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ダイヤのA

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ダイヤのA
ジャンル 野球漫画少年漫画
漫画
作者 寺嶋裕二
出版社 講談社
掲載誌 週刊少年マガジン
発表期間 2006年第24号 - 連載中
巻数 30巻(2012年3月現在)
テンプレート - ノート

ダイヤのA』(ダイヤのエース)は、寺嶋裕二による日本漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)にて2006年第24号から連載中。

概要

人数ぎりぎりの弱小チームが成長して強豪を打ち破っていく野球漫画が多い中で、本作は強豪校への野球留学を肯定的に描き、選手層の厚い野球部の中でチームメイトと切磋琢磨してレギュラーを目指す主人公を描くことで、他作品との差別化と、現実的な高校野球像を描くことに成功している。

第53回(平成19年度)小学館漫画賞少年向け部門、第34回(平成22年度)講談社漫画賞少年部門受賞。特に『週刊少年マガジン』連載作品の小学館漫画賞受賞は本作が初めてである[1]。発行部数は1200万部突破。

ストーリー

中学最後の大会、統合により廃校の決まっている母校・赤城中の名を残すために出場するも、一回戦で自らの暴投により負けてしまった沢村栄純。仲間たちと高校でリベンジをと考えるなか、東京の名門・青道高校からスカウトが訪れる。気乗りしないまま見学に訪れた青道での、天才捕手・御幸一也との出会いが沢村の野球人生を大きく変える…。

