集団的自衛権

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集団的自衛権(しゅうだんてきじえいけん、英語: right of collective self-defenseフランス語: droit de légitime défense collective)とは、ある国家武力攻撃を受けた場合に直接に攻撃を受けていない第三国が協力して共同で防衛を行う国際法上の権利である[1][2]。その本質は、直接に攻撃を受けている他国を援助し、これと共同で武力攻撃に対処するというところにある[3]


沿革[編集]

冷戦期のヨーロッパにおける勢力図。
青が北大西洋条約機構加盟国。
赤がワルシャワ条約機構加盟国。

集団的自衛権は、1945年に署名・発効した国連憲章の第51条において初めて明文化された権利である[1][4]。憲章第51条を以下に引用する。

この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持または回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。

国連憲章第51条

上記のように国連憲章には「固有の権利」として規定されたが、個別的自衛権(自国を防衛する権利)は同憲章成立以前から国際法上承認された国家の権利であったのに対し、集団的自衛権については同憲章成立以前にこれが国際法上承認されていたとする事例・学説は存在しない[1]

1944年にダンバートン・オークス会議において採択され、後に国連憲章の基となったダンバートン・オークス提案には、個別的または集団的自衛に関する規定は存在しなかった[1][5]。しかし後に国連憲章第8章に定められた“地域的機関”(欧州連合アフリカ連合などの地域共同体のこと)による強制行動には、安全保障理事会による事前の許可が必要とされることとなり、常任理事国の拒否権制度が導入されたことから常任理事国の拒否権発動によって地域的機関が必要な強制行動を採れなくなる事態が予想された[4]。このような理由から、サンフランシスコ会議におけるラテンアメリカ諸国の主張によって、安全保障理事会の許可がなくても共同防衛を行う法的根拠を確保するために集団的自衛権が国連憲章に明記されるに至った[1][4]

冷戦期には集団的自衛権に基づいて北大西洋条約機構(NATO)やワルシャワ条約機構(WTO)といった国際機関が設立され、集団的自衛を実践するための共同防衛体制が構築された[4]。しかし冷戦が終結するとワルシャワ条約機構は解体されるなど、このような集団的自衛権に基づく共同防衛体制の必要性は低下していった[4]

権利の性質[編集]

個別的および集団的
自衛権行使の要件
要件 個別的 集団的
必要性 Yes check.svg Yes check.svg
均衡性 Yes check.svg Yes check.svg
攻撃を受けた旨の表明 X mark.svg Yes check.svg
援助要請 X mark.svg Yes check.svg
ニカラグア事件判決によると、Yes check.svgで示した要件のうちいずれかひとつでも満たさない場合には正当な自衛権行使とは見なされない[6][7][8]

国家の自衛権は、国際慣習法上、すでに19世紀には、自らの権利その他の利益に対する重大な損害を排除するために取ることのできる正当な手段として認められていたといわれるが、主権国家の権利として容認されていたこの自衛権とは、国連憲章にいうところの個別的自衛権である。20世紀、特に第一次世界大戦以降は、この自衛権の行使は次第に、不正な侵害の全てに対してではなく、武力攻撃による権利・利益の侵害に対処する場合に限定して容認されるようになっていき、国連憲章に至ったとされる[9]。個別的自衛権は国連憲章成立以前から認められた国家の慣習国際法上の権利であり、上記の国連憲章第51条において個別的自衛権を「固有の権利」としているのはこの点を確認したものである[10]

このように個別的自衛権が国際法上も長い伝統を有する概念であるのに対して、集団的自衛権は、国連憲章に現れるまで、国際慣習法上の権利としては論じられたことがないものであった。こうした新たな権利が個別的自衛権と並んで国家の「固有の権利」と位置づけられるに至った背景には、国連憲章第53条において、加盟国が地域的取極に基いて強制行動を取るためには安全保障理事会の許可を得なければならない旨が定められたことに対して、ラテンアメリカ諸国が強い反発を見せたことがあるとされている[11]

集団的自衛権が攻撃を受けていない第三国の権利である以上、実際に集団的自衛権を行使するかどうかは各国の自由であり、通常第三国は武力攻撃を受けた国に対して援助をする義務を負うわけではない[1]。そのため米州相互援助条約北大西洋条約日米安全保障条約などのように、締約国の間で集団的自衛を権利から義務に転換する条約が結ばれることもある[1]。国際慣習法上、相手国の攻撃が差し迫ったものであり他に選択の余地や時間がないという「必要性」と、選択された措置が自衛措置としての限度内のものでなければならないという「均衡性」が、国家が合法的に個別的自衛権を行使するための条件とされる[10][12]

