みゆき (漫画)

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みゆき
ジャンル ラブコメ
漫画
作者 あだち充
出版社 小学館
掲載誌 少年ビッグコミック
発表期間 1980年17号 - 1984年18号
アニメ
原作 あだち充
総監督 西久保瑞穂
シリーズ構成 宮田智行
脚本 柳川茂
キャラクターデザイン 遊佐和重
音楽 ライオン・メリー、天野正道
安西史孝
製作 キティ・フィルムフジテレビ
放送局 フジテレビ系列→フジテレビほか
放送期間 1983年3月31日 - 1984年4月20日
話数 全37話
テンプレート - ノート

みゆき』は、あだち充による日本漫画。少年漫画雑誌『少年ビッグコミック』(小学館)に1980年から1984年にかけて連載された。同氏の代表作の一つに数えられ、ラブコメディにスポーツを絡めた青春モノを得意とする作品群の中でも、本作品は恋愛のみにスポットを当てている。 いわゆる『妹萌え』の先駆けでもある。 第28回(昭和57年度)小学館漫画賞受賞。映画化、テレビアニメ化、テレビドラマ化もされた。

概要[編集]

主人公の若松真人とヒロインである2人の「みゆき」の三角関係を描いた、青春ラブコメディ

テレビアニメは1983年3月から1984年4月にかけてフジテレビ系列で全37話を放映。映画は1983年9月、東宝系で公開された。どちらもキティフィルムの製作。

テレビドラマは、1986年8月4日にフジテレビ系列『月曜ドラマランド』枠で放送された。フジテレビと共同テレビの共同製作。

ヒロイン若松みゆきのモデルは、中学生の頃から毎日のように作者の仕事場に出入りしていた女性で、本作連載当時は高校生だった。妹のいなかった作者にとって格好の素材となった[1]

作者は「単にかわいい妹を描きたかったんですよ。妹がいない自分の妄想です(笑)。で、スポーツ抜きでどれだけもたせられるかなぁ、というところではじめたんですけどね……持ちました!」[2]と語っている。

あらすじ[編集]

若松真人(16歳高校1年生)は夏休みに友人達とともに海辺の民宿にバイトに出かける。バイトには真人が憧れを抱く同級生の鹿島みゆきもいて自分に気があることを偶然知り、デートの約束にこぎつけるが、その直後ある勘違いをされてフラレてしまう。落胆する真人に友人たちは、海で見かけた美少女を誘うようにそそのかす。いい雰囲気になりデートの約束もしたふたりだったが、彼女は6年ぶりに海外から日本に帰国した血の繋がらない1つ年下の妹のみゆきだった。

妹のみゆきとの二人きりの生活が始まる。みゆきはあくまで妹であると、真人は惹かれていく心を制しながら、鹿島みゆきとの関係も続けるというどっちつかずな態度を取り続ける。妹みゆきも兄を一途に想いを寄せながらも、真人の幸せを最優先に考え、一人の女性・妹という狭間に心揺れながら自らの想いを留めている。

真人は鹿島との関係を進展させようとするが、みゆきには他の男と付き合うことを許容出来ないでいる為、中々思い通りにならない。しかも二人のみゆきは男性からのアプローチが幾度となくあるので、気が抜けない日々を送る。そんな一進一退を繰り返し、成長し、時は流れていく。

兄妹としての生活は約4年間続き、ある日、幼馴染でサッカー日本代表のスター選手になった沢田優一が若松家を訪ねてくる。兄のように慕っていた二人だったが、沢田はみゆきを一人の女として見てしまい、結婚を申し込む。沢田の人柄を知っている真人には反対する理由など無い。沢田はみゆきの気持ちを知りながら、次々に話を進めてしまう。そして披露宴が開かれるとその最中、真人はみゆきに思いを告げる。

登場人物[編集]

若松兄妹[編集]

