返し、100倍返しとも言っている。
- ^ 第1・8話の、それぞれ回想シーン、社宅での花との会話シーンから。
- ^ 第5話の支店長室でのやりとりから。
- ^ 半沢は、5億円の回収ができなければ東南アジアの方へ出向させられるはずだったが、回収を見事に成功し栄転したため彼の代わりに浅野が東南アジアの方へ出向となる。
- ^ 元銀行員の大関暁夫は役員候補に金融業務を学ばせるために他の金融機関に出向させることはあり、さらに関連会社の職位は本体のひとつ下の職位に相当するので、部長職での出向は本体の副部長に相当し、半沢にとっては昇格となるので、半沢が不満を感じるべき異動ではないと解説している[14]。ただし、半沢が昇格となったものの出向させられるという人事は、功績を認めつつも組織の混乱を引き起こした当事者として半沢を冷却ポストに置き、組織の安定と本人の反省を促すという、銀行によく見られる「昇格But一回お休み人事」ではないかとも大関は分析している[15]。
- ^ 初登場から半沢に東京本部内部の情報を与えるなど、影から半沢をサポートをしている。
- ^ クールで整然とした物言いは第一部の描写、熱い情熱が再燃は第二部からの描写より。
- ^ 問題を起こした行員が処分決定まで過ごすという場所であるが、今回新たな問題を起こしたのではなく、本人は当初は栄転になると思っていたぐらいである。これに関して渡真利は「かつて病気という爆弾を抱えたため、近藤を人事部が切り捨てた」と半沢に説明している(第1話より)。
- ^ 第二部、主に第7・8話におけるタミヤ電機の一連の財務業務に関する描写、および東京中央銀行本店での半沢、渡真利との会話シーン。
- ^ 同じドラマ枠で放送された華麗なる一族でも大手銀行頭取を演じた。
- ^ 堺とは同じドラマ枠で放送された「官僚たちの夏」でも共演している。
- ^ 中野渡は「銀行員は莫大なカネを動かす力を与えられているが、その気になれば人ひとりの人生を生かすことも殺すことも出来てしまう。だからこそ銀行員が見るべきものはカネではなく人である」という旨を語っている。
- ^ 本部での聞き取り調査の後、小木曽らが半沢を出向させようとするのを押さえている。
- ^ 逆に半沢の代わりとして支店長の浅野を出向させた。
- ^ 一方で、渡さなければ北海道根室市へのさらなる出向という条件もつきつけた。
- ^ その後、大和田は近藤との約束通りに、彼を東京本部の広報部に調査役として配属している。
- ^ 第6話での半沢との約束。
- ^ 劇中で大和田は、自らの行いに対して「懲戒免職になっても文句は言えない」と語り、ありそうな出向先として北海道や九州の中小企業(非金融業)を自嘲的に挙げていた。
- ^ 演じる吉田鋼太郎は、同時期に放送されたNHK制作の同じ原作者の作品「七つの会議」にも出演していた。
- ^ 金融庁検査の最中に半沢を更迭しようとする上層部に反抗。大和田には「不当人事だ」と、断固半沢を守る姿勢を示した(第8話より)。
- ^ 半沢とのやりとり(大和田からの接待の受諾を上司であるにも関わらず頭を下げ懇願する)などから(第6話より)。
- ^ 劇中に使われた「MANZOKU」という風俗情報誌は実在する雑誌である。
- ^ 官僚を多く輩出している東京大学法学部の出身者が任されるポストである。
- ^ 西大阪スチールの一件が起きるまでは誠実な態度で接していた。
- ^ 藤沢未樹の口座を経由して浅野の銀行口座に振り込まれた。
- ^ 第1話での半沢との約束。
- ^ 奥様会での福山次長の妻と花に対する対応から(第8話より)。
- ^ このオカマっぽいキャラクターを演じる歌舞伎役者の片岡愛之助は、女形を得意としていた。ただし愛之助自身は「女形は“女らしくみせる”ものであり、人間自身が女っぽいというものではない」とその経験の影響を否定するとともに黒崎を演じるうえにおいては自身の弟子である片岡愛一郎(同じく女形でより物腰が柔らかい)の仕草などからヒントを得たことを明らかにしている。
- ^ 第7話での出来事だが、この家宅捜査が失敗した直後の半沢の「本当に内部告発があったのならば」という言葉から、黒崎がリークをでっち上げた可能性もある。
- ^ 半沢慎之助役の笑福亭鶴瓶の実子(長男)。
- ^ 第6話から第7話にかけての湯浅の描写から。
- ^ この時に、半沢は他にもマキノ精機の持つ特許に対して「甘すぎる」(材質や用途などを限定しすぎており、他社が簡単に模倣できてしまうから)として作り直すことも助言しており、おなじく池井戸潤作の「下町ロケット」にも通ずるものがある。
- ^ この雑誌自体は、実在する風俗情報誌である。
- ^ 「ここは強大な悪人を出して欲しい」という堺雅人の提案による[26]。
- ^ 台湾での視聴率は、1%を超えれば人気作となる。
- ^ 行名は本作の東京中央銀行の前身と同じ「東京第一銀行」である。
出典
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- ^ a b 「加倍奉還!」中国や台湾でも人気、海賊版も
- ^ テレビ試写室 : 「花咲舞が黙ってない」 “女版半沢”? 杏が等身大の“働く女子”好演(毎日新聞デジタル・まんたんウェブ)2014年4月28日閲覧
- ^ “女版・半沢”「花咲舞」今期1位発進(デイリースポーツ)2014年4月28日閲覧
外部リンク
- 半沢直樹 - TBS
- 半沢直樹 (@Hanzawa_Naoki) - X(旧Twitter)
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空飛ぶ広報室
(2013.4.14 - 2013.6.23) |
半沢直樹
(2013.7.7 - 2013.9.22) |
安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜
(2013.10.13 - 2013.12.15) |