問題児たちが異世界から来るそうですよ?

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問題児たちが異世界から来るそうですよ?
ジャンル コメディファンタジー
小説
著者 竜ノ湖太郎
イラスト 天之有
出版社 角川書店
レーベル 角川スニーカー文庫
刊行期間 2011年4月 -
巻数 既刊10巻
漫画
原作・原案など 竜ノ湖太郎、天之有
作画 七桃りお
出版社 角川書店
掲載誌 コンプエース
発表号 2012年9月号 - 2014年3月号
巻数 全4巻
漫画:問題児たちが異世界から来るそうですよ? 乙
原作・原案など 竜ノ湖太郎、天之有
作画 坂野杏梨
出版社 富士見書房
掲載誌 エイジプレミアム
発表号 2012年9月号 -
巻数 既刊3巻
アニメ
原作 竜ノ湖太郎
総監督 草川啓造
監督 山本靖貴
シリーズ構成 木村暢
キャラクターデザイン 井出直美
音楽 浜口史郎
アニメーション制作 ディオメディア
製作 プロジェクト「ノーネーム」
放送局 放送局参照
放送期間 2013年1月 - 3月
話数 全10話 + OVA
テンプレート - ノート
ウィキプロジェクト ライトノベル漫画アニメ
ポータル 文学漫画アニメ

問題児たちが異世界から来るそうですよ?』(もんだいじたちがいせかいからくるそうですよ?、Mondaiji-tachi ga Isekai kara Kuru Sou Desu yo?)は、竜ノ湖太郎による日本ライトノベルイラストは天之有が手掛けている。角川スニーカー文庫角川書店)より、2011年4月から刊行されている。略称は「問題児シリーズ」。

概要[編集]

『EQUATION ―イクヴェイジョン―』で第14回スニーカー大賞の奨励賞を受賞した作者の初刊行作品。箱庭の世界を舞台に、異世界からやってきた問題児達が様々な修羅神仏や悪魔達に立ち向かう物語である。神話童話、歴史上の出来事等、様々なモチーフが存在する。そのため、時に詰め込み過ぎな印象を受けるが、これは過去のスニーカー大賞の選評に「もっとアイデアを使い捨てる度量がほしい」とあったため、その時の手持ちのアイデア全てを詰め込めるだけ詰め込んで作ったためである[1]

2012年2月24日に、ザ・スニーカーWEBにて、コミカライズされることが発表された[2]。『コンプエース』と『エイジプレミアム』の2誌にて、それぞれ七桃りおと坂野杏梨により連載中[3]

2012年7月25日に、ザ・スニーカーWEBにて、アニメ化企画が進行中であることが発表され[3]2013年1月から3月にかけてテレビアニメが放送された。

ストーリー[編集]

自分たちの能力をもてあまし、現実世界に飽き飽きしていた逆廻十六夜久遠飛鳥春日部耀――3人の問題児たちのもとに1通の封筒が届く。手紙の文面に目を通したのと同時に、3人は見たこともない風景が広がる異世界――さまざまな種族や修羅神仏の集まる箱庭の世界へとやってきていた。そこで彼らは、呼び出した張本人の黒ウサギジン=ラッセル、彼らが所属するコミュニティ“ノーネーム”に出会う。

“ノーネーム”は3年前、ある魔王に挑まれた『ギフトゲーム』と呼ばれるゲームに敗北し、名も旗も多くの仲間たちも奪われ残るは子供たちだけ、という逆境の真っ只中にあった。そんな中にあって浮上のきっかけを掴めず絵空事を唱えるばかりのジンを見かねた十六夜は、今後の“ノーネーム”の柱として打倒魔王を掲げる。

手持ちの町も畑も滅び、蓄えも労働力も足りない。失われた仲間の奪還など、やらねばならないことはあまりにも多い。そんな状況を跳ね除けるべく、問題児たちはギフトゲームに参加していくことになる。問題児たちの絶大な力は、『破竹の快進撃』という言葉を形にするに足るものだったが、“魔王”という存在はやはり圧倒的なものであった。知恵も力も出し尽くさなければ勝てない戦いの中で、“ノーネーム”メンバーは己を磨いていくことになる。

