バブル世代

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バブル世代(バブルせだい)は、日本で、バブル景気の時期に就職した世代である。

目次

[編集] 定義

労働市場の分野では、バブル景気(第11循環拡張期、1986年11月から1991年2月)による売り手市場時(概ね1988年から1992年)に新入社した世代を「バブル世代」と呼び、より以前の「モーレツ社員」(団塊の世代)や、それ以降の「就職氷河期」世代などと比較されることがある[1]

[編集] 概説

売り手市場時に大卒で新入社したのは、おおむね1960年代後半(1965年度から1969年度)に生まれた世代に相当する。この時期における就職活動は、バブル景気の影響を受けて売り手市場であり、容易に就職が出来た。

ただし、1988年入社組(大卒だと1965年度生まれ、高専卒や短大卒だと1967年度生まれ、高卒だと1969年度生まれ)に限っては、前年の「公定歩合が戦後歴代最低の2.5%を記録」、「ブラックマンデーと、世界同時株安」、「造船不況からの脱却の遅延」などの要因により、就職は比較的困難であった。一方、1987年入社組の高専卒・専修学校卒・短大卒入社組の多くが、極端に世代人口が少ない(→丙午#迷信日本の人口統計#年齢別人口)丙午年生まれ(1966年)に該当していたこともあり、、就職は容易であった。同様に大卒では1989年入社、大学院卒では1991年入社が丙午年生まれに該当するため、就職は容易であった。

高卒の場合には、おおむね1969年度から1973年度生まれが、バブルによる就職売り手市場の恩恵を受けているとされる。求人倍率は1960年代後半生まれが1.5~2.0倍で留まっていたのに対し、1973年度生まれ(1992年卒)は3.34倍だった[2]

高卒、短大卒、専門学校卒の女性は「男性は仕事、女性は家庭」の戦後女性の価値観を引きずっており、専業主婦志向の女性が多数派であったが、大卒・大学院卒女性(特に大都市圏在住者)は「均等法第一世代」と呼ばれた新人類世代に続き、キャリアウーマンを目指した女性が多かった。男性は団塊ジュニア世代と比べて、正規雇用率が高くて非正規雇用者率が低い世代である[3]

[編集] 成長過程

[編集] 誕生

生まれた時期は高度経済成長の後半であり、公害など経済成長の歪みが深刻化し、社会問題になっていた時期にあたる。ベトナム戦争の真っ只中で、1968年を頂点とした全共闘パリ5月革命といった学生運動が高揚した時代に生まれた。

[編集] 幼少期 

ウルトラマン」や「仮面ライダー」といった、現代にも繋がる変身ヒーロー達の誕生をリアルタイムで体感した世代であり、「ポーズを取って変身」という遊びはこの世代に始まる。

女子においても「ひみつのアッコちゃん」や「魔女っ子メグちゃん」など、魔法少女が人気を博した。

また、かねてからの好景気から多くの両親が共働きだったことも手伝い(当時既に核家族化が進み三世代同居の家庭は少なくなっていた)、各家庭の夕食は遅くなりがちで、それまでの時間を埋めるかのように、夕刻のテレビ番組の多くが子供向けの特撮やアニメで構成されていた。

[編集] 学生時代

小学校に入った時期はオイルショックの直前か直後であり、「四畳半フォーク」が流行した時期であった。小学時代から中学時代にかけての1970年代には、この世代の間でスーパーカーブームブルトレブームが席巻した。

中学時代から高校時代に当たる1980年代前半はツッパリ文化の最盛期で、矢沢永吉横浜銀蝿などの、リーゼントロックとツッパリ(不良)ファッションが、当時の管理教育に反発する少年層の間で大流行した。校内暴力発生件数が戦後最多を記録したのもこの時期である[4]

一方、入学試験などの競争が徐々に激しくなった世代であり、当時のいじめ問題について、要因の一つとして受験競争によるストレスが挙げられている[5]。高校進学率は当時総合選抜地元集中などの制度を実施していた都道府県も多かったため、進学率の低下傾向はほとんど現れず、90%台を維持していたが、大学・短大合格率は、1967年度生まれから1971年度生まれ(1986年度から1990年度)にかけて低下し続け、1990年度には大学合格率は63%になり、1967年度の62%以来の最低の値となった[6]