1986年、国際司法裁判所ニカラグア事件判決において、集団的自衛権行使のためには上記のような個別的自衛権行使のための要件に加えて、武力攻撃を受けた国がその旨を表明することと、攻撃を受けた国が第三国に対して援助要請をすることが、国際慣習法上要件とされるとした[12][8]。第三国の実体的利益に対する侵害が存在するか否かという点を要件とするかについては現在も意見の相違がある[1][12]。つまり、第三国の実体的利益に対する侵害が集団的自衛権行使の要件として必要とする立場では第三国も攻撃を受けた国と同様に単独で個別的自衛権を行使できる場合にしか集団的自衛権行使は認められないとするのに対し、第三国の実体的利益に対する侵害が要件として不要とする立場では集団的自衛権は攻撃を受けた国の武力が不十分である場合に国際平和と安全のため行使される共同防衛の権利であり、第三国の実体的利益への侵害は無関係であるとする[2][12]。ニカラグア事件国際司法裁判所判決もこれらのうちいずれの見解を採用したものであったのか明確ではない[12]

宣戦布告との関係[編集]

1907年の開戦に関する条約第一条では宣戦布告(declaration of war)は敵対行為(hostility)開始前に行っておく義務があるとされるが、第1次大戦後の不戦条約や第2次世界大戦後の国連憲章(2条4項)などの国際法が整備され戦争が違法化されるに従い、宣戦布告の手続きがとられることはなくなっていった[13][14]。実際に、冷戦後も数多くの「戦争」が行われたがそれらのほとんどが、宣戦布告を行わない戦闘行為(武力行使)か、国家対集団あるいは国家内集団の紛争であった[15]。 例えばアメリカは第2次大戦後「宣戦布告」を行ったことはなく、米国議会調査局の2007年の報告書でも国際法が発達したことに加え宣戦布告をあえて行う必要性に疑問を呈した上で[16]「おそらくは、こういった(国際法の)発展の帰結として宣戦布告は使われなってしまい、実際現代の紛争においてもほとんど発せられたことはない。」とされている[17]。またイギリスでも、2006年貴族院報告書で同様の趣旨が述べられている[18]

一方、日本では、「日本が集団的自衛権を行使すれば、敵国からすれば同盟国などと共に宣戦布告をしたと見なされる。(2014年6月5日朝日新聞の報じた政府関係者の発言)[19][20]」や「仮に、総理が言うように、勇ましく集団的自衛権を行使するぞと言ったとしますよ。(中略)米国と戦っているこの国に対して宣戦布告することになりますね、当然。(2014年6月9日参議院決算委員会での江崎孝議員の発言)[21]」など、「集団的自衛権の行使は宣戦布告とみなされる」という趣旨の発言、報道がなされることもある。

中立との関係[編集]

戦争の合法的な存在を背景とした、かつての戦争の非当事国にまつわる権利義務の総体を中立法といい、20世紀初頭以降に戦争が違法化されていくにしたがって中立法の適用そのものは否定されないものの、その適用範囲を狭ばめていく傾向がみられた[22]。かつては戦争の正当原因英語版のもとで両交戦国に対して等しい地位が認められたが、国際連盟規約不戦条約戦争を違法なものとして定めて以降、それまでの中立概念は変容し、一方では違法な戦争を行う国ともう一方ではそのような武力行使に対して自衛権を行使する被害国とに交戦国は明確に区別されるようになった[23]

この被害国を援助するために第三国が集団的自衛権を行使する場合、伝統的に第三国に強制された中立の地位を離脱する事態が生じる[23]。第二次世界大戦中から交戦状態に入らない第三国が一方の交戦国を公然と支援するという実行がみられるようになり、この時代から中立以外に第三国がとりうる立場として「非交戦国」という立場が論じられ始めるようになった[23]。その後国連憲章第2条4項はすべての武力による威嚇、または武力の行使を違法化したため、今日では国連による集団的措置を除いて自衛権が国家間における武力行使を法的に正当化する唯一の根拠となる[22]。この「非交戦国」が慣習国際法上確立したとする立場では、第三国は他国の武力紛争に対して適法な形で中立義務を離脱することが可能となるが、現代においてもこうした「非交戦国」という立場が確立しているか否かについては争いがある[23]