様々な戦いや出会いを経て、かつての仲間を取り戻し、コミュニティの規模を拡大させ、“ノーネーム”としてはありえないほどの功績を残していくが、三年前の魔王襲撃事件を彷彿とさせる魔王連盟(後述)が動き始めた。“アンダーウッド”において、“ノーネーム”主力と互角の力を持つ彼らとの邂逅は、両者を避けることの出来ない壮絶な闘いへと導いていく。事態は“煌焔の都”において、前“ノーネーム”メンバーの行方の手がかりとなる彼らとの、全面戦争へと発展していく。(6巻現在)

登場人物[編集]

「声」はテレビアニメ版における担当声優

“ノーネーム”[編集]

問題児3人が所属するコミュニティ。東区画の箱庭第七桁2105380外門に本拠を構えている。かつては東区画最大手であり、人類で最も魔王を倒したコミュニティだった。3年前、未だ正体不明の魔王のギフトゲームに強制参加させられ、一夜にしてコミュニティとして活動するために必要なあらゆるもの(人材・コミュニティの名と旗印)を奪われた[注 1]。現在は、奪われたものを取り戻すために打倒魔王の目標を掲げ、力を蓄え、領地の復興に奮闘している。しかし、問題児たちの来訪までこの目標は具体性・実現可能性に大きく欠けた物でしかなく、十六夜たちによってようやく目標が現実味を帯び始める。

なお、本来“ノーネーム”とは、名と旗印を持たないその他大勢のことを指し、他のコミュニティからは取引相手として見られないなど信用面で大きなハンデを持つ。そんな中、リーダー“ジン=ラッセル”の名前“魔王退治”というコミュニティのスタンスを売り込むことでのし上がりを図ることとなる。

そうした努力が実り2105380外門の外門利権証などの様々な恩恵を受ける中、ついに箱庭第六桁への本拠移転を決断。第六桁への昇格・移転にはコミュニティの旗が必須であり、それを補うべく“六本傷”と“ウィル・オ・ウィスプ”、因縁の相手“ペルセウス”と連盟(および六桁昇格に必要な連盟旗)を作ることとなった。

コミュニティ内では和食派と洋食派が半々であり、それが原因で白雪姫とペストが周りを巻き込んで度々もめている。炊事担当はペストとリリだが、ペストが献立を担当する際には必ずと言っていいほどパン食で、リリは必ずお米を使った和膳を用意する。

奪われたコミュニティの名は“アルカディア”、旗印は日の昇る丘と少女。リンが所持しており、アジ=ダカーハの封印を解くのに使用された事によりアジ=ダカーハの悪の御旗となっていたが、倒すことに成功したため“ノーネーム”が取り返した。

現メンバー[編集]

