打点

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打点(だてん)

  1. 野球ソフトボールクリケットの記録・指標。本項で詳述。
  2. スポーツにおいて、手や足などで標的に当てる位置。サッカーテニスバレーボールなどの球技ではボールを打つ位置、ボクシングなどの格闘技では相手に打撃を与える位置、特に高さを示す。
  3. 指揮者が拍節の頭を示す動作。指揮 (音楽)を参照。
  4. 麻雀における和了の別称。

打点(だてん、:Run batted in / RBI)は、野球ソフトボールクリケットにおいて打者の成績を示す指標の一つ。以下では野球を基準にして述べる。

概要[編集]

打点の記録される場面は公認野球規則10.04に規定されている。具体的には、安打犠打犠飛、内野ゴロ、野手選択、押し出し四死球打撃妨害走塁妨害走者得点した場合である(公認野球規則10.04(a))。自身が本塁打を打ち得点した場合にも打点は記録される(同10.04(a)(1))。なお、1打席に記録される最多の打点は満塁本塁打による4打点である。

守備側の失策による得点の場合は、無死または一死で失策がなくても得点できたと判断された場合にのみ打点が与えられる(同10.04(a)(2))。守備側の失策が無くとも、打者に併殺打が記録されたときは走者が得点しても打点は記録されない(同10.04(b))。

  • 打撃記録としての併殺打は、打者がフォースダブルプレイまたはリバースフォースダブルプレイとなるようなゴロを打ち、併殺が完成した場合(または、打者がフォースダブルプレイとなるようなゴロを打ち、第1アウトが成立したあと、第2アウトとなる送球を野手が捕らえ損ねてその野手に失策が記録された場合)に記録される。
  • 打者に併殺打が記録されない併殺の場合は、打者に打点が記録される。

1997年までの公認野球規則では、打者が三振したが振り逃げを試みることができる局面において、打者がアウトにされる間に走者が得点した場合には打者に打点を記録することとしていた(同10.04(a)(2)【注】)が、1998年以降はこの条文は削除されている。ただし、1997年以前においても、打者をアウトにすることができず振り逃げが成功した場合はこの得点は暴投ないし捕逸によるものなので、打点は記録されなかった。

打点に関する個人記録[編集]

日本プロ野球[編集]

最多打点[編集]

通算記録[編集]

順位 選手名 打点 順位 選手名 打点
1 王貞治 2170 11 衣笠祥雄 1448
2 野村克也 1988 12 土井正博 1400
3 門田博光 1678 13 中村紀洋 1338
4 張本勲 1676 14 川上哲治 1319
5 落合博満 1564 15 秋山幸二 1312
6 清原和博 1530 16 小久保裕紀 1304
7 長嶋茂雄 1522 17 山内一弘 1286
8 金本知憲 1521 18 アレックス・ラミレス 1272
9 大杉勝男 1507 19 タフィ・ローズ 1269
10 山本浩二 1475 20 加藤英司 1268
  • 記録は2013年シーズン終了時点[1]

シーズン記録[編集]

順位 選手名 所属球団 打点 記録年 備考
1 小鶴誠 松竹ロビンス 161 1950年 セ・リーグ記録
2 ロバート・ローズ 横浜ベイスターズ 153 1999年
3 今岡誠 阪神タイガース 147 2005年
4 藤村富美男 大阪タイガース 146 1950年
落合博満 ロッテオリオンズ 1985年 パ・リーグ記録
6 タイロン・ウッズ 中日ドラゴンズ 144 2006年
7 藤村富美男 大阪タイガース 142 1949年
8 トニ・ブランコ 横浜DeNAベイスターズ 136 2013年
9 西沢道夫 中日ドラゴンズ 135 1950年
野村克也 南海ホークス 1963年
  • 記録は2013年シーズン終了時点[2]

1試合記録[編集]

選手名 所属球団 打点 記録日 対戦相手
飯島滋弥 大映スターズ 11 1951年10月5日 阪急ブレーブス

1イニング記録[編集]

