ノンタン

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ノンタン』(Nontan)は、キヨノサチコ作絵の絵本のシリーズ、及び同シリーズの主人公。比較的太めの波打つような描線で描かれた素朴な絵柄が特徴的。(※後述の理由により後にキヨノサチコの単独名義になっている。)

来歴

元気なの男の子ノンタンを主人公とした絵本のシリーズで、1976年に最初の絵本『ノンタンぶらんこのせて』が刊行。その後、絵本はもちろんのこと、CDテレビアニメ、キャラクター商品などでも人気を博している。

当初、キヨノと大友康匠偕成社に、白い子ギツネを主人公とした『あかんべきつね』(後の『あかんべノンタン』の原型)を持ち込んだ。その後、編集者からの提案により主人公がネコに、書名も『あかんべどらくん』に変更された。しかし『どらくん』という言葉が子供に発音しづらいということで最終的には『ノンタン』に決定された。なお「ノンタン」とはその編集者の娘の友達のあだ名を戴いたものである[1][2]。また、初期の原画では一見開きの中で画面が分割されていたが、編集者からのアドバイスにより画面構成を描き直している[1]

刊行された第1作は『ノンタンぶらんこのせて』であり、『あかんべノンタン』は第3作として出版された。1976年当時の絵本事情から、「あかんべ」といういたずら行為が、絵本を購入する母親から拒絶されることを危惧したためである[3]

キャラクター

ノンタン、タータンを除いたほぼすべてのキャラクターに「必要性を感じなかった」という理由で名前がついてない[4]

ノンタン
主人公たる白猫の男の子。やんちゃでわんぱくで元気いっぱいであるが、ちょっぴり気弱なところもある。いたずら大好き、遊ぶの大好きであり、色々なものに興味を持つ。わがままであるが、本当はやさしい友達思いである。宝物は赤い自動車と赤いギター。
屋根に旗のついた家で一人暮らしをしているが、タータンが登場してからはタータンと二人暮らしである。
年齢は作品によって異なり、一定しない[5]。『ノンタンのたんじょうび』では4歳。
ぶたさん
の男の子でノンタンのライバル。好きな食べ物はりんご。たぶん、5歳。
うさぎさん
ピンク色をした三つ子のウサギ。1人は男の子で2人は女の子だが外見では見分けがつかない。片耳折れが男の子。優しくてお茶目で怖がり。3匹とも、6歳。
たぬきさん
メンバーの中で一番の泣き虫で、いつもは非常に明るいタヌキの男の子。空や海を眺めるのが好き。歌は好きだが、かなり音痴。3歳。
くまさん
みんなが困ったときに助けてくれるリーダー的存在だが、普段は非常におとなしい。一番の力持ち。昼寝が好き。8歳。
タータン
ノンタンの妹で青いリボンがトレードマーク。いたずらとおにいちゃんが大好き。小さいせいかひげが短く、右は3本、左は2本しか生えていない。2001年出版の『ノンタンいもうといいな』で初登場。年齢はおそらくノンタン同様作品によって異なり、一定しない。おそらく2歳~3歳。名前はキヨノの息子が姉を呼んでいたあだ名に由来する。実際と絵本とで上下関係が逆になっているのは、絵本を描くときに、キヨノが息子の方が年上と勘違いしていたため[6]
絵本の中では説明されていないが実は耳が聞こえない[7]
はちさん
ノンタンたちのそばを見守るように飛び回るハチ。言葉を喋ることはないが、意思の疎通は出来る模様。

なお、絵本には登場していないが、ノンタンの父・母・祖母・祖父も設定としては存在しており、絵本にも登場させる構想があった[8]

絵本

偕成社から、『ノンタンぶらんこのせて』『ノンタンおやすみなさい』を皮切りに、数十冊が刊行されている。

1976年8月に刊行された『ノンタンぶらんこのせて - ノンタンあそぼうよ (1)』から1982年9月刊行の『ノンタンボールまてまてまて - ノンタンあそぼうよ (10)』までは作者は「おおともやすおみ」のみだったが、後に「おおともやすおみ」と「おおともさちこ」の連名となっている。以降の作品に関しては作者はキヨノサチコのみとなっている。

絵事典

1984年求龍堂から関連書籍として、『おみちゃん さっちゃんの こども え じてん』(作・絵:おおとも やすおみ・さちこ、文:しおの よねまつ(塩野米松))が出版されている。

