第二言語

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第二言語(だいにげんご)とはその人が母語(第一言語)を習得した後に、あらためて学習し使用することができようになった母語(第一言語)以外の言語。 もとは、英語圏の宗主国を持った植民地での、現地人にとっての公用語という意味であり、第二言語=英語という英語宗主国人の観点に立った言葉だった。国家や民族の規範として第二言語があらかじめ、ある言語に定められていても、それとは別の言語が個人においては第二言語として結果的に定まることはいくらでもある。日本は一部少数民族を除いて(日本普遍の)第二言語の存在しない国とされている。

概要[編集]

人が母語以外の言語を学ぶ動機はさまざまであるが、一般にはより多くの人とコミュニケーションをするためであることが多い。そのため、第二言語として選ばれる言語は必然的にその地方、または世界的に多数の話者がいる言語であることが多い。多くの非英語圏の国では英語が第二言語となることが多いが、中国語・アラビア語などのように言語内での方言の文法・用法の差異が大きい言語では、英語ではなく、統一された共通語(中国語の普通話、アラビア語のフスハーなど)を第二言語として学ぶ場合もある。この場合は、共通言語と方言のバイリンガルであるとも言える。

第一言語(母語)と第二言語の差[編集]

幼児期に自然に獲得された母語と違い、特に学習の開始時期が遅かった場合第二言語の習得は生涯に渡った学習が必要になる場合がある。ほとんどの場合、第二言語が文法と語彙の点で母語と同一のレベルまで上達することはまれである。

第二言語と外国語[編集]

教育学において第二言語と外国語の区別がしばしば設けられることがあり、後者はその言語が話されていない地域において学ばれる。おそらく多くの英語話者にとって、インドパキスタンバングラデシュのような国々における英語は外国語としてではなく第二言語としてみなされうる。若いうちに学習し、流暢に喋り、規則どおりに扱うことができるからである。加えて、アジア南部では法廷や行政、商取引における公的な言語として用いられている。

同様のケースにあたるのがアラブ・マグレブ連合リビアを除く)におけるフランス語である。ただし、スカンディナヴィア諸国オランダにおける英語と同様、これらのアラビア語圏諸国においてフランス語は公用語ではない。他のサハラ以南のアフリカフランス語圏も同様だが、モーリタニアモーリシャス以外の国ではフランス語は公用語である。ウズベキスタンキルギスカザフスタンのようなポストソビエト諸国家において、ロシア語は第二言語とみなしうる。そして規模のあるロシア語話者コミュニティ(Russophone communities)が存在する。

しかし中国香港を例外としうる)において、英語は多くの共通点(たとえば歴史的接点やメディア、使用機会、類似する語彙と使用文字)の欠如から外国語と考えられうる。エジプトはかつて多くのペルシャ湾沿岸のアラブ国家と同様イギリスの植民地であったが、中国同様エジプトにおいて英語は外国語である。

また、フランス語はルーマニアレバノンモルドバにおいて外国語とみなされうるが、ルーマニア語フランス語はそもそも同じロマンス諸語に属する (中国語と英語のような別々の語族からきているものと事情が異なる) 。しかも全世界において連邦レベルでルーマニア語を公用語にしている国はルーマニアとモルドバだけで、ルーマニアにいたってはフランスと歴史的なつながりがあり、また両ルーマニア語国家ともフランコフォニー国際機関のメンバーである。レバノンにおいてもフランス語は外国語とみなされうるが、多くの大学ではフランス語か英語が使われるほか、フランス語は行政上用いられる言葉でもあり、またルーマニア同様、フランスと歴史的接点が存在しフランコフォニー国際機関の一員である。

George Weberによる1999年のレポートでは、世界の主要言語の第二言語話者の数は次のようになっている。

1 フランス語 1億9000万人
2 英語 1億5000万人
3 ロシア語 1億2500万人
4 ポルトガル語 2800万人
5 アラビア語 2100万人
6 スペイン語 2000万人
7 中国語 2000万人
8 ドイツ語 900万人
9 日本語 800万人

各国における状況[編集]

アメリカにおける第二言語[編集]

アメリカ人は、アメリカ合衆国国内に多数存在するヒスパニック系住民(スペイン語話者)の影響もあり、スペイン語を第二言語として学ぶことが多い。 また、フランス語も多く学ばれている。

フランスにおける第二言語[編集]

隣接国のドイツ語やスペイン語を中心に学ばれており、また、英語も多く学ばれている。

関連項目[編集]