室蘭本線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

これはこのページの過去の版です。59.129.102.81 (会話) による 2012年6月3日 (日) 11:53 （個人設定で未設定ならUTC）時点の版 (→‎普通列車)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

画像提供依頼：社台ファームと列車をからめた構図の画像提供をお願いします。（2011年5月）
JR北海道 室蘭本線
特急「北斗」
特急「北斗」
特急「北斗」
室蘭本線の路線図
室蘭本線の路線図
路線総延長（本線）211.0 km
（支線）7.1 km
軌間1067 mm
電圧室蘭 - 沼ノ端間
20000V（交流）
最高速度130 km/h

室蘭本線（むろらんほんせん）は、北海道旅客鉄道（JR北海道）の鉄道路線（幹線）である。

北海道山越郡長万部町の長万部駅から、室蘭市、苫小牧市等を経て岩見沢市の岩見沢駅を結ぶ本線と、室蘭市の東室蘭駅から室蘭駅までを結ぶ支線からなる。

概要

長万部駅と岩見沢駅の両端で函館本線と接続している路線であり、長万部駅 - 苫小牧駅間では海沿いを、苫小牧駅 - 岩見沢駅間では内陸部を走る。

現在、全線を通して運転される旅客列車は無い。長万部駅から千歳線と接続する沼ノ端駅までの間は札幌発着の特急列車が多く経由する区間となっており、札幌と函館を結ぶ動脈の一部となっている。このうち室蘭駅 - 東室蘭駅 - 沼ノ端駅間は電化されている。一方、沼ノ端駅 - 岩見沢駅は優等列車の運転が無く、ローカル輸送が中心となっている。日本貨物鉄道（JR貨物）による貨物列車は支線を除く全線で運転されている。

線内の白老駅 - 沼ノ端駅間 28.736kmの区間は日本最長の鉄道直線区間である（分岐器付帯曲線などがあり、同区間で軌道が直線とは限らない）。

苫小牧駅 - 沼ノ端駅間は千歳線と合わせてIC乗車カード「Kitaca」の利用可能エリアとなっている。

路線データ

  • 管轄（事業種別）・区間（営業キロ）
  • 駅数：48（起終点駅含む）
    • 旅客駅：47
      • 室蘭本線所属駅に限定した場合、長万部駅と岩見沢駅（どちらも函館本線所属[1]）が除外され、45駅になる。なお、石勝線と交差する追分駅は室蘭本線所属[1]である。
    • 貨物駅：1（旅客併設駅除く）
  • 信号場数：1
  • 軌間：1067mm
  • 複線区間：総計176.7km （単線・複線の別は駅一覧も参照）
    • 長万部駅 - 洞爺駅 41.5km
    • 有珠駅 - 長和駅 4.9km
    • 稀府駅 - 三川駅 118.2km
    • 由仁駅 - 栗山駅 5.1km
    • 室蘭駅 - 東室蘭駅 7.0km
  • 電化区間：室蘭駅 - 沼ノ端駅 74.9km（交流20,000V・50Hz）
  • 閉塞方式：自動閉塞式
  • 最高速度：
    • 130km/h（長万部駅 - 沼ノ端駅）
    • 95km/h（室蘭駅 - 東室蘭駅）
    • 85km/h（沼ノ端駅 - 岩見沢駅）

長万部駅 - 礼文駅間が北海道旅客鉄道函館支社、大岸駅 - 岩見沢駅間が北海道旅客鉄道本社の管轄である。

歴史

歴史的には北海道炭礦鉄道によって建設され、鉄道国有法により国有化された室蘭 - 岩見沢間と、その後国有鉄道長輪線（おさわせん・ちょうりんせん）として建設された長万部 - 東室蘭間に分かれる。

1960年（昭和35年）から15年計画で行なわれた蒸気運転全廃に向けた動力近代化計画では、室蘭本線岩見沢 - 沼ノ端間および非電化区間としては特急・貨物列車の本数が多い東室蘭 - 長万部間も電化計画に含まれていたが、石炭輸送衰退の影響で函館本線五稜郭 - 長万部間と共に現在でも実現していない。

