マイケル・カダイアー

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マイケル・カダイアー
Michael Cuddyer
ミネソタ・ツインズでの現役時代
(2007年3月17日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 バージニア州ノーフォーク
生年月日 (1979-03-27) 1979年3月27日(45歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
220 lb =約99.8 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手一塁手
プロ入り 1997年 MLBドラフト1巡目(全体9位)でミネソタ・ツインズから指名
初出場 2001年9月23日 クリーブランド・インディアンス
最終出場 2015年10月3日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

マイケル・ブレント・カダイアーMichael Brent Cuddyer, 1979年3月27日 - )は、アメリカ合衆国バージニア州ノーフォーク出身の元プロ野球選手外野手)。右投右打。

経歴[編集]

プロ入りとツインズ時代[編集]

1997年MLBドラフトミネソタ・ツインズから1巡目(全体9位)指名を受け、8月19日に契約。

1998年は傘下のA級フォートウェイン・ウィザーズ英語版でプレー。遊撃手として122試合に出場したが、61失策と問題を残した。

1999年はA級フォートマイヤーズ・ミラクルでプレー。この年から三塁手にコンバートされた[1]。130試合に出場し、打率.298・16本塁打・82打点・14盗塁だった。

2000年はAA級ニューブリテン・ロックキャッツで138試合に出場し、打率.263・6本塁打・61打点・5盗塁だった。

2001年にはAA級ニューブリテンで開幕を迎え、9月18日にツインズとメジャー契約を結んだ。9月23日クリーブランド・インディアンス戦でメジャーデビュー。8番・指名打者で先発起用され、2打数1安打1四球1三振だった。この年は8試合に出場し、打率.222だった。

2002年の開幕前にはルーキー・オブ・ザ・イヤーの筆頭候補としても名が挙がった。しかし、まだ守備に不安があり、打撃では変化球に弱点があったため結果を残す事ができず、正三塁手のコーリー・コスキーや正一塁手のダグ・ミントケイビッチからポジションを奪うには至らなかった。この年は41試合に出場し、打率.259・4本塁打・13打点・2盗塁だった。

2003年は開幕ロースター入りし、開幕後は右翼手として先発起用された。24試合に出場したが、打率.233と落ち込み、5月9日にAAA級ロチェスター・レッドウイングスへ降格した。8月31日に再昇格。この年は35試合に出場し、打率.245・4本塁打・8打点・1盗塁だった。

2004年は正二塁手のルイス・リバス英語版が5月に故障で離脱したため出場機会が増え、この年は115試合に出場した。打率.263・12本塁打・45打点・5盗塁だった。

2005年3月4日にツインズと1年契約に合意。前年オフにコスキーが移籍したため、開幕後は三塁に定着。126試合に出場し、打率.263・12本塁打・42打点・3盗塁だった。

2006年1月21日にツインズと130万ドルの1年契約に合意[2]。それまで右翼を守っていたジャック・ジョーンズシカゴ・カブスへ移籍。カダイアーは、打撃に専念させる意味で外野へとコンバートされる。そして、チームの中軸でともに左打者のジョー・マウアージャスティン・モルノーとの兼ね合いで4番に入る事が多くなった。シーズンを通しては自身初の20本塁打と100打点を記録し、オフの11月には英語教師をしている女性と結婚した。

2007年2月15日にツインズと375万5000ドル+出来高50万ドルの1年契約に合意[3][4]。この年は144試合に出場し、打率.276・16本塁打・81打点・5盗塁だった。

2008年1月25日にツインズと総額2400万ドルの3年契約(2011年・1050万ドルの球団オプション付き)に合意[5][6]6月29日に左手人差し指の怪我で15日間の故障者リスト入りし、9月13日に復帰。長期離脱の影響で71試合の出場にとどまり、打率.249・3本塁打・36打点・5盗塁だった。

2009年は153試合に出場し、打率.276・32本塁打・94打点・6盗塁だった。オフの11月7日にツインズが2011年シーズン・1050万ドルの球団オプションを行使した[7]

2010年は右翼手として開幕を迎えたが、7月にジャスティン・モルノーが故障で離脱したため、一塁でも起用された。この年は157試合に出場し、打率.271・14本塁打・81打点・7盗塁だった。