選手名 所属球団 打点 記録日 対戦相手 イニング
飯島滋弥 大映スターズ 7 1951年10月5日 阪急ブレーブス 7回表
池山隆寛 ヤクルトスワローズ 1993年5月19日 広島東洋カープ 3回裏

連続試合記録[編集]

選手名 所属球団 試合数 開始日 終了日
ランディ・バース 阪神タイガース 13 1986年6月18日 1986年7月4日

メジャーリーグベースボール[編集]

最多打点[編集]

通算記録[編集]

順位 選手名 打点 順位 選手名 打点
1 ハンク・アーロン 2297 11 ウィリー・メイズ 1903
2 ベーブ・ルース 2220 12 メル・オット 1860
3 キャップ・アンソン 2075 13 カール・ヤストレムスキー 1844
4 バリー・ボンズ 1996 14 テッド・ウィリアムズ 1839
5 ルー・ゲーリッグ 1992 15 ケン・グリフィー・ジュニア 1836
6 アレックス・ロドリゲス 1969 16 ラファエル・パルメイロ 1835
7 スタン・ミュージアル 1951 17 デーブ・ウィンフィールド 1833
8 タイ・カッブ 1938 18 マニー・ラミレス 1831
9 ジミー・フォックス 1922 19 アル・シモンズ 1828
10 エディ・マレー 1917 20 フランク・ロビンソン 1812
  • 記録は2013年シーズン終了時点[3]

シーズン記録[編集]

順位 選手名 所属球団 打点 記録年 備考
1 ハック・ウィルソン シカゴ・カブス 191 1930年 ナ・リーグ記録
2 ルー・ゲーリッグ ニューヨーク・ヤンキース 184 1931年 ア・リーグ記録
3 ハンク・グリーンバーグ デトロイト・タイガース 183 1937年
4 ジミー・フォックス ボストン・レッドソックス 175 1938年
ルー・ゲーリッグ ニューヨーク・ヤンキース 1927年
6 ルー・ゲーリッグ ニューヨーク・ヤンキース 174 1930年
7 ベーブ・ルース ニューヨーク・ヤンキース 171 1921年
8 ハンク・グリーンバーグ デトロイト・タイガース 170 1935年
チャック・クライン フィラデルフィア・フィリーズ 1930年
10 ジミー・フォックス ボストン・レッドソックス 169 1932年
  • 記録は2013年シーズン終了時点[4]

1イニング記録[編集]

批判[編集]

打点はその選手がどれだけ得点を創出したかを表す端的な指標であるが、一方で選手個人の能力のみでなくチームメイトの能力に大きく影響される面がある。例えばの速い走者と遅い走者では、1本の安打でのホームインの成否に差が出る。加えて、当該選手が打席に入る度にどれだけの走者が毎回いるか、つまり前の打順を打つ選手たちの出塁率にも大きく左右される。仮に、真にチャンスに強い打者がいたとしても、その打者の打席で多くの走者が塁上にいなければ打点を多く稼ぐことはできない。逆もまた然りで、真にあまりチャンスに強いとは言えない打者でも、打席に立つたび多くの走者が塁上にいる環境であれば、打点を多く稼ぐこともできる。よって、過去の成績と比べて打率や本塁打、得点圏打率に大きな変化は無い選手でも、チーム事情から普段の打順が変更された場合は打点の数だけ大きく増減することがしばしば見られる。

このような理由から、近年アメリカで発達しているセイバーメトリクスに基づく分析では、選手個人の能力として打点を高く評価することはない。一方、アメリカの選手評価では、特に中軸打者に関して打率より打点が重視される傾向があり、シーズンMVP選出のための記者投票でも、候補者の打率、本塁打数より打点の多さに評価が集まったケースもある。そのためアメリカでは前述のセイバーメトリクスを唱えるものたちとの論争の種となることがある。

脚注[編集]

  1. ^ NPB 通算記録 - NPB公式サイト
  2. ^ NPB シーズン記録 - NPB公式サイト
  3. ^ MLB 通算記録 - Baseball-Reference.com
  4. ^ MLB シーズン記録 - Baseball-Reference.com

関連項目[編集]