若松 真人(わかまつ まさと)
物語の主人公。妹のみゆきは2人目の母親の連れ子なので、血縁関係はない。ごく普通の高校生で母親と2回死別している。それ故、人に対する思いやりが人一倍強い点が最大の長所といえる。軟弱で優柔不断でなおかつスケベで単純な性格ではあるが妹や恋人、友人のために自らの危険を顧みず、命がけでライオンに立ち向かって行ったりトラックに撥ねられそうになったクラスメートの香坂を救ったり、鹿島みゆきとのデートの最中不良グループに囲まれても怯まず抵抗するなど、いざという時には仲間想いで勇敢な一面もある。意中の鹿島みゆき(以下は鹿島と記す)が自分に気があることが分かったが、海外赴任中の父親についていった妹のみゆきがとても魅力的になって帰国したため、2人の「みゆき」の間で揺れつづける。妹のみゆき(以下はみゆきと記す)が血の繋がらない兄妹ということを知らないと思っているため、そのことを隠し、表面上は普通の兄妹のように振舞う。とても可愛いみゆきを一人の女性として見てしまう時もしばしばで、「その気になれば結婚だって出来る」と頭を過ることもあるが、何とか理性を保っている。時にみゆきに対しては父兄の立場でやや冷たい態度も垣間見えるが、みゆきのことをとても心配しており、それと同時に好意も抱いているため、みゆきが他の男に求婚されたり、引き離されそうになったときはすぐさま妨害している。事実、真人は鹿島に逢えないことよりもみゆきと逢えなくなってしまうことの方がよほどつらいらしく、一定期間みゆきに逢えないとすぐに体調を崩してしまう[3]ほどである。また、普段は鹿島に想いを寄せているためデートも彼女を優先しがちでみゆきを邪魔者扱いにしていたが、物語が進むにつれてみゆきとの約束も守り、優先させる機会も増えていった。
高3の時に青秀大学を受験したが落ち、1浪して青秀大学に入学する。幼馴染で兄と慕うサッカー界のスター選手沢田優一が急遽帰国し、共同生活が始まる。真人は沢田に全幅の信頼を寄せ「妹の幸せを願う兄にとって理想の相手」としながらも、沢田がみゆきにプロポーズした辺りから、焦燥感と同時にみゆきに対する本当の感情が時折無意識に出始める。最終的に沢田とみゆきの披露宴スピーチの最中、自分の本当の気持ちに気付き、みゆきに告白する。そして数カ月後海外でみゆきと結婚をする。
血液型はAB型。[4]
若松 みゆき(わかまつ みゆき)
物語のヒロイン。真人の血の繋がらない妹で旧姓 倉本。兄とは異なり、成績優秀、運動神経・スタイル抜群。真人を追って青華高校に入学し学園のアイドル的存在に。帰国子女であるためか英語で書かれた手紙を普通の手紙のように読むことが出来て普段着も水着を含めて露出度の高いものが多い。再会当初から真人に好意を持っており、真人が鹿島を優先すると素っ気無い態度をとったり、時折見せる自分の気持ちに素直じゃない小悪魔っぷりも魅力の一つになっている。勝ち気で何事もはっきりいう明朗快活な性格である一方、冷静で基本的に真人に対して従順でとても家庭的[5]である。動物好きで思いやりがあり、男女分け隔てなく優しく接するため、異性からだけでなく同性からも好かれる人気者。しつこく求愛してくる者が後を絶たないが、その中に本命はいないようで女友達が真人の悪口を言うと感情的[6][7]になって怒ったり、みゆき自身の言動・行動・回想シーンから真人を一途に想ってる様子がうかがえる。とはいえ、真人は自分に対して妹として接し、更に鹿島みゆきという敵わない恋人がいるため、自分の想いを留めている。かわいい妹でいようとするが相当なヤキモチ焼きで間接的に兄のデートの邪魔をしたり、鹿島が若松家に一週間同居する際も鹿島と仲良くさせまいと策略したりする。学内トップクラスの成績で有名大学も入れたが、真人の立場を考えて同じ志望大学に現役合格。
当初は鹿島に対して恋敵目線で素っ気無い態度であったが、徐々に彼女の人柄・優しさ・女性としての家庭的な技量を認め、家族ぐるみの付き合いになるほどに仲良くなっていく。だが、反面真人を想うが故に、自分には母親がいない、いれば鹿島に近づけた女性になっていただろう、というコンプレックスを感じてしまう。妹という手前、鹿島の前で真人に好意がある素振りは一切見せておらず、自分の幸せより真人の幸せを一番に望んでるため、葛藤する。急遽帰国した幼馴染でサッカーのスター選手である沢田から求婚され、思い悩む。
結果、自身は妹として貫き通し、素敵な母親がいて自分より優れた鹿島と結ばれた方が真人は幸せになる、愛する真人と一緒(結婚)になれないのなら諦め、自分の理想を絵にした沢田優一から愛されて結ばれるのが最善の選択と言い聞かせる様にみゆきは沢田との披露宴に挑む。
最終的に、披露宴の最中、真人が土壇場でみゆきに告白したことにより沢田との結婚は破談。みゆきは真人の気持ちを受け入れ、数カ月後、父親のいるフィリピンにて3人で結婚式を挙げ、長年秘めていた愛を成就させる。
生年月日は1966年昭和41年)2月9日。血液型は真人と同じく、AB型。
みゆきは、真人との血縁関係はないことを元から気づいてたようである。

高校の友人・関係者[編集]

