バリバリ伝説

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バリバリ伝説』(バリバリでんせつ)は、オートバイ競技ロードレース)を題材としたしげの秀一による日本漫画作品、およびそれを原作としたアニメ作品。『週刊少年マガジン』(講談社)にて、1983年から1991年まで連載された。単行本全38巻、ワイド版全20巻、文庫版全20巻。通称「バリ伝」。

1985年(昭和60年)度、第9回講談社漫画賞少年部門受賞。

概要[編集]

高校生ライダー巨摩 郡(こま ぐん)がレースの世界に入り、アマチュアから世界チャンピオンになるまでのサクセスストーリー。平行して、恋人の伊藤歩惟(いとう あい)とのラブストーリーも展開する。1980年代のバイクブームの折、そのリアルな描写によってバイクファンから熱狂的な支持を受けた。しげのの後作『頭文字D』と多くの共通点が見られる作品である。

第1部のストーリーは前半は学園コメディと公道バトルが中心であった。漫画に影響を受けた当時のローリング族達が峠道で公道レースを行い、社会問題にもなった。ただそういった無軌道な走りに警鐘を鳴らすようなエピソードも盛り込んではいる。後半以降はサーキットが舞台となり、当時「バイクの甲子園」と言われ盛況だった「鈴鹿4時間耐久ロードレース」が中心となる。

第2部では全日本ロードレース選手権、第3部ではロードレース世界選手権シリーズ(WGP・現MotoGP)が舞台となり、最後は当時のGP500クラス(現MotoGPクラス)でシリーズチャンピオンを決め、連載は終了した。

あらすじ[編集]

第一部
高校生の巨摩郡(グン)は親友の沖田比呂(ヒロ)とつるんでバイクで峠道を攻める日々を送っていた。やがて、同級生の一ノ瀬美由紀(みぃ)やライバル聖秀吉(ヒデヨシ)と出逢うことでアマチュアレースに出場し始め、初心者クラス(ノービス)から規格外の才能を発揮する。ヒデヨシとは事あるごとに対立していたが、コンビを組んで鈴鹿4耐に優勝したことで友情を結び合う。しかし、ヒデヨシは峠道で事故死し、グンは遺志を継ぐようにプロライダーへの道を歩みだす。
第二部
大学進学後、グンは全日本選手権250ccクラスに参戦して、国際B級ライセンスながらA級ライダーに混じって優勝争いを演じる。また、妹分だった伊藤歩惟(あい)と交際を始める。ヤマハワークスの星野アキラやWGPの強豪カルロス・サンダーとの激闘の末、見事にシリーズチャンピオンを獲得。世界への挑戦を決意し、あいにプロポーズする。
第三部
翌年、グンはあいと共にヨーロッパへ渡り、ホンダサテライトチームからWGPの最高峰500ccクラスにフル参戦する。ヤマハに対するホンダのマシンの劣勢、ワークスチーム(HRC)との軋轢、危険走行による出場停止処分などの困難を経てホンダのエース的存在となり、ヤマハのラルフ・アンダーソンとのルーキー対決を制して世界の頂点に立つ。

登場人物[編集]

第1部より登場[編集]