大都市の大学に進学した者は、バブル文化の発信源として華やかなファッションブームや文化を生み出していった。1980年代の「女子大生ブーム」の時期にあって、都会の若い女性は消費対象としてもてはやされた。大学卒業時にはバブル景気により就職市場は大幅に好転、売り手市場となった。企業から人気の高い有名大学の学生は3S(寿司ステーキソープ(風俗))やディズニーランド、海外旅行で接待されたケースもあるという。当時の大卒就職市場の状況は、映画『就職戦線異状なし』が参考になる。

[編集] 就職期・就職後

就職期にはバブル景気で、日本の景気が極めてよく、これを受けて事業を拡大・展開し業績を拡大するべく、各社こぞって高卒大卒を問わず人員募集数を拡大した。その結果、企業の求職人数は就職希望者を大幅に上回っていた。また、バブル世代の女性で高卒・短大卒・専門学校卒の者は、1986年に施行された男女雇用機会均等法以後に初めて社会に出た世代でもある。

個性至上主義が騒がれた世代でもあったため、バブル世代が就職するころ、企業側も個人を尊重するライフスタイルを加味し、年俸制の導入やフレックスタイム制を取り入れた形態が現れ始める。しかし、個人を尊重する弊害としてコミュニケーション不良による問題が生じ、2000年頃からはほとんどの企業がこの形態を取りやめ、従来型運営にもどる。

バブル崩壊による不況が始まると、その影響で企業の採用人数が大幅に絞られたために労働負荷が増え、過密労働に陥る者も多く発生した。また、賃金や給与、賞与などの所得が伸び悩んだり、社員研修などの教育費が削られ、経験すべきことを経験せずに昇格してしまうという事態が起こった[7]

1997年にはアジア通貨危機消費税増税による景気後退が起こり、多くの会社が大規模な人員整理を行った。人員削減といっても関連会社への出向などで済んでいる者が多数派ではあるが、一部には企業の倒産や整理解雇を被り、派遣社員フリーターに転落、「派遣切り」に遭遇した者もいる。

[編集] 中年期

管理職となる者が増えるに連れて、ポスト競争の激化と責任の重圧から精神的疾患を抱えるホワイトカラーブルーカラーが増加している。社会生産性本部「産業人メンタル・ヘルス研究所調べ[8]」では、バブル世代のほとんどが30代であった2004年時点での心の病が最も多い年齢層は30代で49.3%であった。

また、不況によって職を失い、非正規雇用者となる者もおり、男性ではバブル世代が20代後半から30代前半に属していた1995年の非正規雇用者率は約3%程であったが、30代後半から40代前半に属していた2005年には約7%、2010年には約8%と増加傾向にある。

[編集] バブル世代に対する批判意見

バブル世代は、就職氷河期の前の企業の大量採用により苦労せず、就職氷河期以前の価値観を持って入社し、さらに同期が多い。そのため、バブル世代は、就職氷河期以降の社会の考え方と合わず、自立心があまりなく[9]、依存体質であり[10]、会社の負担であると言われており[9]、一部では「花の90年組」と皮肉をこめて呼ぶ者もいる[7]

またバブル世代は、バブル崩壊後の不況による企業の放置と新入社員の減少により、技術力と指導力が不足しており、また数が絞られて一部のみが少数精鋭型で養成されているため、「世代間選抜が始まった世代」と定義する者もいる。[11]

一部の者が学校に不当なクレームをつけ、学校関係者に過度の負担を強い、ひいては他の生徒や保護者に迷惑をかけるというかけるという現象が社会問題となったことから、その者たちをモンスターペアレントと呼んだ[12]モンスターペアレントを参照)

[編集] バブルジュニア

いざなみ景気が始まる直前から始まって直後の時期に、バブル景気のころ消費を謳歌した世代の子供世代(おおむね1990年生まれ前後)として「バブルジュニア」が注目された。バブル景気の経済状況の中で20代を送った親たちの消費傾向を受け継ぎ、オシャレに敏感で金遣いのよい若者世代といった形のステレオタイプで、主に10歳前半向けのアパレル化粧品の業界を中心に、マーケティング上のひとつのターゲットを表す言葉として使用された[13][14][15][16]