鹿島 みゆき(かしま みゆき)
真人の同級生で、恋人。若松みゆきと共に物語のヒロイン。才色兼備で清楚・おしとやかなクラスのアイドル。少々天然で控えめな性格の割に、たまに真人に対して大胆なアプローチを見せる時もある。そそっかしく勝ち気な一面もあり、真人の頬に平手打ちすること数回。料理裁縫など女性らしい技術は一流で良妻賢母のような女性。女友達からも頼られ面倒見が良く、当初から真人に好意を持っており一途に思いを寄せる。物語が進むにつれ公認の彼女になる。自らが一人っ子なだけに兄妹を羨ましく思い、真人とみゆきの仲の良さに内心ヤキモチをしつつも表に出したことは一切なく、妹思いの真人・兄思いのみゆきの兄妹を「自分の理想の兄妹像」である、と真人に理解を示している。ほとんど欠点のない女性で、若松みゆきに「今まで出会った中で一番の女性。鹿島さんのようになりたい」と言わしめるほど。ただみゆき曰く唯一の欠点は、真人に惚れているところ、らしい。学年で1、2を争うほど成績優秀であったが、大学志望校を真人に合わせる為レベルを下げ、現役合格したにもかかわらず真人が落ちてしまったため、真人のために浪人を選択。一年後真人と同時に青秀大学に入る。生年月日は若松みゆきのちょうど1年前。真人と妹みゆきが血縁関係のない兄妹であることは、沢田とみゆきの披露宴前に控室で親族がその旨について談笑してる会話を偶然立ち聞きしてしまい知ってしまった。真人が妹のみゆきに告白したことで、最終回、単身北海道に傷心旅行に出た。その旅先で同じ境遇の沢田と運命的に出会い、双方の笑顔が二人の将来を暗示させている。
血液型はAB型。
間崎 竜一(まさき りゅういち)
若松みゆきに一目惚れ[8]し、一緒の修学旅行、一緒の卒業式、一緒の同窓会のために追試まで棄権し留年した。年齢は真人の1コ上(中学卒業後高校浪人しているため、1浪1留となる。大学浪人はしなかった)。とても積極的な惚れっぽい性格で、様々なドタバタエピソードを残すが、根は義理堅く真面目な努力家で成績不良のため退学になりかかるものの、大好きなみゆきのために必死になって猛勉強を徹夜でしたり、サッカー部の中条のボールに真っ向から喰らいついたりもした。[9]腕っ節は強く、数人相手の喧嘩も負けない。喫茶店ドラゴン」を母親と切り盛りし、喫茶店のマスターもしている。
当初は、若松みゆきに好意的に接してもらえたが、2年時に別々のクラスになってしまい会う機会が減った。
最終回、竜一の母との会話から、みゆきは再会当初から真人と血縁関係がないことを知っていた[10]、と思わせる趣旨を母と互いに語り合った後、涙を浮かべながら真人とみゆきの結婚を祝福した。
2013年、あだち充の別作品『MIX』にラーメン屋ドラゴンのマスターとして登場。
中田 虎夫(なかた とらお)
独身体育教師。白樺女子学園中等部で体育教師をしていたが、みゆきが青華高校に入学すると、追いかけて転職する。竜一とは恋敵で、二人の関係は諺の「竜虎相まみえる」に喩えられている。みゆきとは20近く歳が離れている。母親が見合い話をたくさん持ってくるが、若松みゆきにしか興味がないので相手にしていないが、一度勘違いで同名の美由紀(みゆき)という女性と婚約したが、結婚直前で破談。土下座までしてみゆきに求婚したりする入れ込み様だったが、若松みゆきが真人と結婚した後、母親の見合い話に承諾する。
鹿島 安次郎(かしま やすじろう)
鹿島みゆきの父。警察官警部)。「二枚刃の安次郎」と自ら名乗るも、鹿島姓もしくはフルネームで登場したことがない。若い女の子一般が好きらしく、初詣で若松みゆきに偶然出会い、気に入る。その後は警察官の身分を濫用しては、何度も若松みゆきに接近する。真人は気が気ではなく、鹿島みゆきの父親と知らず、面と向かって啖呵をきったこともある。娘みゆきと真人の交際を認め、若松家と家族ぐるみの関係を築く。
真人・みゆきの結婚報告の絵葉書を見た際、二人の写真を見たかった趣旨の発言をしてる為、少なくとも憤りの念はないようである。
真人に失恋する形になった鹿島みゆきが北海道へ傷心旅行の許可を出して、妻と共に娘を温かく見守る。
香坂 健二(こうさか けんじ)