巨摩 郡(こま ぐん)
主人公。第1話時点では北稜高校2年生。身長187cm、体重75kg。鋭い目付きをしており、寝癖のように所々が跳ねた髪が特徴。
3歳から16歳までアメリカで暮らした後、ビジネスマンとして成功した父と別れ、高校から日本で一人暮らしをしている。峠道でオートバイを飛ばすのが趣味の一高校生に過ぎなかったが、美由紀の誘いでサーキットでのレースに参加するようになる。高校生チームのライダーとして、鈴鹿8時間耐久ロードレースのサポートレースである鈴鹿4時間耐久ロードレース(鈴鹿4耐)にスズキ・GSX-R400(F3仕様)で参戦。ライバルの聖秀吉とコンビを組み、終盤に怒涛の追い上げをみせて優勝する。レースへの情熱はそれほど大きいものではなかったが、秀吉の峠での事故死を契機に本格的にレースの世界にのめり込む。
工業系の大学に進学しつつ、イチノセレーシングチーム (IRT) より全日本ロードレース選手権・250ccクラスに参戦。ライバル星野アキラの台頭や、市販ホンダ・RS250Rのハンディに苦戦するが、名チューナー島崎の手で改良されたマシンを得て、最終戦鈴鹿の劇的な勝利によりルーキーチャンピオンを獲得する。
翌年はホンダに活躍を買われ、一気に海外のWGP500ccクラスへステップアップする。WGPでは型落ちのホンダ・NSR500を与えられ、第3戦イタリアGPミサノ)で初勝利を獲得。特別チューンされた最新スペックのマシンを託され、ヤマハの天才ラルフ・アンダーソンと異次元のチャンピオン争いを展開する。
作中では「グン」とカタカナ表記されることが多い。海外のファンからは「GUN」というローマ字表記から「ガン・ボーイ」と呼ばれる。背が高いことから秀吉から「ノッポ」と呼ばれていた。負けず嫌いな性格で腕っ節が非常に強く、喧嘩相手を一発で倒すパンチ力や、車のドアを一撃で破壊するキック力を持つ。
ライディングスタイルはコーナーに高速で突っ込み、豪快なパワースライドで旋回するファーストイン・ファーストアウト走法。転倒の危険もいとわず、暴れるマシンをねじ伏せて最速を追求していくスタイルは「破滅的」「クレイジー」と評される。ガードレールのある車線でスピードを出し過ぎた際、ガードレールを思い切りキックして転倒を防止しつつ車体の向きを変えるガードレールキックターンという技を持っており、後のサーキットでの事故の回避にも使っている。
プライベートでの愛車はホンダ・CB750F。「しび子ちゃん」と呼ぶほど愛用していたが、秀吉の事故時に盗難されたためホンダ・NS400Rに変わり、普通自動車免許を取得してからは叔父から借りたマツダ・RX-7 (FC3S) も乗りこなす。
伊藤 歩惟(いとう あい)
ヒロイン。第1巻時点では高校1年生。性格に幼さを残す、ショートカットの明るい少女。
グンが通う高校の下級生で、当初はアイドル映画の影響で「オートバイを乗り回す姿がかっこいい」という理由だけでグンたちにくっついていたが、グンたちが本格的にレースに参戦するようになると、チームの一員としてピット作業を手伝うようになる。やがて、グンを異性として意識していることに気付き、グンから交際を申し込まれる形で相思相愛の仲となる。
グンに横恋慕するヨーコの企みで拉致されるが、駆けつけたグンによって救出され、全日本最終戦後に「一緒にヨーロッパに行ってほしい」と求婚される。婚約者としてグンと共にWGPのレースを転戦し、HRCのムードメーカー兼マスコット的存在となった。