室蘭 - 岩見沢間

北海道炭礦鉄道

  • 1892年（明治25年）8月1日 室蘭（現：東室蘭） - 岩見沢間が開業しこの区間に室蘭（現：東室蘭）・幌別・登別・白老・苫小牧・追分・由仁駅を新設
  • 1893年（明治26年）7月1日 栗山駅を新設
  • 1894年（明治27年）8月1日 早来駅を新設
  • 1894年（明治27年）10月1日 清真布駅を新設
  • 1897年（明治30年）2月16日 敷生・三川駅を新設
  • 1897年（明治30年）7月1日 室蘭（現：東室蘭）を輪西に改称、室蘭 - 輪西間を延伸開業しこの区間に室蘭駅を新設
  • 1898年（明治31年）2月1日 錦多峰、沼ノ端駅を新設
  • 1901年（明治34年）12月1日 鷲別駅を新設
  • 1902年（明治35年）8月1日 （貨）志文駅を新設
  • 1902年（明治35年）9月21日 遠浅駅を新設
  • 1902年（明治35年）10月11日 安平駅を新設
  • 1903年（明治36年）4月21日 志文を貨物駅から一般駅に変更
  • 1905年（明治38年）6月21日 （貨）御崎駅を新設

国有鉄道（官設鉄道）

  • 1906年（明治39年）10月1日 北海道炭礦鉄道を買収、室蘭 - 岩見沢間が官設線となる
  • 1907年（明治40年）12月25日 知床・社台信号所を新設
  • 1909年（明治42年）10月12日 国有鉄道線路名称制定に伴い、室蘭 - 岩見沢間を室蘭本線とする
  • 1909年（明治42年）10月15日 知床・社台信号所を貨物駅に変更
  • 1910年（明治43年）12月29日 室蘭 - 輪西間を複線化
  • 1912年（明治45年）4月1日 知床貨物駅を一般駅に変更
  • 1917年（大正6年）6月1日 小糸魚・一本松信号所を新設、社台貨物駅を一般駅に変更
  • 1920年（大正9年）8月7日 一本松信号所を廃止
  • 1920年（大正9年）8月10日 苫小牧 - 遠浅間を複線化
  • 1921年（大正10年）10月4日 遠浅 - 追分間を複線化
  • 1922年（大正11年）4月1日 小糸魚信号所を信号場に変更
  • 1922年（大正11年）6月1日 御崎貨物駅を一般駅に変更
  • 1926年（大正15年）6月25日 登別 - 敷生間を複線化
  • 1926年（大正15年）7月10日 幌別 - 登別間を複線化
  • 1928年（昭和3年）8月5日 虎杖浜駅を新設
  • 1928年（昭和3年）9月10日 輪西（現：東室蘭）を東輪西に改称、輪西駅を新設

長万部 - 東室蘭間（長輪線）

  • 1923年（大正12年）12月10日 長万部 - 静狩間 (10.6km) を長輪線として開業しこの区間に静狩駅を新設
  • 1925年（大正14年）8月20日 輪西 - 伊達紋別間を長輪東線として開業しこの区間に伊達紋別・稀府・黄金蘂・本輪西駅を新設、同時に長万部 - 静狩間の長輪線を長輪西線に線名改称
  • 1928年（昭和3年）9月10日 静狩 - 伊達紋別間の延伸開業成り長輪西線・長輪東線を長輪線と為す、延伸開業区間に礼文・小鉾岸・弁辺・虻田・有珠・長流駅を新設