ベトナム戦争では、中立国であったカンボジアに侵攻したアメリカ合衆国は、自らの軍事行動がカンボジアによる中立国の防止義務不履行を理由に集団的自衛権の行使として正当化されると主張した[24]。ここでいう中立国の防止義務とは、中立国は交戦国の一方に軍事的に利するような形で自国領域を使用させてはならないとする義務のことであり、アメリカ侵攻当時北ベトナムベトコンに一部占領されていたカンボジアはこの中立国の防止義務を果たすことができていないとしたのである[24][25]。アメリカはカンボジアへの侵攻がカンボジア侵略勢力を排除するために時間的・範囲的に限定されたものであり、カンボジアそのものを標的としたものではなかったとして均衡性の要件(#権利の性質参照)も満たすものであったと主張した[24]。ただし多くの同盟国領域内に軍事拠点を使用し、従来よりこうした第三国領域内の軍事施設に対する攻撃を強く非難する立場をとってきたアメリカのそれまでの政策と、このカンボジア侵攻の際のアメリカの主張は対極に位置することから、アメリカのカンボジア侵攻は二重基準として批判を受けることとなった[24]

集団的自衛権の行使に当たるとされる事例[編集]

過去に集団的自衛権の行使が国連憲章第51条に従って安保理に報告された主な事例に以下のものがあるが[26]、これらが外部からの武力攻撃の発生の有無や、被攻撃国による援助要請の正当性といった集団的自衛権の要件を満たしていたのか、内戦に第三国が介入したものではなかったかという点については議論があり、その濫用が疑われる事例が少なくない[27]

  • ハンガリー動乱 - 1956年10月にハンガリーで発生した大規模反政府デモに対し、ソ連が「ハンガリー政府の要請に基づき、(集団的自衛権に基づく加盟国間の相互軍事援助を主な目的とする)ワルシャワ条約に従って」民衆の蜂起を鎮圧した事例。ただし要請が正当な政府からなされたものかについては疑問視されている[28]
  • チェコスロバキア動乱 - 1968年にチェコスロバキアで起こった自由化運動の影響拡大を恐れたソ連および東欧諸国によるワルシャワ条約機構軍が、8月に改革運動を鎮圧した事例。ソ連は軍事介入はチェコスロバキア政府の要請によるものと安保理で説明したが、チェコスロバキア政府はこれを否定した[29]
  • ベトナム戦争 - 1964年のトンキン湾事件を契機に、米国議会は国連憲章及び東南アジア集団防衛条約に基づく義務に従い、兵力の使用を含む必要なあらゆる手段をとる旨決議し (Gulf of Tonkin Resolution、ベトナムへの北爆と地上部隊派遣を開始してベトナム戦争へ本格的に介入した。だがベトナム戦争が内戦ではなく国際戦争であったのかなど、本件が集団的自衛権の行使要件を満たしていたかについては議論がある[30]
  • コントラ戦争 - 1981年、米国がニカラグアの反政府勢力コントラを支援し、その根拠をニカラグアによるエルサルバドル、ホンジュラス、コスタリカへの武力攻撃に対する集団的自衛権の行使であるとした事例(詳細「ニカラグア事件」)[31]
  • アフガニスタン紛争 -2001年の9・11テロを受けてのタリバン政権下のアフガニスタンに対する米軍の攻撃とそれに伴う北大西洋条約機構 (NATO) 加盟のヨーロッパ諸国のとった軍事行動[32]安保理決議第1368号および1371号の前文において個別的又は集団的自衛の固有の権利が確認(recognize)された[27]

権利の濫用[編集]

冷戦期に、特にアメリカ合衆国ソビエト連邦はその勢力内での反体制活動を抑えるため武力行動を行い、その法的根拠として集団的自衛権を主張した[33]。しかしこれらの武力行動は外部からの武力攻撃が発生していない状態で行われたものであり、これらの武力行動を集団的自衛権として正当化することは困難である[33]

日本における集団的自衛権[編集]

国連憲章の第51条に記載された権利であり国連加盟国において認められた権利である[34]。しかし日本では日本政府が日本国憲法第9条により行使できないと解釈してきたが、安倍内閣では2014年7月1日に憲法解釈を変更し、集団的自衛権を行使できるという立場をとる閣議決定がなされた[35]

閣議決定によると、日本における集団的自衛権の行使の要件として、日本に対する武力攻撃、又は日本と密接な関係にある国に対して武力攻撃がなされ、かつ、それによって「日本国民」に明白な危険があり、集団的自衛権行使以外に方法がなく、必要最小限度の実力行使に留まる必要があるとしている。[36]これを自衛の措置としての武力の行使の「新三要件」という。また、あくまで集団的自衛権の趣旨は日本国民を守るものであるため、密接な関係にあったとしても、他国民の保護のための行使はできない。また、専守防衛は堅持していくとし、先制攻撃は許されていない。海外派兵についても許されていない。

