恐怖新聞
『恐怖新聞』(きょうふしんぶん)は、つのだじろうによる日本の漫画作品、およびそれを原作としたアニメ、映画作品。またそれらの作品内に登場する架空の新聞。
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[編集] 概要
つのだじろうの代表的な恐怖漫画作品。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて、1973年から1976年まで連載(全29話)された。1日読むごとに100日ずつ寿命が縮まる「恐怖新聞」によってもたらされる、不幸な未来の恐怖を描く。主人公鬼形礼にまつわる長期的なストーリーと、鬼形が脇役として登場する独立した短編作品からなる。
1970年代のオカルトブームの火付け役ともなり、アニメ、ビデオ、ゲームソフト、映画、パチスロ機、電子ブックからタイピング練習ソフトまで様々なメディアでリメイクされ続けている。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
[編集] あらすじ
石堂中学校に通う少年、鬼形礼(きがた れい)。彼は幽霊などの超常現象を全く信じていなかった。そんなある晩、午前零時に彼のもとに突然「恐怖新聞」と書かれた新聞が届けられる。その新聞には、霊魂の存在を実証する記事、または未来の出来事などが書かれていた。翌日、その記事は現実となってしまう。そして、級友から「恐怖新聞」にまつわる恐ろしい噂を耳にしてしまう。それは、「恐怖新聞」は1日読むごとに100日ずつ寿命が縮まるというもの。その日から鬼形礼の恐怖の日々が始まった。
鬼形礼は幽霊だけではなくUFOやUMAも含む数々のオカルト現象に遭いながらも、恐怖新聞に助けられる事も多かった。しかし、最終的には恐怖新聞を読み過ぎたことにより、自分が写るはずだった写真に老人が写っていたり、年老いた自分の分身と思われる複体と出会うようになり、強い危機感を持つようになった。ポルターガイストの除霊に失敗し続け除霊は諦めていたが、小泉霊媒から小泉香具耶を紹介され、再び除霊を決心する。
香具耶に紫光山の霊場に連れて行かれた鬼形礼だが、雑念が多く除霊に集中できない。一時は香具耶が優勢だったが、香具耶に化けたポルターガイストに騙されて捕まった鬼形礼が重傷を負い、その後に起きた局地的な大地震により鬼形礼は死んでしまう。香具耶の方は1ヶ月の重傷、鬼形礼を殺すという目的を果たしたポルターガイストは霊界へ去った。
その後、恐怖新聞を発行する悪霊霊団が、中学校のクラス全員を殺せば生き返らせてやるという話を鬼形礼に持ちかける。しかし、だんだん体が腐り、周囲に分かるほどの腐臭を漂わせ始め、生き返る事は無理だろうという事を鬼形礼は自覚するようになった。
霊団は、中学校のバス旅行で山道からバスを転落させる計画を鬼形礼に手伝わせようとしたが、逆に鬼形礼がバスを救ってしまったため、霊団もこれ以上、鬼形礼を利用して人を殺すのを諦め、地獄へと引き込もうとした。ところが多くの人命を救ったということもあり、守護神が鬼形礼を守り、霊団から助けて幽界へと導いた。
バス事故の後、鬼形礼の体は行方不明になったが、もともと死んだ場所である紫光山で死体が発見され、周囲の友人にも最近の鬼形礼は幽霊だったのだということが知られるようになった。気味悪がられもしたが、幽霊であってもバスの転落を防いだ事には変わらず、多くの人に感謝されて送られる葬式となった。
無事、幽界に辿り着いたはずの鬼形礼だが、現世に未練があったのか戻ってきてしまい、今度は自らが配達人として「恐怖新聞」を配達することになった所で物語は終わる。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- 鬼形礼(きがた れい)(声優 OVA版:古谷徹 / PS版:堀川亮)