逆廻 十六夜(さかまき いざよい)
声 - 浅沼晋太郎
本作の主人公。2000年代から箱庭の世界に招かれた問題児の1人。17歳。焔の造った“Crescent moon”シリーズの炎のマークがついたヘッドフォンがトレードマーク。ギフトネームは“正体不明(コード・アンノウン)”。金糸雀(後述)は彼の存在を“Last future of Embryo”と呼び、最強の“原典候補者”と評している。
水樹の苗を始めとして、物語当初から様々なギフトを手に入れているようだが、これらはほとんどコミュニティとしての共有資材として提供している。ギフトカードは水樹の苗の持ち運びや白雪姫の避難用に使った程度である。
幼い頃自分で調べたことによれば、何の変哲もない父親と母親、そして弟がいたが、赤子の時に金糸雀に誘拐され児童施設に匿名で預けられた。金糸雀たちの手違いで強大すぎる恩恵を得てしまった彼は世界の軋轢に苛まれ、己の怪物性に疑問と孤独を抱える人生を強いられた。福祉施設を24ヶ所、養父母を31世帯にわたり巡り、里親とも施設とも折り合いがつかずに無軌道に生きていた[注 2]が、最終的に“カナリアファミリーホーム”に招かれ金糸雀との世界旅行と共同生活によって救われたという経緯を持つ。その過程で「強大な力を自覚し、なおかつ抑えながら周囲と折り合いをつける」術と精神、共に生きていく仲間、さらに広範囲にわたる知識を身につけた。しかし、そのような安定した在り様にたどり着きながら、その内には自分の力を出し切れないことに対するネガティブな思いもくすぶっていた。箱庭の世界には「圧倒的な才能を持つ自分とつり合う娯楽を求めて」やってきたとはいうものの、到底一言では語れない開放の喜びと仲間との別れに際しての覚悟がそこにはあった。なお、黒ウサギとの会話から両世界の金糸雀が同一人物ではと推測する描写が見られる。
“正体不明”は、第三宇宙速度以上で物体を飛ばす、拳で魔宮化した宮殿を破壊する、相手ギフトの石化や死の呪いといった特殊な効力を受け付けない体質、普通の人間なら即死の攻撃に耐えられる強靭な肉体、星を砕く力を持つ[注 3]光の柱を放つ[注 4]、など単一でも強大な力を複数発揮できる[注 5]が、十六夜は未だ十全に“正体不明”を使いこなせておらず、前述の力でさえ本来の力の一端でしかないことが明かされている。
戦闘能力は(特に近接戦闘において)精鋭揃いの“ノーネーム”の中でも飛び抜けており、戦闘においては常に最前線に身を置いて仲間を守ろうとする[注 6]。また、“カナリアファミリーホーム”における暮らしから年下の面倒見はよく、また子供のような弱い存在に対して強大な力を振るわれることを嫌う。
知性の面でも“ノーネーム”内トップクラスでジンの参謀格に位置し、その知識を以て箱庭の秘密やギフトゲームのクリア条件にいち早くたどり着くことが多い。リスク計算も早いが、ある程度のリスクを背負うことはギフトゲームを楽しむためにもいとわないようである。
本来は箱庭に来るどころか金糸雀と接点を持つはずさえなく、彼自身ももう少し未来に生まれるはずだったが、旧“ノーネーム”の人類史に対する干渉で彼の出産時期が大きく前後し、金糸雀たちが新たな神群を作り“原典候補者”を擁立しようとしたところに、その干渉の中で逆廻十六夜という可能性を堀り当てたために人類の“原典候補者”になった。本人は偶然と言っているが、クロアは逆廻十六夜という人間だけが、何らかの形で必ず世界を救う可能性があり、それは恩恵の有無ではなく、彼の持つ絶大な力がなくとも魂がそのような形をしていたからこそ金糸雀に選ばれたと言っている。[注 7]
黒ウサギ(くろうさぎ)
声 - 野水伊織