登場人物

青道高校

沢村 栄純(さわむら えいじゅん)
主人公投手右翼手(ただし右翼手は一試合のみ)。左投げ左打ち。1年。背番号20→18。O型。長野県赤城中学出身。
猪突猛進気味のまっすぐさと闘志を剥き出しにした負けん気の強い性格で、とにかく四六時中よく吠えている。投手として技術的にはまだまだ足りないものが多いが、タイミングの取りづらい変則的なフォームとキレのあるクセ球、そして性格ゆえの闘志を前面に押し出す姿勢は試合の流れを引き寄せ、多少のピンチにも動じずぶつかってゆける気持ちの強さ、といった『エース』としての稀な資質を持ち、その才能の原石の大きさに指導者陣や女房役を務める御幸、クリス、また対戦した相手校の監督なども将来性を感じている。
球速は130km/hにも満たないが、肩関節と手首の柔らかさにより上下左右に変化するナチュラルムービングファストボールを投げられる。肩はそこそこだが、送球までムービングするので外野手には不向き。バッティングはド素人レベルだが、バントだけは天才的に上手い(マシンの150kmのボールにも当てられる上、勢いを殺してライン上に転がせる)。フィールディングやクイックなどもクリスの指導のおかげで、かなりうまくなっているが、牽制をはじめまだまだ発展途上。タイヤを引いてランニングするのが日課。
片岡監督の「グローブでカベを作れ」とのアドバイスにより、ギリギリまで球の出所が見えないフォームを手に入れ球威もアップしたが、反動でコントロールが非常に悪くなった。最終的に足を高く上げる本来のフォームと、グローブを潰す新型のフォームを組み合わせた独自の新フォームを習得し、現在は制球力と球速のアップを投球面での課題として練習に取り組んでいる。
夏の大会においてはインハイを主体としたピッチングを披露した。長打を恐れず打者の胸元へ投げ込めるハートの強さが最大の武器ともいえるが、良いボールでも球質の軽さから外野まで打球を運ばれることがあり、自分と同じタイプのピッチャーである薬師の真田のようにゴロの数を多くしたいと言う考えから御幸らにカットボールを覚えたいと志願。準決勝に登板した際、打者のインコース目掛けて投げた球がほぼカットボールになっていたということを思い出した御幸とクリスの指導により、決勝前日に急ごしらえでカットボールをある程度ものにすることができた。
実家は父、母、祖父の四人暮らし。当初は地元の高校に進学して仲間と共に野球を続けるつもりであったが、赤城中での最後の試合を観戦した青道の野球部副部長兼スカウトの高島礼にその才能を認められ、見学に訪れた青道で御幸一也と出会い、自分の力を試すため、仲間の後押しと共に推薦入学を決めた。今まで部活動としての野球などはやっているが本格的な指導を受けていない。おまけに田舎出身で野球は見るよりやるタイプであるためか、野球の知識は細かいところが抜けている。
入部当初からその性格や言動が周囲の反感を買うことも多かったが、クリスとの衝突を契機に師と仰いで学ぶ中で、それまで全く自分に欠けていた投手としての大切なことを教わり、必死に努力を重ねる姿はチームメイトからも少しづつではあるが認められはじめ、夏前に一軍昇格を果たす。学業成績は悪く、数学は分数で止まっているほどだが、1学期の期末試験は金丸の指導もあってか、かろうじて赤点は回避できた。米門西校戦で公式戦初登板。その後は着々と経験を成長に変え、川上につなぐためのセットアッパーやワンポイントリリーフとして活躍していく。
基本的に自分が尊敬する相手には礼儀正しいが、上級生であっても入部から振り回されることの多い御幸にはタメ口であり、また調子に乗りやすいことから試合中でさえ味方から罵声やヤジを受けることも。稲実の成宮のことを「稲実のシロアタマ」と呼んでいる。
予選決勝となる稲実戦7回裏から負傷した丹波に代わり緊急登板して好投を見せ、(相手のエースで好打者の成宮を三球三振など)味方が逆転してくれた一点リードを保ったまま9回の裏2アウトでランナー無しまで抑えたものの、2番打者・白河が発するプレッシャーに失投を誘われ頭部へのデッドボールとなってしまい、それがサヨナラ負けに繋がってしまったことを悔やんでいた。
新チームのエースとして君臨すべく一足先に立ちあがった降谷に触発され、闘志を取り戻すも、しかし白河へのデッドボールの影響によるイップスか、薬師との練習試合でインコースに投げることができなくなったことが発覚。秋の戦力は難しいかと思われたが、再度インコースを投げられるようになったときにそれを活かせるようにという意図もあり、クリスからアウトローのゾーン一杯に決まる球を習得した。
秋季大会本戦では、東東京の名門・帝東戦に中継ぎ登板し無失点の好投。先発登板した2回戦の七森戦では、試合前の投球練習で倉持を相手にインコースに投げることに成功。実際に試合でも投げることができ、イップスを克服した。またチームはコールド勝利し、沢村は無失点で完投した。
名前の由来は往年の名投手沢村栄治に作者の好きなTHE BACK HORNのギタリスト菅波栄純を文字って命名されたものと思われる。
御幸 一也(みゆき かずや)
捕手。右投げ左打ち。2年。背番号2。B型。東京都江戸川シニア出身。スポルディングサングラスがトレードマーク。
類稀なリード力と捕球力、優れた強肩を誇る青道の頭脳として、1年時からレギュラーの座を不動のものとしている扇の要。打撃力も高いが、ムラがありランナーがいない時の成績は悪い。相手の勝負球を狙い打つのが好物で2年夏の打順は6番(新チームでは4番)。:中学時代から様々な高校からラブコールを受けていた天才型の選手で、1年時には雑誌に紹介記事が掲載されている。ルックスも良く女子からの人気も高い。ヒッティングマーチは山本リンダの「狙いうち」。中学時代は成宮たち稲実2年生と(別のシニアチーム所属でありながら)知り合いだったらしく、成宮達からの稲城実業への入学の誘いを断り、仲間内ではただ一人青道に入学している。
飄々とした性格で基本的にかなりの自由人。歯に衣着せぬタイプのため、しばしばチームメイトに「性格が悪い」と評されることもあるが、あえて嫌われ役を演じている節も有る。あまり強い感情を表に出すタイプではない為、本性が見えない所も多々見受けられる(作中でも激昂した事は殆どない)。元々の性格の悪さも相俟って、同級生から倉持と一括りにされて「友達いない」と言われている。沢村は何かにつけてよく振り回されるため、なんだかんだと悪態をつきながらも、彼のことを信頼している。:中学時代に全く歯が立たなかったクリスを同じ捕手として非常に尊敬しており、最後の夏までに怪我の完治が叶わずレギュラーを外れたクリスとは正面から正捕手争いをしてみたかったと一抹の悔恨を感じていた。
3年生が引退した後の新チームでは前キャプテン結城からの強い推薦もあり、キャプテンに就任した。しかし、本人は慣れない立場から多少のやり難さを感じているようで初日から新副キャプテンの前園に活を入れられている。
彼の中学時代を描いたサイドストーリーが本誌の綴じ込み付録として掲載されたことがある(後に単行本第6巻に収録)。
降谷 暁(ふるや さとる)
投手左翼手。右投げ右打ち。1年。背番号11→1 O型。長身。北海道苫小牧中学出身。
浮き上がるかと錯覚するかのような150km/hの剛速球を投げる怪物ピッチャー。クリス曰く「センスの塊」で、打撃面もバックスクリーンへの本塁打を量産できる長打力の持ち主。マウンド降板時は長打力と強肩を買われレフトに入るようになる(未経験ながら短期間で様になるまでに上達したが、本人は投手時以外は不満げ)。予選を戦う中でSFFも取得した。
一見するとクールに見えるが、実はかなりの天然ボケ。表情はあまり変わらないが、感情の起伏が分かりやすい性格。いつも無愛想だが、内には並々ならぬ秘めたる闘志が漲っている。他人の話(特に自分にとって都合の悪い話)をよく無視する。表には出さないが、沢村の明るく誰とでも話せる性格を羨ましく思っている。学業成績は悪く、1年夏の期末試験は赤点で追試を受けていた。また、端正な顔立ちで御幸同様に女子からの人気も高い。
自分の球を簡単に捕球する御幸を尊敬している。御幸以外に自分の球を取れる者はいないと思い込んでいたが、3年生の捕手・宮内(後述)が意図も簡単に捕球した際には、驚いた様子を見せていた。また、自分の後ろを守ってくれている3年生をはじめとした先輩たちの努力を聞かされた後は、素直な畏敬の念を抱くようになった。
中学時代は自分の球を取れる捕手がおらず、チームメイトから遠ざけられてしまい、一人壁に向かって投げる不完全燃焼な日々を過ごしていた。雑誌で紹介されていた御幸なら自分の球を捕球してくれるに違いないと考え、一般入試を受験して青道に進学した。野球部にも一般での入部だったが、圧倒的な投球で即座に一軍昇格を果たす。実力がありながら望んでもマウンドに立つことができなかった経緯から、投げることに対する執着心は非常に強い。また同様にグラウンドに立つナインの一員として、仲間に「信頼」されながらプレーすることの喜びに気付き、それはやがてマウンドへの並々ならぬ執念と、エース君臨への努力を確かなものにさせていく。