- この漫画の主人公。霊魂の存在を否定していたが、「恐怖新聞」が届くようになってから、数々の超常現象を目撃するようになる。また、「恐怖新聞」の存在を周囲に打ち明けるが、他人には「恐怖新聞」が見えないため、気味悪がられて避けられるようになる。しかし、超常現象などに悩まされる級友からは頼りにされているため、孤立しているわけではない。何度か除霊を試みるものの、ポルターガイストの強大な霊力の前に失敗している。また、恐怖新聞に関わる人間が次々と不幸になるため、鬼形は独り孤独に「恐怖新聞」と戦っていくようになる。なお氏名の平仮名表記の文字順を並べ替えると「れいがきた」(霊が来た)となる。
- 死後「恐怖新聞」の配達人となるが、本編以降のシリーズでは恐怖新聞と戦う霊的な存在として、各主人公達を助けている。
- ポルターガイスト(声優 OVA版:屋良有作 / PS版:青野武)
- 「恐怖新聞」の配達人。生前、新聞配達をしていた人間の霊魂。強力な悪霊で、大きな霊団と結託している。ポルターガイスト現象を起こすため、この名前で呼ばれるようになる。
- 目的は鬼形の寿命を100日ずつ奪い、死に至らしめること。毎晩のように「恐怖新聞」を配達しにくるが、直接鬼形に危害を加えることはない。むしろ、身辺で起こった怪奇現象についての鬼形の疑問に答え、鬼形に有利なアドバイスを送ったり、怪奇現象に悩まされている鬼形の知人の元へ恐怖新聞を配達し、救うこともある。さらには、鬼形に他の悪霊や悪魔が取り憑くと不機嫌になり追い払おうとするなど奇妙な協力関係とも言える。
- 中神緑子(なかがみ みどりこ)(声優 OVA版:久川綾 / PS版:井上美紀)
- 「恐怖新聞」上で予言された通り、鬼形のクラスに転校してきた少女。鬼形以外で「恐怖新聞」が読める、数少ない人間の1人。中神(兄)とともに、鬼形に協力し数々の恐怖体験をする。以前の学校でのあだ名は「グリーン」だったが、作中では基本的に「中神さん」と呼ばれる。終盤、竹之市の呪いにより、命を落としてしまう。
- 中神洋介(なかがみ ようすけ)(声優 OVA版:田中秀幸 / PS版:平野正人)
- 中神緑子の兄。新聞記者。最初は半信半疑だったが、鬼形の予言が次々的中するのを目の当たりにし、「恐怖新聞」の存在を信じるようになる。それからは、鬼形の予言に関して惜しみなく協力するようになる。物語終盤、竹之市の幻惑により、鬼形を竹之市と誤認して暴行、逮捕されてしまう。
[編集] 霊能力者
- 小泉霊媒(こいずみれいばい)
- 鬼形礼が学校の先生から紹介された霊媒。除霊はできないが、恐怖新聞などについてアドバイスをくれる。
- 桐法大師(とうほうだいし)(声優 OVA版:永井一郎)
- 新潟県の山中に住む霊能者。出羽三山などで修行した仙人のような老人で、ポルターガイストの除霊を行うが、逆に返り討ちに遭ってしまう。OVA版では浄雲法師という名前になっている。
- 木原霊媒(きはられいばい)(声優 OVA版:塩屋浩三)
- 竹之市の霊を払おうとするが、逆に取り憑かれてしまう。
- 小泉香具耶(こいずみ かぐや)(声優 PS版:柳瀬なつみ)
- 小泉霊媒の親戚。小学生のような風貌だが、鬼形礼と同い年である。恐ろしく霊感能力に優れており、テレポーテーションを使える。ポルターガイストの除霊に失敗し、1ヶ月の重傷を負う。以後は水晶玉を通して、悪の霊団に利用される鬼形礼を見守ることに徹する。
[編集] 悪霊・怪異
- 恐怖新聞(きょうふしんぶん)
- 毎晩深夜0時に配達される新聞。ごく近い未来に起きる怪異について書かれており、内容が外れることはない。未来予知とも言えるが、読むたびに寿命が100日縮む。抵抗すればするほど強引な方法で配達されるため、鬼形は購読拒否をあきらめてしまった。