これは、様々な単語の意味や著名な童話作品のあらすじを、平易なかな文字の文章と、絵本版『ノンタン』に登場するキャラクターをモデルにしたイラストで説明するという、子ども向けの百科事典である。前述のように『ノンタン』のキャラクターが登場するものの、メインキャラクターとなっているのは、白うさぎの「おみちゃん」(男の子)と「さっちゃん」(女の子)である。また、その他のキャラクターに関しても、絵本版『ノンタン』とは異なった設定が見られる。以下にその例を記述する。

  • 「おみちゃん」「さっちゃん」を筆頭に、絵本版『ノンタン』には登場しないキャラクターが散見される。例として、「わにさん」(時に「わにくん」)、「こんちゃん」(キツネ)、「ももちゃん」(ノンタンの耳にリボンをつけたようなキャラクター)等。
  • 絵本版『ノンタン』における「ぶたさん」の呼び名が、この事典では「ぶたくん」「ぶたさん」と一定しない(「ぶたさん」については後述。)また、絵本版「たぬきさん」が「たぬきのぽんたくん」と呼ばれている部分が一箇所あったり、「くまさん」が「くまのぼうや」と呼ばれている箇所があるなど一定していない。(いずれも外見的な相違はない。)また、「おみちゃん・さっちゃん」がまとめて「うさぎさん」と呼ばれている箇所もいくつか存在するが、事典中に絵本版「うさぎさん」3人も別キャラクターとして描かれており、両者は別人格であると考えられる。
  • キャラクターの性別・年齢が絵本版『ノンタン』と一致しない。特に「ぶたさん」は前述のように呼称が一定しないばかりか、時には女の子として描かれており、化粧をしたり、スカートを履いたりしている描写がある。また、キャラクターが大人として描かれている場合もあり、「およめさん」の項目で、「ぶたくん」が「ぶたこさん」と結婚していたり、「よっぱらい」の項目で、「くまさん」と「ぶたさん」が飲酒して酔っ払っている描写がされていたりする。

裁判

キヨノと大友康匠(離婚した元夫)は、双方が持つ著作権の認識のズレから「ノンタン絵本裁判」となる(大友は裁判中に死去)。裁判の結果「実質的な著作者はキヨノであり、大友は補助的作業をしたに過ぎない」との判断が下された[9]。大友の訴訟承継人は控訴したが、棄却された[10]

売上記録

  1. ノンタンぶらんこのせて - 215万部
  2. ノンタンおやすみなさい - 200万部
  3. ノンタン!サンタクロースだよ - 193万部
  4. ノンタンおねしょでしょん - 176万部
  5. ノンタンおよぐのだいすき - 176万部
  6. ノンタンのたんじょうび - 157万部
  7. あかんべノンタン - 156万部
  8. ノンタンあわぷくぷくぷぷぷう - 150万部
  9. ノンタンボールまてまてまて - 136万部
  10. ノンタンほわほわほわわ - 132万部

トーハン『ミリオンブック』2008年度版。2007年9月までの累計。

CD

日本コロムビアから「おはなしノンタン」という、絵本の読み聞かせCDのシリーズが発売されている。主題歌とナレーションを担当したのは榊原郁恵

アニメ『ノンタンといっしょ』

1992年1994年フジテレビ系「ウゴウゴルーガ」の枠中で放送されていたコーナードラマ。全265話が制作されており、そのうち2話分は未放送である。主題歌とノンタン役の声優千秋が担当した。ナレーションは平野文

アニメーション制作を担当したスタジオぴえろのホームページによると、本作は「ミュージカル風アニメーション」として企画され、コミカルな効果音や音楽が効果的に使われている。中には1話まるごとミュージッククリップ(総集編ではなく新規のもの)のような回もある。

OVA『ノンタンといっしょ おべんきょうシリーズ(新おべんきょうシリーズ)』も製作。

原作との相違

  • 一部のキャラクターは、原作の「ぶたさん」など「○○さん」表記ではなく、「ブタくん」など「○○くん」と表記。
  • ブタくんの性格とタヌキくんの性格が入れ替わっている。

