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2012年10月3日 (水) 08:41時点における版

中華人民共和国 上海市
略称:
別称:


中華人民共和国中の上海市の位置
中華人民共和国中の上海市の位置
中華人民共和国中の上海市の位置
中心座標 北緯31度10分00秒 東経121度29分00秒 / 北緯31.16667度 東経121.48333度 / 31.16667; 121.48333
簡体字 上海
繁体字 上海
拼音 Shànghăi
カタカナ転写 シャンハイ
滬拼 zɑ̃ hɛ
国家 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
行政級別 直轄市
設立 1927年7月7日
市委書記 兪正声(党中央政治局委員、前湖北省委書記、元建設相)
市長 韓正(元副市長)
面積
総面積 6,340.5 km²
市区 5,299 km²
海抜 4 m
人口
戸籍人口(2010) 1,412.32 万人
常住人口(2012) 2,433.4 万人
常住人口密度 3631.7 人/km²
市区人口(2011) 1870 万人
都市化率(2006) 88.7 %
経済
GDP(2011) 1兆9,196億元
一人あたりGDP 82,560元
電話番号 021
郵便番号 200000 – 2021000
ナンバープレート 滬A, B, D, E, F,G
滬C (郊外)
行政区画代碼 310000
市樹 白木蓮
市花 白木蓮
2005年のHDIは 0.916。
公式ウェブサイト http://www.shanghai.gov.cn/

上海市(シャンハイし、中国語:上海市、英語:Shanghai)は、中華人民共和国直轄市である。

世界有数の世界都市であり、同国の商業金融工業交通などの中心の一つである。2012年には、アメリカのシンクタンクが公表したビジネス人材文化政治などを対象とした総合的な世界都市ランキングにおいて、世界21位の都市と評価されており、特にビジネス分野では世界7位と高評価を得た[1]

2012年6月時点の常住人口は2,400万人を超えており[2]、市内総生産は1兆9,196億元(約26兆円)であり[3]、首都の北京市を凌ぎ同国最大である。国務院により国家中心都市の一つに指定されている。

略称は簡体字: /こ:フー)だが、古称の(しん:ション)も用いられる。

地理

長江河口南岸に位置し、河口島である崇明島長興島、横沙島などを含む。北部から東部は江蘇省・西南部は浙江省と接する。東は東シナ海(東海)に面する。市街地は長江の支流である黄浦江を遡ったところにある。黄浦江の河口は呉淞口と称して港があり、崇明島などの島や市外への航行に用いられている。

気候

ケッペンの気候区分では温暖湿潤気候(Cfa)に属し、年間平均気温は17.1℃。1月の平均気温は4.3℃と鹿児島県と同緯度の割には湿度が高いので体感気温は寒く、氷点下まで下がることもある。降雪や積雪はほとんど見られない。7月~8月は熱帯夜も多く夏の暑さは厳しい。 最高気温極値は40.2℃。最低気温極値は-12.1℃。


上海 (1971-2011)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温 °C°F 6.1
(43)
9.2
(48.6)
12.8
(55)
19.1
(66.4)
25.1
(77.2)
32.6
(90.7)
35.8
(96.4)
34.3
(93.7)
25.2
(77.4)
24.6
(76.3)
17.0
(62.6)
10.1
(50.2)
21.0
(69.8)
平均最低気温 °C°F 1.0
(33.8)
2.2
(36)
5.6
(42.1)
10.9
(51.6)
17.1
(62.8)
24.8
(76.6)
27.0
(80.6)
26.0
(78.8)
19.6
(67.3)
15.1
(59.2)
8.0
(46.4)
2.0
(35.6)
13.3
(55.9)
降水量 mm (inch) 39.6
(1.559)
59.8
(2.354)
81.8
(3.22)
102.3
(4.028)
115.3
(4.539)
152.6
(6.008)
151.3
(5.957)
133.9
(5.272)
128.3
(5.051)
61.5
(2.421)
51.2
(2.016)
35.1
(1.382)
1,112.7
(43.807)
出典:中国气象局 国家气象信息中心 2010-03-18