- 強力な悪の霊団による一種の呪いだが、それ以外の死や他の悪霊の介入は排除しようとする。霊能力の無い人間が見ても普通の新聞としか見えない。悪の霊団は、なにかしら因縁のある霊を取り込み、配達人として使役する。配達人は、生きている人間を恐怖新聞で殺すことでしか解放されない。
- 悪魔(あくま)アイニ
- ある事件で鬼形にとり憑いた悪魔で、かつてスペインで彼を老婆の肉体から払ったラファエル神父から「心霊学的に言えば、ヘビとネコの動物霊が取り憑いた悪霊といえようか」と説明されている。鬼形の肉体を乗っ取ったことでポルターガイスト(恐怖新聞)と対立する。
- 竹之市(たけのいち)(声優 OVA版:麦人)
- 生前に金貸しをしていた、中神家に取り憑く怨霊。貧しい武家だった中神家に金を貸していたが、なかなか返してもらえず、刀を借金のカタに押さえようとしたところ、怒りに触れ、斬られてしまう。その時に竹之市は中神家の七代先までを呪った。ちょうど七代目が緑子と洋介である。
- ポルターガイストから仲間扱いされていたが、悪の霊団に参加しているのかは不明。
- 悪の霊団の頭(あくのれいだんのかしら)
- ポルターガイストと結託していた霊団の頭。いわゆる閻魔大王のような風貌をしており、「地獄で必要な霊魂を調達している」と称しているが、本当に地獄の意向で動いているのかは不明。
[編集] その他の人々
- 理科の先生(りかのせんせい)
- 石堂中の理科の先生。UFOに関心があり、知識も豊富である。中神洋介はUFOに関する助言を求めて彼の元を訪ねている。生徒のUFO目撃証言を聞いて、授業を実地検証に変更して校外に出たことがある。また何度も鬼形礼の予言や話について「理科2分野1」の授業時間に取り上げてクラスで議論している。ぽっちゃりとした体形で、終始穏やかな表情をしている。なお、鬼形と石堂町内の銭湯で出くわしたことがある。
- エリナ松岡(エリナ まつおか)
- 鬼形礼の前に幾度となく現れる正体、国籍不明で謎の少女。宇宙人の共同体「宇宙連合」との交信を務めるコンタクトマンである。金髪にミニスカートといった外見。突然鬼形の前に現れると、彼に目隠しをしてどこかの山奥に連れて行きそのまま姿を消すなどの行動を取る。本人曰く地球人。
- 戸室君(とむろくん)
- 鬼形のクラスメート。石堂町内の連続放火についてのクラス会議を取り仕切っていたが、実は霊に取り付かれた彼が連続放火犯であった。除霊を行うために鬼形とありがた教に通い、除霊を行う。
[編集] 地名・施設
- 石堂中学校
- 主人公が通っている学校。看板の表記が私立の時と、都立の時がある。
- 石堂警察所
[編集] 関連漫画
- 『恐怖新聞II』(1990年 - 1993年、サスペリア、秋田書店)
- 続編作品。主人公は女子高生、本堂幽子(ほんどう ゆうこ)。新たにポルターガイストに取り憑かれた人間の恐怖を描いている。全6巻で単行本も発売されている。
- 『恐怖新聞 平成版』(2002年、恐怖新聞 平成版、講談社)ISBN 4063347966
- 『キガタガキタ!』(2009年 - 2011年、秋田書店)
- 西条真二によるリメイク作品。週刊少年チャンピオンの創刊40周年記念作品の1つとして2009年52号に掲載され、翌2010年に連載作品に昇格し、同年35号より2011年29号まで連載された。主人公は鬼形礼の親戚である鬼形冥(きがた めい)、世界観や設定も現代に合わせて描かれている。単行本は全5巻の予定だったが第5巻は発売中止となった。
[編集] アニメ
OVAとして1991年製作。全2巻。2004年にビデオ全2巻を1巻にまとめたDVDが発売された。映像特典として、「つのだじろうの恐怖心霊レポート」が収録されている。
[編集] タイトル