真人の同級生。表向きは礼儀正しく文武両道で教師とっては理想の生徒で女子にもモテる爽やかな好青年を演じているが、実際はかなりスケベで人の恩を仇で返すような性格で学園祭では、真人に命がけでトラックから助けられたのにも関わらず、主役を真人に取られた腹いせに客席から舞台の敵役に向かって「(真人の)足、折っちまえ!」と言っていた。ひたすら鹿島みゆきのみにアタックする。徐々にエスカレートしていき、真人・鹿島の間を引き離そうと次々と陰湿な計画を企てるようになる。鹿島みゆきと同じ大学に入るために、大幅に志望大学のレベルを下げ現役合格。しかし、鹿島みゆきが真人のために浪人して予備校に通うことを知ると、自分も浪人して同じ予備校に通おうとするが失敗。真人・鹿島が同じ大学に入学し、勝手に男女の関係を想像して鹿島への想いを諦めることとなる。
沢田 優一(さわだ ゆういち)
真人とは年上の幼なじみ、22歳の大学生。高校時代までは真人の隣の家に住み、大学を両親とともに西ドイツへわたり留学。容姿端麗で裏表のない性格、努力家で練習熱心な将来有望な日本代表のサッカー選手。突如帰国の形をとって後半から登場。若松みゆきと再会し一目惚れしてしまう。若松家に進路を決めるため居候していた間、何とかみゆきを真人と同じように可愛い妹として見ようとする努力をするが、無理だと感じた為、転居する。そして改めてみゆきに求婚する。真人は兄のように慕っており、妹みゆきの相手としても申し分のない存在だったが、真人兄妹の間柄を知る一人として、真人に自分の気持ちを気づかせる最後のチャンスを与えることに。真人とみゆき双方の気持ちを分かった上での強行なスケジュールを組み、披露宴を迎える。真人のみゆきへの告白により破談。その後、北海道に旅立った際、鹿島みゆきと偶然再会している。
村木 好夫(むらき よしお)
真人の同級生。真人と同じくらいの成績にして、同じくらいのスケベさ、どこにでもいるような高校生。要所要所で登場、真人と鹿島みゆきの間柄をうらやみ、ちょくちょく割り込む。当初は鹿島一筋だったが、中盤から女の子なら手当たり次第にデートに誘うようになる。もてないと思っていた妹がいる。真人と同じく、一年浪人してから同じ大学へ進学。作者の分身のような存在(やはり血液型は変態AB)。どういうわけか、沢田と若松みゆきの結婚披露宴には登場しない。
若松和人(わかまつかずと)
若松真人の父親で、若松みゆきの養父。二度妻を亡くしており、みゆきは二人目の妻今日子の連れ子。年齢・職業不詳であるが長年海外赴任であるためや、都内の一軒家・別荘を所有し、真人・みゆきへの学費・生活費全般を仕送りしてる為、資産家と思われる。本作品に登場したことはない(声のみ登場)。突然みゆきを連れ戻そうとしたり養女に出そうとしたり、赴任先に遊びに来るよう手紙を寄こしたりと真人よりみゆきを気に掛けているようである。事実、みゆきとの間では手紙で近況報告している。真人は自分勝手な父親を快く思っていないようであり、電話での応対も荒っぽい。性格はスケベでその遺伝子を真人は受け継いでいる。フィリピンサンボアンガ沖で搭乗した飛行機が墜落したが、正式には搭乗前に暴漢に襲われ空港のトイレで発見されて難を逃れた。
沢田とみゆきの披露宴には間に合わなかったが、真人とみゆきのフィリピンでの結婚式は出席している。
鹿島みゆきの母(かしまみゆきのはは)
鹿島安二郎(通称二枚刃の安二郎)の妻であり、鹿島みゆきの母親。安二郎には少々厳しい。名前は不明。料理裁縫が一流の腕前の鹿島に家事を手伝わしてる辺り、その技量はこの母親から学んだものと考えられる。明るく温厚な性格で、真人と初対面の時から気に入っており、母娘の会話から鹿島が真人に惚れている理由を暗に示している。少々野暮な質問もするが将来娘との結婚を勧める発言を積極的に真人にしている。若松家と家族ぐるみの付き合いになってからは、みゆきとも仲良くなり、両家の旅行の際に特に母親のいないみゆきにとって甘えられる存在になっている。
真人・みゆきの結婚報告の絵葉書が届いた際、嬉々として安二郎に伝えている辺りに人柄の良さがうかがえる。
鹿島が単身で傷心旅行する際、私たちの娘ですもの、と温かく送り出している。肝っ玉母さんである。

