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カリロエー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カッリロエから転送)
カリロエーとクリューサーオールの子ゲーリュオーンを描いたアッティカ黒絵式アンフォラミュンヘン州立古代美術博物館en)所蔵。
オーケアノスの娘カリロエーの系図(ヘーシオドス神統記』より)
 
オーケアノス
 
 
 
 
メドゥーサ
 
ポセイドーン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カリロエー
 
 
 
クリューサーオール
 
 
 
ペーガソス
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゲーリュオーン
 
エキドナ
 
テューポーン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
オルトロス
 
ケルベロス
 
ヒュドラー
 
キマイラ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

カリロエー[1]あるいはカッリロエーないしカッリッロエー[2]古希: Καλλιρρόη, Kallirrhoē 「美しき流れ」の意[2])は、ギリシア神話女神または女性である。長母音を省略してカリロエカッリロエカッリッロエ)とも表記される。

オーケアノスの娘

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このカリロエーは、オーケアノスとテーテュースの3000人の娘たちオーケアニデスの1人で[3]クリューサーオールとの間に3頭の怪物ゲーリュオーン[4][5][6]と、エキドナを生んだ[7]。エキドナはテューポーンとの間に多くの怪物を生んだ。

スカマンドロスの娘

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このカリロエーは、トローアス河神スカマンドロスの娘で、トロイアの王トロースとの間に、クレオパトラーイーロスアッサラコスガニュメーデースを生んだ。ガニュメーデースはその美しさのゆえにゼウスにさらわれた。アッサラコスの家系からはアイネイアースが出た[8]。イーロスはイーリオスを創建した[9]

アケローオスの娘

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このカリロエーは、河神アケローオスの娘で、アルクマイオーンとの間にアムポテロスアカルナーンを生んだ[10][11]

カリロエーは父アケローオスがアルクマイオーンの母殺しの罪を浄めたときに、アルクマイオーンと結婚した。しかしカリロエーはアルクマイオーンにハルモニアーの首飾りと長衣(ペプロス)を欲しがったため、アルクマイオーンはペーゲウスのところに行って嘘をついて返してもらった。しかし嘘であることを知ったペーゲウスは息子たちに命じてアルクマイオーンを殺させた。アルクマイオーンが殺されたことを知ったカリロエーは、復讐するため、ゼウスに子供たちをすぐに大人にしてほしいと願うと、子供たちは突然大人になり、ペーゲウスの子供たちを殺し、その後ペーゲウスとその妻を殺し、復讐を果たした。2人はそのことを母に伝えたのち、アケローオスの言葉によって、首飾りと長衣をデルポイに捧げ、アカルナーニア地方に植民した[12][注釈 1]

リュコスの娘

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このカリロエーは、リビュアの王リュコスの娘である。トロイア戦争後、ディオメーデースが帰国の航海でリビュアに流され、リュコスに捕われたとき、カリロエーはディオメーデースに恋をして助けた。しかしディオメーデースはカリロエーを捨てて帰国したため、悲しみのあまり自殺した[14]

その他のカリロエー

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脚注

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注釈

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  1. ^ パウサニアースによればカリロエーが欲しがったのは首飾りで、アルクマイオーンを殺害したペーゲウスの子供たちが首飾りをデルポイに捧げたとしている[13]

出典

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  1. ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.101。
  2. ^ a b 松原國師『西洋古典学事典』京都大学学術出版会、2010年、408頁。
  3. ^ ヘーシオドス、351行。
  4. ^ ヘーシオドス、287行-288行。
  5. ^ ヘーシオドス、979行-982行。
  6. ^ アポロドーロス、2巻5・10。
  7. ^ ヘーシオドス、295行-297行。
  8. ^ アポロドーロス、3巻12・2。
  9. ^ アポロドーロス、3巻12・3。
  10. ^ アポロドーロス、3巻7・5-7・6。
  11. ^ パウサニアス、8巻24・9。
  12. ^ アポロドーロス、3巻7・5-7・7。
  13. ^ パウサニアス、8巻24・10。
  14. ^ a b 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、p.102a。
  15. ^ ヒュギーヌス、145話。

参考文献

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