4人家族のごく普通の家庭で育ち、弟の歩樹(あき)もグンの大ファン。父親は当初レーサーと言う職業を理解していなかったが、実際にレースを観てグンを応援するようになった。
聖 秀吉(ひじり ひでよし)
グンのアマチュア時代最大のライバル。関西育ちの自称「裏六甲ウンチーニ」。峠道ではグンと「ウサギとカメ」と題した追い抜き競争で腕を鍛え、一度もグンに抜かれなかった。グンの走りを道楽息子の遊びと見なしていたが、急成長と爆発的な速さについては認めている。
中学の頃に交通事故で両親を亡くし、妹の知代と2人でグンたちと同じ高校に転校してきた。「早くプロのレーサーになって、自らの力で家計を支えたい」という志向が強く、グンや美由紀が鈴鹿4耐参戦のためのチームメイトを探していることを聞きつけると、美由紀らの前で土下座してチーム入りを懇願。仲の悪かったグンと組むことが決まっても、レースに勝つためには当然のことと受け入れた。
ライディングスタイルはグンとは好対照にステディかつシュアであり、小柄ながら愛車スズキ・GSX750Sカタナを巧みに乗りこなす。鈴鹿4耐ではグンの派手な活躍の陰で、自身はマシンを労わる職人的な走りに徹した。高根沢の妨害に遭って転倒しながらもグンへマシンを託し、見事優勝してグンとのいがみ合いも解消する。
ポップ吉村の眼鏡にかない、高校卒業後はプロチーム入りすることが内定。グンを連れて峠の走り収めに出かけたが、転倒したライダーを避けようとした乗用車と衝突して死亡する。その後は作中には登場していなかったが、第3部のクライマックス直前で重要な役割で再登場する。
一ノ瀬 美由紀(いちのせ みゆき)
グンたちの高校での同級生。グンと比呂からは「みぃ」という愛称で呼ばれている。大人びた感性を持つ、ボーイッシュな少女。父親は大企業の経営者で、「イチノセレーシングクラブ」のオーナーでもある。
日本製マシンが席巻するWGPへ、チャンピオンを狙える日本人ライダーを送り出したいと望んでいる。峠道で出会ったグンの素質をいち早く見抜いてサーキットへと誘い、高校生ライダー4人による鈴鹿4耐参戦を計画する。自身のライダーとしての腕も相当なもので、当初はグンも彼女から技術を吸収していた。公道での愛車はホンダ・VT250F
はじめはグンに片思いだったが、鈴鹿4耐後に比呂の想いを受け入れ、交際している。
沖田 比呂(おきた ひろ)
グンと同じ高校に通う親友でバイク仲間。髪をリーゼントに決めた、ノリの軽いお調子者。イチノセレーシングの一員となり、美由紀とのコンビで鈴鹿4耐に出場し、転倒した美由紀をかばいながら完走を果たした。
グンほどの走りの才能が自分に無いことをコンプレックスに思ってたが、努力は怠らず、「4耐出場のトレーニング期間で、もっとも成長したのは比呂」と市川に評価された。美由紀にずっと片思いだったが、鈴鹿4耐のあと相思相愛に。高校卒業後は実家の八百屋の店員として働いているが、その一方で将来はバイク屋を経営したいという夢もある。愛車はカワサキ・Z400GP
市川(いちかわ)
イチノセレーシングの監督兼チーフメカニック。元中学校の教師。美由紀のことは「お嬢さん」と呼ぶ。ベテランらしい経験を持ち、初めてグンの走りを見て「このままでは君はバイクで死ぬことになる。もっと考えて走れ」と苦言を呈した。鈴鹿4耐まではグン/比呂、美由紀/秀吉の組み合わせだったが、本番ではあえて犬猿の仲のグンと秀吉にコンビを組ませて成功した。
