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その後、2007年7月の全日空就航表明を受け就航路線便数について再検討した結果、2007年10月31日になって、静岡県と改めて覚書を交わすことで合意したとの発表を行った<ref> 富士山静岡空港の利活用推進に向けての覚書締結について]</ref>。この中で、静岡空港開港時から新規乗り入れを行うこと、予定路線および便数は静岡-札幌線1日1往復、静岡-福岡線1日3往復であることを明らかにしている。また、機材は[[MD-81]]と新型の[[エンブラエル170]]を使用する予定である。
その後、2007年7月の全日空就航表明を受け就航路線便数について再検討した結果、2007年10月31日になって、静岡県と改めて覚書を交わすことで合意したとの発表を行った<ref> 富士山静岡空港の利活用推進に向けての覚書締結について]</ref>。この中で、静岡空港開港時から新規乗り入れを行うこと、予定路線および便数は静岡-札幌線1日1往復、静岡-福岡線1日3往復であることを明らかにしている。また、機材は[[MD-81]]と新型の[[エンブラエル170]]を使用する予定である。


静岡県は開港前の2008年度から運航に対する支援、補助のために6000万円の予算を計上している<ref name="asahi080502"/>。開港後も福岡便に対する搭乗率保証と、夜間駐機の費用の一部負担をする<ref> 静岡空港、福岡便の搭乗率保証へ JAL支援策 静岡新聞</ref><ref> 静岡-福岡の搭乗率70%割れなら 県が日本航空(JAL)に保証金 中日新聞</ref>。これに対し、全日空は不公平であると主張している<ref>JALの搭乗率保証 ANA幹部「不公平」 静岡 産経新聞</ref>。
静岡県は開港前の2008年度から運航に対する支援、補助のために6000万円の予算を計上している<ref name="asahi080502"/>。開港後も福岡便に対する搭乗率保証と、夜間駐機の費用の一部負担をする<ref> 静岡空港、福岡便の搭乗率保証へ JAL支援策 静岡新聞</ref><ref> 静岡-福岡の搭乗率70%割れなら 県が日本航空(JAL)に保証金 中日新聞</ref>。


===== ANAグループ =====
===== ANAグループ =====
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2008年4月22日、札幌、沖縄便の運航計画、ダイヤ、機材が公表された<ref>[http://www.ana.co.jp/pr/08-0406/08-049.html 富士山静岡空港における運航計画について](全日空)</ref>。沖縄、札幌を1往復するスケジュールであり、[[ボーイング737|ボーイング737-500型機]](126席)、または[[ボーイング737|ボーイング737-700型機]](120席)で、[[エアーニッポン]]による運航で就航する予定である。
2008年4月22日、札幌、沖縄便の運航計画、ダイヤ、機材が公表された<ref>[http://www.ana.co.jp/pr/08-0406/08-049.html 富士山静岡空港における運航計画について](全日空)</ref>。沖縄、札幌を1往復するスケジュールであり、[[ボーイング737|ボーイング737-500型機]](126席)、または[[ボーイング737|ボーイング737-700型機]](120席)で、[[エアーニッポン]]による運航で就航する予定である。

日本航空に対する搭乗率保証などについて、全日空は不公平であると主張していた<ref>JALの搭乗率保証 ANA幹部「不公平」 静岡 産経新聞</ref>。静岡県は、沖縄便の着陸料を減免することとした<ref>[http://www.shizushin.com/news/feature/airport/news/20090429000000000022.htm 沖縄便着陸料の減免盛る 県が空港設置条例規則公布] 静岡新聞 2009年4月29日</ref>


===== フジドリームエアラインズ =====
===== フジドリームエアラインズ =====

2009年4月29日 (水) 16:10時点における版

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静岡空港
Shizuoka Airport
IATA: FSZ - ICAO: ?
概要
国・地域 日本の旗 日本
所在地 静岡県
島田市牧之原市
種類 商業
運営者 静岡県
標高 132 m (433 ft)
座標 北緯34度47分46秒 東経138度11分22秒 / 北緯34.79611度 東経138.18944度 / 34.79611; 138.18944座標: 北緯34度47分46秒 東経138度11分22秒 / 北緯34.79611度 東経138.18944度 / 34.79611; 138.18944
公式サイト 富士山静岡空港
滑走路
方向 ILS 長さ×幅 (m) 表面
11/29 NO 2,200×60 舗装
リスト
空港の一覧
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静岡空港(しずおかくうこう)は、静岡県島田市牧之原市の境に建設中地方管理空港である。


