安平駅

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安平駅
駅舎(2017年7月)
あびら
Abira
早来 (5.7 km)
(6.8 km) 追分 K15
地図
所在地 北海道勇払郡安平町安平
北緯42度48分50.87秒 東経141度49分30.96秒 / 北緯42.8141306度 東経141.8252667度 / 42.8141306; 141.8252667座標: 北緯42度48分50.87秒 東経141度49分30.96秒 / 北緯42.8141306度 東経141.8252667度 / 42.8141306; 141.8252667
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 室蘭本線
キロ程 164.0 km(長万部起点)
電報略号 ヒラ
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
開業年月日 1902年明治35年)10月11日[1]
備考 無人駅
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安平駅(あびらえき)は、北海道胆振総合振興局勇払郡安平町安平にある北海道旅客鉄道(JR北海道)室蘭本線である。

事務管理コードは▲130329[2]

歴史[編集]

1975年の安平駅と周囲約750m範囲。下が苫小牧方面。中線を挟んだ千鳥状の相対式ホーム2面2線で、駅舎横の苫小牧側に貨物ホームと2本の引込み線、岩見沢側の踏切手前から下り側ホーム岩見沢端部まで、保線車用引込み線が敷かれている。その踏切からはまた、駅裏へ大きく膨らんだ白い軌道跡が残っているが、すぐ西側(左側)に1955年(昭和30年)に開設された陸上自衛隊安平駐屯地向けの側線跡で、丁度駅舎の対面付近に管理事務所も設けられていたが、全て撤去されている。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

当初早来駅 - 追分駅間に駅は設置されていなかったが、当地付近に団体入植が多く行われたことや、当地の国有未開地への牧場目的での貸付・入植が殺到したことなどを受け設置されることとなった[3]

  • 1902年(明治35年)10月11日北海道炭礦鉄道室蘭線の早来駅 - 追分駅間に新設開業[4][5]一般駅[1]
    • 当初、現在地より約500 m 南方の高台付近に建設の予定であったが、「現在の位置が適当」として現在地に設置された。もともと当地は橋口幸次という人物が取得し牧場を開き、別の人物に貸与されていたが、当駅開設にあたって、停車場・市街用地が橋口から提供されている[5]。この時建設された駅舎は、前述の橋口と林梅五郎両名の寄付によるものであった[5]
  • 1906年(明治39年)10月1日:北海道炭礦鉄道の鉄道路線国有化により、官設鉄道に移管[1]
  • 1909年(明治42年)10月12日:線路名を室蘭本線に制定、それに伴い同線の駅となる。
  • 1912年(明治45年)
    • 5月:駅舎改築工事に着手[5]
    • 7月:駅舎改築工事竣工[5]
  • 1954年(昭和29年)12月?:陸上自衛隊北海道地区補給処安平弾薬支処・早来燃料支処(→安平駐屯地)開設[6]に伴い専用線敷設[7]
  • 1971年(昭和46年)3月15日:貨物取扱を接続専用線発着車扱貨物に限定。
  • 1980年(昭和55年)5月15日:貨物・荷物扱い廃止[1]。同時に無人駅となる[8]簡易委託化)。
  • 1981年(昭和56年)11月2日:室蘭本線岩見沢駅 - 沼ノ端駅間CTC化に伴い、追分駅の被管理駅となる[9]
  • 1982年(昭和57年)4月1日:現駅舎使用開始[10]
  • 1987年(昭和62年)4月1日国鉄分割民営化によりJR北海道に継承[1]
  • 2001年(平成13年)7月:簡易委託廃止、完全無人化。

駅名の由来[編集]

もともと当地の地名は「安平村シアビラ[3]」であった。この、「シアビラ(支安平)」は、当駅所在地の北で安平川が二股に分かれた先の東股の川の名称であり、アイヌ語の「シアピラ(si-apira)」(本流の・安平川)に由来する[11][注 1]

このため、当初は「シアビラ」の名称となる予定であったとされるが[5]、「シアビラ停車場という名称より、安平停車場という方がよい[3]」という意見から、「安平」の駅名となり、最終的に字名も安平となった。

駅構造[編集]