単行本[編集]

全て小学館からの発行。

  • 少年ビッグコミックス、全12巻(1981 - 1984年)
  • 少年サンデーコミックス ワイド版、全5巻(1990年)
  • 小学館文庫、全7巻(1997 - 1998年)
  • My First WIDE、全4巻(2001年)
  • ヤングサンデーコミックス ワイド版、全5巻(2008年)

テレビアニメ[編集]

既に『うる星やつら』などで小学館作品のテレビアニメ化権を取得していたキティ・フィルムが、タツノコプロ出身の宮田知行プロデューサー、西久保瑞穂監督を招き、自社で制作スタジオを構えて挑んだ初のテレビシリーズ。フジテレビは既にアニメ製作会社のグループ・タックによるあだち充作品『ナイン』をテレビスペシャルで放送しており、『みゆき』の後、『タッチ』『陽あたり良好!』のテレビシリーズと立て続けにあだち充原作作品を放送してゆくことになる。

最初の放送枠(JST)は木曜19時30分 - 20時00分だが、この枠はロート製薬一社提供番組(『万国びっくりショー』ほか)→『スター千一夜』を含む帯番組→『とびだせものまね大作戦』と変遷しており、当時の金曜19時台後半枠と共にフジの19時枠の中ではアニメ未経験枠だった[11]

配役は、主役の兄妹は実年齢が近い点が重視された。ヒロインの若松みゆき役を演じた荻野目洋子はキティ・フィルム製作の実写映画『ションベンライダー』のオーディションを受けたことがきっかけで起用された[12]。音響監督の松浦典良は荻野目の声の「テクニックを超えた得難い清潔さ」と「イントネーションのかわいさ」を買っていたが、声や演技については罵声やブーイングが寄せられ、声に魅力があるとする意見と賛否が分かれた[13][14][15]1996年に『陽あたり良好!』の文庫版の解説を荻野目が担当した際にイメージを壊されたファンにお詫びしたいと謝罪した[16]。しかし小学生の時に芸能活動をしたものの、中学になってから活動がなかった荻野目にとって再デビューの足がかりとなった[12]

村木好夫役には、それまで美形や二枚目の役が多かった塩沢兼人が起用されている(アニメ版においてのみ、彼が主役の話もあった(第33話))。塩沢本人も初主役だった『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』のゴドーに次いで思い出のキャラクターとして、『戦国魔神ゴーショーグン』ブンドルなどともに本作の村木の名前を挙げている[17]

音楽部門にキティ・レコードを抱えるキティ・フィルムの製作だったためか、来生たかおらキティ・レコードに所属したアーティストたちの歌が頻繁に挿入歌として使用されている。また当時のテレビアニメとしては、全37話で3曲のエンディング主題歌は異例であった。H2Oが歌うエンディングテーマ「想い出がいっぱい」は43万枚を売り上げるヒットとなり[18]1980年代のスタンダードナンバーとして記憶されることになった。この曲は、現在でも卒業式などで歌われることがある。

1983年9月頃までは15%前後あった視聴率が、10月以降は半減したため、1984年2月からローカルセールス枠(関東は金曜19時00分 - 19時30分)へ移行[19]。一部地域では打ち切りとなったが、後年再放送で全話放送された地域もある。

木曜時代はプロ野球中継や特番で度々休止、一回も休まなかった月は第1話の1983年3月を除けば同年5月だけ。特に木曜から金曜に移動する間の約1ヶ月間は全く放送されなかった[20]。その一方で、金曜移動後に休止したのは1984年4月6日の1回だけだった。

原作中盤までのエピソードを消化したところで打ち切りになり、完結編を劇場用新作として制作する話も持ち上がったが、頓挫している。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 製作 - 多賀英典(キティ・フィルム)
  • 原作 - あだち充
  • 企画 - 落合茂一(キティ・フィルム)
  • 企画協力 - 宇佐美廉(オービー企画
  • プロデューサー - 宮田智行(現・宮田知行、キティ・フィルム)
  • 音楽 - ライオン・メリー、天野正道、安西史孝
  • キャラクターデザイン - 遊佐和重
  • スタイリスト - 鶴巻葉子
  • チーフ制作 - 森本一雄
  • 制作デスク - 山津真岐子
  • 美術監督 - 海保仁三朗
  • アートデザイン - 早乙女満
  • 音響監督 - 松浦典良
  • 撮影監督 - 都島雅義
  • チーフ・ディレクター - 西久保瑞穂
  • フジテレビプロデューサー - 岡正
  • 色指定 - 西川裕子、小松利江
  • 美術設定 - 村上律子、須藤栄子、中座洋次
  • 編集 - 西出栄子
  • 制作担当 - 赤澤信幸、阿部英次
  • 効果 - 伊藤克己
  • 調整 - 高橋弘幸
  • 録音スタジオ - 整音スタジオ
  • 音響制作 - 現
  • 現像所 - 東京現像所
  • 制作スタジオ - キティ・フィルム 三鷹スタジオ
  • 制作 - キティ・フィルム、フジテレビ

主題歌・挿入歌[編集]

