ホンダ・A型エンジン

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ホンダ・A型エンジン(ホンダ・Aがたエンジン)は、本田技研工業で製造されていた中型車種用の直列4気筒ガソリンエンジンである。

機構[編集]

A20A3型

ES型及びEY型の後継エンジンとして設計され、基本構造も継承された。吸気2個・排気1個の吸・排気バルブレイアウトを取り、点火プラグが排気バルブの隣に配置される。ちなみに、ホンダ製4輪用エンジンとしては最後の鋳鉄[1]シリンダーブロックを採用した。

キャブレター(ダウンドラフト、固定ベンチュリ)仕様とPGM-FI仕様の2種類を揃え、キャブレター仕様には空燃比をより精密に制御するための2次エアが導入されている。PGM-FI仕様はインテークマニホールドの各気筒のポートにインジェクターが取付けられたマルチポイント式で、インテークマニホールドに可変吸気装置が装備されているものもある。ES型に続きCVCCは採用されず、排気ガス浄化目的で三元触媒排気2次エアー供給システムを装着した。

本エンジンから型式の規則が変更され、最初のアルファベット1文字で系列名、2桁の数字で排気量を表すようになり、末尾のアルファベットは同排気量で最初に開発されたものを「A」として改良が加えられるたびにB、C…と進んでいくようになった。

歴史[編集]

バリエーション[編集]

A16A[編集]

  • 弁機構:SOHC ベルト駆動 吸気2 排気1
  • 排気量:1,596cc
  • 内径×行程:80.0mm×79.5mm
  • 燃料供給装置形式:キャブレター
  • 参考スペック(CA4アコード)
    • 最高出力:64kW(88hp)/6,000rpm
    • 最大トルク: 123N·m(91lbf·ft)/3,500rpm

A18A[編集]

  • 弁機構:SOHC ベルト駆動 吸気2 排気1
  • 排気量:1,829cc
  • 内径×行程:80.0mm×91.0mm
  • 燃料供給装置形式:キャブレター
  • 参考スペック(CA1 アコード、グロス値
    • 最高出力:81kW(110PS)/5,800rpm
    • 最大トルク:149N·m(15.2kgf·m)/3,500rpm

A20A[編集]

キャブレター
  • 弁機構:SOHC ベルト駆動 吸気2 排気1
  • 排気量:1,955cc
  • 内径×行程:82.7mm×91.0mm
  • 燃料供給装置形式:キャブレター
  • 参考スペック(CA5 アコード、ネット値
    • 最高出力:77kW(105PS)/5,500rpm
    • 最大トルク:152N·m(15.5kgf·m)/3,500rpm
  • A20A1:排ガス浄化装置付き(北米仕様)
  • A20A2:排ガス浄化装置無し(欧州仕様)
PGM-FI
  • 弁機構:SOHC ベルト駆動 吸気2 排気1
  • 排気量:1,955cc
  • 内径×行程:82.7mm×91.0mm
  • 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
  • 参考スペック(CA6 アコード クーペ、SAE値[要曖昧さ回避]
    • 最高出力:88kW(120PS)/5,800rpm
    • 最大トルク:166N·m(16.9kgf·m)/4,000rpm
  • A20A3:排ガス浄化装置付き(北米仕様)
  • A20A4:排ガス浄化装置無し(欧州仕様)

搭載車種[編集]

A16A
  • アコード(CA4、ギリシャなど一部の仕向地のみ)
A18A
A20A
  • アコード/ビガー(CA5、日本/北米/大洋州仕様)
  • アコードハッチバック/アコードクーペ(CA5、北米/大洋州仕様)
  • アコードエアロデッキ(CA5、欧州仕様)
  • アコードクーペ(CA6)

脚注[編集]

  1. ^ 同時に発売されたB型エンジンや後継のF型エンジンアルミニウムダイカスト製。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]