2011年は怪我人続出のツインズで唯一出場し続けた。また、この年キャリア11年目にして初めてオールスターにも出場した。この年のオールスターゲームはツインズからはこのカダイアーただ1人だった。7月25日テキサス・レンジャーズ戦では大差でリードされた終盤に、ツインズの野手としては21年ぶりとなる公式戦登板を果たした。この年は139試合に出場し、打率.284・20本塁打・70打点・11盗塁だった。オフの10月30日FAとなった。

ロッキーズ時代[編集]

2011年12月20日コロラド・ロッキーズと総額3150万ドルの3年契約を結んだ[8][9]

2012年は、ロッキーズ打線の中軸を担う戦力として期待されたが、8月19日にこのシーズン2度目の故障者リスト入りしてしまい[10]、101試合の出場に留まった。故障者リスト入りするまでの成績は、打率.260・16本塁打・58打点・8盗塁というもので、二塁打30本に関しては既に前年を上回っていた。この年は、主に右翼を守った。

2013年は、期待に応えられなかった前年とは打って変わり、ヒットを量産。自身2度目となるオールスターのメンバーに選出された。最終的には130試合に出場し、2年ぶりの規定打席到達を果たしたばかりか、打率.331を記録して自身初の打撃タイトルとなる首位打者に輝いた。また、打撃面での活躍が評価され、シルバースラッガー賞にも選出された。守備面では、右翼で守備防御点-16と散々だったが、拙守と前年の不振を補って余りある活躍ぶりだった。

2014年は、またしても戦線離脱を繰り返してしまい、2003年以来の少なさとなる49試合の出場に留まった。しかし、打率.332・OPS.955という成績は、いずれも首位打者に輝いた2013年を上回る数字であり、前年の打棒がまぐれでない事を証明。パワー面での10本塁打を含む計26本の長打を放ち、2試合未満で1本というハイペースで長打を生産した。オフの10月30日にFAとなった。その後ロッキーズは1年1530万ドルのクオリファイング・オファーを提示した[11]が、承諾しなかった。

メッツ時代[編集]

2014年11月10日ニューヨーク・メッツと総額2100万ドルの2年契約を結んだ[12][13]。メッツでは117試合に出場したが、ヨエニス・セスペデスの加入やマイケル・コンフォルトの台頭もあり、ポジションはやや流動的な部分もあった。打撃面では打率.259・10本塁打・41打点・2盗塁という成績を記録、7年連続で二桁本塁打をクリアしたものの、過去2シーズンと比すると低調だった。守備で最も多く守ったのは左翼手(69試合)で、3失策守備率.971・DRS - 3という内容だった。他には一塁手(18試合)と右翼手(6試合)も守っており、いずれでも無失策だった。

シーズン終了後、2年契約が1年残った状況ながら、故障を繰り返した事で自身の体に限界が訪れたとして、現役引退を表明した[14]

現役引退後[編集]

2021年6月にU18 アメリカ合衆国代表英語版のアシスタントコーチに就任した[15]

プレースタイル・人物[編集]

メインポジションは右翼手で、三塁手一塁手二塁手左翼手中堅手投手のプレー経験がある。

ポール・モリターに似たコンパクトな速いスイングで、パワーもあり選球眼も悪くないが、ストライクゾーンを外れた外角の変化球には弱い。足は遅くはないが、走塁技術には難点がある。三塁手としては難のある捕球を強肩でカバーしていたが、外野手としては最短距離でボールに向かい、送球も正確で補殺も多い[1][16][17]