統合後

  • 1931年（昭和6年）4月1日 長万部 - 岩見沢間と東輪西 - 室蘭を区間統合し室蘭本線とする（長輪線を室蘭本線に編入し、東輪西 - 室蘭間を支線とする）
  • 1931年（昭和6年）9月1日 東輪西を東室蘭に改称
  • 1935年（昭和10年）4月1日 小鉾岸を大岸に・弁辺を豊浦に改称
  • 1935年（昭和10年）12月29日 母恋駅を新設
  • 1942年（昭和17年）4月1日 敷生を竹浦に・知床を萩野に改称
  • 1943年（昭和18年）7月1日 東室蘭 - 幌別間を複線化
  • 1943年（昭和18年）9月25日 旭浜・古山・栗丘信号場を新設
  • 1943年（昭和18年）9月30日 小幌信号場を新設
  • 1944年（昭和19年）7月5日 追分 - 三川間を複線化
  • 1944年（昭和19年）10月1日 本輪西 - 東室蘭間を複線化、豊住・伊達舟岡・陣屋町信号場を新設
  • 1945年（昭和20年）4月20日 鳥伏信号場を新設
  • 1945年（昭和20年）8月1日 北入江信号場を新設
  • 1946年（昭和21年）4月1日 古山・栗丘信号場を駅に変更
  • 1947年（昭和22年）11月1日 鳥伏信号場を廃止
  • 1948年（昭和23年）7月1日 北入江信号場を仮乗降場に変更、伊達舟岡信号場を廃止
  • 1949年（昭和24年）9月1日 清真布を栗沢に改称
  • 1949年（昭和24年）9月15日 豊住信号場を仮乗降場に変更
  • 1950年（昭和25年）9月10日 錦多峰を錦岡に改称
  • 1952年（昭和27年）11月15日 黄金蘂を黄金に改称
  • 1953年（昭和28年）7月15日 陣屋町信号場を駅に変更
  • 1953年（昭和28年）11月20日 小糸魚 - 苫小牧間を複線化
  • 1953年（昭和28年）12月20日 富浦駅を新設
  • 1954年（昭和29年）9月26日 錦岡 - 小糸魚間を複線化
  • 1955年（昭和30年）11月1日 崎守町仮乗降場を新設
  • 1956年（昭和31年）4月1日 小糸魚信号場を糸井駅に改称、変更
  • 1957年（昭和32年）9月30日 白老 - 錦岡間を複線化
  • 1957年（昭和32年）11月30日 萩野 - 白老間を複線化
  • 1958年（昭和33年）11月10日 竹浦 - 萩野間を複線化
  • 1959年（昭和34年）10月1日 長流を長和に改称
  • 1960年（昭和35年）5月10日 室蘭 - 西室蘭 (1.4km) の貨物支線が開業しこの区間に（貨）西室蘭駅を新設
  • 1960年（昭和35年）10月1日 豊住仮乗降場を豊泉駅に改称、変更
  • 1961年（昭和36年）10月1日 志文 - 岩見沢間を複線化、一本松仮信号場を新設
  • 1962年（昭和37年）11月1日 虻田を洞爺に改称
  • 1963年（昭和38年）?月?日 一本松仮信号場を廃止
  • 1963年（昭和38年）9月30日 北舟岡信号場を新設
  • 1964年（昭和39年）7月5日 静狩 - 小幌間を複線化
  • 1964年（昭和39年）9月29日 小幌 - 礼文間を複線化
  • 1964年（昭和39年）9月30日 北入江仮乗降場を信号場に変更
  • 1965年（昭和40年）11月1日 北吉原駅を新設
  • 1967年（昭和42年）10月1日 小幌信号場を仮乗降場に変更
  • 1968年（昭和43年）5月15日 豊泉駅を廃止
  • 1968年（昭和43年）9月5日 有珠 - 長和間を複線化
  • 1968年（昭和43年）9月15日 由仁 - 栗山間を複線化
  • 1968年（昭和43年）9月19日 黄金 - 陣屋町間を複線化、崎守駅を新設、崎守町仮乗降場を廃止
  • 1968年（昭和43年）9月25日 大岸 - 豊浦間を複線化
  • 1968年（昭和43年）11月15日 稀府 - 黄金間を複線化
  • 1969年（昭和44年）9月19日 長万部 - 静狩間を複線化
  • 1969年（昭和44年）9月20日 旭浜信号場を仮乗降場に変更
  • 1969年（昭和44年）9月22日 栗山 - 栗丘間を複線化
  • 1970年（昭和45年）6月30日 大岸 - 洞爺間を複線化
  • 1970年（昭和45年）8月1日 陣屋町旅客駅を貨物駅に変更
  • 1975年（昭和50年）10月22日 礼文 - 大岸間を複線化。
  • 1975年（昭和50年）12月14日 室蘭 - 岩見沢間で国鉄最後の蒸機牽引による定期旅客列車225列車が運転された。
  • 1978年（昭和53年）10月3日 陣屋町 - 本輪西間を複線化
  • 1980年（昭和55年）10月1日 室蘭 - 東室蘭 - 沼ノ端間を電化 (74.9km)
  • 1981年（昭和56年）3月5日 室蘭 - 沼ノ端間と千歳線をCTC化
  • 1985年（昭和60年）3月14日 室蘭 - 西室蘭 (1.4km)の貨物支線を廃止しこの区間の（貨）西室蘭駅を廃止、御崎 - 室蘭間の貨物営業を廃止
  • 1986年（昭和61年）11月1日 東室蘭 - 御崎間貨物営業廃止、北入江信号場を廃止
  • 1987年（昭和62年）4月1日 国鉄分割民営化に伴い北海道旅客鉄道（第1種）・日本貨物鉄道（第2種）が承継、旭浜仮乗降場・小幌仮乗降場・北舟岡信号場を駅に変更
  • 1988年（昭和63年）11月3日 青葉駅を新設
  • 1990年（平成2年）4月23日 栗山 - 栗丘間の栗山トンネル崩壊により旧下り線を廃止、単線化
  • 1994年（平成6年）3月16日 北入江（2代）信号場を新設
  • 1994年（平成6年）11月1日 志文 - 岩見沢間を改キロ (+1.7km)（休止していた旧貨物線ルートの復活改良に伴う線路付け替え）
  • 1997年（平成9年）10月1日 室蘭駅移設に伴い母恋 - 室蘭間を改キロ (-1.1km)
  • 2000年（平成12年）3月29日 有珠山噴火で、東室蘭 - 長万部間が不通
  • 2000年（平成12年）4月27日 有珠山噴火で不通となっていた全区間について、貨物列車が限定的に運行される
  • 2000年（平成12年）4月29日 有珠山噴火で不通となっていた全区間が再開され、旅客列車が限定的に運行される
  • 2000年（平成12年）6月8日 有珠山噴火で迂回していた特急なども含めて通常運行再開
  • 2006年（平成18年）3月18日 旭浜駅を廃止
  • 2007年（平成19年）10月1日 長万部 - 沼ノ端間で駅ナンバリングを実施
  • 2008年（平成20年）10月25日 IC乗車券のKitacaを苫小牧 - 沼ノ端間で導入。サービス開始。