地名の特徴

上海は揚子江デルタの水網地帯にあるため、地名には浦、涇、漕、蕩、浜、橋など水に関連する漢字がよく使われる。

歴史

1928年の外灘。この一帯は元々租界地区であったことから、「外国人の河岸」(外灘)が名前の由来となった

中国の戦国時代、今の上海あたりは春申君の封地だったため、今も「申」と称す。また「滬」(魚を捕る道具の意)とも呼ばれる。

上海の地は代には華亭県の一部だったが、蘇州河の南に上海浦という村ができ、代に上海鎮とよばれるようになった。これに対し黄浦江下流の現虹口区あたりには下海廟も存在した。1292年に上海県となったが、それ以前は江蘇省に属した。

アヘン戦争を終結させた1842年南京条約により上海は条約港として開港した。これを契機としてイギリスフランスなどの租界が形成され、後に日本アメリカも租界を開いた。1865年香港上海銀行が設立されたことを先駆として、欧米の金融機関が本格的に上海進出を推進した。1871年には香港と上海を結ぶ海底通信ケーブルが開通し、日本の長崎にも延伸された。1873年には日本の岩倉使節団が上海の市内見学をしており、当時の上海の様子を「米欧回覧実記」に記している[4]

1920年代から1930年代にかけて上海は中国最大の都市として発展し、イギリス系金融機関の香港上海銀行を中心に中国金融の中心となった。上海は「魔都」あるいは「東洋のパリ」とも呼ばれ、ナイトクラブ・ショービジネスが繁栄した。こうした上海の繁栄は、民族資本家浙江財閥など)の台頭をもたらし、階級闘争的な労働運動が盛んになっていた。

1925年に上海から始まった五・三〇運動は、中国における大規模な民族運動とされるが、同時に社会主義的労働運動の台頭を示した事態であった。こうした状況を懸念した浙江財閥は、蒋介石と提携し反共クーデター(上海クーデター)を決行させた。なお、中華民国の下で1927年に上海特別市となり、1930年5月、上海直轄市が成立している。

1932年には満州事変と連動した日本軍の攻撃による上海事変が起きた。1935年には日本人水兵射殺事件や日本人が経営する商店が襲撃される事件が起きた[5]1937年には盧溝橋事件と連動して、大山中尉殺害事件後に日本軍の攻撃により第二次上海事変が勃発した。中国軍機の爆撃を受けた上海共同租界では多くの市民が犠牲となったが、日本軍によって上海共同租界への中国軍の侵攻は阻止された。1941年には太平洋戦争の勃発とともに上海共同租界日本軍に接収された。1949年の中華人民共和国成立により、外国資本は香港に撤収したが、1950年代から1960年代にかけては工業都市として発展した。

1978年改革開放政策により、再び外国資本が流入して目覚ましい発展を遂げた。現在も、1992年以降本格的に開発された浦東新区が牽引役となって高度経済成長を続けている。また上海市指導部から江沢民朱鎔基呉邦国曽慶紅黄菊ら中華人民共和国の国家主席総理などの指導部を輩出している。


社会

人口動態

2012年6月末の常住人口は2433.4万人、このうち上海戸籍人口が1451.1万人、外来人口が982.3万人となっている。 上海市人民政治協商会議の統計によると、ここ10年間、平均で約66万人上海市の人口は増え続けている。

2007年の男性平均寿命78.87歳、女性平均寿命83.29歳、戸籍人口平均寿命81.08歳。2007年には60歳以上の高齢者の人口比率が20.8%になる。百歳以上の老人が758名、最高齢者は109歳。現在上海市家庭総数の61.06%に当たる305万世帯が一人っ子家庭である。高齢化と少子化問題は市政府にとって大きな課題となっている。近年中国の優秀人材に上海の戸籍を発給(いわゆる“新上海人”)したり、上海人に2人の子を産む許可を出すなどの人口政策を打ち出している。

上海人の構成

上海の原住民は松江あたりに居住していた。の時代には上海県ができた。1840年アヘン戦争以後経済が急速に発展し、近隣の地方から次々に移民が入ってきた。現在の上海人の8割以上は北の江蘇省と南の浙江省からの移民である。特に江蘇省揚子江(長江)の南部と浙江省北部の江南地方からの出身者が上海人の半分以上を占める。これが、上海の文化にも大きな影響を与えている。上海語は寧波語、蘇州語と上海本地語の集合である。商売に長けた江蘇人と政治に敏感な浙江人が近代上海の歴史を作ってきた。