声の出演

スタッフ

主題歌

オープニングテーマ「ノンタンといっしょ Dancing! びびでな・すてっぷ」
作詞 - 秋元康 / 作曲・編曲 - 本間勇輔 / 歌 - 千秋
エンディングテーマ「フィナーレほど素敵なものはない」
作詞 - 秋元康 / 作曲・編曲 - 本間勇輔 / 歌 - 千秋
ビデオ版エンディング「もしも空から」
作詞 - 浦沢義雄 / 作曲・編曲 - 本間勇輔 / 歌 - 千秋 / セリフ - 長沢直美高乃麗横山智佐森田千明
  • 歌詞は「もし、雨ではなく何か別のものがふってきたら」というもので、非常にシュールな内容になっている。

アニメ『げんき げんき ノンタン』

2002年11月4日からキッズステーションで放送された3DCGアニメ。最終話の放送が終了しても、時々新作を挟みながら、再び1話に戻って再放送を繰り返し2012年4月4日まで放送されていた。原則として毎週月曜日〜金曜日の放送だったが(2005年4月4日2006年4月3日は毎週月曜日のみの放送)、放送時期により放送時間は幾度か変動している。1日に同じエピソードを2回放送したり、1日に2話放送した時期もある。主題歌とノンタン役の声優齋藤彩夏が担当。

キッズステーションでの放送終了後も、新作エピソードを収録したOVAが発売されている。

一部の地上波テレビ局でも放送されたことがある。

声の出演(第2作)

スタッフ(第2作)

主題歌(第2作)

オープニングテーマ「げんき げんき ノンタン」
作詞 - キヨノサチコ / 作曲・編曲 - 佐橋俊彦 / 歌 - 齋藤彩夏
エンディングテーマ「げんき げんき ノンタン」(インストゥルメンタル)
作曲・編曲 - 佐橋俊彦

各話リスト(第2作)

ここでは、キッズステーションで放送された際の話数を掲載する。第1話から第15話に関しては再放送時に話数が振り当てられたため、話数と初回放送日の順序が一致しない。

話数 おはなし・サブタイトル やってみよう・サブタイトル 放送日
第1話 まいごは だあ〜れ? しりとりあそび 2002年
11月5日
第2話 まねっこ タータン えかきうた 11月26日
第3話 あかいはっぱ きいろいはっぱ 7つのイガグリ 11月8日
第4話 じてんしゃ びゅんびゅん タイヤ 11月11日
第5話 まほうの カラーボード いろいろないろ 11月29日
第6話 だいすき ABC すきなたべものなあに? 11月14日
第7話 シャカシャカ かきごおり なんのおと? 12月3日
第8話 げんき げんき いまなんじ? 12月4日
第9話 のこしちゃ ダメダメ ことばあそび 11月4日
第10話 たんぽぽ とんだ たんぽぽ 11月7日
第11話 コロコロことば いえるかな? コロコロことば 11月6日
第12話 なかよく クッキー どんなかたち? 11月19日
第13話 あっぷっぷ すもう すきなたべものなあに? 11月13日
第14話 ゆきあそび おおきいのはどっち? 11月12日
第15話 とべとべ てんまでとどけ かぞえかた 11月15日
第16話 はっぱっぱカルタ だれのこえ? えいごで なきごえ 2004年
4月20日
第17話 もう いいかい? かくれんぼ 4月21日
第18話 いつも いっしょにね たしざん ひきざん 4月22日
第19話 ひらがなボール わかるかな? はやくちことば 4月23日
第20話 ノンタンの たからもの はちさん えかきうた 4月26日
第21話 はみがき しゅこしゅこ いろいろなあじ 4月27日
第22話 とびだせ! イングリッシュ えいごで あいさつ 4月28日
第23話 おふろで ちゃぷちゃぷ 123 ひいふうみい 4月29日
第24話 おおきくなったら ちょうちょう 4月30日
第25話 キラキラシャンシャン おやすみなさい おやすみノンタン 5月3日
第26話 がんばるもん なんでもがんばるもん 2006年
10月2日
第27話 てんてんくんとまんまるちゃん ちっちゃな や ゆ よ 10月3日
第28話 およぐのだいすき うみのいきもの 10月4日
第29話 ド・レ・ミであそぼ おとあそび 10月5日
第30話 ノンタンのたんじょうび クッキーのつくりかた 10月6日
第31話 いたいのとんでけ〜☆ いろんなのりもの 10月9日
第32話 えいごで1・2・3 えいごではんたいことば 10月10日
第33話 ボールまてまてまて いろんなボール 10月11日
第34話 ぱっぱらぱなし おかたづけ かみひこうき 10月12日
第35話 じゅんばん じゅんばん ぶらんこのせて 10月13日
特別エピソード
  • うたおう!クリスマス(2004年12月24日放送)