オープニングテーマ「10%の雨予報」
作詞 - 阿木燿子 / 作曲 - 鈴木キサブロー / 編曲 - 萩田光雄 / 歌 - H2O
シングル盤とは歌詞が異なっており、サビの「everyday」の個所が「みゆき」と変えられて歌われている。
エンディングテーマ
想い出がいっぱい」(第1話 - 第13話、第20話 - 第22話)
作詞 - 阿木燿子 / 作曲 - 鈴木キサブロー / 編曲 - 萩田光雄 / 歌 - H2O
「サマー・ホリデー」(第14話 - 第19話)
作詞 - 中里綴 / 作曲 - 吉田雅彦 / 編曲 - 星勝 / 歌 - 河合美智子
Good-byeシーズン」(第23話 - 最終話)
作詞 - 山川啓介 / 作曲 - 鈴木キサブロー / 編曲 - 星勝 / 歌 - H2O
挿入歌
「つまり、愛してる」・「官能少女」
作詞 - 来生えつこ / 作曲 - 来生たかお / 編曲 - 松井忠重 / 歌 - 来生たかお
「白い愁い」
作詞 - 来生えつこ / 作曲 - 来生たかお / 編曲 - 矢倉銀 / 編曲 - 来生たかお
「疑惑」
作詞 - 来生えつこ / 作曲 - 来生たかお / 編曲 - 星勝 / 歌 - 来生たかお
「坂道の天使」
作詞 - 来生えつこ / 作曲 - 来生たかお / 編曲 - 坂本龍一 / 歌 - 来生たかお
「Goodbye Day」
作詞 - 来生えつこ / 作曲 - 来生たかお / 編曲 - 松任谷正隆 / 歌 - 来生たかお
「ロック・オン」
作詞 - 高尾守 / 作曲 - 高尾守 / 編曲 - TAKAO & THE VIEW / 歌 - TAKAO & THE VIEW
「ちょっとまって、Make Love」
作詞 - 和久井光司、大山潤子 / 作曲 - 和久井光司 / 編曲 - スマート・ルッキン / 歌 - スマート・ルッキン
「サントワマミイ」
作詞 - アダモ岩谷時子 / 作曲 - アダモ / 編曲 - ヴァージンVS / 歌 - ヴァージンVS
「夢のラジオシティ」
作詞 - あがた森魚 / 作曲 - あがた森魚 / 編曲 - ヴァージンVS / 歌 - ヴァージンVS
ケ・セラ・セラ
作詞 - EVANS,RAY、音羽たかし / 作曲 - JAY LIVINGSTON / 編曲 - 今井 裕 / 歌 - イミテーション
「ジプシー・ラヴ」
作詞 - 安藤芳彦 / 作曲 - 小林泉美 / 編曲 - 小林泉美 / 歌 - 小林泉美
「HELLO VIBRATION」
作詞 - ちあき哲也 / 作曲 - 星勝 / 編曲 - 星勝 / 歌 - H2O

各話リスト[編集]