これに対し東京大学名誉教授の奥平康弘らが集団的自衛権について会見を開き、「戦後70年かけて築いてきた国の在り方と真逆の方向に進もうとしていて戦争ができる国になりかねず、見過ごすことはできない」、「その時々の政府が憲法解釈を変更できるという先例を残すことは立憲主義の根幹を破壊する」などと述べている。[37][38]

集団的自衛権の行使事例として、安倍晋三首相は「紛争中の外国から避難する邦人を乗せた米輸送艦を自衛隊が守れるようにする」としている。他、内閣官房長官菅義偉は「新三要件を満たせば、中東ペルシャ湾のホルムズ海峡で機雷除去が可能だ」としており、「原油を輸送する重要な航路に機雷がまかれれば、国民生活にとって死活的な問題になる」としている[39]。さらに2014年7月14日の国会答弁において、「世界的な石油の供給不足が生じて国民生活に死活的な影響が生じ、わが国の存立が脅かされる事態は生じ得る」と語っている[40]。しかしながら内閣官房の概要によれば、「石油なしで国民生活は成り立たないが、代替エネルギー利用を進め、外交や国際協調に全力を尽くしており、憲法上許されるのは、国民の命と平和な暮らしを守るための自衛措置のみであるから、石油のために集団的自衛権の行使を行う事はできない」としている。[要出典]。現実問題として海上自衛隊は、機雷除去については、集団的自衛権があるか否かに関わらず、停戦後であれば、「警察権の行使」として危険物を除去していると解釈することで行う事ができるとしている[要出典] 自衛権発動の新3要件にある「他国に対する武力攻撃」について、武力攻撃事態法が定める「武力攻撃予測事態」も含むのかという質問に対して、安倍晋三首相は「まず武力攻撃がなければ駄目だ。予測事態は入らない」と述べ、実際の武力攻撃が発生しなければ集団的自衛権は行使できないとの認識を示した。[41]

集団的自衛権を行使するために必要な法案(防衛省設置法自衛隊法武力攻撃事態法国民保護法周辺事態法PKO協力法海賊対処法船舶検査活動法米軍行動円滑化法国家安全保障会議(NSC)創設関連法)は、2015年1月召集の通常国会に提出されるものとみられる[42]。豊下楢彦・前関西学院大学教授は、「集団的自衛権を行使するということは、軍隊として戦争することに他ならない。」[43]とした上で、集団的自衛権を行使するめには、日本国憲法の改正と自衛隊の正式軍隊化、「開戦規定」や「交戦規定」を整え、「軍法会議」を設置することが必要であると述べている[43][44]


従来の政府見解[編集]

従来より必要最小限度の範囲の自衛権の措置は認めていたが、1981年の閣議決定において、集団的自衛権の行使は認められないとしており、2014年7月7日15時まで防衛省のホームページ上には、集団的自衛権は認められないと掲載されていた[45]。また、自衛権の行使についても、「わが国に対する急迫不正の侵害があること」という要件が表記されていた[46]

集団的自衛権は、「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する国際法上の権利」と定義している[47]

第9条と集団的自衛権[編集]

政府の憲法解釈は、第9条の下では、自国が武力攻撃を受けていない状況下でわが国が同盟国等のために武力行使をすることは許されない、としていた。[48][49][50][51][52][53]

自衛権の必要最小限度の範囲と質的・量的概念[編集]

政府は、昭和47年10月14日第66回参議院決算委員会政府提出資料において「(自衛の)措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである」としていることを述べたことを踏まえて、これ以後、集団的自衛権の行使を違憲とする理由を、自衛のための必要最小限度の範囲を超えること、すなわち「我が国に対する武力攻撃が発生したことを満たしていない」と言う点で、自衛のための必要最小限度を超えることとしていた。[53][54][55][56][57][58][59] [60]。 「わが国に対する武力攻撃の発生は、必ずしもわが国での被害の発生を意味するものではないが、武力攻撃のおそれや蓋然性では足りない。集団的自衛権であっても個別的自衛権の行使と同一視出来るようなものの行使は容認されるのではないか、とする質問に対して、政府は、設問の状況が「わが国に対する組織的・計画的な武力の行使」が認められるものであれば、個別的自衛権の発動によって対処が可能であり、それ以外の場合の実力の行使は、許されないとして、集団的自衛権の部分的な容認という考え方を否定している[61][62]