細かい生年の定義に関しては人により異同があり、2002年に10歳から14歳である1988年から1992年生まれの女の子[17][13]、2002年に15歳前後だった1986年から1991年生まれあたり[18]、1986年から1994年[19]などと定義される。

この層を対象としたビジネスとして2000年代前半によく名前を挙げられたものとしては、新潮社が発行するローティーン向けファッション雑誌「ニコラ」や、子供・ジュニア向けのアパレル・ナルミヤインターナショナルなどがある。

2009年時点でバブルジュニアは20歳前後になっているが、女性は消費意欲が高いと特徴づけられ、『ゆとり世代』と呼ばれている[20]

[編集] 脚注

  1. ^ 団塊の世代とバブル世代は理解し合えないのか - セレブレイン社長・高城幸司、ダイヤモンド・オンライン2009年9月7日
  2. ^ 労働省 平成12年3月新規学卒者(高校・中学)の職業紹介状況 第2図  求人倍率の推移(高校卒業者) - 厚生労働省
  3. ^ 図録非正規労働者比率(パート・アルバイト・派遣・契約等の比率)の推移(男女年齢別) - 本川裕、「社会実情データ図録」。バブル世代は、2009年ではほぼ35歳-44歳の区分に含まれる。
  4. ^ 警視庁1981年1月に発表した統計によると、前年1年間に起こった校内暴力事件は1558件にのぼり、9058人が補導された(『昭和史全記録』1989年毎日新聞社1101p.)
  5. ^ 『文部省第113年報」(昭和60年度)』(文部科学省
  6. ^ 文部科学省調査「大学合格率」 (PDF) 2011年1月23日閲覧
  7. ^ a b ひょっとして……“バブル組”に苦しめられていませんか? - 吉田典史「BusinessMedia誠」
  8. ^ 「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果 (PDF)
  9. ^ a b バブル入社男性は会社の「お荷物」、対して女性は…夕刊フジ
  10. ^ 働かないバブル世代に悩む部下
  11. ^ 三浦展「格差社会のサバイバル術―生き残りを賭ける人と企業」
  12. ^ 門脇厚司「クレーム社会を加速する若い親たちの特性」 門脇厚司は校内暴力時代に学生で教師に敬意を持っていない1965年生まれ前後としている。
  13. ^ a b 亀井肇 バブルジュニア (ばぶるじゅにあ) - Yahoo辞書 2002年4月12日 (2010年8月8日 閲覧)
  14. ^ バブルジュニア - 月間基礎知識 自由国民社 2003年(2010年8月8日閲覧)
  15. ^ 商品トレンド「アパレル業界を活性化する新世代“バブルジュニア”」月間経営情報誌 かけはし Vol. 17 しがぎん経済文化センター 2002年8月
  16. ^ 109-2改装で新世代の聖地となるか?渋谷ジュニア・マーケット拡大の予感 - シブヤ経済新聞 2002年3月29日 (2010年8月8日閲覧)
  17. ^ 「バブルジュニア・ブランド」 - 瞬間理解!トレンド キーワード Vol.33 NEC 2002年11月27日 (2010年8月8日閲覧)
  18. ^ 福地茂雄 講演 「アサヒビールの環境経営」 早稲田大学オープン教育センター 2002年6月19日 (2010年8月8日閲覧)
  19. ^ 中村和代 新健康フロンティア戦略賢人会議 第2分科会 第2回会合 提出資料 (PDF, p.5 2007年1月31日)(2010年8月8日閲覧)
  20. ^ 「おゆとり様」の消費(日経リサーチ編集調査グループ・佐俣桂子「Hit & Hot」、2009年1月5日 (2010年8月8日閲覧)

[編集] 参考文献

(白書類)

[編集] 関連項目

バブル世代関連
バブルジュニア関連
先代:
しらけ世代
1950年-1964年
日本の世代
バブル世代
(新人類)
1965年-1969年
次代:
氷河期世代
1970年-1984年
団塊ジュニア
1971年-1974年
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