相対式ホーム2面2線を有する複線区間の地上駅。互いのホームは1番線ホーム南側と2番線ホーム北側を結んだ跨線橋で連絡している[12]。跨線橋はL字を背中合わせに付けた形態である[12]。線路東側の駅舎側ホームが上り1番線、対向側ホームが下り2番線となっている[12]

追分駅管理の無人駅。駅舎は構内の東側(岩見沢方面に向かって右手側)に位置し1番線ホーム中央部分に接している[12]有人駅時代の駅舎は改築され、三川駅古山駅栗丘駅と同型の[13]駅舎となっている。破風の配色は濃い茶色となっている[13]。駅舎内に待合所のほか保線事務室、トイレを有する[13]

のりば[編集]

番線 路線 方向 行先
1 室蘭本線 上り 苫小牧糸井方面
2 下り 追分岩見沢方面

利用状況[編集]

乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

年度 乗車人員 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1934年(昭和09年) 31,325 (85.8) [14]
1981年(昭和56年) (44.0) [15] 1日乗降人員:88
1992年(平成04年) (43.0) [16] 1日乗降人員:86
2016年(平成28年) 15.8 [JR北 1]
2017年(平成29年) 15.4 [JR北 2]
2018年(平成30年) 15.0 [JR北 3]
2019年(令和元年) 14.0 [JR北 4]
2020年(令和02年) 11.4 [JR北 5]
2021年(令和03年) 10.4 [JR北 6]
2022年(令和04年) 10.4 [JR北 7]

駅周辺[編集]

周囲は住宅が並んでいる[13]

隣の駅[編集]

北海道旅客鉄道(JR北海道)
室蘭本線
早来駅 - 安平駅 - 追分駅 (K15)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ なお、当地で別れる北股の川は「本安平」といい、これはアイヌ語の「ポンアピラ(pon-apira)」(小さい〔=支流の〕・安平川)に由来する。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、855頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、225頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  3. ^ a b c 早来町史編集委員会 編『早来町史 本編』早来町、1973年、307-314頁。doi:10.11501/9490618https://doi.org/10.11501/94906182022年10月3日閲覧 
  4. ^ 『官報』 1902年10月16日 逓信省彙報「停車場設置」(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. ^ a b c d e f 早来町史編集委員会 編『早来町史 本編』早来町、1973年、1284-1286頁。doi:10.11501/9490618https://doi.org/10.11501/94906182022年10月3日閲覧 
  6. ^ 早来町史編集委員会 編『早来町史 本編』早来町、1973年、325頁。doi:10.11501/9490618https://doi.org/10.11501/94906182022年10月3日閲覧 
  7. ^ 昭和32年版 全国専用線一覧にて作業距離 0.4km
  8. ^ “札鉄 室蘭、千歳、胆振の3線区 営業近代化スタート”. 交通新聞 (交通協力会): p. 1. (1980年5月18日) 
  9. ^ 早来町史編集委員会 編『早来町史 続刊 〔本編〕』早来町、1998年、1601-1603頁。doi:10.11501/9490966https://doi.org/10.11501/94909662022年10月3日閲覧 
  10. ^ 早来町史編集委員会 編『早来町史 続刊 〔本編〕』早来町、1998年、1601-1603頁。doi:10.11501/9490966https://doi.org/10.11501/94909662022年10月3日閲覧 
  11. ^ 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日、377頁。ISBN 978-4-88323-114-0 
  12. ^ a b c d 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館1993年6月発行)90ページより。
  13. ^ a b c d 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社2008年8月発行)117ページより。
  14. ^ 早来町史編集委員会 編『早来町史 本編』早来町、1973年、1290-1291頁。doi:10.11501/9490618https://doi.org/10.11501/94906182022年10月3日閲覧 
  15. ^ 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)85ページより。
  16. ^ 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館1993年6月発行)90ページより。

JR北海道[編集]

  1. ^ 駅別乗車人員(2016)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 8 (2017年12月8日). 2018年8月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月18日閲覧。
  2. ^ 室蘭線(沼ノ端・岩見沢間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2018年7月2日). 2018年8月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月18日閲覧。
  3. ^ 室蘭線(沼ノ端・岩見沢間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  4. ^ 室蘭線(沼ノ端・岩見沢間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月4日閲覧。
  5. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
  6. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月3日閲覧。
  7. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2023年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月10日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]