の末期、太平天国など一連の革命運動や商売のため、広東省からの移民もやってきた。広東人は運輸、デパート経営などに関わった。現在上海市で祖先が広東省出身の人が約150万人いる。

第二次世界大戦の時はヨーロッパから上海ゲットーユダヤ人移民2万人も受け入れた。その大部分は終戦後アメリカイスラエルに移住した。

1990年代から、台湾が上海市近郊にある蘇州東の昆山太倉に大量投資した。台湾にいる外省人の中には浙江出身の人が多いため、たくさんの台湾人が上海に移住している。現在上海に滞在する台湾人は30万人以上に上る。

三峡ダム建設のために、四川省から移民1万人を崇明県に受け入れた。2008年四川省大震災以後、上海市は国に指定された災害救援対象の都江堰市から短期移民約3000名を受け入れた。

上海に常駐もしくは長期滞在している外国人は約15万人、2008年に上海で仕事をしている外国人は5.7万人いる。

近年日本も長江デルタに進出、蘇州・無錫に工場が建てられている。部品調達、製品流通販売のため、港町の上海に事務所や子会社を設けるケースが多い。今上海に常駐する日本人は約4万8千人。上海にいる外国人のなかで最も多い。上海と、隣接する江蘇・浙江を加えると、出張と観光あわせて10万人近い日本人がいるといわれる。海外一の規模の日本人コミュニティーも形成されている。

在留日本人

戦前から多くの日本人が住む上海には現在約4,500社の日系企業が進出、5万289人の日本人が住み、海外で3か月以上留まって暮らす長期滞在の日本人が多い都市として、アメリカのニューヨークを抜きトップになった(2010年10月1日時点・外務省の統計)。短期滞在者を含めると10万人以上の日本人が滞在しているといわれる。日本総領事館日本人学校などもあり、日本料理店をはじめ日本人向けの店も多い。

上海人の姓

上海人の(苗字)上から多い順番は張、王、陳、李、朱、徐、周、沈、呉、陸。沈と陸が上海特有の姓、それ以外は中国人姓の20位以内に数えられる。江蘇省、浙江省の姓ランキングも上海とほぼ同じ。

戸籍問題

中国は人口問題を抱えるため、農村と地方都市の人は自由に大都市に移住することができない。それにもかかわらず、近年の経済発展に伴って多くの出稼ぎ労働者が中国各地から上海に来て仕事をしている。その数約660万人以上といわれるが、正確な数字の把握は難しい。出稼ぎ労働者の出身地はいずれも普通語を使う四川省、江蘇省蘇北、安徽省、東北地方(旧満州)の者が多い。出稼ぎ労働者は上海を建設すると同時に、大きな社会問題と治安問題をも招いている。公安機関の統計によれば、上海市の75%以上の強盗、殺人、暴行などの悪質な犯罪は市外の中国人により発生している[6]

したがって、上海では北京と並び、中国大陸において最も厳しい戸籍政策がとられている。しかし大都市の戸籍を持つ人には様々な特権がある。例えば、親が上海戸籍を持つ者なら、子供が生まれたとき区の社会保険局から15万円から数十万円までの援助金を得ることができる。戸籍を持つ子供は優先的に幼稚園、小学校、中学校に進学できる。一方上海戸籍を持たない者は上海の大学受験に参加できない。また一部の悪質な会社は上海戸籍を持たない社員に住宅積立金、年金を支払わないケースもある。このような戸籍問題に関するトラブルは絶えない。

中国は都市と地方の格差が激しいため、日本、アメリカ、台湾、香港などの外国と地域への観光ビザ発行は上海など沿岸経済発展地域の戸籍を持つ者に限定される。

言語

言語上海語。上海語は呉語を代表する方言である。本来文字はなかったとされるが、音に近い漢字が当てられた。上海語の中にも方言があり、浦東、青浦地域に存在する。崇明島ではまた違った言語が話されるが、上海語に近い。上海には周囲の江蘇省、浙江省から多くの労働者が出稼ぎに来たため、彼らの多くが今も住む上海駅周辺では上海語とは異なる言語である「蘇北語」が話されている。 普通話と上海語とはまったく通じないが、普通話の教育が中国全土で行われているため、大抵の上海人が普通話を使用できる。