入学後、早々に他校や取材陣から注目を浴びるが、試合経験の少なさからくるペース配分や守備の未熟さ、東京の夏の暑さもあってスタミナのなさなど、沢村同様に足りないものが多い。夏の地方大会予選では開幕投手を任される。その後も先発投手として経験を重ね、決勝の稲実戦では試合開始から3回連続三者凡退(うち奪三振6)という大殊勲を成し遂げ、「怪物」の名を確かなものにしたが、四球からセットポジションでの球威の低下など未熟な部分も露呈し結局降板に至り最後はベンチで味方の逆転サヨナラ負けを見届けた事に猛烈な悔しさを感じている。もう二度と最後までマウンドを譲らないエースとなる事を宣言して奮闘中である。
小湊 春市(こみなと はるいち)
二塁手、右投げ右打ち。1年。背番号19→4番。AB型。神奈川県陽光中学出身。結城世代の正二塁手・小湊亮介の実弟。
小柄な体躯ながら、兄と同じく内に秘めた闘志と、偽装サインの使用や長い木製バットを短く持つなど、相手バッテリーを揺さぶるのが得意な技巧派の選手。好機にも強い一番打者タイプ。グラブ捌きもよく、守備も良いが、スタミナに難がある。中学での通算打率は6割3分5厘を記録している。入部テストでは、肩・B、走塁・B、持久力・C、50m走、6秒8の高評価。金属バットが主流の高校野球で珍しく木製バットを使うほどミート力には自信がありスイングスピードも鋭い。
冷静かつ大胆なプレーを得意とするが、根は恥ずかしがり屋で、褒められるとすぐ照れるが、たまにキツイことを言う。沢村とは親しく、「栄純君」と呼んでおり、沢村からは「春っち」と呼ばれている。小さい頃から兄に憧れており、プレーも瓜二つ。小さい頃はいじめられていた。降谷とは同じクラス。
1年生全員と2・3年の主力以外との対抗戦で、沢村とのコンビプレーで好成績を残したことで、共に二軍に昇格した。二軍でも一番打者に抜擢されるなど活躍し、夏前に一軍に昇格する。夏の合宿で上級生との体力差に自信を無くしかけるが、上を見据えて努力する同室の前園(後述)の姿を見てやる気を取り戻す。夏の公式戦では通算4打数4安打という代打成績を残し、代打の切り札としてチームに貢献した。
決勝戦では8回から負傷した兄に代わりに代打で登場して見事にヒットを放ち、そのままセカンドの守備についている。9回裏の守備では先頭打者の難しいセカンドゴロを見事に処理しアウトにする好プレーを見せたが、2死1・2塁の場面で原田のセンターへ抜けるゴロを好捕するもセカンドベースへのトスがゆるくそれてしまい、間一髪のセーフ判定から隙を突かれてしまった形で結果的に同点にされてしまう。
倉持 洋一(くらもち よういち)
遊撃手、両投げ両打ち(基本は右投げ)。2年。背番号6。A型。千葉県出身。結城達引退後、前園と共に、御幸世代の副主将を勤める。
俊足堅守の一番打者で、運動神経はチーム1。盗塁・走塁時のトップスピードは関東№.1と言われる稲城実業のカルロスに劣らない。小湊亮介との二遊間の守備は『鉄壁』と呼ばれるほどであり、倉持自身もコンビを組む亮介の存在を心の底から尊敬している。ヒッティングマーチはTHE BLUE HEARTSの「TRAIN-TRAIN」。
寮では沢村のルームメイト。趣味はゲームと沢村イジメ。イタズラ好きで、沢村をパシリ兼スパーリングパートナーにしている。「ヒャハハ」という笑い声が特徴。基本はよく喋り、うるさい人だが、いざという時は先輩としての顔になる。捉えどころのない御幸に対抗できる数少ない人物であり、性格の悪さから御幸と一括りにされて「友達いない」と言われているが、学校内では御幸とつるんでいることも多い。幼い頃レスリングをしており、現在もよく沢村に(無理矢理)技をかけているが、沢村の関節が柔軟な為、関節技が決まらない。また、沢村の幼馴染の若菜に興味を持っていて、メールを勝手に返信したりしている。沢村を応援に来た若菜を初めて見た時は、容姿の可愛さから沢村に激昂している。
中学時代は問題児で、地元の高校から声がかからず上京する。チーム内でも個性の強いメンバーの筆頭格ではあるが、監督の沢村に対する期待や、御幸と丹波の確執を見抜くなど、意外と人間観察力に優れている。また、少しでも目を離すと暴走・オーバーワークしがちな沢村を常に気にかけ、ぶっきらぼうながらも制止したり面倒を見たりする、意外に優しい一面も持ち合わせている。
川上 憲史(かわかみ のりふみ)
投手。右投げ右打ち。2年。背番号10。A型。埼玉県出身。一軍の二番手投手。コントロール抜群のサイドスロー。1年の秋から試合に出場しており、リリーフ経験が豊富。決め球は低めのストライクゾーンからボールゾーンに落ちるスライダー。
沢村が青道の見学に来た際、バッティングピッチャーとして東に滅多打ちにされ罵倒されていた。
紅白戦で二番手に登板し、沢村に振り逃げされ、春市にタイムリーを打たれるが一点に抑えた。
入部当初から投手実績を認められていたが、自身の少し控え目な性格の為、上級生の東からよく叱咤されていた。
一人で音楽を聴くのが好きで、月に2冊は音楽雑誌を購入している。同じ一軍で同級生の外野手・白州とは気の合う友達。沢村からは「ノリ先輩」と呼ばれる。また、太田部長から絶大な信頼を得ている。夏の大会ではリリーフの経験を買われ終盤から最終回までを任されている。
稲城実業戦9回裏2死1塁、1点リードの場面から沢村に代わり救援登板したものの稲実打線を止める事ができず、三番吉沢をツーナッシング・あとワンストライクで甲子園出場まで追い込みながら四球、四番原田に同点内野安打、そして五番成宮からサヨナラタイムリーを打たれてしまい、結果的に1死も取れずに敗退投手となりその場で泣き崩れた。その後は沢村以上に深い傷を負い、練習試合でも結果を出すことができずに苦しんでいる。
前園 健太(まえぞの けんた)
一塁手。右投げ右打ち。2年。夏は二軍で、後に背番号3。一軍のクリーンナップを務める。パンチ力はあるが、大振りなのが欠点。関西弁を喋り、一見するとかなりガラが悪いが、沢村が他の先輩を差し置いて一軍に上がったことを不満とする同級生達を諭したり、1年の早朝練習に付き合うなどと気配りの出来る人物で、向上心の高い努力家である。クリスには当初不信感を抱いていたが、黒士館との試合後は彼を信頼している。同級生の中田、小野と一緒にいる事が多い。チームメイトからは「ゾノ」「マエケン」と呼ばれている。新チームでは副キャプテンを務めている。
白州 健二郎(しらす けんじろう)
右翼手。右投げ左打ち。2年。背番号9。AB型。東京都出身。打順は7番。準々決勝から9番に座る。2年の春の大会からレギュラーに抜擢されている。
攻守共に堅実な守備職人で、ミートが上手く、バントも上手い。さらに足も速く、稲城実業の原田は『ある意味青道の中で一番バランスのとれた打者』と評価している。バッターの特徴を見抜いて守備位置を変えるなど守備を楽しむタイプの選手。
大阪桐生との試合でのスライディングキャッチ、米門西校戦でのスクイズなど、地味ながらも確実に仕事をこなしている描写が多い。
無口で控えめな性格だが、闘志を内に秘めている。成宮から内野安打を打った時には雄たけびを上げ、チームメイト達を驚かせた。同じ一軍で同級生の投手・川上とは気の合う友達。憧れの選手はイチロー
金丸 信二(かねまる しんじ)
1年。右投げ右打ち。三塁手。松方シニア出身。クリスと同室で、沢村とは同じクラス。夏には二軍であったが秋に一軍昇格。
クリスから一軍の1年3人(沢村・降谷・春市)の監視役を任されている。当初は見習い部員扱いだった沢村を見下していたが、上級生との対抗戦以降、徐々に彼の実力と並々ならぬ努力を認め始め、今では期末試験勉強の面倒を見たり、自ら申し出て投げ込みに付き合ったりしている(直接、一軍昇格した沢村に「お前は俺達1年の代表だ」と言っている)。同じシニア出身である東条と非常に仲がいい。
東条 秀明 (とうじょう ひであき)
1年。右投げ右打ち。外野手。夏は二軍で、後に背番号8。松方シニア出身の投手。シニア時代に全国ベスト4に進出しているが1年対2・3年の試合では1回で12失点と上級生にメッタ打ちにされてしまった。その後観席でなんの実績もないにも関わらず同じ一年投手の沢村や降谷が活躍しているを見て外野手に転向する。打撃もそこそこよく元投手なので肩が強い。練習試合で結果を残し、センターのレギュラーを獲得する。
樋笠 昭二(ひがさ しょうじ)
三塁手。2年。背番号15→5番。スキンヘッドに太い眉が特徴。
中田 中(なかだ あたる)
遊撃手。右投げ両打ち。2年。夏には二軍。秋は不明。
語尾に「だな〜」「なんだな〜」をつけて喋る。倉持とはゲーム仲間。青道へは通いで来ている。同級生の前園、小野と一緒にいる事が多い。
小野 弘(おの ひろし)
捕手。右投げ。2年。二軍。
黒士館高校との試合、沢村の新フォームによる荒れ球を取ることが出来ず、クリスに交代させられる。2年の中ではクリスの本来の実力を知っていたようで、前園ら他の2年がブランクの有るクリスの出場に不満を感じる中、素直に交代に従っていた。同級生の前園、中田と一緒にいる事が多い。
麻生 尊(あそう たける)
2年。右投げ右打ち。外野手。東条・関と外野の1枠を争っている。
関 直道
2年。右投げ左打ち。外野手。よく「な」と言うのが特長。東条・麻生と外野の1枠を争っている。
川島 謙吾
2年。投手。
狩場 航(かりば わたる)
1年。2軍。捕手。右投げ。ちょび髭が特徴。自称間違い探しが得意。
金田 忠大
1年。投手。