地上波テレビでの放送(第2作)

  • 2004年12月26日2005年3月に関西テレビで毎週日曜日の6:45〜7:00(JST)に放送。
  • 2012年1月7日〜2012年5月5日TOKYO MXで毎週土曜日の18:15〜18:30(JST)に放送。その後2度にわたり再放送を行い2013年1月26日まで放送した。TOKYO MXでの放送では、「おはなし」パート2話分を1度に放送し、「やってみよう」パートは削除されている。放送の順序もキッズステーションでの放送とは異なる。

DVD(第2作)

  • げんきげんきノンタン まいごはだあ~れ?(2003年2月21日発売)
  • げんきげんきノンタン だいすきABC(2003年2月21日発売)
  • げんきげんきノンタン コロコロことば いえるかな?(2003年2月21日発売)
  • げんきげんきノンタン はみがき しゅこしゅこ(2004年3月17日発売)
  • げんきげんきノンタン はっぱっぱカルタ だれのこえ?(2004年3月17日発売)
  • げんきげんきノンタン うたおう!クリスマス(2004年11月3日発売)
  • げんきげんきノンタン いたいのとんでけ~☆(2006年6月21日発売)
  • げんきげんきノンタン がんばるもん(2006年6月21日発売)
  • げんきげんきノンタン でかでか ありがとう(2009年2月4日発売)
  • げんきげんきノンタン スプーン たんたんたん(2013年4月24日発売)

ゲーム

コンピュータゲーム化されたタイトルを挙げる。

声の出演(3DO用ソフトのみ)アニメと同じ声優が担当。

ノンタン(声:千秋)

受賞歴

  • 2003年2月に発売した『げんき げんき ノンタン』の第1弾ビデオ・DVDは、2004年3月までに約8万5000本(3タイトル計)を売り上げ、コロムビアのゴールデンディスク賞を受賞した[11]

キャラクター商品

『ノンタンといっしょ』放送当時など、一時的にキャラクター商品が発売されていたことがある。

その後、2000年3月に伊藤忠商事が『ノンタン』と『トムトム☆ブー』シリーズの登場キャラクターを「ママノンタンワールドシリーズ」として、キャラクター商品の展開を行うことになった[12]。「ママノンタン」とは作者のキヨノサチコの愛称である。

それ以後、ぬいぐるみ文房具食器バッグなど様々なグッズが発売されていて、人気キャラクターになっている。

脚注

  1. ^ a b MOE』1995年5月号、86-87頁。
  2. ^ 『ママノンタン流絵本作家になる方法』77-86頁。
  3. ^ 『MOE』1995年5月号、86頁。
  4. ^ 『ママノンタン流絵本作家になる方法』165頁。
  5. ^ 『ママノンタン流絵本作家になる方法』166-167頁。
  6. ^ 『ママノンタン流絵本作家になる方法』128-134頁。
  7. ^ 無料配布小冊子『まるごとノンタンブック』内「タータンのひみつ」より。
  8. ^ 『ママノンタン流絵本作家になる方法』183頁。
  9. ^ 【事件名】共同著作名義「ノンタン」絵本事件 【年月日】平成10年3月30日、日本ユニ著作権センター
  10. ^ 【事件名】共同著作名義「ノンタン」絵本事件(2) 【年月日】平成11年11月17日、日本ユニ著作権センター
  11. ^ 2004年3月17日 「げんきげんきノンタン」第2弾 ビデオ&DVD 発売のお知らせ)
  12. ^ 「白猫ノンタン、子供服や自転車に──伊藤忠、キャラクター展開」『日本経済新聞』2000年2月16日付朝刊、16面。

参考文献

  • 「特別企画 『ノンタン』人気の秘密」『MOE』1995年5月号、84-87頁。
  • 『ママノンタン流絵本作家になる方法』キヨノサチコ、元就出版社、2004年7月。ISBN 4-86106-010-9

外部リンク