上海語で放送されるテレビ番組や上海語で上演される歌劇などがある。中国で上海語の学習書なども出版されている。

経済

上海証券取引所。時価総額及び売買代金で東京証券取引所に次ぐアジア第2位である。(2011年終了時)

上海市は中国最大の経済都市である。2011年の市内総生産は1兆9,196億元(約26兆円)であり、北京市を凌ぎ同国第1位である[7]東京都の都内総生産(約84.8兆円)[8]ニューヨーク市の市内総生産(約51兆円)[9]と比較すると劣るものの、シンガポール国内総生産を既に抜いており、世界有数の経済都市へと成長している。2012年3月、英国のシンクタンクのZ/Yenグループによると、世界8位の金融センターと評価されている[10]

2011年に上海市が公表した統計によると、2010年における労働者の平均賃金は年46,757元(約57万円)であり、月当たりだと3,896元(約4.7万円)である[11]。また、2011年の上海市の最低賃金基準は、月給の場合1,280元(約1.6万円)であり、時給の場合11元(約130円)である。第三次産業の中でもとりわけ金融産業に従事している労働者の平均賃金が高く、年126,636元(約160万円)(2008)である。一方農業など第一次産業に従事している労働者の平均賃金は年24,898元(約27万円)(2008)と、全平均の約60%ほどの水準である。また、上海市の都市部在住者の平均可処分所得は年31,838元(約38.5万円)であり、月当たりだと2,653元(約3.2万円)である[12]

交通

上海市の主要交通手段はバス自転車であったが、近年はバス、トロリーバス地下鉄網、タクシー電動スクーター高速道路網をも活用した自家用車などが主な交通手段となる。

タクシー

大手のタクシー会社は世界的な基準に照らしても良識的といえるものの、一部外国人観光客に対してわざと遠回りするタクシーが存在する。大手のタクシー会社は、スーツを着用していたり、一流ホテルで客待ちできたりするので識別するのは可能である。具体的には、赤いタクシーと青いタクシーに気をつける必要があるのに加えて、レシートを発行してもらうことが勧められる。わざと遠回りして標準価格より2倍以上請求した事実が発覚した場合、その運転手は永久にタクシーライセンスを剥奪される。

料金は昼間初乗り3kmまでが14元(約170円)、夜間18元(約220円)。車種はほとんどフォルクスワーゲン・サンタナ(サンタナ3000を含む)で占められている[要検証]

鉄道

上海地下鉄

上海は中国東部の鉄道中枢上海鉄路局の所在地である。1876年7月3日に開通した呉淞鉄道は中国初めての鉄道であり一度撤去された後、淞滬鉄道として再建された。北方面の滬寧線(京滬線)と南方面の滬杭線滬昆線)の始発駅。2007年1月28日より高速鉄道の営業運転を開始した。

中国国鉄の駅
駅舎は2010年上海万博にあわせて大規模な改装とホーム屋根の改築を行った。一等車待合室には中国語英語日本語の電子掲示板サービスが提供される。
上海地下鉄上海地铁
1号線1995年開通、以後拡張を続けている。こちらも上海万博にあわせて大幅な延伸が行われ、2010年7月現在、総延長は424.7kmに達した。2015年には総延長約530kmに、2020年ごろには21路線・総延長約980kmに達する予定である。
上海トランスラピッド上海磁浮列车
浦東国際空港(下記)と地下鉄2号線竜陽路駅の間に実用型リニアモーターカーが開通し、世界で初めて超高速運転を行っている。世界で3番目に開業した磁気浮上式の常設実用線である。杭州までの延伸計画を検討中。
滬寧都市間鉄道沪宁城际线
南京駅と上海駅および上海虹橋駅の間に2010年7月1日に開通した。
京滬高速鉄道京沪高速铁路
北京南駅と上海虹橋駅の間に2011年6月30日に開通した[13]

交通カード

市内のほとんどの公共交通機関において上海公共交通カードを利用できる。年齢70歳以上の老人(上海戸籍)は非接触式の老人カードを使えば、通勤時間帯以外の路線バスと地下鉄を無料乗車できる。