概要

  • 2009年(平成21年)3月開港予定であったが、空港近隣にある伐採対象外の樹木が航空法の制限(制限表面)に抵触する問題があることが2008年9月に判明し、翌10月、暫定的に滑走路を短くする工事を行うことが決まったため、延期されることが県より公式に発表された[1][2]2009年(平成21年)6月4日に開港予定[3][4]
  • 総事業費は約1900億円、そのうち空港本体の事業費は約490億円。
  • 国が離島以外の地方空港新設を抑制する方針を打ち出していることから、マスコミなどから「最後の地方空港」と呼ばれている[6]
  • ILS(計器着陸装置)が設置されているが、前述の立ち木問題による暫定的な滑走路短縮に伴い、当面、既設のILSは使用されない。航空機が着陸する際は、パイロットによる目視での着陸となり、霧などの悪天候時に航空機の運航に支障が出るおそれがある。

空港運営会社

地上業務会社

2008年3月6日、鈴与と静岡鉄道は共同で、空港でのカウンター業務や機体誘導など地上業務を支援する新会社「静岡エアポートサービス」(葵区)を設立した[11]

歴史

前史

[12]

  • 昭和30~40年代 地元有志により、「小笠山国際貨物空港構想」が提唱される
  • 1981年 浜松商工会議所を中心とした浜松経済界有志が「浜松空港開設推進協議会」を設立し、航空自衛隊浜松北基地(当時)の民間共用化運動を行う
  • 1985年 静岡県内の政財界有志が「静岡県民間空港開設研究会」を設立
  • 1986年 静岡県民間空港開設研究会が静岡県に対し、「国際的多機能」という位置づけで、空港が静岡県にもたらす社会・経済効果について調査し、航空自衛隊浜松北基地・静浜基地の共用化を含めた空港適地の検討を行い、国に対し空港設置を要望することなどを提言
  • 1987年 静岡県の新総合計画に空港整備の推進が盛り込まれる

