ホンダ・NSX (2016年)

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ホンダ・NSX (2代目)
NC型
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製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
販売期間 2017年2月27日 -
(発表:2016年8月25日)
乗車定員 2名
ボディタイプ 2ドアクーペ
エンジン JNC型:
3,492cc V型6気筒 直噴DOHCツインターボ
エンジン位置 ミッドシップ
駆動方式 4WD
(SPORT HYBRID SH-AWD)
モーター 前:H3型 交流同期電動機×2基
後:H2型 交流同期電動機×1基
最高出力 エンジン:
373kW (507PS)/6,500~7,500rpm
モーター(前):
27kW (37PS)/4,000rpm×2基
モーター(後):
35kW (48PS)/3,000rpm×1基
システム最高出力:
427kW(581PS)
最大トルク エンジン:
550N・m (56.1kgf・m)/
2,000~6,000rpm
モーター(前):
73N・m (7.4kgf・m)/
0~2,000rpm×2基
モーター(後):
148N・m (15.1kgf・m)/
500~2,000rpm×1基
システム最大トルク:
646N・m(65.9kgf・m)
変速機 9速DCT
サスペンション 前:ダブルウィッシュボーン式
後:ウィッシュボーン式
全長 4,490mm
全幅 1,940mm
全高 1,215mm
ホイールベース 2,630mm
車両重量 1,800kg
1,780kg(カーボンセラミックブレーキローター装着時)
ブレーキ 前:油圧式ベンチレーテッドディスク
後:油圧式ベンチレーテッドディスク
海外市場での名称 アキュラNSX(北米市場のみ)
-自動車のスペック表-

NSX(エヌエスエックス)は、本田技研工業が生産・販売する2シーターのスポーツカーである。1990年から2006年まで発売されていたNSXの2代目にあたり、ハイブリッドシステムを搭載している。

概要[編集]

NSXは、3.5LV型6気筒ガソリンエンジンを先代同様ミッドシップに配置し、さらにハイブリットシステムSPORT HYBRID SH-AWDを採用し、リチウムイオン電池を72個、モーターを3基(エンジンアシストするダイレクトドライブモーター1基、前輪を左右独立で駆動するツインモーターユニット2基)搭載する。出力はエンジンが507PS、ドライブモーターが48PS、前輪のモーターがそれぞれ37PSで、システム最高出力は581PSを発揮する。ボディサイズは全長4,490mm×全幅1,940mm×高1,215mmとなり、先代モデルから全長40mm、全幅130mm、全高45mmそれぞれ拡大された。またエンジンの搭載向きが先代の横置きから縦置きとなった。

車名は新時代のスーパースポーツ体験(New Sports eXperience)からきている。日本での発売は2017年2月27日から(アイアンブレーキローター装着車は2017年5月予定)でモノグレード(NSX)のみの展開、価格は2370万円(消費税8%込)と日本で発売するホンダ車の中では最高値(NSX-R GTを除く)となる[1]と同時に、2016年8月時点における日本で販売される日本メーカー製車両の最高額となる[2]。性能・価格と共にポルシェ911ターボアウディR8などのスポーツカーと肩を並べることとなった。

2016年12月に、2016-2017日本カー・オブ・ザ・イヤー「実行委員会特別賞」を受賞した。年間販売予定が日本カー・オブ・ザ・イヤーのノミネート基準である500台に満たないものの、ハイブリッドスーパースポーツカーの完成度の高さが評価されたことで、特別賞として記録に留めるべきとの実行委員会の判断により決定された[3]。さらに、オートカラーアウォード2016においては、バレンシアレッド・パール(ext)/レッド(int)とヌーベルブルー・パール(ext)/オーキッド(int)の2種類が特別賞を受賞した[4][5]

日産・GT-Rと同じく、ナビを連動してリミッターを解除する機能があり、300km/h以上の走行が可能となる(欧米仕様で最高速度308km/h)。 2018年1月現在、日本国内の自動車メーカーで正規販売されている現行車種で300km/h以上で走行できる車種はNSXと日産・GT-Rの2車種となる[6]

発売までの経緯[編集]

Honda NSX Concept 2013
Honda NSX Concept 2015

当初 初代NSXの後継車は、日本では2010年以降に開業が予定されていたアキュラブランドからの発売予定が表明されていたが、2008年の世界的な金融危機に端を発した事業見直しにより、アキュラの日本導入白紙撤回とともに開発を中止した[7]。後に公表された内容によると、NSX後継車用に開発されたV型10気筒エンジンは、バンク角は90°、最高出力は405kWであった。また、燃費向上および排出ガス規制適合のために片バンクを休止する気筒休止機構(VCM)を採用していた[8]