空港

時速431kmものスピードを出すことが可能な上海トランスラピッド(上海磁浮列车)

民用空港

上海には、西郊外の長寧区にある上海虹橋国際空港上海虹桥国际机场)と、浦東新区にある上海浦東国際空港上海浦东国际机场)の2つの空港があり、共に中国東方航空上海航空春秋航空ハブ空港の役目を担っている。

国際線は2002年10月以降浦東国際空港に集約され、虹橋国際空港を発着する国際線の便はなかったが、2007年9月29日東京羽田空港との間で1日4往復の定期チャーター便、同年10月28日ソウル金浦空港便が就航した。

浦東国際空港へのアクセスとして、上海トランスラピッドが採用されている(上述)。

軍用の空港

内環高架路漕溪北路インター

高速道路

1988年10月31日より開通した滬嘉高速道路は中国初めての高速道路。A20(外環線)以内の高速道路、A1(迎賓大道)、大型橋、トンネル等は無料であるが、時間帯によって上海以外のナンバープレートをつけた自動車の流入が規制される。2008年11月から長江デルタ地域ETCの全面導入に伴う高速道路料金システムは電子化された。交通管理は全国で最も厳しいといわれる。市内いたるところに監視カメラが設置され、交通違反した車は上海市境の高速道路料金所で累計した罰金を科せられる。

市内スカイウェイ
市域高速道路
国道
トンネル
大橋

港湾

東海大橋東シナ海に浮かぶ洋山深水港と上海との間を結んでいる

上海は中国最大の港湾であるのみならず、コンテナ取扱量ではシンガポールや香港に迫る世界第2位で、やがては世界1位になるとみられる。

黄浦江の河港として始まった上海は長江沿岸の外高橋地区に重点を移し、さらに取扱量の増加やコンテナ船の大型化を見越して、世界のハブ港湾となる埠頭とコンテナターミナルを外海に面した杭州湾上に建設した。この新港は2005年暮れに「洋山深水港」として開業した。洋山深水港は上海の南30kmの沖合に浮かび、本土とは東海大橋で結ばれている。

日本との接続

海上航路

神戸港および大阪港と上海を結ぶフェリー新鑑真号」と大阪港と上海を結ぶ「蘇州号」が就航中。2005年には、山口県下関市と上海を結ぶフェリーが就航(2006年に中国側寄港地は蘇州太倉港に変更)。

1994年に平成の新上海航路を開設し、長崎港と上海を結んだ。初めに海華号(13,481トン)が就航、2年後の1996年3月から旅客定員382人のフェリー長崎上海号(11,008トン)に更新された。航路は日中双方の合弁会社で運航されたが、利用率の低迷により1997年1月から、一時運休中。

航空航路 - 2011年現在、下記航空会社が上海と日本各都市との間に就航している。

教育

大学

日本人学校

文化

上海は中国政府が指定する「国家歴史文化名城」のひとつであり、市内には「全国重点文物保護単位」が16点存在する。

上海でも近年中国の標準語とされる普通話北京語)は通用するが、日常会話で使われているのは依然として上海語(上海方言)であり、テレビ・ラジオ放送でも上海語の番組が存在する。上海語は呉語(呉方言)の代表的なものである。上海語を使って演じる伝統劇の「滬劇」があるほか、近年は若者が上海語のラップを歌う例も見られる。但し、他地域同様に幼稚園からの普通話教育と公共場所での普通話の徹底により、上海生まれ上海育ちの若者でも上海語が話せなくなってきている。一部、上海市が対策を講じ始めているが効果には至っていない。

アクロバティックな演技で知られる中国風サーカス(雑技)の「上海雑技団」 も有名。上海料理は近接の江蘇省の料理・江蘇料理の影響を受け、これを洗練させたものである。

上海の文化的特徴は、もともと「海派文化」と称される隣接の江蘇省浙江省地域一帯の伝統的文化・芸術と、1920年代 - 1930年代に西洋から移入された流行文化が混じり合い、現代中国で最も洗練された都市のひとつとなっている。