- 第1巻「真夜中に奇怪な新聞が来た」
- 第2巻「因縁霊は七代たたる」
[編集] スタッフ
- 監督:安濃高志
- 脚本:桜井正明
- 絵コンテ:渡部英雄(第1巻)、新田義方(第2巻)
- 演出:淵出堕世(第1巻)、新田義方(第2巻)
- キャラクターデザイン:上村栄司
- 作画監督:上村栄司(第1巻)、菊池城二(第2巻)
- 美術監督:勝又激
- 音響監督:松浦典良
- 音楽:つのだたかし
- アニメーション製作:ぴえろ
[編集] 映画
[編集] 『恐怖新聞』(1996年)
1996年製作。オリジナルビデオ作品。原作者であるつのだじろうも出演している。設定は『恐怖新聞II』を元にしている。中学生以下は視聴できないR指定を受けている。
[編集] キャスト
[編集] スタッフ
- 監督:石井てるよし
- 脚本:小中千昭
- 原作:つのだじろう
- 製作総指揮:市村将之
- 企画:井出正義、円谷粲
- プロデュース:本島章雄、今井朝幸、岡本晃基
- 音楽:村山竜二
- SFXスーパーバイザー:川添和人
- 製作:円谷映像
[編集] 『予言』
2004年制作で10月2日劇場公開作品。東宝配給。Jホラーシアターシリーズの第1弾作品。原作の「未来を予告する新聞」という設定のみ抽出し、別の物語として描かれている。
[編集] キャスト
[編集] スタッフ
[編集] 同時上映
[編集] 『恐怖新聞』(2011年)
2011年製作。劇場公開長編映画。原作の設定を元にしたオリジナル脚本となっている。鬼形家の子孫、鬼形経(大学生)が登場する。
[編集] キャスト
[編集] スタッフ
- 監督:大森研一
- 原作:つのだじろう
[編集] ゲーム
- 『恐怖タイピング新聞』(PCタイピングゲーム、2001年6月15日発売、インターチャネルホロン)
- 本作品を題材にしたタッチタイピングソフトで、主人公の鬼形少年は、とりついてしまった憑依霊とともにタイピングを駆使して除霊を行っていく。
- 『恐怖新聞』(プレイステーション、1997年1月24日発売、ユタカ)
- 原作を忠実に再現したサウンドノベル。鬼形礼は案内人として登場する。
- 『恐怖新聞【平成版】 怪奇! 心霊ファイル』(プレイステーション2、2003年8月7日発売、コナミ)
- ストーリー、登場人物は完全なオリジナル。サウンドノベル作品だが、探索シーンなどもある。
- 『ソースネクスト コレクションコミックス5 恐怖新聞 1~6巻』(2004年、ソースネクスト)ISBN 4861701341
[編集] パチスロ
- 恐怖新聞(アリストクラートテクノロジーズ、2007年)
- 恐怖新聞〜第二章〜(アリストクラートテクノロジーズ、2010年)
[編集] 豆知識
- 後に続編も描かれている。単行本は少年チャンピオンコミックスで全9巻、秋田コミックセレクトで全5巻、秋田文庫として全5巻が発売されている。文庫版には収録されてない話(コミックセレクト版では4巻の「円盤着陸」)があり、また話の順序も前後して収録(同セレクト版での3巻収録の「ピアノ」が4巻へ以降)されているため、多少ストーリー展開がわかりにくくなっている。
- 『週刊少年マガジン』(講談社)誌上で連載されたつのだの作品、『うしろの百太郎』がヒットし、1970年代当時の社会現象ともいえるオカルトブームを受け、連載が開始された。当初、つのだは連載漫画の類似性によるイメージの固定化を防ぐため、『週刊少年チャンピオン』誌上では『泣くな! 十円』というギャグ漫画の連載の継続を希望したが、同誌で読切作品として数話掲載された『亡霊学級』への反響の大きさから『泣くな! 十円』の連載を終了し、本作の連載を開始する事になった[要出典]。
- 原作漫画では、恐怖新聞社の住所が「つのだプロ内」と表示されていたことがある。