建設予定地決定以降

建設中の静岡空港(2006年9月
建設中の静岡空港(2008年5月
  • 1987年12月 静岡県、空港建設予定地を榛原・島田に決定。
  • 1991年11月 静岡空港が第6次空港整備5ヶ年計画の予定事業となる。
  • 1993年8月 静岡空港が第6次空港整備5ヶ年計画の新規事業となる。
  • 1995年12月 静岡県、運輸大臣に対し静岡空港の設置許可を申請。
  • 1996年7月 運輸大臣、静岡県に対し静岡空港の設置を許可。
  • 1996年11月 静岡県、静岡空港の用地買収を開始。
  • 1998年10月 静岡県、静岡空港の本体工事に着手。
  • 2001年6月 建設反対派、地方自治法直接請求権に基づき住民投票条例の制定を請求。
  • 2001年9月 静岡県議会、住民投票条例案を否決。
  • 2002年1月 静岡県、航空自衛隊浜松基地のサッカーワールドカップ開催中の一時的な民間共用化計画を断念。
  • 2004年11月 静岡県、国土交通省中部地方整備局長に対し土地収用法に基づく事業認定を申請。
  • 2005年7月 国土交通省中部地方整備局長、静岡空港について土地収用法に基づく事業認定を告示。
  • 2006年1月 日本語の愛称が「富士山静岡空港」(ふじさんしずおかくうこう)に決定。[13] (英文では使われない[14]
  • 2006年2月 静岡県、静岡県収用委員会に対し、空港本体部について土地収用法に基づく権利取得裁決申請、明渡裁決申立を行う。
  • 2006年7月 静岡県、静岡県収用委員会に対し、空港周辺部について土地収用法に基づく権利取得裁決申請、明渡裁決申立を行う。
  • 2006年10月 静岡県収用委員会、空港本体部の畑部分について静岡県の申し立てた権利取得および明渡を認める裁決を行う。
  • 2006年11月 静岡県収用委員会、空港本体部の山林部分について静岡県の申し立てた権利取得および明渡を認める裁決を行う。
  • 2006年12月 明渡期限到来により、土地収用法に基づく申請を行ったうち空港本体部の畑部分について静岡県が権利を取得した。
  • 2007年1月 明渡期限到来により、土地収用法に基づく申請を行ったうち空港本体部の山林部分について静岡県が権利を取得した。
  • 2007年1月 静岡県収用委員会、空港周辺部について静岡県の申し立てた権利取得および明渡を認める裁決を行う。
  • 2007年1月 建設反対派、静岡県の求めに応じ、空港本体部の元収用地に残る反対派所有物件を自主撤去。
  • 2007年2月6日 未明に建設反対派の活動家が静岡県庁別館前の路上で焼身自殺(後述)。
  • 2007年2月 静岡県、反対派の自主撤去をうけて、空港本体部における反対派所有物件撤去を目的とする行政代執行手続を中止。
  • 2007年3月 明渡期限到来により、土地収用法に基づく申請を行ったうち空港周辺部について静岡県が権利を取得した。これにより土地収用法に基づき県が申請した全ての権利を取得した。
  • 2007年11月16日 建設現場の作業用道路(幅18メートル)で、建設会社員の運転する大型ダンプ(64トン、最大積載量90トン)が、作業用トラック(1.5トン)に乗り上げる死亡事故が発生。
  • 2008年1月 浜松市に本社を置くスズキ鈴木修会長は、「業務でもほとんど(空港を)利用しないと思う」と発言[15][16]
  • 2008年3月6日 鈴与と静岡鉄道は、地上業務を行う静岡エアポートサービスを設立した。
  • 2008年3月 スリーレターコードを「FSZ」でIATAに申請中であることが報道される[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。
  • 2008年10月22日 静岡県は滑走路近くの航空法に反する立ち木問題(滑走路西の約40本の立ち木が制限表面に抵触)を受け、滑走路を短くすることを正式に決定。これにより、工事完了と開港が遅れる可能性が浮上した。また、誘導灯を少しずらすため、1億円の工事費も必要となった。
  • 2008年10月29日 静岡県は立ち木問題により滑走路短縮工事を実施することになり、11月1日に迫っていた工事完成予定期日までに間に合わないため、当初予定していた2009年3月の開港予定を最大4ヶ月延期することを発表した。
  • 2008年11月1日 当初の工事完成予定期日
  • 2008年11月8-9日 「スカイ・レジャー・ジャパン&エアポートフェスタ 2008 in 静岡」開催
  • 2009年3月 当初の開港予定日(延期が決定)
  • 2009年6月4日 開港予定

施設(計画)

標高
132.0m
面積
190ha
滑走路
長さ2,200m、幅60m
着陸帯
長さ2,620m、幅300m
エプロン(バース数)
大型ジェット用2、中型ジェット用1、小型ジェット用2
駐車場
2,000台

静岡空港出張所暫定住所

牧之原市坂口字高尾山1250-52

  • この住所は、開港までの暫定であり、変更の可能性あり。

航空管制

  • 管制方式:未定

航空保安無線施設

局名 種別 識別信号 周波数
SHIZUOKA VOR SZE 110.65MHz
SHIZUOKA DME SZE 1130.0MHz
SHIZUOKA ILS ISZ 109.3MHz
SHIZUOKA LLZ 332.0MHz
SHIZUOKA T-DME ISZ 991.0MHz
  • 試験運用開始: 2008年(平成20年)10月1日

路線

2008年8月末現在のフライトスケジュールが静岡県より公式発表されている[17]

開港時就航予定路線

国内線

国際線

各航空会社の動向

国内線

静岡県では新千歳空港(札幌)・福岡空港鹿児島空港那覇空港で年間106万人(1日あたり2,904人)の需要を予測している。開港時の路線、便数では、搭乗率100%でも68万人程度であり、このままでは年間に3億円以上の赤字となる[15]

仙台成田羽田新潟松山などについて就航が検討されている。

日本航空グループ

日本航空グループは、2005年5月、静岡空港への乗り入れその他静岡空港の整備・利活用について協力することで静岡県と合意した[18][19][20]

