au Music Port
au Music Port(エーユー・ミュージック・ポート)は、KDDIとカシオソフトが共同開発し、2006年1月から2010年3月末まで配信を行っていたauブランド向け携帯電話用の音楽管理ソフトである。最終バージョンは3.5。
概要
LISMO Music Storeで着うたフル購入できる他、CDやファイルからインポートした楽曲をLISMO対応の携帯電話に転送できる。
当初は著作権保護の理由でCDからのリッピングのみ対応でファイルからのインポートはできなかったが後にAAC、WAV、WMAからのインポートには対応した。それでも圧倒的にシェアの高いMP3に対応していない。その為iPodやウォークマン(デジタルオーディオプレーヤー版)、gigabeatなどに代表される一連のデジタルオーディオプレーヤーの様に、PC内の音楽データ資産を全て取り込んでポータブルプレイヤーとして楽しむことは難しい(勿論前述のWMA形式なら可能である)。
かなり動作が重く不安定な上(ただし、LISMO Port(特にVer.4.0以降)では動作はある程度軽くなり安定性が向上している)、インポートした楽曲や着うたフルのDRMがあまりにも厳しいため、iTunesのように、単体のアプリケーションとして使われるのというよりも、あくまでもLISMO対応携帯電話の音楽管理ソフトを基本の目的としている。
au Music Portは音楽の同期だけでなく、携帯電話で購入した着うたフルをはじめ、データフォルダ内の写真、アドレス帳、さらにはメールデータなどをパソコンにバックアップできるようになっている。
取り込むCDの情報はCDDB (Gracenote) サーバからアルバム情報をダウンロードするようになっている[1]。また、インストール台数のライセンスも定められている。
開発の終焉、LISMO Portへ移行
2008年2月1日のLISMO Port公開以後、使用する機種によって本ソフトとLISMO Portで使い分けなければならない状態が長らく続いていたが、2009年10月19日に公開されたLISMO Port 4.0(x-アプリ for LISMO Ver.1.0)から管理ソフトとして本ソフトを使用していたKCP+採用以前の機種(簡単ケータイシリーズ、並びに安心ジュニアケータイ[2]シリーズ、Mi-Look(KYY03)、法人向け機種[3]を除く一部のKCP対応機種)でも利用できるようになったため使い分ける必要が無くなった。このため、以前au Music Portを利用していた方はLISMO Port 4.0への移行を促し、そしてau Music Portは2010年3月31日を以って提供の終了を発表した。[4]
バージョンアップ
Ver.1.0
- 初代バージョン。機能は端末とのデータシンクロのみであった。
Ver.2.0
- LISMO Music Storeに対応。[5]
Ver.2.1
- EZ「着うたフル」のファイルをCD-RやDVD-R等のメディアにバックアップする事が可能となった。
- PERSONAL DATAアドレス帳の拡張
- キーボードショートカットの追加
- その他システムの安定化
- gracenoteが6月27日に発表したCDDB Active Xコントロールのセキュリティ上の脆弱性を解消。
Ver.2.3
- 新機種に対応。
- システムの安定化を実施。
Ver.3.0
- 2006年12月に開始した新サービス「LISMO!ビデオクリップ」に対応した端末 (*)でダウンロードしたファイルのバックアップ、再生に対応。
- AAC (m4a) 、WMA、WAV形式のファイルインポートに対応。MP3には対応していない。
- CDからのリッピングのビットレートを最大128Kbpsまで拡張(非対応機種は携帯電話へのインポートの際48Kbpsに変換される)。
- ユーザインタフェースを使いやすく(タブ機能など)刷新。
Ver.3.1
- 新機種に対応。
- システムの安定化。
- 楽曲情報の編集機能の改善。
- 「LISMOビデオクリップ」約1,000曲の追加。
- 「LISMOビデオクリップ」の購入にはLISMOビデオクリップ対応端末が必要となった。
Ver.3.2
- Windows Vistaに対応。
- システムの安定化。
Ver.3.3
- 新機種に対応。
Ver.3.4
- Windows Vista SP1に対応。
- システムの安定化。
- CD情報取得処理の改善。
Ver.3.5
- Windows Vista SP2に対応。
以降はLISMO Port(4.0~)に移行。
問題点
Ver.3.0以降はWAV形式と著作権保護されていないAAC (.m4a) 形式とWMA形式のファイルに限りau Music Portでインポートした後に変換して携帯電話に転送することが可能だが、一般的なMP3形式については非対応となっている。
各32bit版のWindows XP SP2/同SP3/Windows Vista[6]/同SP1がインストールされているPCでのみ使用できる。
なおau Music Portの収録された付属CDには対応OSとしてWindows98/98SE/Me/2000/XPの各日本語版に対応などと書かれている場合があるが、これはあくまでCDを利用するための環境であり[7]、au Music Portの対応OSとは異なるので注意が必要である。
携帯電話に転送した曲のアーティスト名、アルバム名での曲検索ができない。
対応OS
Windows XP Service Pack 2、同Service Pack 3、Windows VistaのService Pack 1,2を含むHome Basic/Home Premium/Business/Ultimateの各日本語版 [8] 標準インストールのみ。 対応携帯電話に付属するCD-ROMに同梱されているほか、2010年3月31日まで公式サイトから最新版をダウンロードすることができた。
脚注
- ^ ただし、初期登録を完了しないとCDDBサーバを通じた曲の情報入手機能が利用できない。
- ^ mamorino(KYY01)およびmamorino2(KYY02)を含む。
- ^ ただし、例外としてE02SAおよびE03CA、E08T、E09FはLISMO Music(E02SAおよびE03CAは着うたフルのみ対応し、更にE08TとE09Fでは着うたフルプラスやLISMOビデオクリップ、LISMO Videoにも対応する)に対応するためau Music Port、またはバージョン4.0以降のLISMO Port (x-アプリ for LISMO Ver.1.0以降)が利用可能となる。
- ^ au Music Port提供終了のお知らせ KDDI 2009年12月15日
- ^ なお購入にはau one ID(旧DUOGATE ID)が必要。
- ^ Enterprise Edition には非対応。
- ^ たとえばCDに収録されているUSBドライバはWindows2000にもインストールでき、ドライバのいらないマスストレージモードはWindows Me以降対応となっていることが多い(いずれも2007年現在)。
- ^ XP、Vista共に32ビット版のみ対応。64ビット版には非対応。
関連項目
- au LISTEN MOBILE SERVICE(LISMO!)
- LISMO Port - 3.xまではau Music Portの姉妹版にあたる管理ソフト(4.0以降は在来機種にも対応したため後継ソフトとなる)
- MOOCS(音楽配信サービスは終了) / SD-Jukebox
- iTunes Store / iTunes
外部リンク
- au Music Port - KDDI(リンク切れ)