メカニックとしては4サイクルエンジンのスペシャリストであり、ゆえに全日本250ccのシリーズ途中からチーフメカを島崎にバトンタッチする事になった。
太田 信一(おおた しんいち)
イチノセレーシングの若手メカニック。アマチュア時代からグンと関わり、島崎のもとについてWGPを転戦し、Tカーを担当する。第2部以降登場機会が少なくなった比呂の代わりとして、主にコメディリリーフ的な役割を担当する。愛車はヤマハ・FZ400R
聖 知代(ひじり ともよ)
秀吉の妹で高校1年生。両親の交通事故の後に秀吉と共に転校し、歩惟と同じクラスになる。秀吉がバイクに乗ることを快く思っておらず、秀吉がバイクで出掛ける度に心配している。秀吉の事故死を告げられた後、再び転校する。第2部の途中で再登場し、秀吉が耐久レースを行った会場を観に行った際に美由紀に会い、生前の秀吉のレースでの戦いぶりに感激したことを伝え、最後に別れを告げた。
西村(にしむら)
グンの通う高校の番長ボクシングを習っており、強面で顔に傷がある。当初はCB750Fに乗るグンを快く思っておらず、仲間の不良達と共にグンに喧嘩を売ったが、逆に殴り飛ばされてしまった。
以降は美由紀が不良グループに誘拐されたことを知った際、仲間のスクーターを借りて追い掛け、車に乗っていた不良メンバーを脅して美由紀を病院へ連れて行かせるなど、気の利いた一面を見せた。
秋山(あきやま)
グンと同じ高校に通う軟派な不良。比呂の中学時代の同級生だが、中学時代に留年しているために1歳年上。歩惟を口説こうと近寄ったことで、グンと歩惟の仲が一時的に険悪になる。
4輪ダートレースの経験者で、峠道でグンに勝負を仕掛けたが敗れる。秀吉の死後はグンに「お前が死んだのかと思った」と発言し、喧嘩の末殴り倒された。
サトル
イチノセレーシングに所属するライダー。筑波サーキットでの占有走行中、初心者のグンをからかって怒らせた挙句、あっさりと抜かれた上にオーバーペースで転倒する。
密かに美由紀に想いを寄せていたが、裕福な家庭で育った彼女と貧乏な自分の格差を妬んでいた。不良仲間と美由紀を誘拐し、強姦する一歩手前のところでグンと比呂によって殴り倒された。その後、レーシングチームを辞めることを伝え、歯止めの利かない自分を止めてくれたことを感謝した。
剛田(ごうだ)
サトルの旧知のライダー。無謀運転のオートバイのせいで妹が事故死したことを恨み、峠の走り屋達をガードレールにクラッシュさせる復讐行為を繰り返し、「峠の殺し屋」と恐れられる。グンと秀吉のコンビプレーによって復讐を食い止められ、改心して鈴鹿4耐に出場した。
高根沢(たかねざわ)
ハヤミ・レーシングチームのエースライダー。ハンサムで女性にもてるが、うぬぼれ屋で自己中心的。サーキットでの出来事を逆恨みし、イチノセレーシングに対して妨害行為を働くようになる。鈴鹿4耐ではシケインで秀吉の走路をわざと妨害して転倒させる。さらにピットで悪態をつき、観客から物を投げられた。
松井(まつい)
鈴鹿4耐に出場した「ノービス最速」と謳われるライダー。スズキワークスの浜松レーシングに所属する。鈴鹿4耐では首位走行中にペアライダーが転倒し、一時周回遅れとなる。そこからグンと共にハイペースで追い上げ、レース最終盤に首位を捉えたが、優勝はグンに譲る結果となる。