本作のメインヒロイン。箱庭の創始者・帝釈天の眷属である“箱庭の貴族”と呼ばれる“月の兎”の末裔。約200歳[注 8]だが、これは一人前になるまで200年の月日を要した、ということであり、一人前になる数年前までは外見も10歳の少女だった。一族的にかなりの若輩者であり、箱庭に伝えられるあまりにも古い話は知識として持っていない。よく動く自慢のウサ耳は箱庭の中枢と繋がっており、ギフトゲーム審判時であれば全範囲、プレイヤー参加時であれば1kmの範囲まで情報を収集できる。力を使う時や感情が高ぶると髪の色が青色から緋色に変わる。
特殊な権限や武具、ギフトの所持を許された“月の兎”の御子として育てられ、アジ=ダカーハに故郷である“月影の都”が襲われた際に幼い黒ウサギを助けたのが金糸雀である。自分を助け、養子として迎えてくれた金糸雀に強い憧れを抱いている。所持するギフトは“疑似神格・金剛杵(ヴァジュラ・レプリカ)”[注 9]、“月界神殿(チャンドラ・マハール)”、“疑似神格・梵釈槍(プラフマーストラ・レプリカ)”、“疑似叙事詩・日天鎧(マハーバーラタ・カルナ)”[注 10]
箱庭の世界に3人を呼び寄せた人物。“月の兎”の伝承により他者に尽くすのが本分で、何かと問題児やコミュニティの世話をしている。魔王に襲われ運営していくのもやっとの“ノーネーム”を支え続けてきた。白夜叉との契約で“サウザンドアイズ”の専属審判となっている。戦闘においても高い能力を持っているが、“審判権限”の制約によりギフトゲームに参加することはほとんどない。
殿下の攻撃を防ぐために“必勝の槍”と“黄金の鎧”を同時に使用したために“月の兎”の神気を失うペナルティが与えられた。その後、アジ=ダカーハの分身体である双頭龍に襲われた際に身を呈して飛鳥を守ったことで、それが“月の兎”の伝承を体現していたために帝釈天の擬似神格を授かって転生し、双頭龍とマクスウェルの召喚した天使を撃破した。その代償として煉獄に落ちるはずだったが、飛鳥の必死の懇願によりそれを免れ、失った“月の兎”の神力も取り戻した。
  • ギフトカードの色は白黒。
叙事詩マハーバーラタの紙片
護法十二天の武具。“叙事詩・ラーマーヤナ”と並ぶ二大インド叙事詩として10万の詩節からなる数々の伝承・神話を束ねた大長編叙事詩であり、インドラに縁のある武具を召喚できる。
インドラの槍
“叙事詩・マハーバーラタの紙片”より召喚される、帝釈天の神格・加護が宿りし天雷を纏う槍。太陽の鎧と引き換えに勝利の運命<ギフト>を宿しており、雷鳴と共に現れ稲妻が迸る。その強大さ故にギフトゲーム中に一度しか使用できない。
疑似神格・金剛杵(ヴァジュラ・レプリカ)
帝釈天より授かりし第三の恩恵。轟く雷鳴、青い稲妻を纏う三叉の金剛杵。神仏の代表的な武装の一つに数えられるが、これは軍神・帝釈天による恩恵で天雷を招来させ、使い勝手も良く高出力を発揮し、攻防速のどれをとっても優秀なギフト。
軍神槍・金剛杵(ヴァジュラ)
“疑似神格・金剛杵”を逆手に構え発動する疑似神格解放で、青い稲妻は炎を帯びた紅い稲妻となる。本体が燃え尽きる代わりに一度限りの神格を解放する、“疑似神格・金剛杵”が秘めた真の姿。
月界神殿(チャンドラ・マハール)
護法十二天の武具。“月の兎”が招かれた月の大神殿。15に分割された月の主権を一つ所持した“月の兎”が召喚できる舞台型のギフト。軍神インドラではなく、月神チャンドラの神格を持つ。強制移転故に敵対者が人間であればこのギフト一つで完封することができる。
一帯見渡す限りの灰色の荒野で、石碑のような白い彫像が数多に散乱している月の神殿。月といっても結界内は地上と同じ環境だが、彫像の結界を出れば月面の過酷な環境があらゆる生物を死滅させる。その結界の有無は召喚者が決めることができる。
疑似神格・梵釈槍(プラフマーストラ・レプリカ)