その後、2007年7月の全日空就航表明を受け就航路線便数について再検討した結果、2007年10月31日になって、静岡県と改めて覚書を交わすことで合意したとの発表を行った[21]。この中で、静岡空港開港時から新規乗り入れを行うこと、予定路線および便数は静岡-札幌線1日1往復、静岡-福岡線1日3往復であることを明らかにしている。また、機材はMD-81と新型のエンブラエル170を使用する予定である。

静岡県は開港前の2008年度から運航に対する支援、補助のために6000万円の予算を計上している[15]。開港後も福岡便に対する搭乗率保証と、夜間駐機の費用の一部負担をする[22][23]

ANAグループ

全日本空輸(ANA)グループは静岡空港への乗り入れに一貫して消極的な姿勢を取り続けていたが、2007年7月に一転して新千歳・那覇線へ各1便の就航を表明した。静岡空港への就航については、発表の数日前にANA内部で意思決定がなされたばかりであり、静岡県側には発表当日の連絡となる程の異例の早さでの発表だったという[24]。このため、ANAの就航表明は静岡県側からも驚きの声で迎えられた[24]。ただし、静岡県幹部は「開港前の就航中止もありえる」と発言している[15]

山元峯生ANA社長は、2008年1月23日の記者会見で、静岡-成田線の路線展開の可能性があると述べた[25]

2008年4月22日、札幌、沖縄便の運航計画、ダイヤ、機材が公表された[26]。沖縄、札幌を1往復するスケジュールであり、ボーイング737-500型機(126席)、またはボーイング737-700型機(120席)で、エアーニッポンによる運航で就航する予定である。

日本航空に対する搭乗率保証などについて、全日空は不公平であると主張していた[27]。静岡県は、沖縄便の着陸料を減免することとした[28]

フジドリームエアラインズ

鈴与は2008年6月、静岡空港を拠点とする地域航空会社フジドリームエアラインズ(FDA)を設立した。

新千歳線と福岡線を各1日3便就航するとしていたが、日航と全日空の同路線への就航表明を受け、競合する路線への就航を回避し仙台・成田・羽田・新潟・小松・松山・熊本・鹿児島など競合しない路線への就航を検討することとした[29][30]

2008年7月、小松熊本鹿児島へ、2009年夏を目処に、エンブラエル 170(76席)で就航させることを発表した[31]

国際線

韓国仁川(ソウル)へ週14便、中国上海へ週4便の定期便就航予定が決まっている。静岡県は、ソウル(仁川)や上海など海外9路線で、年間32万人(1日あたり877人)の需要を予測している。

各航空会社に対し、北京大連杭州広州香港台北バンコクシンガポールグアムホノルルへの就航を要請している[32]

韓国

アシアナ航空は2007年8月8日、静岡県庁で静岡-ソウル(仁川)線の1日1便の就航を正式に表明した[33][34]。2008年6月27日、運航スケジュールを発表し、エアバスA321-200(177席)にて定期便を運航することを公式発表した。[35]。2008年12月に静岡支店を開設し、営業・予約・発券業務を行う予定[36]

大韓航空も就航させる意向を表明し[37]、2008年12月22日、仁川国際空港へ1日1往復、ボーイング737-800(149席)で就航させることを決めた[38][39][40]

中国

中国東方航空は2008年10月、上海から週4便の乗り入れを申請[41] 、12月に認可されたことが明らかとなった[42]

中国南方航空は静岡県に対し、静岡-上海-北京と静岡-上海-広州の各路線への定期便運航を提案した[43]。中国東方航空が上海便への就航申請をしたことから、静岡-大連-北京間の路線を検討していることが明らかとなった[44]

チャーター便

また、台湾中華民国)のエバー航空チャイナエアラインは静岡空港への国際チャーター便の就航を検討している[45][46]

香港ドラゴン航空とは静岡-香港間に年間31便の国際チャーター便を運航する意向を表明している[47]。 また、キャセイパシフィック航空も国際チャーター便の就航を検討している[46]

スイスエーデルワイス航空が、2009年7月15日にチューリッヒまでチャーター便を就航させる計画がある[48]。暫定滑走路が短いため、エアバスA330-200(307席)の乗客を200人までに減らし、新千歳空港を経由する[49]

地方空港に対する航空当局等の動向

2007年(平成19年)6月21日の国土交通省交通政策審議会航空分科会の答申[50]において了承された航空需要予測の中の前提条件として、2012年当初までに静岡-ソウル線の就航が実現することが盛り込まれている[51]