青道OB

結城 哲也(ゆうき てつや)
一塁手。右投げ右打ち。3年。背番号3。O型。東京都出身。野球部主将。
チャンスでの勝負強さと冷静さ、人並み外れた集中力を武器とする怪物クラッチヒッターであり、青道打線不動の四番打者。ボール球は殆ど振らず、甘い球を確実に打ち砕き、相手守備陣が対応できない驚異的な速さの打球を常に放つ打撃力は、昨年の甲子園準優勝校である強打の大阪桐生・松本監督をして「別格」と言わしめるほど。プロからも注目されているが、本人は全くプロに興味がない(今は主将として甲子園出場を果たすことしか頭にない)。長打・強打・巧打を兼ね備えているが、普段はあまりホームランを狙わない。(夏の地方大会三回戦では、コールドを決めるサヨナラホームランを狙って打った他、打撃戦となった準々決勝では少しだけ甘く入った相手エースの決め球を左翼場外へ弾き飛ばした)
家は青道の近所にあり、青道へは通いで来ている。小さいころから青道の練習を見てきており、「己を鍛えるため」に青道に入学したというストイックな性格だが、意外とノリはいい。負けず嫌いな面々の多い青道メンバーの中においても闘志は人並み外れており、他選手の好打や好投を見るたびに闘志を燃やしており、観客がオーラすら感じることもある。物静かだが、マイペースで天然な一面もあり、部員からは「哲さん」、沢村からは「リーダー」と呼ばれ慕われている。将棋が好きだがかなり弱く、御幸によく負かされている。ヒッティングマーチは「ルパン三世のテーマ」。
エースの丹波が死球により負傷した際には、伊佐敷と共に監督から投手の練習を指示されたが、丹波の復帰を心から望んでいた一人でもあり、決勝では無念の降板となった彼に、再び彼をマウンドに立たせてみせると逆転の誓いを立てるなど、情に熱い人物でもある。
中学時代から実力はあったが体が小さく守備も下手で、あまり目立つ存在ではなかった。周囲からは「不作の年」と呼ばれ、期待の薄かった彼らの世代の中にあって、1年生時は1日500スイングと自らに課題を掲げ黙々と練習を重ねていた。不屈の努力を重ねる彼の姿は、同世代のチームメイト達を常に鼓舞し、引っ張ることとなったからこそ、世代全体が大きく成長し、現チームの強力な野手陣が揃う結果を生み出した。そしてプレーでチームを牽引するリーダーシップを認められ、片岡監督からも、3年生の総意を持って主将に指名されることとなった。
地区大会決勝の稲実戦では、因縁の相手である成宮に青道打線で唯一全力の真っ向勝負を受け、三打席目までは(一、二打席は連続三振、三打席目は成宮の剛速球をジャストミートしてフェンス直撃寸前の鋭いセンターライナーを打つもカルロスの超美技により好捕された)打ち取られるが最後の四打席目・二死満塁の場面で、誰もがほぼ攻略不可能と思った決め球のチェンジアップを体勢を崩されながらも喰らい付き、右中間へ逆転の二点二塁打を放つ。
敗戦後も主将として涙を見せずに堂々と胸を張って対戦相手である稲城実業の主将・原田に祝福の言葉を述べて逆に彼を感激させていたが、周囲の目が届かなくなったところで一人涙を流す姿を目にした沢村は、彼が率いていたチームの頼もしさや素晴らしさ、そして敗戦の実感と悔しさを否が応にも実感することとなった。
自分達が引退した後の新チームの主将の座を、自分達が敗れたチームを率いていた、稲城実業の主将にして4番であり正捕手である原田を越えてほしい、という期待を込め、御幸へと託した。
伊佐敷 純(いさしき じゅん)
中堅手。右投げ右打ち。3年。背番号8。A型。神奈川県出身。結城世代の野球部副主将。
強肩強打の三番打者。ガラが悪く顎髭が特徴の強面だが、背はあまり高くない。初球からガンガン打ちにいく積極性と、常にフルスイングでボール球でもヒットにするパワーと豪快さが強み。バットを振り切りつつも右打ちする技術もあり、大味な印象を持たれやすいが本人は常に結城につなぐためのバッティングをいつも心がけている。外野からの返球は常にストライクで、強肩が誇る補殺はランナーへの強力な抑止力となっている。丹波の負傷の際には、監督からの指示で投手練習に臨むが、投手としての自分の球を「バズーカボール」と称している。
短気で言葉遣いが荒く、何をするにしても叫び、後輩から恐れられているが、実は姉の影響で少女漫画が大好きという意外な一面も。打席に入るときだけは礼儀正しい。グラウンドでも沢村に負けず劣らず吠えており、気合いを入れたり、檄を飛ばし続けるスタイルは部員や一般生徒からも「青道のスピッツ」と呼ばれている。沢村からは、「ヒゲ先輩」と呼ばれ、グラウンドでは倉持と共に沢村への鉄拳制裁の役目を担っている。1年上の東を尊敬している。
入部当初は投手志望だったが、ノーコンが直らなかったため外野手へのコンバートを勧告され、新チーム発足時にレギュラーのためなら何が何であろうともしがみついてやる、との決意を胸に転向した。当初から結城に対しては何かと張り合っていた仲だったが、投手を諦め外野手を目指すポジション転向の際に彼の努力を目の当たりにし闘志を燃やし、彼の努力に常に追いつこうとしたことで今の彼があり、口には出さないが彼には逆立ちしても敵わないと認め、深い敬意と信頼を抱いている。
稲実戦のサヨナラ負けが決まった直後には、崩れ落ち人目をはばからず号泣してしまったが、後日までそれを引きずっていた新チームの面々に対して活を入れている。
増子 透(ますこ とおる)
三塁手。右投げ右打ち。3年。背番号5。O型。東京都出身(中学は埼玉県)。結城世代の野球部副主将。
典型的なパワーヒッターで、詰まった当たりでもホームランに出来る五番打者。直球には滅法強いが変化球には弱い。超重量級選手であるが、動きは意外と素早い。ヒッティングマーチは真心ブラザーズの「どか〜ん」。
沢村のルームメイト。温厚な性格で、沢村のことを「沢村ちゃん」と呼んで可愛がっている。やんちゃな倉持と沢村には手を焼き、先輩として時には説教しようとするが、最後には増子も含め乱闘になったりする。見た目通りに大食漢であり、プリンが好物。エラーした際には喋るのを禁止するという自分ルールを持っている(その際会話は筆談)。たまに『うがう!』など独特の雄叫びを上げ、ガッツポーズは「MGP(増子ガッツポーズ)」と呼ばれている。実家は酒屋だが近々コンビニになるらしい。
沢村らの入部時は、集中力を欠いたエラーをしたことで監督の怒りを買い、レギュラーを外されていたが、紅白戦で沢村の球を詰まらされながらもホームランにするなどの活躍で、スタメンに復帰した。沢村との対戦で見せたバットを短く持ってのコンパクトなバッティングを片岡監督に評価され、夏の大会もバットを短く持って打席に立っている。
準決勝の仙泉学園戦当日の朝、バリカンで髪の毛を整える際に髪の長さを調整するアタッチメントを付け忘れた為に丸坊主になると言う失態を演じる。
小湊 亮介(こみなと りょうすけ)
二塁手。右投げ左打ち。3年。背番号4。B型。神奈川県出身。
青道打線一の技巧派で、選球眼が非常に良く、粘り打ちやセットプレーも巧みな投手が嫌がるタイプの不動の二番打者。小柄な体躯は弟と同じであるが、守備技術の高さと守備範囲の広さは、倉持との二遊間をして鉄壁の守備を誇っている。
いつもニコニコしているが、見た目と裏腹にかなりの毒舌で相当な負けず嫌い。後輩からは伊佐敷以上に恐れられているが、1,2番として、また二遊間でコンビを組んできた倉持からは尊敬を寄せられている。自分と同じ道を選んだ弟・春市に対しては、敢えて厳しい言動や態度で接しているが、内面では後を追いかけてくる弟の並々ならぬ才能を認めており、追いつかれまいと自らを鼓舞している場面もある。小さい頃はいじめられていた春市をいつも守っていた。沢村からは「お兄さん」と呼ばれている。調子にのりやすい沢村に言葉で釘をさす役目を担うことも。
入部当初は体躯の小ささに不安視されていたが、持ち前の負けん気で自主練習を欠かさず、最終的に不動の二塁手の座を勝ち取った、結城・伊佐敷・増子に並び大きく成長した一人である。
兄弟で甲子園へ行ける最初で最後のチャンスに、準決勝でホーム突入の際に足を負傷してしまい、決勝前夜にそれに気付いた倉持には、信頼を置く彼からストップの進言がない限りプレーし続ける決意を伝え、決勝へはそれを押し隠して満身創痍で試合に臨む。しかし、終盤で満足にプレーできないというプライドから途中交代を申し出るが、図らずも自らの後を引き継ぐこととなった弟に対して、初めて彼の本心を伝えている。
丹波 光一郎(たんば こういちろう)
投手、右投げ右打ち。3年。背番号1。A型。身長185cm。東京都出身。青道のエース。
縦に大きく割れるカーブを武器にする本格派投手。ストレートはMAXで140km/h。夏の予選を前にフォークを習得する。打順は8番に座ることがほとんど。投球時に、「ふしっ」と掛け声をするのが特徴。実はバントが苦手。
中学時代は市大三高の真中の控え投手だったが、エースへのこだわりから青道へ入学を決意。素材はピカイチだがノミの心臓のため、本番(強豪校)に弱かった。その極度のあがり症は入部当初から知られ、期待の目で見ていた指導陣と目を合わせられないほどだったらしい。クリスと親しく、その仲はピッチングでの悩みを打ち明けるほどで、彼と再びバッテリーを組めることを願っていた反面、先輩にも物怖じしない御幸のことは苦手としている。エースナンバーへのこだわりは非常に強く、特に降谷を敵視しているが、同時に彼に守備のアドバイスをする一面もある。好きな本は「太郎に訊け!」シリーズ。
2年の秋に肘を故障しており、3年の春に復帰。故障明けの春の大会、市大三高との試合で滅多打ちに会い、エースから下ろされてしまうが紅白戦などを経て徐々に復調。修北高校との練習試合で、自ら歩み寄って御幸と和解し完璧なピッチングを見せるが、直後に顎に死球を受けて負傷してしまう。復帰後は途中降板したけじめとしてスキンヘッドにしている。夏の大会前の修北戦で、最後まで投げられなかった為スキンヘッドにしたところ、稲実の成宮からはデッドボールのショックでハゲたと言われ、伊佐敷や亮介からはピカ一郎呼ばわりされたり散々な扱われ方をされている。
結城世代におけるチームのエースとして、時には不甲斐ない投球をしてしまうこともあったが、共に苦難を共にしてきた3年生からは変わらぬ信頼と期待を寄せられており、片岡監督もそれを酌みエースナンバーは彼に託されることになった。丹波が戻ってくるまで全員で戦い抜く、というチームの意気に応え、準々決勝の薬師戦でついに復活、怪物打者轟雷市を三振に仕留め、準決勝の仙泉戦では先発を務める。エースナンバーは自身が背負うことになったが、自分がそれをつけていられるのは川上、降谷、沢村のおかげであることを自覚したことで独りよがりなプライドを捨て、マウンドに立つこそ者が「エース」であり、全力を尽くそうと誓いあうが、決勝では登板早々ホームランを浴び、その後立ち直りはしたものの足をつってしまい3イニング持たずに途中交代する。
初期から登場しているキャラクターの内の一人であったにもかかわらず、フルネームが判明したのは61話になってからだった。作者曰く「名前は決まっていたが、出すタイミングを逃した」らしい。
滝川・クリス・優(たきがわ くりす ゆう)
捕手。右投げ右打ち。3年。B型。東京都丸亀シニア出身。父親が元プロ野球の二世選手。かつて都内ナンバー1と呼ばれた捕手で、中学時代、御幸は一度も彼に勝てなかった。通称クリス
青道でも正捕手として大いに期待されていたが、周囲の大きな期待がプレッシャーとなり、故障した右肩を隠して試合に出続け、2年の夏の大会直前に全治1年の重傷を負ってしまう。高校野球最後の1年は二軍で暮らすことになったが、自分の3年間に誇りを持ち、少しでも仲間の役に立つために部に残った。
自身の怪我の経験もあってか指導方針は基礎を重視したトレーニングだが、クリス本人のシビアな性格もあってか、反りが合わず投手をあきらめる選手が多く、わざと選手を潰している、御幸にレギュラーを取られておかしくなったとの黒い噂まで立っていた。沢村もこの例外ではなく、当初は互いの本質を全く知らずに激しく反発しあっていた。しかし、沢村がクリスの怪我の事実と経緯を知った事がきっかけで徐々に互いに歩み寄り、現在では良好な師弟関係を築いている。試合に出ることに対しては、「ブランクの有る自分にチャンスが与えられるわけが無い」と、少々卑屈になっている面もあったが、沢村や監督、同学年の槙原達の後押しを受けて、黒士館との試合で再びマスクを被った。
ボソボソと小さな声で喋り、当初は目つきも暗かったが、何事にも前向きな沢村に触発されて目の輝きを取り戻す。努力家で妥協しない性格で、同学年からの信頼は今でも厚い。チームきっての野球知識を持ち、現在は記録員兼コーチ役を務めている。沢村の指導をしている描写が多い。いつも手にしているノートブックには選手の膨大な情報が詰まっている。高校卒業後に選手として復帰する為に怪我の完治を目指している。
宮内 啓介(みやうち けいすけ)
捕手。右投げ右打ち。3年。背番号12。O型。埼玉県出身。一軍の二番手キャッチャー。がっちりとした体格で、筋トレが趣味。鼻息が荒い。150km/hの球も受け止められる捕球技術を持ち、後ろに後逸することもない。降谷のストレートを簡単に捕球して見せた。
3年で後が無いため、御幸に対抗心を抱いている。丹波とは練習で組むことが多く、フォークの習得にも協力していた。リード面や勝負強さで御幸に劣っており、また本人もそれを自覚しているため、ボールだけは絶対に後逸しないように心に決めている。投手の緊張をほぐすために股間を揉む事がよくあるが、嫌がられている。沢村からは「マッスル先輩」と呼ばれている。好きなものはカブトムシ。
坂井 一郎(さかい いちろう)
左翼手。右投げ右打ち。3年。背番号7。A型。埼玉県出身。打順は8番。準決勝からは7番に座る。3年の春から好調をキープしレギュラーに選ばれた。
長打もある中距離バッターで、同級生の門田とは同じポジションのライバル関係。入部当初青道のレベルの高さについていけず、一度だけ退部を考えた事がある。
真面目な性格の努力家で、毎日の素振りを欠かさず、グローブ、スパイクの手入れも毎日やっている。最後の夏に背番号を貰った日は一睡もできなかった(夢だと覚めてしまうから)。愛読書は大空のサムライ
青道一の苦労人キャラ。マウンドを降りた降谷と交代させられることが多く、また、打撃面でも凡退したり三振する描写が多い。そのためか決勝の稲城実業戦ではスタメン落ちになってしまったが、守備固めとして9回から出場している。
門田 将明(かどた まさあき)
右翼手。右投げ右打ち。3年。背番号13。A型。東京都出身。丸刈りで目つきが悪い。明川戦では代打を出された坂井に変わり守備についている事や前述より本来のポジションは左翼手と考えられる。一塁ランナーコーチを務めている。バッティングの不調で、同級生の坂井にレギュラーポジションを譲ったが、守備力があり、肩も強い。薬師戦では降谷に代わり守備固めとして左翼の守備についた。決勝の稲城実業戦では坂井に代わりスタメンで出場したが、途中交代した。
楠木 文哉(くすのき ふみや)
遊撃手。右投げ右打ち。3年。背番号14。O型。東京都出身。温厚な性格で、野球部以外にも友達が多い。よく声が通るので、三塁ランナーコーチを務めている。
槙原(まきはら)
3年。二軍。右投げ。丸刈りに太い眉毛が特徴。クリスの実力・過去を良く知っており、黒士館高校との試合で、出場に迷いを感じる彼の後押しをした。夏には斎藤、桑田と共に一軍のサポートをしている。
斎藤(さいとう)
3年。二軍。右投げ。角刈り。夏には槙原、桑田と共に一軍のサポートをしている。
桑田(くわた)
3年。二軍。左投げ。金髪でキツネ目。春市、前園と同室。青道ではベンチ入りできなかったが、最後まで同級生と共に部活を全うしたいと思っている。夏には槙原、斎藤と共に一軍のサポートをしている。