第2部より登場[編集]

星野 アキラ(ほしの アキラ)
全日本250ccクラスにおけるグンのライバルの一人。年齢はグンより1つ年下(17歳)の高校生。シーズン開幕当初は市販ヤマハ・TZ250に乗る新人ライダーの一人に過ぎなかったが、グンに憧れ、その走りを真似ようと試行錯誤するうちに急激に頭角を現す。グンと同じく国際B級のルーキーながらも、シーズン途中からヤマハのワークスマシンYZR250を与えられ、3連勝してチャンピオン争いの対抗馬となる。自信と共に不遜な態度を見せはじめ、最終戦ではサンダーに対決を挑むが完敗し、改めてグンへの敬意を抱く。
第3部ではグンの抜けた全日本選手権を独走で勝ち取り、アメリカGPの250ccクラスにテスト参戦するが、WGPのライダーのレベルの高さの前に打ちのめされていた。
島崎 浩一(しまざき こういち)
全日本選手権のシーズン途中から、イチノセレーシングに助っ人として招かれたエンジニア。元はWGPにプライベート参戦するライダーだったが、フランスGPでエンジン焼き付きによる大クラッシュに遭い、引退に追い込まれた過去を持っている。
限界までピークパワーを搾り出すエンジンチューニングを得意とするが、エンジン特性がピーキーとなり扱いづらくなるため、グンと出逢うまではそのマシンを乗りこなせるライダーに巡り合えなかった。馬力に勝るワークスマシンと勝負するため、市販のホンダ・RS250Rに過激なセッティングを施し(シマザキスペシャル)、グンのライディングの進化を促した。最終戦ではホンダが提供したワークスRSのエンジンをチューンしたシマザキスペシャル2を用意した。
グンとは喧嘩腰ながら息の合うコンビとなり、WGPでも「チーム・シマザキ」としてマシンセッティングを担当する。
荻野目 誠(おぎのめ まこと)
シーズン2戦目からイチノセレーシングに加わった国際A級ライダー。全日本250ccクラスでは中堅どころのライダーだが、チームにエース待遇を求め、マシンの仕上がりに難癖を付けるなどトラブルメーカー的存在となる。当初は新人のグンを見下していたが、レース結果から次第に才能を認めるようになった。一度フリー走行でシマザキスペシャルを借りてクラッシュさせたことから、最終戦ではグンのマシンのセッティングに協力し、「借りは必ず返す」という義理堅いところも見せている。普段はタクシー運転手として働いている。
ヨーコ
鈴鹿サーキットクイーンの女子大学生。鈴鹿4耐の表彰式でグンに冷たくあしらわれたことを根に持ち、しつこく付きまとうようになる。次第にそれは恋愛感情へと変化するが、既に歩惟と交際しているグンには全く相手にされない。しまいには取り巻きの不良たちを使って、全日本ロードレース選手権・最終戦の決勝前日に歩惟を拉致するが、目論見と異なり歩惟を救出すべくグンが駆けつけたため恋に敗れたことを自覚する。
タカオ
ヨーコの親衛隊のリーダー格。関東の大学に進学したヨーコを追って転職するほど彼女に惚れ込んでいる。腕っぷしの強さは仲間内でも恐れられており、歩惟の拉致事件に加担した不良たちを制裁した末、グンに「けじめ」のタイマン勝負を持ちかけた。
ヨーコの「あの足に惚れた」という台詞は、作者のしげの秀一が交際・結婚した速水翼に対するエピソードから。
神野 幸男(じんの ゆきお)
グンが通うS工大の2輪部部長。部の恒例イベント「裏山サーキットタイムトライアル競技会」にて伝説のコースレコードを更新することを期待されていた。しかし、飛び入り参加したグンにあっさり抜き去られ、プロとアマチュアの差を見せつけられた。愛車はヤマハ・FZ400R
カルロス・サンダー
ホンダのワークスライダー。アメリカ出身。前年にWGP250ccクラス参戦1年目でチャンピオンを獲得し、ロスマンズ・ホンダより500ccクラスにステップアップ。この年の鈴鹿2&4レースに出走するため来日した折、テスト走行時にグンと初めて出会う。その後、WGPで年間2勝し、ホンダの要請で全日本ロードレース最終戦(鈴鹿)にスポット参戦し、500ccと250ccクラスにダブルエントリーした。全日本ライダーのレベルを軽視し、250ccクラスでは悠々独走していたが、グンの思わぬ追撃に遭い最後に逆転を許す。
第3部でもロスマンズ・ホンダのワークスライダーとしてWGP500ccクラスに出走する。マシンの不調とともにスランプに陥り、グンの活躍を妬んでワークスマシンの貸与に難癖をつける。