内閣官房が2007年5月に発表したアジア・ゲートウェイ構想において、国際航空路線のハブ・アンド・スポーク型からポイント・トゥ・ポイント型への移行を踏まえ、地方空港を利用した航空自由化(「アジア・オープンスカイ」)が示された[52]。2007年8月2日の日韓航空当局間協議で日本の首都圏を除いた乗り入れ地点及び便数の制限の撤廃が合意され、アジア・ゲートウェイ構想による航空自由化が初めて実現した[53]。これを受けて、2007年8月8日にアシアナ航空が静岡空港への乗り入れを表明した。2007年11月26日開催の「平成19年第28回経済財政諮問会議」に国土交通省が提出した「航空自由化工程表について」の中でも、アジア・ゲートウェイ構想による航空自由化の成果の一つとして、この日韓航空協議の合意とアシアナ航空の静岡空港就航表明が挙げられている[54]

静岡県はタイの航空当局・航空会社に対し、静岡空港への路線誘致活動を行っている[55][56]が、2007年11月28、29日の日本・タイ航空当局間協議で、日本の首都圏を除いた乗り入れ地点及び便数の制限の撤廃が合意され、韓国に続き2か国目となる、日本との航空自由化が実現し[57][58]、静岡空港を含む地方空港への乗り入れの障害がなくなった。

国土交通省航空局は、「アジア・ゲートウェイ構想」に基づき、平成19年11月2日付けの通達で、地方空港について、CIQ・自衛隊などとの調整・安全性などの条件が確保できれば、二国間協定の範囲外でも外国航空会社による地方空港への路線開設・増便などを暫定的に認めることとした[59]が、首都圏京阪神間でこの通達により国際定期便の就航可能な地方空港は茨城空港(2010年3月開港予定)、静岡空港だけである[60]。地方航空への国際線就航についての自由化は、静岡空港に限ったことではない。

中国民用航空総局副局長の楊国慶は、静岡県知事・石川嘉延との会談で、中国の航空会社の静岡空港への就航を支持することを表明した。また中国側は静岡空港に増便の難しい成田空港の補完としての役割を期待しているという[61][62][63]

空港へのアクセス

直線距離で、静岡市中心部から約30km、浜松市中心部から約45km。

道路交通

バス

下記の5路線が運航される[64][65]

鉄道

  • 鉄道の最寄駅は金谷駅である(直線距離で静岡空港から約6km)。
  • 静岡空港直下を東海道新幹線が通過しているので、新幹線新駅を空港に併設する構想がある[66]が、これについてJR東海須田寛相談役は「営業的には(新幹線新駅を)作った方がいいと思うが技術的に難しい」とコメントしている。また掛川駅と空港の位置が近接しすぎている為、これ以上新幹線の新駅を建設しても、新幹線の運行ダイヤが確保しにくくなるなどの点で、JR東海側は依然新幹線の静岡空港新駅の建設に対して消極的である。これらの事から静岡県議会は新駅の建設計画を凍結する形で推移していたが、2009年2月の静岡県議会で石川嘉延静岡県知事が空港の新幹線新駅に関して答弁するなど、凍結したはずの新駅建設構想を蒸し返す動きを見せている。[67]

海上交通

空港建設推進派と反対派

双方の主張の詳細については、外部リンクにある各団体のウェブサイトやマスコミの報道記事を参照のこと。

推進派

建設推進に関連する運動としては、静岡県内の市町、市町議会、商工団体、業種団体等により「富士山静岡空港就航促進協議会」(旧 静岡空港建設促進協議会)が組織されている。また、静岡県議会の知事与党会派(自由民主党、平成21、公明党)により県議会静岡空港利活用促進議員連盟が作られている。その他空港周辺地域の各種団体や周辺住民を主な構成員とする団体として、「富士山静岡空港と地域開発をすすめる会」、「静岡空港一番機へ乗る会」、「静岡空港の早期開港をめざすはいばら女性の会」、「富士山静岡空港友の会」などがある。推進派の活動の中心は静岡県内の団体や賛成派住民である。

