アゼルバイジャン人

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アゼルバイジャン人
Azərbaycanlılar, Azərilər
آذربایجانلیلار ,آذری لر
Azerigirls.JPG
総人口

約2050~3300万人

居住地域
イランの旗 イラン 12,000,000 -
20,100,000人
アゼルバイジャンの旗 アゼルバイジャン 8,150,000人 [1][2]
トルコの旗 トルコ 800,000人
ロシアの旗 ロシア 622,000人
グルジアの旗 グルジア 284,761人
カザフスタンの旗 カザフスタン 80,000人
ドイツの旗 ドイツ 120,000 -
140,000人
ウクライナの旗 ウクライナ 46,000人
オランダの旗 オランダ 17,000人
アメリカ合衆国の旗 アメリカ 400,000人[3]
カナダの旗 カナダ 90,000人
オーストリアの旗 オーストリア 1,000人
オーストラリアの旗 オーストラリア 290人
デンマークの旗 デンマーク 116人
その他 30,000人
(参考)日本の旗 日本 52人(2010年7月)[4]
言語
アゼルバイジャン語
宗教
多くはイスラム教シーア派十二イマーム派)、少数でイスラム教スンニ派ゾロアスター教バハーイー教など


アゼルバイジャン人(アゼルバイジャンじん、Azərbaycanlılar)もしくはアゼリー人とは、アゼルバイジャン共和国イラン北西部を中心として、その周辺地域であるグルジアアルメニアイラク北部、トルコロシア連邦内のダゲスタン共和国などに居住しているテュルク系民族。トルクメン人トルコ人の兄弟民族であり、アゼルバイジャン・トルコ人と呼ばれることもある。

なお、イラン国内の人口に占めるアゼルバイジャン人の割合は25%を占め、アゼルバイジャン共和国内のアゼルバイジャン人人口をはるかに上回る。人種はモンゴロイドコーカソイドの混合体に属する。

概要[編集]

アゼルバイジャン人の分布(水色)。アゼルバイジャン共和国からイラン北西部にかけて広範囲に居住していることがわかる

アゼルバイジャン人は、11世紀以降中央アジアから移住してきた外来のテュルク系民族と土着のペルシャ人イラン人)、クルド人アルメニア人カフカス系諸民族やアラブ系などとの混血したことによって形成され、さらに14世紀から15世紀にかけてモンゴル帝国およびティムール朝支配の下、言語的・文化的にテュルク化の影響を多く受けて形成された民族集団である。

アゼルバイジャン語はトルクメン語トルコ語に極めて近く、テュルク諸語の南西語群(オグズ語群)に属する。トルクメン語トルコ語とは同一言語の変種と見做されることも多く、互いの意思疎通は容易である。

アゼルバイジャン語の表記方法については、アゼルバイジャン共和国では専らラテン文字表記が使用されているが、イラン国内のアゼルバイジャン人はアラビア文字を使用していることや、アゼルバイジャン共和国では長らく旧ソビエト連邦の一共和国としてロシア語の影響(主に学術用語等からの語彙の借用)を受けてきた結果、両者の間には若干の差異が発生している。

アゼルバイジャン人はクルド人と同様に、中東地域において複数の地域にまたがり居住しており、特にイラン国内では、アゼルバイジャン人がペルシャ人に次ぐ多数派(25%)を形成していることから、これまでにこれらの地域に居住するアゼルバイジャン人主導の統一国家を樹立する試みが幾度となく行われてきた[5]。しかしながら、現在のところイラン国内におけるアゼルバイジャン人の独立運動は沈静化し、アゼルバイジャン人の主導する国家は唯一アゼルバイジャン共和国のみとなっている。

アゼルバイジャン人の多くはイスラム教シーア派十二イマーム派)を信仰するが、これは16世紀に現在のイランおよびアゼルバイジャンを中心とした地域を支配したサファヴィー朝の影響によるもので、ペルシア人において十二イマーム派が多数であるのと同様の歴史的経緯による。アゼルバイジャン共和国では、トルコと同様に長らく世俗主義が推し進められた結果、世俗化が国民生活レベルまで浸透しており、毎日の祈りやラマダンをはじめとしたイスラム教の戒律は比較的ゆるやかで、飲酒や女性の服装も自由な傾向にある。なお、アゼルバイジャン共和国では、ナゴルノ・カラバフの領有権をめぐり、隣国アルメニアと激しく対立している。

著名なアゼルバイジャン人[編集]

世界的に著名な作曲家を多く輩出してきた。また、格闘技をはじめとするスポーツも盛んである。イランにおいては、政府要人にアゼルバイジャン系の者が少なくない。

脚註[編集]

  1. ^ Population by ethnic groups”. The State Statistical Committee of Azerbaijan Republic. 2011年10月11日閲覧。
  2. ^ CIA Factbook”. Azerbaijan: People. Central Intelligence Agency (2011年9月26日). 2011年10月11日閲覧。
  3. ^ “USAN and USTN become the first-ever official partners of the U.S. Census Bureau from among Turkic organizations” (プレスリリース), U.S. Trukic Network, (2009年9月17日), http://www.usturkic.org/index.php?option=com_content&view=article&id=65 2011年10月11日閲覧。 
  4. ^ アゼルバイジャン共和国”. 各国・地域情勢. 日本国外務省 (2011年6月). 2011年10月11日閲覧。
  5. ^ ケロ (2006年6月29日). “アゼルバイジャン自治共和国”. 世界飛び地領土研究会. 2011年10月11日閲覧。

関連項目[編集]