ホンダ・S型エンジン

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ホンダ・S型エンジン
生産拠点 本田技研工業
製造期間 2011年11月 -
タイプ 直列3気筒DOHC12バルブ
排気量 0.66リットル
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S型エンジン(Sがたエンジン)は、本田技研工業で製造されている軽自動車直列3気筒ガソリンエンジンである。

機構[編集]

従来のE型エンジンおよびP型エンジンの後継として登場した。ボアストローク比はE型・P型のショートストロークからロングストロークに改められ、低回転域のトルク強化を図り、街乗りでの扱いやすさを重視した。これによりボアピッチはP型エンジンよりも短縮されており、エンジン単体重量で約15%軽量化されている。また、搭載する車体のエンジンルームを小さくするために、衝突時にエンジンの補機が潰れ衝撃を吸収する構造や、隙間に入り込む形になっている。 なお、高圧縮化により低回転域の燃焼効率を優先したことから、特に高回転域で著しく効率が悪くなっている。

動弁機構には、ホンダの製造する軽自動車用エンジンではT3601963年)に搭載されたAK型エンジン以来となるDOHCを採用し、吸・排気バルブはそれぞれ2個ずつで、タイミングチェーンで駆動されるカムシャフトにより、スイングアームを介し開閉される。吸気カムシャフトには連続可変バルブタイミング・コントロール機構(VTC)が装着され、吸気効率向上が図られている。さらに、同社 V6エンジンと同じ構造のラッシュアジャスター(ハイドロリックアジャスター)も採用されており、静粛性向上やメンテナンスフリー化も図られている。 あわせて、E型エンジンに対して最大出力が大きく低下したことから、これにあわせた部品強度とすることで軽量化を行いフリクションロスを低減させている。

NA仕様の燃焼効率向上のために同社製軽自動車用エンジンとして初となるツインインジェクションナトリウム封入バルブを採用することにより圧縮比を11.8に引き上げ、ウォーターパッセージに一体化された大流量EGRシステムによりポンピングロスを低減した仕様が、N-WGNより採用された。

2014年までに各車両カテゴリーで燃費No.1を目指し、2020年までにCO2排出量を2000年比で30%の低減を目指すために投入される次世代革新技術を、ホンダでは「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」と称し[1]、S型およびそれを搭載するN-BOXに初めて採用された。

2017年8月31日発表(9月1日発売)の2代目N-BOXにはボア×ストロークが変更(ボアピッチは同一)された新型エンジンS07B(自然吸気およびターボ)が搭載された。S07Aのボア×ストロークが64.0mm×68.2mmだったのに対し60.0mm×77.6mmと大きくロングストローク化している。その他、様々な改良や新機軸が取り入れられている。なお自然吸気にはホンダの軽で初めてVTECが搭載された。

歴史[編集]

バリエーション[編集]

S07A[編集]

NA
  • 弁機構:DOHC チェーン駆動 吸気2 排気2
  • 排気量:658cc
  • 内径×行程:64.0mm×68.2mm
  • 圧縮比:11.8
  • 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
  • 参考スペック(JF1 N-BOX)
    • 最高出力:43kW(58PS)/7,300rpm
    • 最大トルク:65N·m(6.6kg·m)/4,700rpm
  • N-BOX (JF1/2)
  • N-BOX+ (JF1/2)
  • N-BOX SLASH(JF1/2)
  • N-ONE(JG1/2)
  • N-WGN(JH1/2)
ターボ
  • 弁機構:DOHC チェーン駆動 吸気2 排気2
  • 排気量:658cc
  • 内径×行程:64.0mm×68.2mm
  • 圧縮比:9.2
  • 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
  • 参考スペック(JF1 N-BOX)
    • 最高出力:47kW(64PS)/6,000rpm
    • 最大トルク:104N·m(10.6kg·m)/2,600rpm
  • N-BOX (JF1/2)
  • N-BOX+ (JF1/2)
  • N-BOX SLASH(JF1/2)
  • N-ONE(JG1/2)
  • N-WGN(JH1/2)
  • S660(JW5)

S07B[編集]

NA
  • 弁機構:DOHC i-VTEC チェーン駆動 吸気2 排気2
  • 排気量:658cc
  • 内径×行程:60.0mm×77.6mm
  • 圧縮比:12.0
  • 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
  • 参考スペック(JF3 N-BOX)
    • 最高出力:43 kW (58 PS)/7,300 rpm
    • 最大トルク:65 N·m (6.6 kgf·m)/4,800 rpm
  • N-BOX (JF3/4)
ターボ
  • 弁機構:DOHC チェーン駆動 吸気2 排気2
  • 排気量:658cc
  • 内径×行程:60.0mm×77.6mm
  • 圧縮比:9.8
  • 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
    • 参考スペック(JF3 N-BOX)
    • 最高出力:47 kW (64 PS)/6,000 rpm
    • 最大トルク:104 N·m (10.6 kgf·m)/2,600 rpm
  • N-BOX (JF3/4)

脚注[編集]

  1. ^ 次世代革新技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」を発表 ~今後3年以内に各カテゴリーで燃費No.1を目指す~

関連項目[編集]

外部リンク[編集]