へびつかい座

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へびつかい座
Ophiuchus
Ophiuchus
属格 Ophiuchi
略符 Oph
発音 /ˌɒfiːˈjuːkəs/ Óphiúchus, 属格:[/ˌɒfiːˈjuːkaɪ/]
象徴 the snake-holder / the healer
概略位置:赤経 17
概略位置:赤緯 0
正中 7月25日21時
広さ 948平方度 (11位)
肉眼恒星数 10
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
62
系外惑星が確認されている恒星数 5
3.0等より明るい恒星数 5
近距離星数 8
最輝星 α Oph (Ras Alhague) (2.1)
最も近い星 バーナード星 (5.96光年)
メシエ天体 7
流星群 Ophiuchids
Northern May Ophiuchids
Southern May Ophiuchids
Theta Ophiuchids
隣接する星座 ヘルクレス座
へび座
てんびん座
さそり座
いて座
へび座
わし座
観測可能地域は+80°と−80°の間
21:00(午後9時)に最も良く見えるのは7月の間

へびつかい座(蛇遣座、Ophiuchus)は星座の1つ。トレミーの48星座のうちの1つ。δ星、ν星を接点にへび座と接続し、二つで一つの星座と捉えられることが多い。星座の規模はへびつかい座単体では11位だが、へび座と合わせた場合は1位のうみへび座を超える。

目次

[編集] 特徴

へびつかい座で最も明るい星は、ヘビ使いの頭にあるラス・アルハゲ(Ras Alhague若しくはRasalhague、α Ophiuchi)である。また、肘の部分のマルフィク(Marfic若しくはMarfik、λ Ophiuchi)は三重星である。

へびつかい座RSは、肉眼で見える唯一の再帰新星である。この明るさは、数日の間に不規則に数百回変化する。周期はない。

[編集] 固有名を持つ星

[編集] 天体

へびつかい座にある主な星団は、IC 4665、NGC 6633、M9M10M12M14、M19、M62、M107。星雲はIC 4603-4604がある。二重銀河NGC 6240もへびつかい座にある。また ρ星の近くには活発な星形成を行う分子雲が存在し、写真では暗黒星雲として写る。

[編集] 歴史

プトレマイオス以前には、この星座はその名のラテン形Serpentariusで知られていた。へびつかい座で最も重要な歴史上の出来事は、θ星の近くで1604年10月9日に観測された超新星SN 1604である。この星はヨハネス・ケプラーによって観測され、ケプラーの星と呼ばれる。ケプラーは、この観測結果を"De stella nova in pede Serpentarii"という書物にして出版した。書名の意味は、「へびつかい(オフィウクス)の足の新星について」である。ガリレオ・ガリレイは、これを、天動説を主張するアリストテレス派の学者との論戦に使用した。アリストテレスが信じた天動説では、天は不変なもので、星が増えたり減ったりするはずではなかったのである。この超新星爆発は、ティコ・ブラーエが観測したカシオペヤ座の超新星から32年しか経っていなかった。我々の銀河系またはその近傍で起こり、人類によって記録されたこれ以前の最後の超新星は、1054年に観測されたかに星雲の元となった超新星爆発である。また、ケプラーの星の次に観測された超新星は1987年大マゼラン銀河で起こった超新星SN 1987Aである。

[編集] 由来

アポローンが、うっかり者(あるいは、うそつき)のカラス(からす座)の告げ口を本気にし、誤って自らの恋人コローニスを射殺した。そのとき腹にいた赤ん坊は、ケイローンいて座)に育てられ、立派な医師アスクレーピオスになった。蛇を持っているのは、蛇によって薬草の効用を知ったアスクレーピオスが自分のシンボルにしたからだという。また、アスクレーピオスが蛇毒を薬に使ったからだともいう。アスクレーピオスはアルゴー船アルゴ座)にも乗船し、名医として名高かったが、ついには死者をも蘇らせることができるようになり、冥神ハーデースの怒りを買ったため、大神ゼウスの雷によって打ち殺された。その後、医師としての功績が称えられ星座(へびつかい座)となった。へび座はかつてはへびつかい座の一部だったが、プトレマイオスが独立させた。