複線化による路線変更

室蘭本線では、複線化と同時に勾配緩和や急曲線緩和目的で別線建設により路線変更や複線化が行われた区間が存在する。旧路線の路盤や廃トンネルは、現在線を走行中の列車車窓から目視確認できるものも多い。この節では、大規模なものについて記述する。

静狩 - 礼文間
この区間の地形は、険しい山が海岸に迫る形となっており、既設線もトンネル区間が大多数を占めている。複線化は単線新設により行われた。静狩 - 小幌間は、既設線の山側に2本のトンネルを含む単線が新設され、既設線が上り線、新設線が下り線とされた。小幌 - 礼文間は、既設線の海側に1本のトンネルを含む単線が新設され、既設線が下り線、新設線が上り線とされた。
礼文 - 大岸間
この区間の既設線は、急峻な地形による急曲線、線路に面する断崖からの落石、海岸に面する護岸の風化、トンネル出口にある見通しの悪い踏切など、障害の多い区間であった。そのため、障害の回避を兼ね、複線を新設することとなった。既設線の山側に2本のトンネルを含む複線が新設され、既設線は廃止された。これにより、路線延長が約100m短縮されることとなった。後のちに、既設線の路盤の一部と2本のトンネルが、並行する道路の代替として道路に転用された。
大岸 - 豊浦間
この区間の既設線は、海沿いの急峻な地形を避けるため、大きく山側に迂回するルートを通っていた。急曲線や勾配が連続する区間でもあったため、海沿いに2本のトンネルを含む複線を新設することとなった。これにより、路線延長が約1.6km短縮されることとなった。既設線は廃止され、既設線にあった豊泉駅も同時に廃止された。
豊浦 - 洞爺間
この区間の既設線は、海岸線に沿って建設されたため、急曲線が多く地山の崩壊の危険性もあった。そのため、複線化と同時に別線新設より改良を行うこととなった。まず、既設線の山側に4本のトンネルを含む単線が新設され、路線切り替えと共に既設線が廃止された。その後、廃止された既設線の路盤の一部を利用して、5本のトンネルを含む上り線用単線が新設された。これにより、最初に新設された単線を下り線として使用、複線となった。
黄金 - 陣屋町間
この区間の既設線は、S字形で遠回りであったために、複線化と同時に直線化することとなった。既設線の線形の中央を貫くように、4本のトンネルを含む複線が新設され、路線延長が約400m短縮されることとなった。この区間にあった崎守駅は、既設新線の既設線との立体交差付近に移転された。陣屋町 - 崎守間の既設線の一部は、貨物線に転用された。
陣屋町 - 本輪西間
この区間の既設線は、海岸に沿った急曲線があったため、複線化と同時に直線化を行うこととなった。1本のトンネルを含む複線が新設され、路線延長が約400m短縮されることとなった。

