ナナイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ナナイ (Nanai) は、ツングース系の民族。分布は主にアムール川(黒竜江)流域で、ロシア国内に約1万人で、中国国内にも居住している。2004年人口調査時の中国国内人口は約4640人。中国国内のナナイはホジェン族(Hezhen;赫哲拼音: Hèzhéホーチョ)と呼び、55の少数民族の一つとして認定されている。河川でのサケマス漁などの漁労が民族の特徴的な生業で、中国ではキャビア採取のためなどのチョウザメ漁も行う。シャーマニズムを信仰し、生活の一部が観光化されてもいる。

漁労が代表的な生業であるため、食生活は食が中心である。日本人が刺身を食べるのと同様に、切り分けた魚肉を生食する食習慣を持つ。かつては生の魚肉を調味料香辛料を用いずにそのまま食べていたが、現在では生の魚肉を醤油唐辛子などの調味料・香辛料で味付けして食べる。

かつては、河川の近くに穴を掘りを用い、半地下式住居を建造して日常の住居としたが、現在そのような住居は漁労の際の臨時の寝泊りのために建てるのみで、日常の住居は近辺に居住するロシア人または漢族の住居と同様のものとなっている。

かつてはサケマスなどの皮から魚皮衣を製作してからの普段着として着用し、漢族から魚皮韃子(ユイピーダーズ)・魚皮套子(ユイピータオズ)と称されたが、現在魚皮衣製作は、結婚の際の嫁入り道具として、または博物館への出品のためたまに行うのみであり、日常的に着用する衣服ではなくなっている。

かつてはゴリドと呼ばれ、ロシア軍人ウラディミール・アルセーニエフの『デルスゥ・ウザーラ』の主人公に描かれている。(黒澤明1975年に日ソ合作で監督した映画デルス・ウザーラ』の原作である。)

第二次世界大戦の被害を受け(中国政府[1]によれば、日本帝国主義が中国を侵略した時少数民族に対し野蛮な統治・虐殺政策を実行したため)、戦時中日本軍から供出されたアヘンの使用が民族内で蔓延したこともあり、終戦直後に中国のホジェン族は人口は300余りしか残っていなかったという。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク


中華民族 中華人民共和国民族識別工作による分類

アチャン族阿昌族 · イ族彝族 · ウイグル族維吾爾族 · ウズベク族烏孜別克族 · エヴェンキ族鄂温克族
オロス族俄羅斯族 · オロチョン族鄂倫春族 · 回族 · カザフ族哈薩克族 · 漢族 · キルギス族柯爾克孜族
キン族京族 · 高山族 · コーラオ族仡佬族 · サラール族撒拉族 · シェ族畲族 · ジーヌオ族基諾族 · シボ族錫伯族
スイ族水族 · タイ族傣族 · ダウール族達斡爾族 · タジク族塔吉克族
タタール族塔塔爾族 · チベット族蔵族 · チャン族羌族 · 朝鮮族 · チワン族壮族 · チンプオ族景頗族
ドアン族徳昂族 · トゥ族土族 · トゥチャ族土家族 · トーロン族独龍族 · トン族侗族
ドンシャン族東郷族 · ナシ族納西族 · ホジェン族赫哲族 · ヌー族怒族 · バオアン族保安族
ハニ族哈尼族 · プイ族布依族 · プミ族普米族 · プーラン族布朗族 · ペー族白族 · マオナン族毛南族
満州族 · ミャオ族苗族 · メンパ族門巴族 · モーラオ族仫佬族 · モンゴル族蒙古族 · ヤオ族瑶族
ユグル族裕固族 · ラフ族拉祜族 · リー族黎族 · リス族傈僳族 · ローバ族珞巴族 · ワ族佤族