第3部より登場[編集]

ラルフ・アンダーソン
第3部におけるグンのライバルである天才ライダー。アメリカ出身。亡き母の容姿を意識し、長く伸ばした金髪を後ろでまとめているのが特徴。
キング・ケニーの秘蔵っ子」として、ラッキーストライク・チーム・ロバーツよりシーズン途中の第3戦イタリアにスポット参戦(マシンはヤマハ・YZR500)。エースライダーのランディ・マモラを転倒に巻き込んで負傷させてしまい、その後は代役としてレギュラー参戦を果たす。すぐにヤマハのエースライダーへのし上がり、グンとGP500クラスのチャンピオン争いを展開する。
幼少期よりモトクロスダートトラックで技を磨き、グンとは対照的に滑らかで芸術的な走りを身上にするが、時にはダートのラフテクニックも駆使する。エリート選手らしい傲慢な面を見せ、グンとは犬猿の中だがグンの才能は認めており、コース上では1対1のドッグファイトを展開している。
梅井 松夫(うめい まつお)
ホンダワークスチーム (HRC) 監督。おかっぱ頭のような髪型が特長。ヤマハとのメーカー対決の陣頭に立ち、500ccクラスにおけるホンダの劣勢を挽回しようとする。
グンに対してはいつも憎まれ口を叩きつつもその才能を評価しており、第8戦イギリスでニューマシンを投入する際、グンだけに他のワークスマシンとは方向性の異なるチューニングが施されたNSR500を供給するなどの便宜を図り、ロスマンズ・ホンダ陣営と揉めごとになった。グンをかばい切れなかった際の涙ながらの謝罪、出場停止処分に対する激しい抗議などで、次第に信頼を得ていった。また歩惟のことをかなり気に入っており、グンと歩惟が初夜を迎えたことを知ったときには尋常ではない落ち込み方をした。
モデルは連載当時ホンダF1総監督であった桜井淑敏と、同じくHRC監督だった福井威夫

アニメ[編集]

1986年に「Part I 筑波篇」「Part II 鈴鹿篇」として2作品製作されたオリジナルビデオアニメ1987年8月には、劇場版として再編集され日本ヘラルドの配給で劇場公開された。併映作品は、同じ『週刊少年マガジン』連載の漫画『あいつとララバイ』の劇場版アニメ化作品『あいつとララバイ 水曜日のシンデレラ』。

登場人物(声の出演)[編集]

スタッフ[編集]

  • 製作:加藤勝久
  • 企画:平賀純男、内田勝
  • プロデューサー:三樹創作(筑波篇)、五十嵐隆夫(鈴鹿篇)、鈴木良平、布川ゆうじ
  • 脚本:渡邊由自渡辺麻実(鈴鹿篇)
  • 監修:鳥海永行
  • 監督:上村修(筑波篇)、池上誉優(鈴鹿篇)
  • 作画監督:古瀬登
  • 美術監督:水の尾純一(筑波篇)、中座洋次(鈴鹿篇)
  • 美術設定:佐藤正浩
  • 編集:森田編集室、坂本雅紀、森田清次
  • 音楽:新田一郎
  • 録音演出:斯波重治
  • アニメーション制作:スタジオぴえろ

テーマ曲[編集]

「スロープに天気雨」 (劇場版・OVA PART I 筑波編 オープニング)
作詞麻生圭子 作曲高中正義 歌手荻野目洋子
「少年の最後の夏」 (劇場版 エンディング)
作詞:売野雅勇 作曲:筒美京平 歌手:荻野目洋子
「涙はスピード揺らすから」 (OVA PART I 筑波編 エンディング)
作詞:麻生圭子 作曲:大沢誉志幸 歌手:荻野目洋子
「NONSTOP DANCER」 (OVA PART II 鈴鹿編 エンディング)
作詞:川村真澄 作曲:小室哲哉 編曲清水信之 歌手:荻野目洋子

関連作品[編集]

ゲーム[編集]

パチスロ[編集]

  • バリバリ伝説(平和

現実のレースとの関係[編集]

人物・設定関連[編集]