運行形態

広域輸送

長万部駅 - 東室蘭駅 - 苫小牧駅・沼ノ端駅間では、函館からの函館本線、札幌への千歳線とともに、函館駅 - 札幌駅間を結ぶ幹線ルートとして多くの特急列車のほか、急行列車や本州直通の貨物列車が運転されている。この区間と千歳線は一体的にダイヤが組まれており、本来千歳線は札幌市の白石駅が起点であるが、苫小牧方面を「上り」としているほか、函館本線の長万部駅 - 小樽駅間の通称「山線」に対する呼称として「海線」と呼ばれることがある。

また電化区間の末端となる東室蘭駅 - 室蘭駅間では、札幌への特急「すずらん」が普通列車として乗り入れている。

そのほか、苗穂工場への検査のため電化・非電化区間を通し、ディーゼル機関車の牽引による函館地区に配置されている海峡線用の電車・電気機関車の回送列車も運転されている。

地域輸送

おおむね、「長万部駅 - 東室蘭駅間」・「東室蘭駅 - 室蘭駅間」・「東室蘭駅 - 苫小牧駅間」・「苫小牧駅 - 岩見沢駅間」に運行系統が分かれている。また1日1.5往復、苫小牧駅 - 長万部駅間を通して運行する列車もある。

長万部駅 - 東室蘭駅間

東室蘭行2両編成普通列車（豊浦駅にて撮影）

長万部駅 - 東室蘭駅間では、この区間通しの列車のほか、豊浦駅・洞爺駅・伊達紋別駅 - 東室蘭駅・室蘭駅間の区間列車がある。小幌駅は通過する列車がある。普通列車はワンマン運転を行っている。特急の運行が多い、1980年の沼ノ端駅 - 室蘭駅間の電化以降も非電化で、一部区間で単線のままである。

室蘭駅 - 東室蘭駅 - 苫小牧駅間

東室蘭 - 室蘭間では、この区間のみの運転のほか、長万部方面や苫小牧方面の列車が乗り入れ設定もある。また特急「すずらん」もこの区間では普通列車となる。（急行「ちとせ」以来の運転方法をとっており、区間列車を補完する役を果たしている。）この区間は電化区間であるが、列車の半数以上が気動車である。また、東室蘭駅 - 室蘭駅間の7時台の一部の列車は「すずらん」用の785系電車を間合い運用で使用している。気動車列車のみワンマン運転を行っている。

東室蘭駅 - 苫小牧駅間では、この区間を直通する列車のほか、室蘭駅・東室蘭駅 - 登別駅間や、萩野駅・糸井駅 - 苫小牧駅間で区間列車がある。この区間の普通列車は電車（711系）が中心だが、気動車で運転される場合はワンマン運転となる。1日1往復、手稲駅・札幌駅 - 東室蘭駅間で運転される、札幌運転所の入出庫を兼ねた長距離普通列車がある。