護法十二天神の長・帝釈天と護法十二天のご意見番であるインド神話群の最高神プラフマーによって造られた一撃必勝の神槍。黒ウサギの持つこれはレプリカであり本来持つ性能には及ばないが、貫いた相手を倒すために必要なエネルギー量を無限に放出する恩恵を持つ。
本来この神槍は「殺す」ではなく「勝利する」という運命そのものの恩恵を宿している。相手が何者にも破られぬ楯を以てしても、世界そのものを改竄し、あらゆる概念を凌駕する恩恵を引き出す力を持つ。これは宇宙真理<ブラフマン>の語源を持つ最高神だからこその恩恵と言える。しかし、この恩恵は“穿った者を必ず倒す”運命を宿しているが、刺さらない相手には十全の力を発揮できない弱点がある。
疑似叙事詩・日天鎧(マハーバーラタ・カルナ
護法十二天の武具。“叙事詩・マハーバーラタの紙片”より召喚される、眩い太陽の輝きを放つ太陽神スーリヤーの黄金の鎧。これは不死の鎧であり、着装した黒ウサギを殺すことは何者にもできない。
久遠 飛鳥(くどう あすか)
声 - ブリドカットセーラ恵美
戦後まもなくの時代から箱庭の世界に招かれた問題児の1人。15歳。箱庭に来てからは赤いドレスを普段着にしている。ギフトネームは“威光(いこう)”。
所持するギフトは“白銀の十字剣”、“ディーン”、“アルマテイアの城塞”、“ハーメルンの風切り笛”、発火・冷却の宝珠など。
元いた世界では財閥の令嬢であり、将来の幸福はほぼ約束されていた。彼女にとって生活の場は実家の屋敷と女子寮の二つであり、同じ時代の日本人の生活観までは分からない。10歳まで学び舎に通い、厳格な場所ではあったが友人もいて教員からもそれなりに信頼されていた。親族とも拗れていたわけでもなく、当主筆頭候補として成績上位者だった。しかし、自身のギフトによりあらゆることが思い通りになる人間関係や、代わり映えしない日々の生活に嫌気が差し、箱庭の世界に行くことを決意した。
神霊によって10世代近くに渡り子孫を繋いできた家系に産まれ、一種の先祖返りだろうと推測されており、今の器は仮の物であると考えられているが本当の所は分かっていない。敗戦直後の時代の救国の士を願う信仰を受けることにより、生まれながらにして半神霊と呼べる霊格を手にした。飛鳥のギフトがほかの二人に比べて「与える側」に特化しているのはこのため。
プライドは高いが、決して傲慢というわけではなく、相手の意見を受け入れる柔軟さも持ち合わせている。
飛鳥の“威光”は、高い素養と自身の強い意志が力となり、無意識に様々な動植物や現象に力を与える、“ゴーゴンの威光”や“バロールの威光”を含めたカテゴリーそのものを意味する恩恵である。霊格が劣る者を従わせる、霊格を相手に上乗せする、霊格でギフトの力を底上げするなど相手の霊格に直接作用する力がある。ただ火花を起こす程度の発火ギフトでも、彼女の“威光”は「燃える」という概念を強制して対象を焼き尽くす、いわゆる神仏の御業にまで極大化できる力がある。その性質上、自分よりも霊格が高い相手には作用しない、使用に特殊な条件や資格が必要なものにも作用できない[注 11]、対象に触れなければ概念を与えることはできない、などの弱点がある。支配する力が育っている自身のギフトを嫌っており、現在は「種(相手の心身)を支配するギフト」ではなく「ギフトを支配するギフト」の方向へ能力を育てている。
この恩恵の極大化は与える側の力、権能に限りなく近い力であり、限定的に神格級の力を解放することができるが、あくまで出力を上昇させるだけのものであり、神珍鉄のように神代の技術で造られた武具、霊格の塊である龍角、またはそれに匹敵するものでなければ数回の使用で壊れてしまう。また、水樹のような水を増減させるギフトや神珍鉄のような質量変化の類いのギフトでは効力は長続きしない。