青道スタッフ

片岡 鉄心(かたおか てっしん)
青道高校野球部監督。元投手。右投げ右打ち。サングラスがトレードマークのヤクザと見紛う強面だが、まだ30代。母校に恩返しをするためにプロ入りを蹴って指導者としての道を歩む。遠投では100mを超え、一人で3年生相手に日が暮れるまでノックをしたり、バッティングピッチャーとして140キロ前後の球を200球近く投げるなど、身体能力は衰えていない。
表面上は非常に厳格で冷酷だが、実力と気迫が備わっている者はきちんと認める。最後のチャンスで一軍に上がれなかった3年に対しても感謝と気遣いの言葉をかけるなど、優しい面も持ち合せている。また試合の際、観客からの呼びかけは選手よりも多いことがあり、観客からの人気はある。選手と話をする際、枝で地面をいじくる癖がある。近年甲子園出場から遠ざかっているせいで、監督解雇の声が上から上がっている。準決勝の朝、増子が誤ってバリカンで髪を剃ってしまった際、「何のアピールだ?」ときつい一言を言ってしまった。沢村からは「グラサン」「将軍」「ボス」と呼ばれている。
夏の大会後、6年間結果がでていない責任を感じ、秋の大会や3年生の進路相談をもって辞任する意を示している
太田(おおた)
青道高校野球部部長。揉み上げが特徴の小太りの男性。かなりの小心者で、目先の事にしか目が行かないため、試合では常に落ち着きがない。良くも悪くも常識人で、野球の事となるととかく熱くなる高島や片岡に呆れる事も。
高島 礼(たかしま れい)
青道高校野球部副部長で、学校理事長の娘。26歳。沢村に才能を見出しスカウトに訪れた美女。ふくよかな胸囲と眼鏡が外見的特徴。野球のことに関しては監督同様熱く真摯に取り組む。中学1年当時の御幸を3年生と思い込み、本気でスカウトするなど天然なところもある。
落合 博光(おちあい ひろみつ)
青道高校野球部のコーチ。片岡監督が辞任の意思を表明したことから、監督の後任としてコーチに就任。以前は、神奈川県にあり甲子園常連の強豪校という東海大相良のコーチを務めていた。イップスになった沢村を早くから見切ることを提案するなど、選手に対する扱いが厳しい面が見られる。人見知りで、普段話すことは少ない。
吉川 春乃(よしかわ はるの)
マネージャー。1年。沢村と同じクラス。不器用なためかマネージャーの仕事に慣れず、やめることも考えたが、沢村の「周囲の人から笑われながらもやる気を失わない」姿に励まされ翻意する。エースを目指す沢村を応援している。美人というより可愛いタイプの女性。沢村と親しげに話す幼馴染の若菜が気になるなど沢村を意識しているような描写がある。
藤原 貴子(ふじわら たかこ)
マネージャー。3年。春乃の先輩、吊り目で腰まで伸ばした綺麗な長髪がトレードマークの美人マネ(対戦相手の選手達から「めっちゃ可愛いやん」と羨ましがられるほど)。仕事をこなせない春乃をよく叱っているが、監督にチームの一員としてユニフォームを渡された際、感極まって涙ぐむ一面も。
梅本 幸子(うめもと さちこ)
マネージャー。2年。春乃の先輩マネ。黒髪を二つ結びにしている。
夏川 唯(なつかわ ゆい)
マネージャー。2年。春乃の先輩マネ。ベリーショートで前髪が長め。

市大三高

前回センバツベスト8の西東京の強豪。前年の秋の大会で青道を破ったが、春の大会では逆に青道に敗れる。打線の怖さは青道とほぼ互角。夏の大会は準々決勝で青道と当たると思われていたが、第三回戦で薬師高校との乱打戦の末に敗退した。モデルは日本大学第三高等学校

田原 利彦(たはら としひこ)
市大三高監督。「真中ボーイ」「青道ハイスクール」など、なぜかカタカナ交じりで話す。御幸、丹波をスカウトしていた。
真中 要(まなか かなめ)
市大三高3年。投手。右投げ。背番号1。高速スライダーがウイニングショットのエース。丹波とは家が近く幼馴染で、同じ中学だった。春の大会ではセンバツの疲れもあってか、御幸に満塁ホームランを打たれるなど青道打線に滅多打ちに会ったが、夏の大会までには調子を取り戻していた。しかし薬師との試合、初回で轟のツーランでリズムを崩し、ライトに退く。7回に再びマウンドに上がるが、今度は轟のピッチャーライナーが肩に直撃。執念で轟はアウトに打ち取るものの、そのまま負傷退場となる。この一幕で勢いを失ったチームは試合に敗れ、ベンチで最後の夏を終えた。その後、自らのチームを破った薬師高校と青道高校の試合を見届けた。丹波を下の名前で呼ぶ。
大前 隆広(おおまえ たかひろ)
市大三高3年。キャプテンで4番サード。薬師戦でスリーランを打つなど能力は高い。真中と共に薬師高校と青道高校の試合を見届ける。