改革開放政策導入後、上海では多くの大きな文化イベントが開催され、上海大劇院上海博物館上海図書館上海影城など、中国最大規模の文化施設が多く建設された。ヨーロッパ調の上海音楽庁の全面改装後、クラシックのコンサートも多く開催されるようになる。また、国際芸術祭、国際映画祭なども毎年開催されている。2010年5 - 10月には、「より良い都市、より良い生活(城市、让生活更美好;Better City Better Life)」をテーマに万国博覧会上海国際博覧会)が開催された。

建築

上海で最も高い超高層建築である上海環球金融中心

上海には1920年代より多くの西洋様式の建築が残されている。その中でも特に黄浦江に面する川沿いの外灘(The Bund)は、上海海関香港上海銀行などが立ち並びヨーロッパ調の風情を感じさせる建築群として知られており、上海のシンボルにもなっている。市内にも多くの西洋建築が点在している。

上海市内においては、1920年代の一般市民の共同住宅である「石庫門」と呼ばれる建築様式も残っており、現在都市化が進むなか貴重な文化資産として、その多くがブティックやレストランとして改築され、保存されている。市内中心部・淮海中路近くの「上海新天地」はその一例である。

一方外灘の対岸にあたる浦東新区には、1994年完成の東方明珠電視塔を始めとして、新しい摩天楼群が立ち並び、そのエキゾチックな景観、発展ぶりには目を見張るものがある。2008年には世界第2位の高さとなる高層ビル、上海環球金融中心(上海ワールドフィナンシャルセンター;別名「上海ヒルズ」、地上492m、階数104階)が完成し、地上474mの高さにある100階の展望台は世界で最も高い展望台となった。さらに2014年には高さ632mの上海中心(上海タワー)が完成する予定であり、上海環球金融中心の記録を塗り替えて世界第2位になるとみられる。

2010年8月現在、上海には高さ60m以上の高層ビルが8000棟近く存在するとされ、これは日本全国を合わせた約2000棟の4倍に匹敵する規模となる[14]。 その一方で、不動産バブルの崩壊も懸念されており、不動産投機抑制のために上海市当局は、住宅ローン規制や投機目的の不動産業者からの土地没収などの強硬措置も行っているとされる[15]

観光

租界時代の多くの西洋建築が残され、情緒溢れる上海随一の観光エリアとなっている外灘
上海博物館
上海のオペラハウス、上海大劇院は近代設備を整え、大劇場では1800もの席が並ぶ
の時代に潘允端が両親のために18年の歳月を費やし造営した豫園
黄浦区
盧湾区
  • 淮海中路(Central Huaihai Road/旧フランス租界の「霞飛路」;Avenue Joffre)
  • 上海新天地(Shanghai Xintiandi/“石庫門”建築を改装した店舗・レストラン・バーが並ぶエリア)
  • 中共一大会址紀念館(中共一大会址纪念馆)
  • 孫文故居(孙中山故居)
  • 張学良故居(张学良故居)
  • 梅蘭芳故居(梅兰芳故居)
  • 周公館(周公馆/周恩来が中国共産党代表団の上海事務所に使用した洋館)
  • オークラガーデンホテル(旧 フランス倶楽部,since 1926→上海城市花园大饭店;Okura Garden Hotel Shanghai)
  • 田子坊(Tianzifang)
  • 8号橋(第八号大桥;The Bridge 8)
  • 壹号美術館(壹号美术馆)
徐匯区
長寧区
静安寺は3世紀の三国時代康僧会によって建てられたとされる仏教寺院
静安区
普陀区
閘北区
虹口区
楊浦区
東方明珠電視塔をシンボルとする浦東新区には新しい摩天楼群が立ち並ぶ
青浦区にある水郷の町・朱家角
浦東新区
松江区
嘉定区
  • 孔庙(嘉定县博物馆基本陈列室)
青浦区

スポーツ

メディア

テレビ局

*リンクは放送局の公式サイト(中国語・音声出るものあり注意)