十六夜や耀とは違い彼女の身体は普通の人間であり、護身用の武具に“威光”の力を付加することで補っている[注 12][注 13]
戦闘においては主に“ディーン”を使役して戦うが、“ウィル・オ・ウィスプ”の技術力で造られ手に入れた“アルマテイアの城塞”や“ハーメルンの風切り笛”、発火・冷却の宝珠を用いるようになる[注 14]
  • ギフトカードの色はワインレッド。
ディーン
神珍鉄製、伸縮自在の自動人形(オートマター)。“ラッテンフェンガー”の群体精霊が星海龍王より授かりし鉱石で鍛え組み上げた、死の病にも倒れない永遠駆動の魔人。レティシアのギフトゲームの際に“アンダーウッド”を巨龍から守るためならばと捧げられたサラの龍角と融合し、炎を発するようになった。
本来の神珍鉄はどれだけ肥大しても本来の重量が変わることはないが、飛鳥の“威光”は最大で10倍の重量にまで増大させる。これは神珍鉄の霊格が核となる部分の重量に比例することに起因するが、“威光”は局地的かつ瞬間的な霊格の極大化であり、神珍鉄のような質量変化による肥大化とは相性が悪く、“ディーン”の強度は弱くなる。
レティシアのギフトゲーム中に損傷し、その後ジャックとルイオスの手で修繕され、これまでは全身の駆動を神珍鉄の持つ伸縮自在の恩恵で為されていたところを、伽藍洞の身体の中に歯車を与え、ピストンを加え、伸縮自在の神珍鉄が持って備えた恩恵を全て活用した造りに変え、以前以上の突進力と小回りの利く機動力を手に入れた。
アルマテイア
飛鳥に与えられたギフトの一つ“アルマテイアの城塞”。神群の中でも指折りの問題児集団と名高いギリシャ神群の中で数少ない人格を持つ山羊の神獣。混世魔王曰く、今のギリシャ神話があるのはこの山羊座の星獣でありギリシャ神群の長である彼女の功績が大きく、人材育成に関して超一流。天空神ゼウスの養い親であり豊穣の女神にして最強と楯と呼ばれている。
雄々しく伸びた二本角に力強い四肢と蹄を持ち、白銀の毛皮からは稲妻が迸る。人型にもなれ、その姿は人並み以上に大きな乳房と胸元が開いた縦縞のトップセーターを着込んだ丁寧に編まれて肩から胸の谷間へ垂れたセミロングの亜麻色の髪の、レティシアとは違い大人の女性として完成された魅力を感じさせる女性となる。
ウィラ、ジャック、ルイオスの手で、山羊の毛皮と金剛鉄(アダマンティウム)を組み合わせることで擬似的なイージスの楯として造り出された。飛鳥が擬似神格を込めた四つの宝珠を与えることで本来の神格を取り戻し、体毛から激しい稲妻を放ち、鋼の身体は熱により融解し、水銀のように流体へと変わり、防護する鋼の球体は無傷微弱な雷光を放つ。ギリシャ神群の主神を幼少より育てた豊穣の女神である彼女の角は、肥沃な土地に数多の実りを結び、毛皮は金剛鉄を覆い、あらゆる攻撃を防ぐギリシャ神群最強の楯である“イージスの楯”となる。
彼女はイージスシステムなどに名を貸すことで霊格をより高めている。楯を起動させるために天空の神格による恩恵が必要不可欠となる。雲の如く、雹の如く、雷の如く主人を守り敵を討つ。つまりイージスの楯とは天空神であるゼウスが操る天候の象徴である。
飛鳥とは互いに「マスター」、「アルマ」と呼び合ってはいるが完全に従属しておらず、内心では見下している。飛鳥とは何らかの契約を交わしている。
ハーメルンの風切り笛
妙なる音色を奏でることで人心を操るギフトだった神隠しの悪魔・ラッテンの魔笛を、ジャックの手で風を切る音で使い手の意思を伝えるギフトとして造り出された。他者が使用すればただの情報伝播ギフトでしかないが、神託により神格を宿すことができる飛鳥が使用すれば、広範囲に及ぶ土地の神格化による領地形成“神殿構築(シュライン・クラフト)”、敵の行動拘束、恩恵と同士の強化など、その全てが笛を振るという一度の行動で可能となる。短時間で“神殿構築”を完成させるその才覚はアルマテイアも絶賛している。