稲城実業

毎年青道、市大三高と甲子園を争う、西東京の強豪校。去年の甲子園出場校。2年生レギュラーのほとんどが強豪シニア出身で成宮に勧誘されて入学した。モデルは早稲田実業学校

国友 広重(くにとも ひろしげ)
稲城実業監督。常に仏頂面で目つきが鋭く、妙な迫力がある。栃木の馬原高校をわずか5年で甲子園ベスト8にまで導いた。その実績を買われ、10年前に満を持して母校である稲城実業の監督に就任。春夏通算14回の甲子園出場実績を誇る。チームを甲子園に連れて行くために雇われた職業監督。常に首を鳴らしている。
成宮 鳴(なるみや めい)
稲城実業2年。投手。左投げ左打ち。背番号1、打順は5番。
1年時に2番手で登板し、青道を零封し頭角を現した関東No.1サウスポーと呼ばれるエースピッチャー。MAX148キロの速球と、スライダーフォークチェンジアップを駆使した左右・緩急自在な投球スタイルが特徴。決め球のチェンジアップは球数が増えると甘めに浮いてしまうという弱点があるため、ここぞというとき以外には投げることはない。打撃面でも強力稲実打線で5番を任され、対青道戦の試合9回裏、川上からサヨナラタイムリーを決め、チームに貢献した。
愛称は「鳴(くん)」として全国区で人気を集めており、性格はまさに天上天下唯我独尊といわんばかりの自信家。本人いわく、「打席で驚く人の顔を見るのが1番好き」で、年下の沢村や小湊春市らが対峙してきた場面では自分が舐められていると感じたり、高飛車な言動を発しては原田にたしなめられることや、監督の意見を無視して交代させられるなど自由奔放な子供の部分があるが、自分のピッチングには甲子園出場、全国制覇を公言するほどに絶対の自信を持っている。沢村からは「稲実のシロアタマ」と呼ばれている。対桜沢戦では相手打線を完全シャットアウトにより相手守備にまでプレッシャーを与え、対青道戦では、最も危険な結城にだけは全力で勝負を仕掛け、他の打線にはセーブした状態で抑え込むペース配分のテクニックなど、2年にして『エース』の完成度は全国区の高みに至っている。
中学時代には、自分の世代で最強のチームを完成させるべく同世代シニアのメンバーを結集させるべく奔走したが、御幸だけは決裂に終わる。しかし、それすらも見込んで彼の実力を認めていた節があり、互いに「鳴」「一也」と名前で呼び合っている。
1年前の夏の甲子園3回戦で結果的には決勝点となる暴投をしてしまったこと、またそれ以上にチームから信頼を勝ち取れていなかった自分の未熟さを悔やむあまりに自分を追い込んでしまいフォームを崩した時期があったが、リベンジを誓った甲子園への執念は、沢村に言いようのないプレッシャーとして圧し掛かることとなった。
2年夏の甲子園で、西邦の怪物 佐野を3K斬りに仕留めるなど素晴らしい活躍を見せた。また決勝ではサヨナラ打を浴び敗れたものの、延長戦を一人で投げ抜き、エースとしての存在感を見せた。
原田 雅功(はらだ まさとし)
稲城実業3年。捕手。右投げ右打ち。背番号2、打順は4番。チームの主将。ゴツイ顔をした大柄の選手。広角に打ち分ける技術があり、長打力はもちろん右打ちもできる稲実の不動の4番。ヒッティングマーチは「アフリカンシンフォニー」。不用意な言動の多い成宮の静止役。口調はぶっきらぼうだが、考え方は慎重で、青道を冷静に評価している。本人曰く御幸の事が嫌いらしい。男三人兄弟の長男。毎週録画するほど時代劇を見るのが好きで、好きな戦国武将は真田幸村。愛称は「雅(さん)」。
神谷 カルロス 俊樹(かみや カルロス としき)
稲城実業2年。中堅手。右投げ右打ち。背番号8、打順は1番。成宮に勧誘されたメンバーの一人。父親はブラジル人だが、日本生まれの日本育ち。トリッキーな打撃と走塁で相手を乱すリードオフマン。白河曰く走塁のトップスピードは倉持と同じくらいらしい。俊足を活かした外野守備は関東ナンバー1との呼び名も高く、青道戦では結城・増子の長打を見事に外野フライとして掴み捕っている。気が利く優しい人物だが、寮ですぐ裸になるため結局気を使わせてしまう


白河 勝之(しらかわ かつゆき)
稲城実業2年。遊撃手。右投げ右打ち。背番号6、打順は2番。成宮に勧誘されたメンバーの一人。パワーはないがバント、エンドラン、カットなどなんでもできる典型的な2番打者。練習を試合の延長だと考えており、練習にも一切手をぬかない。クリスと同じシニア出身。毒舌家な一面がある。成宮が御幸を稲実に誘った際、御幸に対し「捕手なんて誰でもいい」と発するなど、中学時代から御幸の事を良く思っていない。
山岡 陸(やまおか りく)
稲城実業2年。一塁手。右投げ右打ち。背番号3、打順は6番。新チームでは4番を務めている。成宮に勧誘されたメンバーの一人。長打が魅力で決勝では替わったばかりの丹波からホームランを打つ。
吉沢 秀明(よしざわ ひであき)
稲城実業3年。三塁手。打順は3番。シャープな打撃でチャンスメークができる選手。名前のモデルは滝沢秀明
平井 翼(ひらい つばさ)
稲城実業3年。二塁手。右投げ左打ち。打順は7番。巧打者。名前のモデルは今井翼
矢部 浩二(やべ こうじ)
稲城実業2年。背番号15。成宮に勧誘されたメンバーの一人。レギュラーを取り損ねたため補欠であるが青道戦では右打者の代打の切り札として9回裏に起用される。インコース打ちが得意らしいが沢村にインコースを攻められ凡退する。山岡と同じシニア出身。7回裏2死1,2塁のチャンスで成宮にタイ・カッブ型バットを勧めるなど確かな野球眼を持つ一面もある。
井口 雄大(いぐち ゆうだい)
稲城実業3年。控え投手。ほかのチームなら即エースになれる実力がある。口グセは「シュッ」。
最後の甲子園で、度々エース成宮をリリーフしている。
多田野 樹(ただの いつき)
稲城実業1年。控え捕手。ベンチ入りし、応援・ピッチング練習に携わる。新チームでは正捕手となり、成宮にいびられながらもがんばっている。
8番左翼手。右投げ右打ち。スキンヘッド。
富士川
9番右翼手。左打ち。アフロのような髪型。9回裏に矢部と交代した。

黒士館高校

東東京の古豪であるが、近年は青道の二軍が相手でも勝てないほどの戦力になっている。名前の由来は国士舘高等学校と思われる。

財前 直行(ざいぜん なおゆき)
黒士館高校3年。右打ち。金髪。かつてシニアでクリスと鎬を削った投手。当時の彼には結城、伊佐敷も手も足も出なかったらしい。
高校でも1年で既にエースで4番に抜擢されていたが、夏の大会直前、試合中のアクシデントにより左ヒザ靭帯断裂の大怪我をしてしまい、現在も完治していない。青道の二軍との試合で、リハビリ明けのクリスを狙った作戦でバッテリーを苦しめるが、粘った末に沢村に三振に打ち取られる。乱暴な口調で一見すると性格が悪そうだが、本当はチームメイト思いで信頼も厚い。最後の夏は地方大会序盤で敗れる(詳細は明らかになっていないがクリスが読んでいた新聞に結果のみ載っていた)。

大阪桐生高校

大阪を代表する強豪。前年の夏の甲子園準優勝校。部員平均の背筋力が180kgを超え、全国一とも言われるパワー野球が持ち味。守備も堅実でチームの結束力の強さも長所の一つ。青道と練習試合を組む。名前の由来は大阪桐蔭高等学校と思われる。