日本国外との関係[編集]

国連憲章において、集団的自衛権が個別的自衛権と並んで、国家に固有の権利とされたことを踏まえ、サンフランシスコ平和条約MSA協定につづいて、日米安全保障条約の前文においても、日本が「集団的自衛の固有の権利」を有することを確認する旨が明記されている[63]

日米安全保障条約の審議[編集]

集団的自衛権に関する本格的な議論が初めて国会に登場するのは、日米安全保障条約の審議の際である。しかし、当時は、集団的自衛権の概念自体が必ずしも一義的でなかった[64][50][51][52]。集団的自衛権は、新しい概念であったことから、これを行使する国の権利・利益に対する危険の存在を要件とするか、その発動に特別の条約関係を必要とするか等々学会でも様々な議論があり、日米安全保障条約の改定をめぐる国会論戦が繰り広げられた昭和30年代半ばの時点では、基地提供など、武力行使以外の交戦当事国への便宜提供や経済的援助をも含む概念かどうか、いわばその外延に関しても必ずしも定説が得られない状況であった[65][66]

日本政府は昭和40年代の後半以降は、明確に、集団的自衛権を、もっぱら実力の行使に係る概念であり、基地提供のような便益の供与まで含むものでないことや自国の安全に対する脅威をその発動要件としないことと定義している[67]

日本国外の反応[編集]

フィリピンの大統領アキノは「他国を支援する権限を持つことで、アジア地域に恩恵をもたらすことができると信じている」と賛意を示している[68]。また、ニュージーランドのキー首相は、安部首相の集団的自衛権の閣議決定の説明に対し、南シナ海、東シナ海情勢に関し「平和と安定が不可欠だ」と述べた。[69]

また、アメリカ合衆国ヘーゲル国防長官は、集団的自衛権の行使を容認する決断に対して、歓迎を表明した[70]イギリスマイケル・ファロン英語版国防相は、「これらの改革は、日本が世界平和と安保により責任を持つようになってきた自然な流れだ」として憲法解釈変更の閣議決定を歓迎した[71]ドイツ政府は、「国連の平和維持活動に積極的に参加できるようになり、ドイツ政府は歓迎する」と評価した[72]オーストラリアの外務貿易省は、国際平和や安定への貢献拡大が可能になる」と歓迎するコメントを発表した[73]カナダは、ベアード外相が支持を表明している[74]

一方、ロシア外務省の情報報道局長ルカシェビッチは安倍内閣が掲げる積極的平和主義の意味も含め、今後どのような安全保障政策をとるかを注意深く見守る考えを示している。その上で「第2次大戦の結果を全面的に認め、日本の軍国主義の犯罪を正当化するような試みを看過しないことを期待している」と指摘し、「周辺国が敏感に反応することを日本は自覚しなければならない」と発表した[75]

中国韓国は日本の集団的自衛権に否定的である[76]

日本国内の反応[編集]

真宗大谷派、二次安倍内閣の集団的自衛権の憲法解釈の変更の閣議決定の撤回を求める声明発表。防衛の名のもとに戦争の可能性を開く。戦争放棄を誓い願い続けてきた日本国の姿勢を大きく変更すると批判。 浄土宗本願寺派大谷光淳は14年6月の門主就任会見で「日本を守るためなら、それ以外の方が犠牲になっても許されるという思いがあるのでは」と懸念表明。 日蓮宗、小林順光宗務総長名で、わが国に戦争の危機をもたらすのではないかと強く危惧すると見解表明。 京都立正平和の会、石田良正理事長「私たちは命を何より大事にしている。行使容認はまったく逆のもの」と批判。 全日本仏教会、斉藤明聖理事長名で談話公表。日本人が国外で人を殺し殺されるという事態が起こり得ると主張。閣議決定を人間の知恵の闇を垣間見るごとき深い憂慮と危惧の念を禁じ得ないと批判。 愛知宗教者平和の会、石井勇吉代表世話人は、どの宗教も命を大切にする。自衛隊員の命に直結する問題なのに、安倍政権は、これまでの説明に命に触れていない。だから共通の反発力がある。 日本カトリック司教協議会常任司教委員会は、時の政府の考え一つで、自衛隊員や国民を戦争の恐怖と危険にさらすと抗議声明発表。 立正佼成会、武力行使を容認することは、戦争そのものを容認するものと緊急声明で批判。 大本教、世界中の軍備撤廃を目指している。(集団的自衛権の憲法解釈の変更の閣議決定には)もちろん反対だ。 創価学会、閣議決定前は、本来憲法改正手続きを経るべきとしていたが、閣議決定後は、説明責任が十分果たされるとともに国会審議を通して平和国家として専守防衛が貫かれれることを望む。[77]