[編集] 占星術

占星術の体系が成立して以来の伝統的な占星術と、現在の天文学とでは黄道星座の扱いが異なる。現在の天文学では、太陽は一時へびつかい座の中を運行していることになっている。このため、黄道を十二星座で12等分した伝統的な体系でなく、現在の実際の黄道上にある13個の星座を用いた13星座星占いなども提唱されている。しかし占星術の分野で主流とはなっていない。

なお、この理由について日本では「地球の歳差運動により黄道の位置が変わったため」と説明されることがあるが、これは誤りである。以下に詳述。

[編集] いきさつ

へびつかい座を星座占いに入れたいきさつは、次の通りである。

英国の天文学博士で作家のジャクリーン・ミットン(Jacqueline Mitton)が、1995年に考案したのがはじまり。彼女が、「星座占いができた約2000年前は黄道上の星座は12個だったが、現代天文学に基づく星座区分では黄道上に13個の星座がある。これを使用した占星術を利用すべきである。」と発言したことが発端となり、へびつかい座を含めた13星座占いが考案された。

だが、これを聞いた鏡リュウジルネ・ヴァン・ダール・ワタナベといった日本を含め世界の著名な占星術師は、彼女が占星術反対派の立場であること、またその発言に占星術に対する悪意が感じられたこと(考案がイギリスの新聞『デイリー・テレグラフ』に掲載された冗談記事)を察知し、このことに対し否定的な立場をとっている。

[編集] 13星座説を唱える理由

古来、占星術(星座占い)と天文学は同一の起源であった。やがて占星術(星座占い)の星座と天文学の星座は別々の発展を遂げることになる。英語では、占星術(星座占い)の星座(The Sign)と天文学の星座(a constellation)は全く区別されて使用される。日本でも「○○宮」という言い方をし、天文学の星座と区別する表現もある。

「占星術(星座占い)における星座」は、古来から単に天の黄道を12等分した星座を用いていた。現代においても、ほとんどの占星術(星座占い)で使用される星座は伝統的な黄道12等分方式を用いている。

しかし、「天文学における星座」は時代とともに変革があり、現在の星座は、1928年国際天文学連合(IAU)により現在の88星座が定められ、すべての星座は赤経赤緯の線に沿った境界線で区切られ、各星座の範囲を厳密に決められた。

この結果

  1. 黄道上のさそり座といて座の間にへびつかい座の部分が存在するようになった。
  2. 各星座の範囲と天の黄道の境界部分を全てをよく見ると、幅の広い星座や狭くなった星座もあり、1年を13等分ではなく、天の黄道における各星座の範囲とした点も13星座方式の特徴であり、したがって、星座ごとの日付けは均等に約30日ではなくなって、天の黄道上における幅の広い星座(おとめ座など)はそれだけ日数が多くなり、狭い星座(さそり座など)は数日といった取扱いとなっている。

これを考慮した13星座による星占いを基本としている。

[編集] 自転軸のずれについて

へびつかい座が黄道星座に加わったのは「自転軸がずれた」のが原因とする説があるが、これは天文学的に見て誤りである。「自転軸のずれ」については、歳差現象のことを指していると思われる。歳差現象は前述のとおりへびつかい座が黄道上に来る理由とはならない。

歳差現象によりずれるものは次の通り。

  1. 天の北極点(天球上にプロットする北極点の位置:地球自転軸の方向)
  2. 天の赤道(天の北極を基準として90度離れた天球を一周するライン)
  3. 春分点秋分点(天の赤道と天の黄道の交点である)

黄道そのものが天球上において南北にずれることは起こらない。

現在、春分である3月20日前後の太陽の位置(春分点)はうお座付近にあるが、一般的な占星術(星座占い)では、3月20日前後はおひつじ座である。なお反対の秋分点は現在はおとめ座にあるが、占星術ではてんびん座にあるとする。同様に夏至点は今はふたご座、昔はかに座、冬至点は今はいて座、昔はやぎ座

これは、数千年前につくられた当時、実際に春分点が当時のおひつじ座の周辺にあったためであり、これを現在でも使用しているためである(これが現実の「春分点のずれ」の例である)。

天文学者であるジャクリーン・ミットンが「自転軸のずれ」などという天文学の基礎的な部分で誤った知識を持っているとは考えにくく、歳差現象を理解していない日本人による勝手な解釈がいつのまにかミットンの発言とされた可能性がある(歳差現象や星座区分の歴史変遷を説明するより、「自転軸のずれ」と一言で言った方が受け入れられ易いということも問題であろう。)。

[編集] 関連項目

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