松本 隆広(まつもと たかひろ)
大阪桐生高校監督。恰幅のいい福耳の男性。常にえびす顔だが、食えない性格をしている。練習の厳しい鬼監督。選手のモチベーションの保ち方、相手の弱点を的確に付く采配など、監督としての力量は確か。
館 広美(たち ひろみ)
大阪桐生高校3年。投手。右投げ右打ち。エースで四番、桐生の中心選手。球質の重いボールが武器。変化球はスライダー。
試合を最大限楽しむタイプ。かなり人相が悪く、調子が良い時には満面の笑顔になるのだが、とても怖い。実はシャイな性格。
柴田 恭平(しばた きょうへい)
大阪桐生高校3年。キャプテン。補欠だが、陽気な性格でチームを励ます。眉毛が濃い。

米門西高校

西東京の公立校。粘り強く守り抜き、ワンチャンスをモノにするタイプのチーム。青道の初戦の相手。

千葉 順一(ちば じゅんいち)
米門西校監督。口髭とメッシュの入った髪が特徴の豪快な男性。
菊永 正明(きくなが まさあき)
米門西校2年。投手、外野手。左投げ。背番号1。球速は最大で120km後半、コントロールはあまり良くない。持ち球はカーブとスライダー。3人兄弟の次男で、趣味はビリヤード。青道との試合は二番手で登板。
南平 守(みなみだいら まもる)
米門西校3年。投手。右投げ。背番号10。アンダースロー。打順は7番。公式戦にはほとんど出ず、2年間のほとんどをフォームの習得に費やしていた。スピードは無いが、その分タイミングが取りづらいボールを投げる。青道との試合に先発。

都立村田東高校

西東京。青道の三回戦の相手。哲にサヨナラコールド2ランホームランを打たれ敗退

石橋 貴志(いしばし たかし)
都立村田東高校監督。

明川学園

西東京(練馬区)。青道の四回戦の相手。もともと進学校のためあまり野球には力を入れておらず、かつては一回戦負けが当たり前だったが、留学生・楊の野球に対する熱意により代変わりつつある新鋭校。左打者がスタメンの9人中7人と多い。

尾形 一成(おがた かずなり)
明川学園監督。「てゆっか」が口癖。誰にでも丁寧な口調で話す。楊からは「日本の父」と慕われている。
楊 舜臣(よう しゅんしん / ヤン シュンチェン)
明川学園2年。投手。右投げ右打ち。背番号1。打順は5番。台湾からの語学留学生。その卓越した制球力から「精密機械」と呼ばれる。球速は130km前半。変化球はあまり投げないがカーブとフォークが持ち球。メガネが特徴。チームメイトや監督からは、「舜」又は「舜臣」と呼ばれている。
クールで無愛想だが、野球に対する熱意は強く、特に日本で野球が出来ることに対する感謝は並ならぬものがある。部活の仲間や監督から厚い信頼を得ているが、本人も同様に感謝の気持ちを持っている。黙々と練習をこなす努力家で、練習ポリシーはひたすら実践。明川学園エースにして同高の打撃投手はすべて彼が務め、毎日200球以上投げ込んでいる。彼の練習熱心な姿や打撃投手としての役割が副産的効果となり、打撃陣のレベルアップにもつながった。
NPBで活躍する台湾人にあこがれて野球を始めたが、その台湾人を確実に弱点を突く精密な投球でキリキリ舞いさせた日本の野球に憧れ、それがそのまま投球スタイルになる。そのためか力で投げるタイプの降谷をあまり評価していない。ちなみにユーミンが好きで、試合前にリラックスするために聞いているようだ。台湾の学校の入学式が日本より半年早い為、高校野球連盟の参加資格の規則により、3年の夏の大会に出ることは出来ない。その為、2年にして最後の夏となっている(選考されればであるが、選抜の出場は可能)。
白鳥(しらとり)
右翼手。左打ち。背番号9。キャプテン。打順は4番。
二宮(にのみや)
中堅手。左投げ左打ち。背番号8。通称「ニノ」。打順は1番。
橋本(はしもと)
三塁手。右投げ左打ち。背番号5。打順は2番。
対馬(つしま)
二塁手。左打ち。背番号4。打順は6番。
大西(おおにし)
遊撃手。左打ち。背番号6。打順は3番。
国見(くにみ)
一塁手。右投げ左打ち。背番号3。打順は7番。
関口(せきぐち)
捕手。右投げ右打ち。背番号2。打順は8番。
高田(たかだ)
左翼手。右投げ左打ち。背番号7。打順は9番。

薬師高校

西東京の新鋭校。三回戦で市大三高を乱打戦の末に破り、波乱を巻き起こした。チーム全員が相当バットを振り込んでおり、爆発力のある打線で大量点を奪う超攻撃型野球が持ち味。

ちなみに薬師高校は本誌に掲載された読み切りの「橋の下のバットマン」にて登場しており、上記の点をはじめ設定は多少違うものの雷市が主人公で、雷蔵、真田も登場していた。

轟 雷蔵(とどろき らいぞう)
薬師高校監督。雷市の父親。40歳まで社会人野球の現役選手だったが引退後会社を辞め無職に。その間、河原で子供達に野球を教えていた。昨年から監督に就任し、この年には長年打撃指導してきた1年生3人を加え、チームをベスト8まで押し上げた。無職の期間中に借金を抱えて妻には逃げられ、現在でも食事に肉を用意する事すらままならない極貧状態にある。性格的には豪快の一語に尽き、「自分を甲子園に連れて行け」という型破りな就任挨拶をしでかしている。反面、「練習は厳しく真面目にするが試合は選手たちが楽しむもの、グラウンドの中では選手たちが自分で考えるべき」という野球観を持ち、また見た目に反して下戸。敗退後は秋季大会に向けて強豪クラスの高校に片っ端から練習試合を申し込んで叩き潰している模様。
轟 雷市(とどろき らいち)
三塁手。右投げ左打ち。雷蔵の息子。1年。背番号20。打順は4番。対青道戦では1番。市大三校戦では選抜ベスト8に導いたエース真中から一打席目でホームランを打ち、さらに次の真中との対戦では、スライダーを見せられた後のストレートをピッチャーライナーにするほどのスイングスピードを見せる(結果は、真中の必死のプレーでアウト)。青道戦では本人の要望により1番に座り、降谷との対戦では高めの重い球を外野に弾き飛ばした(結果は二塁打)。沢村との対戦でも高めの釣り球を詰まりながらも流し打ちでホームランにした。しかし、最後の打席では投手との勝負を楽しむことを忘れ、チームの為にバットを振ることを意識してしまい、丹波のフォークによって三振した。小中と野球をやってこなかったために守備には粗さが目立ち、「チームに期待をかけられる」という状態に容易にプレッシャーを感じるなど、現状選手としては打撃の技術面のみが突出し、未完成の部分が多い。金のなる木とかかれたバットを持っている(鉛のような重さらしい)、バナナが好物。
真田 俊平(さなだ しゅんぺい)
投手。右投げ右打ち。2年。背番号18。
薬師高校の実質的なエースで、インコース主体の強気のピッチングが持ち味。そのせいか、デッドボールも多い。右打者の胸元をえぐるシュートと左打者のインコースに食い込むカットボールを武器とし、直球も御幸の推定では140km以上。市大戦では8回から登板し2イニングを無失点に抑え、チームのサヨナラ勝ちを導いた。左足に大きな負担のかかるフォームであり、ふくらはぎの故障の影響もあって長いイニングは投げられない。それでも一度マウンドに上がれば全力投球でチームを鼓舞するため、監督やチームメイトからの信頼は厚い。「ムービング使い」というタイプこそ同じだが能力的にも精神的にも「沢村よりずっと完成された男」であり、沢村がカットボールを覚えたがるきっかけを作った人物である。
三島 優太(みしま ゆうた)
一塁手。右投げ右打ち。1年。背番号17。打順は3番。青道戦でも3番を任されている。
薬師高校1年生クリーンナップの一人。長打力がある。幼少期、秋葉と同じ少年野球チームに所属していた。轟親子に「ミッシーマ」と呼ばれているが、本人は気に入っていない(その上チームメイトの中でも定着し始めているのが悩み)。雷蔵が目をつけた選手の一人で彼いわく「雷市の友達第1号」だが、雷市と出会って「自分には実力がある」という認識を打ち砕かれて以来、雷市をライバル視している(反面、仲間意識も持っている)など、実際の内面は少々複雑。余談だが小さい頃、彼の親が雷蔵を通報しかけたことがある。夏の大会後にピッチャーに転向し、フォークなどを投げて三振を奪った。青道との練習試合で先発した。
秋葉 一真(あきば かずま)
左翼手。右投げ左打ち。1年。背番号19。打順は5番。青道戦では2番を任されている。
薬師高校1年生クリーンナップの一人。市大三高戦ではソロホームランやサヨナラヒットを打つなど活躍した。幼少期、三島と同じ少年野球チームに所属していた。雷蔵が目をつけた選手の一人。雷市から「アッキー」と呼ばれている。夏の大会後にキャッチャーに転向した。
山内 豊
右翼手。右投げ右打ち。3年。背番号9。主将。打順は2番。青道戦では4番に座る。
福田 大輝
二塁手。右投げ左打ち。3年。背番号4。打順は1番。青道戦では5番に座る。通称「福さん」。
三野 勇人
投手。右投げ右打ち。3年。打順は6番。真田の代わりの先発投手だが大前や増子などにホームランを打たれるなど活躍は出来ていない。
渡辺 達也
捕手。右投げ右打ち。背番号2。打順は7番。通称「ナベ」。
小林 圭佑
遊撃手。右投げ右打ち。背番号6。打順は8番。
大田 功
中堅手。右投げ右打ち。背番号8。打順は9番。