三重県松阪市の市民団体ピースウイング発起人山中光茂松阪市長は日本国憲法第81条の違憲審査権で提訴。「集団的自衛権の行使そのものが憲法9条で明確に禁じられている。国際紛争を解決する手段としての武力行使に当たり明確な憲法違反ということ。もう一つは、これが許されるなら権力の抑制を目的とした立憲主義がなし崩しになり、首相や内閣が憲法より上位になる点が閣議決定の問題点。」[78]

防衛白書13年版までは集団的自衛権は憲法9条で許容される範囲を超えるものであり許されないとしていたが、14年版では憲法上許容できるとされた。[79]

2014年長崎平和宣言文章は、田上富久長崎市長個人の意見でなく、長崎市の起草委員会の議論の反映で、集団的自衛権の行使容認について不安の懸念の声に真摯に耳を傾けることを政府に強く求めたが、自民党土屋正忠衆議院議員は、ブログで「田上富久市長は、市長を辞し、国政に出て意見を言うべき」と批判。これに被爆者代表として平和の誓いを読み上げた城台美弥子は「平和宣言の後ろには多くの長崎市民がいる。市民を批判したに等しい発言」とブログに不快感を示す。[80]

三重県鈴鹿市末松則子市長は、戦争に直結すると捉えられかねないと批判。静岡県川勝平太知事は、国民の信を問うべきだと異論。[81]

自衛隊NATOと実働訓練が実施の方向で調整されている事が、2014年9月4日イギリスウェールズニューポートで開かれているNATO首脳会議の分科会で日本政府が表明。上智大学田島泰彦教授(憲法)は、自衛隊の海外活動が際限なく広がり、集団的自衛権行使で密接な国の定義が米軍以外にも広がり、歯止めなく拡大解釈されるおそれがああると指摘。[82]

江渡聡徳防衛大臣安全保障法制担当大臣は、2014年9月8日中日新聞のインタビューで、武力で他国を守る集団的自衛権を行使して、自衛隊が停戦前の機雷掃海を行っている途中で、国連安保理の決議に基づき国連主導で侵略国などを制裁する集団安全保障に切り替わっても活動を継続すると明言。停戦前の機雷掃海は、機雷を敷設した国の防御力を低下させるため国際法上は武力行使と認められる。安倍政権は閣議決定で、武力行使を認める3要件について、日本の存立が脅かされ、国民の命などが根底から覆される明白な危険がある場合としたが、資源や食糧などの輸送路確保の武力行使を認めるのは武力行使の3要件を拡大解釈する可能性があり、連立与党公明党も反対している。[83]

集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈見直しの閣議決定に反対する学者・弁護士・元官僚らでつくる「国民安保法制懇[84]」は、2014年9月29日に閣議決定の撤回を求める声明を発表し政府に提出。声明は安倍政権が閣議決定した武力行使の新三要件で「他国に対する攻撃により、国民の生命や権利が覆される明白な危険がある場合」に、行使が容認されることについて「この要件は『日本に対する急迫不正の侵害』という従来の要件と異なり、客観的な歯止めではない」と批判。解釈変更の閣議決定は「特定の政権の判断で憲法解釈を自由に変更する前例となり、政府の憲法解釈を不安定化させる」とし、憲法によって権力を縛る立憲主義を覆す行為だとして、撤回を求めた。自衛隊が集団的自衛権を行使して米軍の対テロ戦争に協力した場合、日本がテロ組織に報復される懸念にも言及。元外務省国際情報局長の孫崎享は、「集団的自衛権の本質は、米国の戦略のために自衛隊を使うことだ。あたかも日本の防衛のために集団的自衛権を使うように説明するので、訳が分からなくなる」と指摘。慶應義塾大学小林節名誉教授は、新三要件について「他国が攻撃された結果として、日本人の人権が全否定されるような事態があり得るのか。考え付かない」と述べた。[85]

中川智子宝塚市長は「国民の命を守る政治がなされるべきだ。戦争への道を開く懸念がある」と閣議決定の日に記者会見をして反対を表明した。[86]

集団的自衛権根拠の特定秘密保護法による秘密指定[編集]