2011年には、NSXの後継車がハイブリッド車として登場するという英メディアのスクープが報道された[9]。また12月にアキュラの公式Facebookより、名前こそNSXとは発表されなかったが、下記の北米国際自動車ショーで発表された同モデルの車が、2012年公開の映画『アベンジャーズ』の劇中で、主人公が乗るオープンカーとして登場することが報道された[10][11]

2012年1月9日北米国際オートショーにて「NSXコンセプト」を出展した[12]。エンジンはVTECの進化型を採用したV型6気筒エンジンで、それにモーターを組み合わせて後輪を駆動するハイブリッドシステムを採用する。さらに、前輪の2輪をそれぞれモーターで駆動し、前輪の左右のトルクを変化させるトルクベクタリング機能を搭載している。エンジンと3個のモーターを使用する4輪駆動システムは「SPORT HYBRID SH-AWD」と命名された。デザインは南俊叙が担当し[13]、米国のHonda R&D Americasで開発し、生産はオハイオ州の工場が担当し、3年以内の米国内で、その後日本での販売を目指していた。

2013年8月4日に新型NSXの試作車両が公開され、オハイオ州に所在するミッドオハイオ・スポーツカーコースで開催されるインディカー・シリーズにてデモ走行が行われた[14]。さらに、10月23日には第43回東京モーターショーにおいて「NSX CONCEPT」が公開されることが発表された[15]。同年11月には新しい駆動系が公表された。コンセプトカーとともに公表されていたCGでのPRビデオでは横置きされていたエンジンおよびトランスミッションは、縦置きに変更され、エンジンはドライサンプでバンク角75度のV6ツインターボ、燃料供給方式はポート噴射と直噴の併用である[16]

2014年12月17日、アメリカンホンダモーターは、2015年1月に開催される北米国際オートショーにて新型NSXを世界初公開することを発表した[17]

2015年1月、北米国際オートショーにて市販モデルであるNSXが展示された[18]。2015年秋に生産が開始される予定で、米国での販売価格はおよそ15万ドルからとなる見込みとされていたがその後2016年春に延期された[19]

2015年の第44回東京モーターショーでNSXコンセプトのモデルチェンジした車が展示された。

2016年5月24日に、アメリカン・ホンダモーターは北米仕様車の量産第一号車をラインオフし、同車はBarrett-Jacksonのチャリティーオークションで権利を120万ドルで落札した男性に納車された[20]。2代目の製造は、前述の通り北米仕様及び日本も含めた他地域向けも含め、専用工場として設立されたオハイオ州メアリズビルの「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)」で行われる。

同年8月8日には、公式ホームページ上にティザーサイトを公開することを発表し、公式発表予定日を公表した。併せて、全国のHonda Carsのうち、42都道府県(山形県、滋賀県、高知県、宮崎県、沖縄県を除く)133店舗にスーパースポーツカーのメンテナンスに必要な専用設備を備え、認定サービスエンジニアである「NSXスペシャリスト」が在籍する「NSX PERFORMANCE DEALER」を設けることも発表された[21]。同年8月25日に日本で公式発表され、「NSX PERFORMANCE DEALER」にて購入の申込受付を開始した。

レース活動[編集]

初代NSXが参戦していたSUPER GT・GT500クラスは2009年にレギュレーション変更が行われ、2010年からホンダ・HSV-010で参戦していたが、2014年から車両規則の一部をドイツツーリングカー選手権(DTM)と統一されることに合わせ、既に発表されていたNSX CONCEPTをベースにした「NSX CONCEPT-GT」に変更した。2017年からは同年2月に日本での販売が始まるのに合わせて、NSX CONCEPTベースからNSXベースの「NSX-GT」に変更された[22]

DTMの車両規則はFRに限定されているが、ホンダは最低車両重量を上積みすることを条件に特認を受け、ベース車と同様にミッドシップ+ザイテックハイブリッドシステムが搭載された。しかし2016年シーズン以降は「バッテリー製造メーカーからの供給を受けることが困難になった」という理由から、ハイブリッドシステムを搭載せずに戦っている[23]

2014年デビューシーズン序盤はマシントラブル等に悩まされ、第2戦富士では全車がリタイアするなど成績を残せなかったが、第4戦菅生ではチーム国光RAYBRIG NSX(小暮/武藤組)が予選2位を、リアルレーシング塚越/金石組)が3位でゴールし、新NSX初の表彰台を獲得した。第5戦富士で童夢レーシング山本/マコヴィッキィ組)が優勝した上にナカジマレーシングEPSON NSX(中嶋/バゲット組)が3位になった。