仙泉学園

東京都八王子。西東京ベスト4。ベスト8常連校で青道、市大に並ぶ名門校として最近名を上げてきているが、他校からお呼びがかからなかった選手が多い。

鵜飼 一良(うがい かずよし)
仙泉学園高校監督。全国各地の高校を渡り歩き、監督業を始めて40年になる。地味ながらも堅実なチーム作りには実績がある名将。ボヤくのが特徴。青道戦では選手達に自信を教えて上げられなかったことが敗北につながったと感じ、まだまだだなと実感している。
真木 洋介(まき ようすけ)
投手。身長195cm。二年。一年の頃からエースナンバーを背負い、長身から繰り出される威力があるボールが決め球。カーブは日本一の高さから放たれると言われている。中学時代は青道高校に強い憧れを持っていたが声がかかることは無かった為(実際は青道の野球に飛び込む勇気がなかったからだったとのこと)、仙泉学園に入学した。青道高校と戦うことに強いこだわりを持っている。打順は下位であるが、パワーがあるので、長打力があるらしい。青道戦ではチャンスに打席が回ってくるものの、沢村のクロスファイヤーによって見逃し三振に倒れる。青道戦の終盤では、青道にこだわりすぎてチームの為の投球が出来ず、それが負けにつながってしまったことを涙ながらに後悔した。
日野(ひの)
投手。真木の控え投手。
八木(やぎ)
捕手。メガネをかけている。

桜沢高校

マンガ内に出てくる校舎や都立屈指の進学校などから、モデルは甲子園出場経験もある都立国立高校と思われる。

西東京ベスト4。稲実と対戦した。都内有数の進学校で20年連続の初戦敗退だったが、長緒達の努力でシード校を破るまでに成長した。

菊川 早苗(きくかわ さなえ)
桜沢高校監督。生徒達からは教授と呼ばれている。長緒達の入学以前は顧問の立場でしかなかったが、彼らの入学でチームを強くすることへの意識が芽生え、野球を勉強して自ら監督として指導するようになった。しかしノックは未だに下手らしい。
長緒 アキラ(ながお アキラ)
投手。右投げ右打ち。背番号1。3年。ナックルボーラーであり、桜沢高校のエース。
日所と稲本と同学年で、彼らとの中学時代は同じチームの補欠だったらしい。甲子園出場を目標に掲げており、それが桜沢を弱小校から準決勝に駒を進めるまでに成長させた。高校生活の全てをナックルボールの習得に捧げ、稲実の打線ですら彼のナックルを完全に捉えることはできないほど。投げる球がそれしかないため、常に禅のマインドで精度の高い投球を心掛けている。
稲実戦では3回までは無失点の好投を見せたが、成宮のピッチングの重圧から4回、守備が立て続けにエラー。さらには投球のリズムに影響が及びナックルを失投、原田にスリーランを打たれ、その後も猛打を浴びて5回コールド負けを喫した。
日所好己(ひどころ よしみ)
捕手。
稲本正明
背番号6。

帝東高校

名前のモデルは帝京高等学校と思われる。東東京代表として夏の甲子園に出場し、ベスト16という成績をおさめた。秋季大会本戦の1回戦で青道高校と対戦した。

向井 太陽(むかい たいよう)

投手。1年。左投げ左打ち。背番号1。打順は9番。1年生ながら甲子園で出場しており、サイドスローから放たれる9分割以上の制球力とスクリューが武器。自身の絶妙な制球力に酔うところが見られ、青道戦ではそれが敗因となってしまった。

乾 憲剛 (いぬい けんご)

捕手。2年。右投げ右打ち。背番号2。主将。打順は4番。強肩強打で、御幸をもってして『かなりのキャッチング技術』と評される。選手を評価する際に『雷が打たれた』と形容する場面が見られる。(後輩の向井曰く『雷さん よく落ちますね!』)

鵜久森高校

夏の高校野球東東京大会でベスト16入りした実力校。エースで4番の梅宮がチームを率いる。秋季大会では、今年の甲子園準優勝校の稲城実業に2-1で逆転勝利を果たし、注目のダークホースとなった。チーム全員が積極的なプレーを持ち味としている。

梅宮 聖一(うめみや せいいち)

投手。2年。右投げ右打ち。背番号1。打順は4番。通常『梅ちゃん』。ヤンキー風の外見していて、性格は非常に熱い。口癖は「怒羅亜~」。鵜久森の中心選手で投打に優れている。球速80km/hのスローカーブとその球速差からタイミングを狂わせる高速カーブを武器に稲実打線を1点に抑え、打撃面では4番に座り、七回の裏、一.三塁の場面で成宮の直球を右中間を破る逆転タイムリー打にし、鵜久森を逆転勝利へと導いた。

その他

沢村 栄徳(さわむら えいとく)
栄純の祖父。70歳。栄純にスカウトが来た時、栄純の友人宅へ自慢しに行くなど、性格的には若干お調子者。教育方針はビンタ。沢村の周りを気にせず叫ぶクセは祖父譲りのようである。
若菜(わかな)
沢村の幼馴染。中学時代は同じ野球部に選手として所属し、クラスも一緒だった模様。寮生活の沢村とは携帯電話のメールで時折連絡を取り合っている(が、最近は勝手に倉持が返信しているらしい)。準決勝、決勝は東京まで応援に来ている。
東 清国(あずま きよくに)
沢村の3学年上で、沢村が中学3年だった当時プロ入りが決まっていた強打者。右打ち。高校通算本塁打42という怪物。相手が誰であろうと常にフルスイングするのが信条。関西弁で話す。かなり腹が出ており、本人も気にしている。青道高校に見学に来ていた沢村と喧嘩になり、対決することに。少々天狗になっていたこともあり、沢村と御幸の急造バッテリー相手に三振で敗れる。卒業後はドラフト3位でプロ入りした。県予選決勝戦前シーズン中にも拘らず後輩に差し入れを持ってくるなど後輩思いな一面もある。プロ野球の2軍で10kgのダイエットをさせられており、片岡からも一言「痩せろ」といわれた。自分の気に入った選手にだけしか怒鳴らないとのことで、川上にもっと自信を持って投げるようにとアドバイスした。現在の3年生が入部してきた当初はクリスを除き、全員をボロカス扱いしていた。
J・アニマル・M
クリスの父親。かつてはプロ野球界で活躍した野手で、現在はお茶の間の人気者。たまに芸人扱いされる。クリスのトレーナーとしてリハビリの指導をしており、クリスは彼を尊敬している。真夏に選手を酷使する高校野球のシステムに疑問を持ち、当初はクリスが部活に出ることに反対していたが、黒士館高校との試合で、一つのプレーにも全力で挑むクリスの姿を見て彼の高校野球に懸ける情熱を知り、彼を応援するようになった。
峰 富士夫(みね ふじお)
月刊『野球王国』記者。1年時の御幸の記事を書いたことがある。沢村の投げ方に注目している。
大和田 秋子(おおわだ あきこ)
月刊『野球王国』記者。長身の女性。メガネフェチで御幸がお気に入りらしい。

エピソード

脚注

関連項目