苫小牧駅 - 岩見沢駅間

苫小牧 - 岩見沢間
栗山 - 栗丘で旧上り線を行く下り普通列車
（岩見沢行き、2009年1月）
 
廃止された旧下り線（同区間）

苫小牧 - 岩見沢間は、かつては内陸部の産炭地から太平洋岸の港まで石炭を運び出すための路線として重要視されており、運炭列車のために重軌条化された複線区間であった。石炭産業が衰退した現在では、札幌を通らないことや、栗山駅で接続していた夕張鉄道の廃線に伴い、千歳線列車の乗り入れのある苫小牧駅 - 沼ノ端駅間（特急「すずらん」も相互で利用可能）を除けば、普通列車が運転されているのみである。3 - 4時間ほど運行がない時間帯がある。ほかに本州から道北・道東に直通する貨物列車がわずかに通過するのみである。特記すべき列車としては、1日1往復ある糸井駅までの乗り入れや、1日1本（下りのみ）の石勝線乗り入れの列車（苫小牧駅 → 追分駅 → 夕張駅）がある。千歳線からの乗り入れ列車を除きワンマン運転である。

この区間では、1975年12月14日に国鉄最後の蒸気機関車牽引による定期旅客列車（室蘭発岩見沢行き、225列車）が運行された。牽引機には現在鉄道博物館に収蔵されているC57形135号機が充てられた。

非常時に函館本線と千歳線のバイパスとして活用できるよう複線のまま残されていたが、1990年4月に下り線の栗山駅 - 栗丘駅間にある栗山トンネルの明かり区間の一部が上部の法面と共に崩落したため、そのまま廃止された。このため、この区間は旧上り線を使った単線運転となっている。踏切などでレールが撤去されているが、大半は道床・レールともにそのまま残されている。現在使われている新栗山トンネルは、下り線とやや離れた位置に、上り線用の単線トンネルとして1969年に開通したものである。

旭川方面から南千歳駅・新千歳空港駅へは、この区間と追分からの石勝線を経由した方が距離は短いが、新千歳空港駅へ向かう列車はすべて函館本線 - 札幌駅 - 千歳線経由で運転されている。

使用車両

現在の使用車両

特急・急行列車

このほか、臨時列車として789系が「すずらん81・82号」として乗り入れるほか、札幌ドームでのイベント終了後に運行される札幌 - 室蘭方面の臨時特急に183系気動車が使用される。

普通列車

気動車のみワンマン運転対応。

711系電車
室蘭 - 東室蘭 - 苫小牧間の普通列車に使用される（1日1往復が千歳線へ直通するため苫小牧 - 沼ノ端でも運転があることになる）。
785系電車
室蘭 - 東室蘭では特急すずらんが普通列車扱いとなる。また室蘭 - 東室蘭間のみの普通列車にも間合い運用で使用されている列車がある。
キハ40形気動車
全区間で使用されている。苫小牧 - 追分間には、通常日高本線で使っている車両が間合い運用で入ることがある。
キハ150形気動車
苫小牧 - 岩見沢をのぞく全区間で使用されている。
721系電車、731系電車、733系電車、735系電車
これらは千歳線直通列車であり、重複区間の苫小牧 - 沼ノ端間のみで見られる。

過去の使用車両

特急列車

急行・準急列車など

駅一覧

  • 駅名 … （貨）：貨物専用駅、◆・◇：貨物取扱駅（貨物専用駅を除く。◇は定期貨物列車の発着なし）
  • 停車駅
    • 普通…基本的にすべての駅に停車するが、一部列車は小幌駅（▽印）を通過する
    • 特急・急行…「北斗 (列車)」「すずらん (列車)」ほか各列車記事参照
  • 線路 … ∥：複線区間、◇・｜：単線区間（◇は列車交換可能）、∨：ここより下は単線、∧：ここより下は複線
  • 全駅北海道内に所在

本線

長万部 - 沼ノ端間において駅ナンバリングが設定されているが、駅ナンバリング順ではなく、長万部駅から下り方向に記述。駅ナンバリングの詳細については「北海道旅客鉄道の駅ナンバリング」を参照。