2015年はRAYBRIG NSX(山本/伊沢 組)が唯一気を吐き、レクサス勢を上回る年間3位を獲得した。

2016年は前述の通り突如ハイブリッドを降ろした影響から戦闘力を発揮できず、3メーカー中唯一未勝利という苦渋の一年を送った。

2017年は開幕戦でPPを獲得するが、オープニングラップで電装系トラブルで三台のNSXがストップするという珍事に見舞われた。第二戦も下位に沈んだため、この状況を重く見たGTAは、ミッドシップハンデ29kgを14kgに軽減[24]。その効果もあってか、夏の富士と鈴鹿1000kmではNSXが待望の優勝を収めた。

また2017年からはFIA GT3仕様 NSXの販売がスタートし、初年度はIMSA ウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップのGTデイトナクラスに2台が参戦。第5戦・第6戦と2勝を挙げた[25]。2018年からはSUPER GT・GT300クラスにも登場し、CARGUY RacingとModulo Drago CORSEが同マシンで現在参戦している[26][27]

出典[編集]

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  1. ^ 新型「NSX」を発表”. 本田技研工業 (2016年8月25日). 2016年8月25日閲覧。
  2. ^ 他メーカーを含めて過去にさかのぼると、2,370万円を上回っている例は上述のNSX-R GTの他、レクサス・LFAの3,750万円がある。
  3. ^ 「NSX」が2016-2017日本カー・オブ・ザ・イヤー「実行委員会特別賞」を受賞”. 本田技研工業 (2016年12月9日). 2016年12月9日閲覧。
  4. ^ 「NSX」がオートカラーアウォード2016「特別賞」を受賞”. 本田技研工業 (2016年12月12日). 2016年12月12日閲覧。
  5. ^ ボディカラー「バレンシアレッド・パール」「ヌーベルブルー・パール」は67万円高(消費税8%込)
  6. ^ 過去に限定生産・販売されたレクサス・LFAも含めば、実質的に3車種となる。こちらも日産・GT-R、NSXと同様にナビを連動してリミッターを解除する機能があり、300km/h以上の走行が可能。
  7. ^ Honda 2008年 年末社長会見 骨子
  8. ^ Honda R&D Technical Review Vol.22 No.2『V10 500馬力エンジンの開発 -高出力と環境性能の両立技術-』2010年9月1日発行(閲覧には登録が必要)
  9. ^ ホンダ NSX 後継車、ツインモーターのハイブリッドか
  10. ^ ホンダ NSX 後継、4WDのハイブリッドで確定か
  11. ^ New Acura NSX will be hybrid, look like Tony Stark's car from Avengers
  12. ^ 2012年北米国際自動車ショーで、Acura新型3モデルを世界初披露~次世代スーパースポーツ「NSXコンセプト」を発表~
  13. ^ ベストカー誌(3月10日号)による
  14. ^ 新型「NSX」の試作車両をミッドオハイオで世界初公開
  15. ^ 第43東京モーターショー」 Hondaブース出展概要について ~Honda独創のモビリティコンセプトモデルを出展~
  16. ^ 『モーターファン・イラストレイテッド Vol 87』、三栄書房、2013年12月、12-15頁
  17. ^ 【デトロイトショー2014】ホンダ、新型「NSX」を北米で公開WebCG
  18. ^ 【北米国際自動車ショー2015】ホンダ(アキュラ)、新型「NSX」の市販モデルを初公開!autoblog
  19. ^ ホンダ NSX 新型、生産開始が半年遅れ…2016年春に”. Carview! (2015年8月17日). 2015年8月25日閲覧。
  20. ^ 米国で新型「NSX」量産第一号車を納車”. 本田技研工業 (2016年5月25日). 2016年5月26日閲覧。
  21. ^ 新型「NSX」の情報をホームページで先行公開”. 本田技研工業 (2016年8月8日). 2016年8月8日閲覧。
  22. ^ ホンダ、17年仕様GT500車両『NSX-GT』のスタジオショットを公開 - オートスポーツ・2016年11月02日
  23. ^ NSXハイブリッド非搭載の衝撃。その理由は? - オートスポーツ・2016年2月13日
  24. ^ 【SUPER GT】NSX-GTの“ミッドシップハンデ”が軽減される…次戦オートポリスには「15kg減」で臨戦 モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ 2017.5.12 Fri 9:02 Response
  25. ^ IMSA:『NSX GT3』の初優勝を飾ったMSRが体制刷新。2018年のフル参戦は1台に - オートスポーツ・2017年12月14日
  26. ^ スーパーGT:CarGuy Racing、2018年のGT300クラス参戦を正式発表。ホンダNSX GT3を投入 - オートスポーツ・2017年12月20日
  27. ^ スーパーGT:道上龍が国内復帰。Modulo Drago CORSEとしてNSX GT3でGT300参戦 - オートスポーツ・2017年1月12日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]