反対派

組織

反対運動は主に「静岡空港・建設中止の会」(共産党系)と「空港はいらない静岡県民の会」(新左翼系や社民党民主党の一部)の2グループにより行われている。反対派は、推進派に比べ静岡県内の組織基盤に劣るため、劣勢を挽回するため、田中康夫[71]鳩山由紀夫[72]菅直人[73]保坂展人[74]中村敦夫[75]川田龍平[76]などの県外政治家の支援を受けたり、県外国会議員に対し反対署名活動を行ったり、県外の各種反対運動の活動家からの支援を受けるなどしている。

反対運動の現状

反対運動は、選挙・議員活動、訴訟、トラスト共有地・立ち木トラストなどの手法で行われており、現状は次のとおりである。

選挙・議員活動

静岡県内選出国会議員12名のうち、反対派は民主党渡辺周細野豪志の2名。現在の静岡県議会議員74名のうち反対を表明しているのは共産党系無所属1名。 近年、衆院選・参院選・県議選で反対派の有力議員が相次いで落選しており、反対派の現・元議員で賛成に転じたり、積極的に反対の姿勢を示さなくなった者もいる[77]。 県知事選挙については、毎回反対派は立候補者を擁立するものの、いずれも落選している。 地元市町長選挙については、かつて、反対派のリーダーが立候補したこともあったが、いずれも落選しており、近年は反対派の立候補者擁立は見送られている。 平成19年4月に行われた静岡県議会議員選挙において、共産党の候補者と無所属候補者の一部が空港反対を選挙公約としたが、無投票当選の1名を除いていずれも落選しており、民主党公認・推薦候補者で空港反対を公約とした者はいなかった。

訴訟

反対派は、空港設置許可取り消し、公金支出差し止め、土地収用法に基づく事業認定取り消し、権利取得裁決取り消し等の訴訟を起こしているが、現在審理中のものを除き、いずれの訴訟も反対派の敗訴又は訴えの取り下げなどに終わっており、今のところ反対派の勝訴した訴訟はない。

トラスト共有地・立ち木トラスト

反対派は、反対派の元々の地権者(本来地権者)の所有する空港予定地内の土地の一部を、静岡県内のみならず県外や外国在住者を含んだ反対派数百名に譲渡し共有としたり、山林の立ち木の一本一本を別々の反対派活動家に譲渡するなどの行為を行い、空港予定地の権利関係を複雑化し県の用地取得を妨害しようとした。静岡県が土地収用法に基づく手続きを行った結果、空港建設に必要な土地・立ち木に関するすべての権利について県の権利取得が認められたが、トラスト共有地・立ち木トラストによる権利の細分化による事務の煩雑化のため、用地調査や補償金の支払事務手続に十数億円の経費を要することとなった。

直接請求

2001年に、反対派は静岡空港の是非を問う住民投票条例制定を求めるため、約27万人の署名を集め地方自治法に基づく直接請求を行ったが、住民投票条例案は県議会の反対多数で否決された。

その他

2007年2月6日未明に、静岡市在住の反対派活動家が、静岡県庁別館前の路上で焼身自殺した。付近には、静岡市内の廃棄物不法投棄に関する静岡市の対応と、静岡空港建設に抗議する内容のビラがあり、また、ビラと同じ内容が焼身自殺の直前にmixiに書き込まれていた。自殺後、反対派は、追悼集会の開催、追悼VTR・DVDの発売などの活動を行っている[78]。また、週刊ダイヤモンドは、静岡空港について、無駄な大型事業の典型例とした特集記事を数多く掲載している。岩波書店発行の月刊誌「世界」は、鎌田慧の執筆による、静岡空港に批判的な記事を掲載している[79]

推進派・反対派の両方に対する批判

静岡空港建設予定地に近くにはプロペラ機であれば十分離着陸可能な1,500mの滑走路を持つ静浜基地が存在する。 しかし、推進派は大型ジェット機が就航可能な2,500mの滑走路を持つ新空港の建設に計画段階から固執し、静浜基地の共用化については それほど検討される事が無かった。 また、反対派最大派閥の1つである「空港はいらない静岡県民の会」は計画段階から静浜基地の共用化にも反対していた。 その為、推進派・反対派の両方を批判する声が存在[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。する。