電化／非電化 駅番号 駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 接続路線 線路 所在地
非電化 H47 長万部駅 - 0.0 北海道旅客鉄道：函館本線 ∥ 山越郡
長万部町
H46 静狩駅 10.6 10.6   ∥
H45 小幌駅▽ 6.9 17.5   ∥ 虻田郡
豊浦町
H44 礼文駅 6.1 23.6   ∥
H43 大岸駅 4.1 27.7   ∥
H42 豊浦駅 8.4 36.1   ∥
H41 洞爺駅 5.4 41.5   ∨ 虻田郡
洞爺湖町
  北入江信号場 - 44.5   ◇
H40 有珠駅 5.1 46.6   ∧ 伊達市
H39 長和駅 4.9 51.5   ∨
H38 伊達紋別駅 3.0 54.5   ◇
H37 北舟岡駅 2.9 57.4   ◇
H36 稀府駅 3.2 60.6   ∧
H35 黄金駅 4.5 65.1   ∥
H34 崎守駅 2.2 67.3   ∥ 室蘭市
  （貨）陣屋町駅 2.4 69.7   ∥
H33 本輪西駅◆ 3.0 72.7   ∥
交流電化 H32 東室蘭駅 4.5 77.2 北海道旅客鉄道：室蘭本線支線（室蘭方面） ∥
  （貨）東室蘭駅 1.0 78.2   ∥
H31 鷲別駅 0.9 79.1   ∥ 登別市
H30 幌別駅 7.7 86.8   ∥
H29 富浦駅 5.5 92.3   ∥
H28 登別駅 2.4 94.7   ∥
H27 虎杖浜駅 3.4 98.1   ∥ 白老郡
白老町
H26 竹浦駅 4.8 102.9   ∥
H25 北吉原駅 2.8 105.7   ∥
H24 萩野駅◇ 2.1 107.8   ∥
H23 白老駅 5.8 113.6   ∥
H22 社台駅 5.5 119.1   ∥
H21 錦岡駅 6.3 125.4   ∥ 苫小牧市
H20 糸井駅 5.2 130.6   ∥
H19 青葉駅 2.2 132.8   ∥
H18 苫小牧駅 2.4 135.2 北海道旅客鉄道：日高本線 ∥
  （貨）苫小牧貨物駅 3.4 138.6   ∥
H17 沼ノ端駅 5.4 144.0 北海道旅客鉄道：千歳線[* 1] ∥
非電化   遠浅駅 8.9 152.9   ∥ 勇払郡
安平町
  早来駅 5.4 158.3   ∥
  安平駅 5.7 164.0   ∥
K15 追分駅 6.8 170.8 北海道旅客鉄道：石勝線 ∥
  三川駅 8.0 178.8   ∨ 夕張郡
由仁町
  古山駅 3.4 182.2   ◇
  由仁駅 4.2 186.4   ∧
  栗山駅 5.1 191.5   ∨ 夕張郡
栗山町
  栗丘駅 4.2 195.7   ｜ 岩見沢市
  栗沢駅 3.9 199.6   ｜
  志文駅 4.3 203.9   ◇
A13 岩見沢駅 7.1 211.0 北海道旅客鉄道：函館本線 ∧
  1. ^ 千歳線との分岐は沼ノ端駅だが、列車はすべて苫小牧方面へ乗り入れる
  • 追分駅 - 三川駅間で千歳市内を通るが、同市内に駅はない。
  • 遠浅 - 志文の各駅（追分駅は除く）には駅番号が付番されていない。

支線

  • 全区間複線・交流電化
  • 全列車全駅に停車
  • 全駅北海道室蘭市内に所在
駅番号 駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 接続路線
H32 東室蘭駅 - 0.0 北海道旅客鉄道：室蘭本線（本線）
M33 輪西駅 2.3 2.3  
M34 御崎駅 1.9 4.2  
M35 母恋駅 1.7 5.9  
M36 室蘭駅 1.1 7.0  

廃駅

廃止区間内にあったものを除く。括弧内は長万部駅からの営業キロ。

廃止区間

貨物支線（1985年3月14日廃止）
室蘭駅 - 西室蘭駅 (1.4km)

過去の接続路線

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年

参考文献

ウィキメディア・コモンズには、室蘭本線に関連するカテゴリがあります。

関連項目

路線
営業路線
廃止路線
車両基地・車両工場
乗務員区
路線
営業路線
廃止路線
車両基地・車両工場
現有組織
乗務員区
（車両基地併設除く）
現有組織
廃止組織
その他
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=室蘭本線&oldid=42779486」から取得