話数 放送日 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
第1話 1983年
3月31日
ボクと渚の黒ビキニ! 金子裕
西久保瑞穂
西久保瑞穂 野部駿夫
第2話 4月7日 ひらて打ちは恋のレッスン 柳川茂 西久保瑞穂 ときたひろこ
第3話 4月21日 竜一のスクランブル誕生日 大町繁
第4話 5月5日 妹ダントツ!あにきはペケ!? 金子裕 古川順康 野部駿夫
第5話 5月12日 デートのたびにキツーイ一発 土屋斗紀雄 大町繁
第6話 5月19日 ロリコン刑事 二枚刃の安! 柳川茂 ときたひろこ 多賀かずひろ
第7話 5月26日 真人マッサオ!ビキニはどこへ? 大橋志吉 西久保瑞穂 アベ正己
第8話 6月2日 やったネ中田!みゆきと婚約!? 土屋斗紀雄 大町繁
第9話 6月16日 雨の日のコンサート 古川順康 野部駿夫
第10話 6月30日 ラブラブハイキング 安次郎の場合…!? 柳川茂 児玉兼嗣 神村幸子
第11話 7月7日 エッチとすけべ 土屋斗紀雄 大町繁 遊佐和重
第12話 7月14日 竜一・村木のアルバイト情報! 西久保瑞穂 坂田純一 谷口守泰
第13話 7月21日 嵐の夜には何かが起こる!? 大橋志吉 ときたひろこ アベ正己
第14話 8月4日 みゆきの心 曇りのち晴れ 柳川茂 真砂智康 薄井義雄
第15話 8月11日 青春づくり 想い出づくり 土屋斗紀雄 西久保瑞穂 内藤正志 野部駿夫
第16話 8月18日 真夏の夜のお願い蛍 柳川茂 児玉兼嗣 神村幸子
第17話 9月1日 ひとりっ子 ふたりっ子 大橋志吉 古川順康 坂田純一 アベ正己
第18話 9月8日 ミラクル男 間崎竜一! 土屋斗紀雄 ときたひろこ 遊佐和重
第19話 9月15日 恋占いラプソディー 大橋志吉 真砂智康 鈴木幹雄 薄井義雄
第20話 9月29日 哀愁の修学旅行 島田満 児玉兼嗣 神村幸子
第21話 10月13日 バトンタッチは夕暮れ時に! 大橋志吉 真砂智康 鈴木幹雄 薄井義雄
第22話 10月27日 ヌワァンと5才で結婚宣言!? 柳川茂 児玉兼嗣 神村幸子
第23話 11月10日 ひとつ屋根の下 二人のみゆき 大橋志吉 ときたひろこ 谷口守泰
第24話 11月24日 恋のリハーサル 島田満 西久保瑞穂 遊佐和重
第25話 12月8日 おしかけ母さんラプソディー 柳川茂 坂田純一
第26話 12月22日 M・Wは恋のイニシャル!? 土屋斗紀雄
西久保瑞穂
西久保瑞穂 アベ正己
第27話 1984年
2月3日
ラブレター代理戦争! 大橋志吉 児玉兼嗣 神村幸子
第28話 2月10日 ロンリー・バースデー 土屋斗紀雄 西久保瑞穂 田代文夫 遊佐和重
第29話 2月17日 迷い狼と金色ウサギ!? 彦坂健二 坂田純一
第30話 2月24日 雪やコンコン ストレンジャー 真砂智康 鈴木幹雄 薄井義雄
第31話 3月2日 ムフフ写真コンテスト 柳川茂
第32話 3月9日 男の点数 彦坂健二 田代文夫 谷口守泰
第33話 3月16日 オジャマ虫・村木君! 土屋斗紀雄 真砂智康 鈴木幹雄 薄井義雄
第34話 3月23日 すれ違いサードママ 柳川茂
第35話 3月30日 落としちゃった戸籍抄本 島田満 坂田純一 アベ正己
第36話 4月13日 恋の酸素不足 土屋斗紀雄 ときたひろこ 谷口守泰
第37話 4月20日 愛・哀…ブルーエアメール 柳川茂

放送局[編集]

フジテレビ系列 木曜19:30 - 20:00枠
前番組 番組名 次番組
とびだせものまね大作戦
(1981年10月 - 1983年2月)
みゆき
(第1話 - 第26話)
(1983年3月31日 - 12月22日)
【当番組のみアニメ
木曜おもしろバラエティ
(1984年1月 - 3月)
木曜日20:00枠から移動 →
フジテレビ 金曜19:00 - 19:30枠
ストップ!! ひばりくん!
(1983年5月20日 - 1984年1月27日)
みゆき
(第27話 - 第37話)
(1984年2月3日 - 4月20日)
【当番組までアニメ
クルクルくりん
(1984年4月27日 - 9月21日)

映画[編集]

みゆき
監督 井筒和幸
脚本 高星由美子
製作 伊地智啓
製作総指揮 多賀英典
出演者 永瀬正敏
宇沙美ゆかり
三田寛子
音楽 奥慶一
萩田光雄
主題歌 永瀬正敏「南風ドリーミング」
撮影 伊藤昭裕
編集 冨田功
配給 東宝
公開 日本の旗 1983年9月16日
上映時間 97分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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主演の永瀬正敏はキティフィルムの『ションベンライダー』でデビュー。脚本の高星由美子はこの後に『タッチ』のシリーズ構成を手がけた。

同時上映はあだち充原作の『ナイン』のアニメ版。後にあだち充原作のテレビアニメ『タッチ』を手がけるスタッフが制作し、既にフジテレビの日生ファミリースペシャルで放映されたテレビスペシャルである。

監督である井筒和幸は、受諾してから初めて原作漫画に目を通したが「内容のなさにあきれた」という印象を抱く。仕事にとりかかったものの、まもなく鬱病を発症して精神科医に「仕事のストレスでの離人症のため、最低2カ月の療養が必要」と診断されるが、3日延期したのみで以後は抗鬱剤を服用しながら撮影をしたと語っている[21]

映画と原作の相違点[編集]

映画は、真人が高校2年生の夏休みから始まり、2学期が始まるところで終わっており、その中に原作のエピソード(冒頭 - 翌年の母の日、コミックの1巻 - 3巻に相当する部分)が散りばめられている。また、謎の女子大生や家庭教師など、原作にはない登場人物の設定がある。