手品が得意で、ツインズ時代はロッカールームなどでもチームメイト相手に手品を披露し、チームのムードメーカー的存在にもなっている。

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2001 MIN 8 20 18 1 4 2 0 0 6 1 1 0 0 0 2 0 0 6 1 .222 .300 .333 .633
2002 41 123 112 12 29 7 0 4 48 13 2 0 1 1 8 0 1 30 3 .259 .311 .429 .740
2003 35 114 102 14 25 1 3 4 44 8 1 1 0 0 12 0 0 19 6 .245 .325 .431 .756
2004 115 382 339 49 89 22 1 12 149 45 5 5 2 1 37 2 3 74 8 .263 .339 .440 .779
2005 126 470 422 55 111 25 3 12 178 42 3 4 1 3 41 5 3 93 19 .263 .330 .422 .752
2006 150 635 557 102 158 41 5 24 281 109 6 0 0 6 62 5 10 130 11 .284 .362 .504 .867
2007 144 623 547 87 151 28 5 16 237 81 5 0 0 5 64 1 7 107 19 .276 .356 .433 .790
2008 71 279 249 30 62 13 4 3 92 36 5 1 0 0 25 4 5 40 7 .249 .330 .369 .699
2009 153 650 588 93 162 34 7 32 306 94 6 1 0 2 54 3 6 118 22 .276 .342 .520 .862
2010 157 675 609 93 165 37 5 14 254 81 7 3 0 4 58 7 4 93 26 .271 .336 .417 .753
2011 139 584 529 70 150 29 2 20 243 70 11 1 0 3 48 3 4 95 18 .284 .346 .459 .805
2012 COL 101 394 358 53 93 30 2 16 175 58 8 3 0 4 32 1 0 78 12 .260 .317 .489 .806
2013 130 540 489 74 162 31 3 20 259 84 10 3 0 3 46 5 2 100 13 .331 .389 .530 .919
2014 49 205 190 32 63 15 1 10 110 31 3 0 0 1 14 0 0 30 5 .332 .376 .579 .955
2015 NYM 117 408 379 44 98 18 1 10 148 41 2 0 0 1 24 0 4 88 13 .259 .309 .391 .699
MLB:15年 1536 6102 5488 809 1522 333 42 197 2530 794 75 22 4 34 527 36 49 1101 183 .277 .344 .461 .805
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2011 MIN 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 6 1.0 2 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0.00 3.00
MLB:1年 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 6 1.0 2 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0.00 3.00

タイトル[編集]

表彰[編集]

記録[編集]

背番号[編集]

  • 5(2001年 - 2011年)
  • 3(2012年 - 2014年)
  • 23(2015年)

脚注[編集]

  1. ^ a b Gatto, Tom; Reid, Shawn and Shaw, Jeff (英語). The Baseball Register & Fantasy Handbook 2006. Sporting News. pp. 138. ISBN 0-89204-801-8 
  2. ^ Kelly Thesier (2006年1月22日). “Twins avoid arbitration with Cuddyer”. MLB.com. 2014年12月14日閲覧。
  3. ^ Twins agree to terms with Michael Cuddyer on one-year contract”. MLB.com Twins Press Release (2007年2月15日). 2014年12月14日閲覧。
  4. ^ Kelly Thesier (2007年2月16日). “Cuddyer inks one-year deal with Twins”. MLB.com. 2014年12月14日閲覧。
  5. ^ Twins agree to terms with Justin Morneau on a six-year contract and Michael Cuddyer on a three-year contract with a club option for 2011”. MLB.com Twins Press Release (2008年1月25日). 2014年12月14日閲覧。
  6. ^ Kelly Thesier (2008年1月26日). “Morneau, Cuddyer ink multiyear deals”. MLB.com. 2014年12月14日閲覧。
  7. ^ Twins exercise 2011 option on Michael Cuddyer”. MLB.com Twins Press Release (2009年11月7日). 2014年12月14日閲覧。
  8. ^ Rockies agree to three-year contract with outfielder Michael Cuddyer”. MLB.com Rockies Press Release (2011年12月21日). 2014年12月14日閲覧。
  9. ^ Thomas Harding (2011年12月17日). “Cuddyer agrees to three-year deal with Rockies”. MLB.com. 2014年12月14日閲覧。
  10. ^ Michael Cuddyer placed on 15-day DL with right oblique strain” (2012年8月20日). 2014年10月24日閲覧。
  11. ^ Michael Cuddyer gets qualifying offer”. ESPN MLB (2014年11月3日). 2014年12月14日閲覧。
  12. ^ Mets sign outfielder Michael Cuddyer”. MLB.com Mets Press Release (2014年11月11日). 2014年12月14日閲覧。
  13. ^ Adam Rubin (2014年11月10日). “Michael Cuddyer signs with Mets”. ESPN MLB. 2014年12月14日閲覧。
  14. ^ メッツのカダイヤーが15年間の現役生活に幕”. 国際ニュース:AFPBB News (2015年12月13日). 2016年1月17日閲覧。
  15. ^ USA Baseball Names 2021 18U National Team Coaching Staff”. USA Baseball (2021年6月17日). 2022年1月8日閲覧。
  16. ^ MLB - Preview 2008: Minnesota Twins” (英語). FOX Sports. 2008年3月12日閲覧。
  17. ^ Michael Cuddyer - Minnesota Twins” (英語). Sportsnet.ca. 2008年3月12日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]