チャールズのかしのき座

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アルゴ座にへし折られるオーク

チャールズのかしのき座[1](チャールズのかしのきざ、チャールズの樫の木座、Robur Carolinum[1][2])は、1679年エドモンド・ハレーイングランド国王チャールズ2世を称えて作った星座[1]

清教徒革命イングランド内戦第三次イングランド内戦)における1651年ウスターの戦いに敗れたチャールズ2世がオリバー・クロムウェルの軍の追手から身を隠したロイヤル・オークをモチーフとした星座で、ハレーがセント・ヘレナ島での観測記録をまとめた『南天星表』 (Catalogus Stellarum Australium) で初めて発表された[2]アルゴ座の一部を切り取り、現在のりゅうこつ座β星りゅうこつ座η星を含む12の星で形作られていたが、ほとんど使われなかった[2]。ドイツのヨハネス・ヘヴェリウスが作った星図には、オークの木を押し倒すアルゴー船が描かれている。

なお、星座名は「かしのき」と訳されているが、イギリスでoakと呼ばれる木はではなく、ヨーロッパナラのことである。

脚注[編集]

  1. ^ a b c 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、264-266頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  2. ^ a b c Ian Ridpath. “Star Tales - Robur Carolinum”. 2014年5月4日閲覧。