2014年10月6日衆議院予算委員会で、安倍晋三首相は、集団的自衛権に関し、行使の条件となる武力行使の新三要件たしたとの判断に至った根拠となる情報が、特定秘密保護法に基づく特定秘密に指定され、政府の監視機関に提供されない可能性があるとの考えを示した。内閣府に設置予定の特定秘密の監視機関「独立公文書管理監」に対して「十分な検証に必要な権限を付与することを検討している」と述べたが、各行政機関の長が管理監に、特定秘密に指定されていることを理由に情報提供を拒むことも可能と説明した。その場合「管理監に理由を説明しなければならないことを運用基準に明記することを検討している。管理監に提供されない場合は極めて限られる」と述べた[87]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h 筒井、176頁。
  2. ^ a b 山本、736頁。
  3. ^ 安田、225頁。
  4. ^ a b c d e 杉原、459頁。
  5. ^ 筒井、235頁。
  6. ^ 杉原、456頁。
  7. ^ 杉原、460頁。
  8. ^ a b “Military and Paramilitary Activities in and against Nicaragua (Nicaragua v. United States of America), Merits, Judgment” (英語、フランス語) (PDF). ICJ Reports 1986: pp.77-78,95,110-113. http://www.icj-cij.org/docket/files/70/6503.pdf. 
  9. ^ 山本、733頁。
  10. ^ a b 山本、732頁。
  11. ^ 国際法学会 2005, pp. 453.
  12. ^ a b c d e 杉原、459-460頁。
  13. ^ 米議会調査局報告書, pp.23-27
  14. ^ 森田(2005)、137頁
  15. ^ 豊下楢彦古関彰一 『集団的自衛権と安全保障 』 岩波新書2014年ISBN 978-4-00-431491-2p139-140
  16. ^ 米議会調査局報告書, p.27
  17. ^ 米議会調査局報告書, p.27 "Perhaps as a consequence of these developments, declarations of war have fallen into disuse and are virtually never issued in modern conflicts."
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  53. ^ a b 「憲法は、第9条において、同条にいわゆる戦争を放棄し、いわゆる戦力の保持を禁止しているが、前文において「全世界の国民が……平和のうちに生存する権利を有する」ことを確認し、また、第13条において「生命・自由及び幸福追求に対する国民の権利については、……国政の上で、最大の尊重を必要とする」旨を定めていることからも、わが国がみずからの存立を全うし国民が平和のうちに生存することまでも放棄していないことは明らかであって、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとはとうてい解されない。しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が、右にいう自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであって、それは、あくまでも外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の擁利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの擁利を守るための止むを得ない措置として、はじめて容認されるものであるから、その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである。そうだとすれば、わが憲法の下で武カ行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない。」第66回参議院決算委員会 提出資料
  54. ^ 阪田雅裕 2013, pp. 55-56.
  55. ^ 第180回衆議院本会議30号7頁 今津寛君当然のことですが、我が国は主権国家として必要最小限度の自衛権を保持していることは、誰もが異論のないところです。今日、我が国が日米同盟を軸にして対応すべき脅威は多様化しており、例えば、近い将来、北朝鮮がアメリカ本土に達する長射程ミサイルを完成させ、また、我が国もICBMを迎撃できるミサイル防衛能力を整備したときに、我が国が当該ミサイルを迎撃することは、我が国の必要最小限度の自衛権と解すべきであります。憲法改正が最上の策であることは言うまでもありませんが、今、あるいは近い将来において、我々は、政治判断として、集団的自衛権の一部を必要最小限度と解すべき状況にあるのではないでしょうか。必要最小限度の質的、量的範囲は、情勢により変わるものです。そしてそれは、情勢に応じた政治判断のもとに行われるべきものです。政府の国家戦略会議のもとでのフロンティア分科会も、集団的自衛権に関する解釈など旧来の制度慣行の見直しを通じ、安保協力手段の拡充を図るべきだと記しています。我が国の憲法の前文にあるように、我らは国際社会において名誉ある地位を占めたいと思うと本当に決意するのであれば、今こそ、集団的自衛権の行使を認め、世界から尊敬される日本をともに目指そうではありませんか。