第一部では鈴鹿4耐でヨシムラの創始者吉村秀雄(ポップ吉村)が登場し、グンのバックアップに徹する聖秀吉のライディングセンスを見抜いた。

第二部では全日本250ccクラスのファクトリーライダーとして、ホンダの小林大、ヤマハの奥村裕らが登場する。なお、作中では全戦とも国際A級・B級ライダーの混走とされているが、実際はレース毎の出走台数によって異なり、作者も「フィクション」と断り書きをしている。

第三部ではエディ・ローソンワイン・ガードナーランディ・マモラロン・ハスラムクリスチャン・サロンといった当時の現役ライダーや、ジャコモ・アゴスチーニケニー・ロバーツといった当時のチーム監督らが多数登場している。チーム体制や所属ライダーは概ね1987年シーズンのデータに沿っているが、作中でグンの走りと比較されているフレディ・スペンサーや、当時WGPにレギュラー参戦していた日本人ライダー(平忠彦八代俊二)らは登場していない。

グンがWGP前半戦で乗るホンダ・NSR500については、前年スペンサーが走らせていたものの発展バージョンを使用しているという記述が見られる。イギリスGPより与えられた最新型NSRは、排気管の取り回しが左右から右2本出しへと変更された1989年モデルに似ている。

エピソード[編集]

  • 主人公巨摩郡の、転倒を恐れない攻撃的で切れ味鋭い痛快なライディング姿は、1980年代中盤からWGPで活躍する日本人ライダーに歩調を合わせた形になり、フォロワーに大きな影響を与えている。特に中野真矢はグンの大ファンで、MotoGPやスーパーバイク世界選手権でグンのゼッケン番号・56を選んで参戦し、現役引退後は「56design」というブランドを経営している[1]
  • 主人公の愛車CB750Fには、セパレートハンドルバックミラー(丸型と角型)、フロントスタビライザー、バックステップ、オイルクーラー、モリワキ集合管といった走り屋使用の改造が加えられている。秀吉のGSX750Sカタナはフロントフェンダーを外し、ウィンドスクリーンやハンドルが海外輸出車と同じ仕様に変えられている。この2台の作中仕様を再現したプラモデルラジコンが商品化されている。
  • 漫画の中で主人公が着用しているレーシングスーツは実在のメーカーのJレーシングプロジェクト (JRP) 製である。デザインはJRPの代表である佐藤順造が現役時代( - 1988年)に着ていたデザインである。レーシングスーツは巨摩郡レプリカとして販売され、ヘルメットも販売されていた(作中ではSHOEI製)。ヘルメットは現在もJレーシングプロジェクトで「グンヘル」として販売されている。「グンヘル」のグラフィックパターンは雑誌『月刊ベストバイク』の編集者で作者のアドバイザーであった「オサ坊」のヘルメットが元であった(同時期に交友があった清水國明は青地に黄色の色違いを使用していた)。
  • 1980年代前半、富士スピードウェイの廃止・レジャーランドへの転用がされていた当時、レース業界は「FISCO廃止問題連絡協議会」を立ち上げて反対運動を展開した。しげの秀一は『バリバリ伝説』のタイトル頁で、主人公巨摩郡が「FISCOなくなったら困るぜ!みんなで反対しよう!」と呼びかけるかたちで協力した。1986年7月にサーキットの存続が決定し廃止騒動は収束した[2]。また、1986年にテスト中の事故で亡くなった4輪レーサー萩原光への追悼文を欄外に記した回もあった。
  • 2013年の第36回鈴鹿8耐ではイベントブースで「80年代バイクブームの熱気 バリバリ伝説展」という企画が催され、漫画にちなんだ市販車・レーサーが展示された[3]

脚注[編集]

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  1. ^ "about 56design". 56design. 2013年11月5日閲覧。
  2. ^ 富士スピードウェイの歴史-F1日本グランプリ開催と廃止騒動-』静岡県立中央図書館発行
  3. ^ "WEB Mr.Bike". 2013年11月5日閲覧。

外部リンク[編集]