真人が高校2年生の夏休みに(父親所有と思われる)海沿いの別荘に、鹿島みゆき、竜一、矢内清美、三原佐知子、村木の6名が集まっているところから始まる(原作では、海沿いの民宿でのアルバイト)。真人と若松みゆきの再会シーンも異なり、逆ナンパはない。また、再会時の年齢も原作よりそれぞれ1歳上である。そのほか、エピソードの設定に相違点が多々ある。

キャスト(映画)[編集]

スタッフ(映画)[編集]

  • 脚本 - 高星由美子
  • 音楽 - 奥慶一萩田光雄
  • 音楽監督 - 早川裕
  • 製作 - 多賀英典
  • プロデューサー - 伊地智啓
  • 企画協力 - 宇佐美廉
  • 監督 - 井筒和幸
  • 撮影 - 伊藤昭裕
  • 照明 - 木村誠作
  • 録音 - 小野寺修
  • 美術 - 徳田博
  • 編集 - 冨田功
  • 助監督 - 矢野広成
  • 製作担当者 - 青木勝彦

主題歌(映画)[編集]

「南風ドリーミング」
歌 - 永瀬正敏

挿入歌[編集]

「只今失恋真最中」
歌 - 嶋大輔
「野菊いちりん」
歌 - 三田寛子
「Miss you baby」
歌 - 上田正樹

テレビドラマ[編集]

みゆき
(ドラマ版)
ジャンル テレビドラマ
放送時間 月曜19:30 - 20:54(84分)
放送期間 1986年8月4日(1回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 フジテレビ共同テレビ
企画 久保田榮一、大黒章弘
演出 若松節朗
原作 あだち充
脚本 奥津啓治
プロデューサー 石川泰平、若松節朗、谷慎輔
出演者 野々村真河合その子
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フジテレビ系列の『月曜ドラマランド』(毎週月曜日19:30 - 20:54、JST)で1986年8月4日に放送された。主演は野々村真

キャスト(ドラマ)[編集]

スタッフ(ドラマ)[編集]

フジテレビ系列 月曜ドラマランド
前番組 番組名 次番組
初恋スキャンダル
(1986年7月21日)
みゆき(ドラマ版)
(1986年8月4日)
包丁人味平
(1986年8月11日)

脚注[編集]

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  1. ^ 宇都宮滋一『「ダメ!」と言われてメガヒット 名作マンガの知られざる制作現場』東邦出版、2003年、pp.59-62
  2. ^ 「ダ・ビィンチ」2012年12月号・あだち充特集
  3. ^ 通称「みゆき病」。
  4. ^ 作者あだち充によると、変態AB。なお、主要登場人物がみなAB型なのは作者のあだち自身がAB型のため。
  5. ^ そのため料理はもちろん家事のほとんどは彼女が担当しており、几帳面にこなしている。
  6. ^ 冷静なみゆきが感情的になるのは主に真人への悪口と真人と鹿島の仲のことを第三者から聞かれることで、事実「お兄ちゃんの敵はみゆきの敵」とも公言している。
  7. ^ また、この他にも今日子の命日の供え物のことで真人に八つ当たりしたり、テスト勉強で寝不足になった竜一の努力を身勝手な理由で踏みにじった中田先生を激しく責め立てたりもした。
  8. ^ 「みゆき病」の第一罹患者。
  9. ^ みゆきもこの点は高く評価している。
  10. ^ 作中で知ったという描写はないが、作者が竜一親子を介して読者に説明したと思われる
  11. ^ 金曜19時台後半枠の最初のアニメは、11年後の1994年開始の『キャプテン翼J』が最初(そして最後)
  12. ^ a b BOMB』1984年12月号、p.24
  13. ^ 松浦典良「僕のポジションから音楽監督の仕事について話してみよう」『グロービアン』1986年11月号、p.25。「音楽監督」は原文のママ
  14. ^ 中島紳介「今夜もアニメでよろしくね みゆきMY・LOVE パート1」『アニメック』1984年6月号、p.131
  15. ^ 中島紳介「今夜もアニメでよろしくね みゆきMY・LOVE パート2」『アニメック』1984年7月号、p.131
  16. ^ あだち充『陽あたり良好!3巻』小学館文庫、1996年。荻野目洋子の解説より。
  17. ^ 『人気ヴォイスアクター』勁文社、1990年、p.83
  18. ^ 宝泉薫編著『歌謡界一発屋伝説』彩流社、1998年、p.48
  19. ^ 「テレビアニメーションワールド」『アニメージュ』1984年2月号、p.88。宮田智行プロデューサーの文による。
  20. ^ 「特番などで1ヶ月間も19時台アニメが放送されない」というのは、1990年代以降の作品では良くある事だが、1980年代前半の作品では異例だった。
  21. ^ 中島らも鮫肌文殊『ひそひそくすくす大爆笑』(メディアファクトリー)に収録の井筒との対談より。

外部リンク[編集]