※频道→チャンネル,电视台→テレビ局,卫视→衛星テレビ


これらテレビ局の番組表は、テレビ週刊誌「上海电视」と、週刊新聞「毎周 广播电视」に掲載されている。

ラジオ局

  • 上海人民广播电台(FM93.4MHz/AM990kHz)
  • 东广新闻台(FM90.9MHz/AM1296kHz)
  • 五星体育广播(FM94.0MHz)
  • 第一财经频率(FM97.7MHz)
  • 浦江之声(AM1422kHz)
  • 上海交通广播(FM105.7MHz/AM648kHz)
  • 东方都市广播(FM89.9MHz/AM792kHz)
  • 上海故事广播(FM107.2MHz)
  • 上海戏剧曲艺广播(FM97.2MHz/AM1197kHz)
  • 动感101(FM101.7MHz)
  • Love Radio(FM103.7MHz)
  • 经典947(FM94.7MHz)
(以上SMG傘下)
  • 浦东人民广播电台(FM100.1MHz)
  • 中国国际广播电台 Hit FM(FM87.9MHz)
これらラジオ局の番組表は、週刊新聞「毎周 広播電視(SHANGHAI RADIO & TV WEEKLY)」に掲載されている。

出身者

上海市出身の人物一覧」を参照。

行政区分

上海市は18の区、1の県に区分されている。なお、浦東新区副省級区地級行政区レベル)に指定され、大幅な自主権が与えられている。

上海市の中心部は以上の行政区とは別に、蘇州河(呉淞江)と黄浦江を境に3つの部分でも分けられている。

  • 浦東(プゥドン) - 黄浦江の東側にあるため「浦東」と呼ばれる。1991年の開発開始までは水田が広がる土地であり、市街地への交通の便も非常に悪く、上海には「寧要浦西一張床、不要浦東一間房」(浦西のベッド一つの方が浦東の一部屋よりまし)という俗諺もあった。
  • 浦西(プゥシー) - 黄浦江の西側部分で、豫園を中心とした旧市街や、旧租界時代からの金融、商業の町が含まれる。旧イギリス租界、フランス租界の資本家、政治家、外国人によって建てられた洋館が多く残るため、上海語で「上只角」と呼ばれる。
  • 滬北(フーベイ) - 蘇州河の北側の部分。かつての労働者たちの密集地を含む。特に上海駅の周辺は、地方から出てきた労働者が最初にここで小屋をつくって暮らすことが多く、教育や医療の水準、平均収入は市の平均以下のため、上海語で「下只角」と呼ばれる。犯罪の発生率も高い状態が続いている。
上海市行政区画
区、県 地域 街道、鎮
黄浦区 浦西 外灘街道、人民広場街道、南京東路街道、金陵東路街道、半淞園路街道、小東門街道、老西門街道、董家渡街道、豫園街道
盧湾区 浦西 打浦橋街道、淮海中路街道、瑞金二路街道、五里橋街道
徐匯区 浦西 湖南路街道、天平路街道、楓林路街道、徐家匯街道、斜土路街道、長橋路街道、漕河街道、康健新村街道、虹梅路街道、田林路街道、凌雲路街道、龍華街道
長寧区 浦西 華陽路街道、新華路街道、江蘇路街道、天山路街道、周家橋街道、虹橋街道、仙霞新村街道、程家橋街道、北新涇街道、新涇鎮
静安区 浦西 江寧路街道、静安寺街道、南京西路街道、曹家渡街道、石門二路街道
普陀区 滬北 長寿路街道、曹楊新村街道、長風新村街道、宜川路街道、甘泉路街道、石泉路街道
真如鎮、長征鎮、桃浦鎮
閘北区 滬北 天目西路街道、北站街道、宝山路街道、芷江西路街道、共和新路街道、大寧路街道、彭浦新村街道、臨汾路街道
彭浦鎮
虹口区 滬北 四川北路街道、提籃橋街道、新港路街道、乍浦路街道、鴎陽路街道、広中路街道、凉城新村街道、嘉興路街道、曲陽路街道
江湾鎮
楊浦区 滬北 定海路街道、大橋街道、平凉路街道、江浦路街道、控江路街道、殷行街道、長白新村街道、延吉新村街道、五角場街道、四平路街道、新江湾城街道
五角場鎮
浦東新区 浦東 坊新村街道、梅園新村街道、塘橋街道、周家渡街道、東明路街道、洋涇街道、上岡新村街道、滬東新村街道、金楊新村街道、浦興路街道、南碼頭路街道
川沙新鎮、合慶鎮、曹路鎮、高東鎮、高橋鎮、高行鎮、金橋鎮、張江鎮、唐鎮、北蔡鎮、三林鎮、花木鎮

