ポンプ座

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ポンプ座
Antlia
Antlia
属格 Antliae
略符 Ant
発音 /ˈæntliə/、属格:/ˈæntlɪ.iː/
象徴 実験用真空ポンプ
概略位置:赤経 10時
概略位置:赤緯 −30度
広さ 239平方度 (62位
主要恒星数 3
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
9
系外惑星が確認されている恒星数 1
3.0等より明るい恒星数 0
10パーセク以内にある恒星数 1
最輝星 α 星(4.25
最も近い星 DEN 1048-3956;(13.2光年)
メシエ天体 0
流星群 無し
隣接する星座 うみへび座
らしんばん座
ほ座
ケンタウルス座
観測可能地域は+45°と−90°の間
21:00(午後9:00)に最も良く見えるのは4月の間

ポンプ座 (Antlia) は、南天の星座の1つ。フランスの天文学者ニコラ・ルイ・ド・ラカーユによって1756年に設定された[1]

他の新しい星座がそうであるように、明るい星がなく目立たない。

主な天体[編集]

恒星[編集]

ポンプ座には明るい星がない。この星座で最も明るい星は4等星。

  • α星:ポンプ座で最も明るい恒星だが、視等級は4.25等である。スペクトル型はK4III。

星団・星雲・銀河[編集]

由来と歴史[編集]

1756年にラカーユは、南天の星座のない領域を埋めるために13(らしんばん座を含めると14)の星座を設定した。そのうちの1つがこのポンプ座である。ラカーユの南天天球図[2]には、フランスの発明家ドニ・パパンが1670年代前半に使用した単気筒式の旧式ポンプが描かれている[3]。なお、図示されたポンプは、水を汲み上げる実用式のポンプではなく、科学実験において真空状態を作り出すための真空ポンプである。そのため英語名を the Air Pump ともいい[4][5]、日本でも排気器座と呼ばれたこともあった[6]

なお、この星座の由来について、アイルランドの物理学者ロバート・ボイルが、ドイツの物理学者オットー・フォン・ゲーリケが考案した真空ポンプを改良した記念として設定されたとする説明が流布したこともあった[7]。ドイツの天文学者ヨハン・ボーデ星図『ウラノグラフィア』には、パパンがパリからロンドンに渡ってボイルと共同で改良した二気筒式の真空ポンプが描かれている[8]

出典[編集]

  1. ^ de Lacaille, N. L., "Table des Ascensions Droites et des Déclinaisions Apparentes.". Mémoires de l'Académie Royale des Sciences pour 1752, 1756.
  2. ^ 恒星社『フラムスチード天球図譜』(新装版)恒星社厚生閣、1980年、図29。
  3. ^ Ridpath, Ian. “Lacaille’s Antlia”. Star Tales. 2013年4月5日閲覧。
  4. ^ Allen, R. H., Star Names: Their Lore and Meaning, (rep.) New York, Dover Publications, 1963, p.42.
  5. ^ Ridpath, I., Star Tales, Cambridge, Lutterworth Press, 1988, p.23.
  6. ^ 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』恒星社厚生閣、1975年、88頁。
  7. ^ 原恵『星座の神話』89頁。
  8. ^ Ridpath, Ian. “Antlia, The air pump”. Star Tales. 2013年4月11日閲覧。