脚注

  1. ^ 【静岡空港】静岡空港近くに高さ制限超える立ち木 asahi.com(朝日新聞)2008年9月12日
  2. ^ 【静岡空港】3月開港遅れも/空港滑走路短縮方針 asahi.com(朝日新聞)2008年10月22日
  3. ^ 富士山静岡空港の開港予定日について 静岡県
  4. ^ 静岡空港6月4日開港 知事発表 静岡新聞2008年12月25日付け
  5. ^ 静岡空港への補助金継続 事業再評価で国交省
  6. ^ 例えば、任意交渉に「区切り」/土地収用手続き着手へ 朝日新聞 2004年11月13日付け など。
  7. ^ 牧之原市長が出資の意向 朝日新聞 2007年12月4日付け
  8. ^ 静岡空港:運営会社、第三セクターに 牧之原・島田市の出資了承--株主総会 /静岡 毎日新聞静岡版 2008年6月4日付け
  9. ^ 県は静岡空港運営会社に出資せず 定例会見で知事があらためて表明 中日新聞 2008年6月10日付け
  10. ^ 静岡空港:運営会社が出資了承 知事、牧之原市に不快感 /静岡 毎日新聞静岡版 2008年6月10日付け
  11. ^ けいざい・しずおか:鈴与、静岡空港の地上業務会社設立 静鉄と共同で /静岡 毎日新聞 2008年3月13日付け
  12. ^ 建設予定地決定前の前史については静岡政治経済特報「富士山静岡空港カウントダウン」1~3[1][2][3]や注1などを参照
  13. ^ 富士山頂付近は境界未定区域である。山頂からは、静岡空港および羽田空港は、ほぼ等距離である。
  14. ^ 「富士山静岡空港」英語名称では採用されず
  15. ^ a b c d 2008年5月2日付 朝日新聞 朝刊経済面「静岡空港 見えぬ成算」
  16. ^ 札幌や福岡に出張する社員は、その周辺都市にも行くため、往復では利用しない。福岡は新幹線を使えば時間的には大差ない。
  17. ^ 富士山静岡空港のフライトスケジュール
  18. ^ 日本航空グループとの連携(静岡県空港部)
  19. ^ 空港だより平成17年8月号(静岡県空港部)
  20. ^ [静岡就航計画通り 西松日航社長「路線、県と協議」] 静岡新聞 2007年9月5日付け
  21. ^ 富士山静岡空港の利活用推進に向けての覚書締結について]
  22. ^ 静岡空港、福岡便の搭乗率保証へ JAL支援策 静岡新聞
  23. ^ 静岡-福岡の搭乗率70%割れなら 県が日本航空(JAL)に保証金 中日新聞
  24. ^ a b [静岡空港:ANA就航 政治主導、県「寝耳に水」 /静岡] 毎日新聞静岡版 2007年7月7日付け
  25. ^ 静岡―成田に可能性 全日空社長が示唆 静岡新聞 2008年1月24日付け
  26. ^ 富士山静岡空港における運航計画について(全日空)
  27. ^ JALの搭乗率保証 ANA幹部「不公平」 静岡 産経新聞
  28. ^ 沖縄便着陸料の減免盛る 県が空港設置条例規則公布 静岡新聞 2009年4月29日
  29. ^ [鈴与 就航路線見直し 福岡・新千歳 大手と競合回避静岡空港旅客参入] 読売新聞静岡版 2007年12月6日付け
  30. ^ 鈴与リージョナル航空事業、須川恒次・執行役員航空事業推進本部長に聞く 静岡新聞 2008年2月16日付け
  31. ^ FDAが熊本など3路線就航へ 静岡 毎日新聞 2008年7月26日付け
  32. ^ 静岡県/富士山静岡空港/ 就航要請路線
  33. ^ 富士山静岡空港運航計画発表(アシアナ航空Webページ)
  34. ^ アシアナ航空(ソウル1日1便)の就航が決定!(静岡県空港部)
  35. ^ 静岡-ソウル運航計画及び静岡支店開設準備室について(アシアナ航空)
  36. ^ 韓国のアシアナ航空、今年静岡支店開設へ 営業、予約、発券業務 静岡新聞 2008年1月3日付け
  37. ^ 静岡空港、大韓航空が就航を表明/3社目に ソウルデイリーも、JALとコードシェア等協力へ(2006年9月6日付けWING DAILY)
  38. ^ 大韓航空がソウル(仁川)線の運航を正式表明! 静岡県