恵南鎮、新場鎮、大団鎮、周浦鎮、航頭鎮、芦潮港鎮、康橋鎮、宣橋鎮、六灶鎮、祝橋鎮、泥城鎮、書院鎮、万祥鎮、老港鎮

宝山区 郊区 呉淞街道、友誼路街道、張廟街道
月浦鎮、羅店鎮、大場鎮、楊行鎮、羅涇鎮、顧村鎮、高境鎮、廟行鎮、淞南鎮
閔行区 郊区 江川路街道、龍柏街道、古美街道
新庄鎮、七宝鎮、浦江鎮、梅隴鎮、虹橋鎮、馬橋鎮、吴涇鎮、華漕鎮、顓橋鎮
嘉定区 郊区 嘉定鎮街道、新成路街道、真新新村街道
馬陸鎮、南翔鎮、江橋鎮、黄渡鎮、安亭鎮、外岡鎮、徐行鎮、華亭鎮
金山区 郊区 石化街道
楓涇鎮、朱涇鎮、亭林鎮、漕涇鎮、山陽鎮、金山衛鎮、張堰鎮、廊下鎮、呂巷鎮
松江区 郊区 岳陽街道、中山街道、永豊街道、方松街道
九亭鎮、泗涇鎮、泖港鎮、車墩鎮、洞涇鎮、葉榭鎮、新橋鎮、石湖蕩鎮、新浜鎮、佘山鎮
青浦区 郊区 夏陽街道、盈浦街道、香花橋街道
趙巷鎮、徐涇鎮、華新鎮、重固鎮、白鶴鎮、朱家角鎮、練塘鎮、金沢鎮
奉賢区 郊区 南橋鎮、庄行鎮、金匯鎮、柘林鎮、青村鎮、奉城鎮、四団鎮、海湾鎮
崇明県 郊県 城橋鎮、堡鎮鎮、新河鎮、廟鎮鎮、竪新鎮、向化鎮、三星鎮、港沿鎮、中興鎮、陳家鎮、緑華鎮、港西鎮、建設鎮
新村郷、長興郷、横沙郷

飛地

上海市域外の江蘇省安徽省に、上海市飛地がいくつか存在する。以下の各地域の住民(中国人犯罪者を除く)は上海戸籍を有する。日常会話は上海語

  • 上海梅山冶金基地 - 江蘇省南京市付近。上海鉄鋼生産基地のひとつである。1968年設立。
  • 上海市大屯炭鉱 - 江蘇省沛県付近。245平方キロ、1970年設立、上海市内の発電所と錬鉄工場に石炭を供給する。2001年8月に上海証券取引所に上場した。
  • 上海大豊農場 - 江蘇省塩城地域。3つの農場があり、合計307平方キロ、1950年設立。上海市の米の12%、豚肉の8%、水産物の3%を供給する。文化大革命時代には上海の知識青年と労働教養者(軽犯罪者・政治犯)を監禁していた。
  • 上海市軍天湖監獄 - 安徽省宣城地域、14平方キロ、1962年設立。刑期5年以下の者を監禁する場所。
  • 上海市白茅嶺監獄 - 安徽省広徳地域、40.5平方キロ、1956年設立。上海で刑事犯罪を犯した者を監禁する場所。上海で発見された不発弾をここで処分する。

年表

国際関係

友好都市

上海市

上海市徐匯区

上海を舞台とした作品

小説

漫画・アニメ・ゲーム

映画

Category:上海を舞台とした映画作品を参照。

テレビドラマ

音楽

  • 『上海だより』(上原敏) - 昭和13年(1938年)1月、上原の歌でレコード発売された。
  • 『なぜか上海』(井上陽水) - 船旅での上海旅行を歌う。
  • 『上海ラヴソング』(松田聖子) - 2000年6月にリリースされた松田聖子の47枚目のシングル。
  • 『上海ハニー』(ORANGE RANGE) - 彼らの代表曲。メンバーによると修学旅行で上海に訪れた男子学生の一目惚れの歌。
  • 『上海慕情/情熱ナミダ』(近藤真彦) - 2007年、筒美京平が17年ぶりに曲を提供。
  • 『上海繚乱ロマンチカ』(ALI PROJECT

脚注

関連項目

外部リンク

公式
日本政府
観光

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