  56. ^ http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_dispdoc.cgi?SESSION=27280&SAVED_RID=3&PAGE=0&POS=0&TOTAL=0&SRV_ID=8&DOC_ID=8385&DPAGE=5&DTOTAL=98&DPOS=98&SORT_DIR=1&SORT_TYPE=0&MODE=1&DMY=25000 第159回衆議院予算委員会2号5頁 内閣法制局長官]秋山政府特別補佐人「憲法九条のもとで許される自衛のための必要最小限度の実力の行使につきまして、いわゆる三要件を申しております。我が国に対する武力攻撃が発生したこと、この場合にこれを排除するために他に適当な手段がないこと、それから、実力行使の程度が必要限度にとどまるべきことというふうに申し上げているわけでございます。お尋ねの集団的自衛権と申しますのは、先ほど述べましたように、我が国に対する武力攻撃が発生していないにもかかわらず外国のために実力を行使するものでありまして、ただいま申し上げました自衛権行使の第一要件、すなわち、我が国に対する武力攻撃が発生したことを満たしていないものでございます。したがいまして、従来、集団的自衛権について、自衛のための必要最小限度の範囲を超えるものという説明をしている局面がございますが、それはこの第一要件を満たしていないという趣旨で申し上げているものでございまして、お尋ねのような意味で、数量的な概念として申し上げているものではございません。」
  57. ^ http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a156119.htm 平成十五年七月八日提出質問第一一九号内閣法制局の権限と自衛権についての解釈に関する質問主意書伊藤英成二・1・ア、イ、ウ]
  58. ^ http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b156119.htm 内閣衆質一五六第一一九号 衆議院議員伊藤英成君提出内閣法制局の権限と自衛権についての解釈に関する質問に対する答弁書 対伊藤英成 二の1及び4のアについて]国際法上、一般に、「個別的自衛権」とは、自国に対する武力攻撃を実力をもって阻止する権利をいい、他方、「集団的自衛権」とは、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利をいうと解されている。このように、両者は、自国に対し発生した武力攻撃に対処するものであるかどうかという点において、明確に区別されるものであると考えている。
  59. ^ 阪田雅裕 2013, pp. 56-58.
  60. ^ 第156回衆議院予算委員会9号12頁 内閣法制局第一部長
  61. ^ 平成十六年五月二十八日提出質問第一一四号政府の憲法解釈変更に関する質問主意書 提出者嶋聡
  62. ^ 内閣衆質一五九第一一四号衆議院議員島聡君提出政府の憲法解釈変更に関する質問に対する答弁書
  63. ^ 第68回参議院内閣委員会11号21頁 外務省条約局長水口宏三「集団的自衛権を放棄している、憲法に禁止している、そう解釈をおとりになってるわけでしょう。日本国憲法第9条は個別的自衛権を最小限度の形で武力を行使することは認めていると、ただし集団的自衛権の武力行使は認めていないという解釈をお餅になってるわけでしょう。じゃなぜ一体日米安全条約の前文で、わが国が集団的な自衛権を持ってるということを日米の合意、むしろ確認してるんですよ、何でこれでもって放棄してないんですか。政府委員高島益郎「これは国連憲章はもとより、日本の入っております諸条約――平和条約をはじめ日米安保条約、日ソ共同宣言、すべて主権国としての日本に個別的及び集団的自衛権があるということを書いてあります。これは先生のおっしゃるとおり、なるほど日本の憲法上の立場からしますると、理論的に自衛権を行使する方法は全くないわけでございまして、条約技術的に申しまして、日本については個別的自衛権だけしか持たないというふうなことを書くこともあるいは可能かと思いますが、これはしかし国際法上の一国家として、主権をみずから国際的に制限するというのは非常に問題があろうと思います。そういう立場から、平和条約及び国連憲章の規定のしかたに従ってすべてそういう方法で書いているわけでございます。」 
  64. ^ 阪田雅裕 2013, pp. 49.
  65. ^ 第156回参議院武力攻撃事態への対処に関する特別委員会9号13頁 外務省条約局長サンフランシスコ平和条約と同時に締結された旧日米安全保障条約前文第4項は、「国際連合憲章は、すべての国が個別的及び集団的自衛の固有の権利を承認している。」とした上で、「これらの権利の行使として、日本国は、日本国内及びその附近にアメリカ合衆国がその軍隊を維持することを希望する。」としていた。
  66. ^ 第159回衆議院予算委員会2号6頁 内閣法制局長官
  67. ^ 阪田雅裕 2013, pp. 51.
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  69. ^ 安倍首相、集団的自衛権の閣議決定を説明 NZ首相は称賛
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    愛敬浩二青井未帆伊勢崎賢治伊藤真大森政輔小林節長谷部恭男樋口陽一孫崎享最上敏樹柳澤協二。 国民安保法制懇 ホームページ
  85. ^ 2014年9月30日中日新聞朝刊2面
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参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]