  39. ^ 大韓航空 富士山静岡空港 正式就航表明 ~定期便運航計画書 知事に提出~ 大韓航空 プレスリリース
  40. ^ 大韓航空、仁川/静岡線の就航を正式に表明-イン・アウト双方の需要に期待 トラベルビジョン
  41. ^ 静岡―上海に週4便 中国東方航空が申請 静岡新聞 2008年11月1日
  42. ^ 開港延期・静岡空港:東方航空、上海便を週4往復就航 訪中の知事に報告 /静岡 毎日新聞
  43. ^ 北京・広州へ定期運航中国南方航空 静岡発上海経由県に提案 読売新聞静岡版 2008年1月1日付け
  44. ^ 読売新聞 静岡版 2008年11月26日
  45. ^ [チャーター便就航を検討 台湾のエバー航空] 静岡新聞 2007年4月28日付け
  46. ^ a b 台湾・香港チャーター便 中華航空など検討 読売新聞静岡版 2008年6月15日付け
  47. ^ [静岡空港に年31便 チャーター便県へ運航計画 香港のドラゴン航空] 静岡新聞 2007年5月15日付け
  48. ^ [エーデルワイス航空:スイスの航空会社、チューリヒへのチャーター便計画 /静岡
  49. ^ エーデルワイス航空、09年は日本発チャーター16本に増加、静岡空港発も トラベルビジョン
  50. ^ 国土交通省交通政策審議会第10回航空分科会議事概要
  51. ^ 「航空需要予測について」国土交通省交通政策審議会第9回航空分科会資料(pdf)
  52. ^ 資料:アジア・ゲートウェイ戦略会議のウェブページ(首相官邸)国土交通省交通政策審議会第6回航空分科会資料 (pdf) など。
  53. ^ 日本・韓国航空当局間協議の結果について(2007年8月3日付け国土交通省航空局記者発表資料)
  54. ^ 航空自由化工程表について(国土交通省)3ページ
  55. ^ ●静岡県公式使節団タイ・シンガポールに訪問 富士山静岡空港に高い評価~今後の就航要請に弾み~(静岡県空港部)
  56. ^ 微笑みの国・タイ-アジアとの道を拓く!!(牧之原市)
  57. ^ 日本・タイ航空当局間協議の結果について(国土交通省航空局)
  58. ^ 日・タイ航空協議、相互乗り入れ原則自由化で合意 日本経済新聞夕刊 2007年11月30日付け
  59. ^ 外国航空会社による地方空港への路線開設、増便等の自由化について(国土交通省航空局)
  60. ^ 他の主な地方空港などのうち、名古屋飛行場神戸空港については近隣に中部国際空港関西国際空港があるためチャーター便を除き国内線専用とされている。
  61. ^ 静岡空港へ中国路線を週7便へ 石川知事、航空当局高官に要請 中日新聞 2008年1月15日付け
  62. ^ 静岡空港「成田」の補完期待 読売新聞静岡版 2008年1月15日付け
  63. ^ 静岡空港:「週7便、実現を」 中国側に知事要望 毎日新聞静岡版 2008年1月15日付け
  64. ^ アクセスバスの概要 - 静岡県
  65. ^ 一般バス時刻表 - 富士急静岡バス
  66. ^ 空港だより平成12年9月号(静岡県空港建設局)
  67. ^ 静岡県議会2月24日(SBSウェブサイト)
  68. ^ 松崎港港湾振興ビジョン(静岡県港湾企画室)
  69. ^ 「ゆめの航路」参加者を募集 静岡・大井川町 大井川港・土肥港 30日、フェリー運航 静岡新聞 2007年6月8日付け
  70. ^ 戦略的政策展開を踏まえた空港施策の推進(静岡県空港建設局)(pdf)
  71. ^ 活動例
  72. ^ 活動例
  73. ^ 活動例
  74. ^ 活動例
  75. ^ 活動例
  76. ^ 活動例
  77. ^ 選挙:衆院選 連合静岡、1区の牧野氏を推薦 7区の斉木氏も /静岡 毎日新聞静岡版 2008年2月20日付け
  78. ^ 井上さん追悼DVD完成!(空港はいらない静岡県民の会)
  79. ^ 「世界」2007年6月号目次(岩波書店)

関連項目

外部リンク

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その他

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