春日部 耀(かすかべ よう)
声 - 中島愛
2000年代より少し後の時代から箱庭の世界に招かれた問題児の1人。14歳。ギフトネームは“生命の目録(ゲノム・ツリー)”[注 15]、“ノーフォーマー”[注 16]
過去に耀自身が持つ“生命の目録”に似た形式のギフトは確認されているようだが、父・孝明が使っていた物や、グライアが胸に刻んでいるものとは趣を異にする物のようである。耀の持つ“生命の目録”は、孝明とガロロが語り合った夢物語を実現させたもので、どんな理不尽なゲーム、全局面でも所持者には勝ちの目が残る、そんな願望を込めて造られた。ガロロ曰く「あらゆる異能と策略に対抗するために造られた最強の兵装、対魔王・全局面的戦闘兵装(ジェネラル・ウェポン)」である。「進化」と「合成」の段階があり、無限とも言える系統樹の組み合わせから、幻獣・神獣を模してロジックを構築していく。
生態兵器を製造するギフトで、使用者は例外なく合成獣(キメラ)となり、他種族との戦闘中に一回殴る殴られる程度の接触でサンプリングを開始し、その生命の系統樹を解明し持ち主を進化させる。合成獣になるリスクが怖く、鷲獅子やマルコシアスなどの幻獣しか使用していなかったが、アジ=ダカーハとの戦いで窮地に陥っていた十六夜を助けたいとの思いから、大鵬金翅鳥に変幻するが、“生命の目録”の限界を超過した恩恵を顕現させたために機能停止してしまったが、アジ=ダカーハを倒すために耀の力は必須であり、クロアの依頼で父・孝明の霊格を注ぎ込んで直した。
また、戦闘能力やその伸び幅も高く、今ではアジ=ダカーハの分身体を圧倒するほど。
自分と同じ日に生まれた三毛猫(声 - 西明日香/陶山章央(おっさん版))を飼っている。三毛猫は“アンダーウッド”が襲撃された時に大怪我を負い、寿命の事もあって“アンダーウッド”を余生を過ごす場所として、そこに残った。
修羅神仏が数多に集うこの箱庭で、あらゆる種族の友達を増やすべくやってきた。そのため、箱庭の生物には高い興味を示しており、幻獣などと触れ合う機会のあるギフトゲームには率先して参加している。
性格は温厚で怒ることは滅多に無いが、“ノーネーム”やグリー(後述)が侮辱されたときは激怒している。また、見た目に似合わず大食漢で、食欲には忠実。一人でコミュニティ“六本傷”の食料庫を壊滅させた。
父は彫刻家で、母は生物学者である。科学技術が発展し、人間が万能となった時代の医学でも不治の病と宣告され、長い病院生活を送っていた。その間、父・孝明の箱庭の話を楽しみにすると同時に、その話に出てくる外の世界へのあこがれを募らせていった。11歳になったとき、父に木彫り細工をもらい、2年後のこの日から共に旅をする約束をする。この木彫り細工は白夜叉によると非常に価値の高い名品である。この日からギフトが現れ、歩いたり、生きているものとしゃべれるようになった。さらに数多の生物たちと友達になり、友達となった生物の能力を使用することができるようになった。こうして父と旅をするためにギフトを利用して友達を増やし、自身を強くしていったが、父が迎えに来ると告げた2年後の満月の夜(実際は十六夜の月だった)に、約束は守られなかった。
  • ギフトカードの色はパールエメラルド。
光翼馬(ペガサス
光翼馬の燦爛とした光を放つ白い翼を模倣したブーツで空中戦闘を加速させる。戦闘では主にこの光翼馬の恩恵と鷲獅子の恩恵を利用して行う。ウィラから渡されたペガサスの羽から恩恵を得たことで変幻させずに使用することができるようになった。
手に握られた“生命の目録”のペンダントは先端に大蛇の顎を持ち、翠色の翼を装飾した杖へと変幻する。レティシアのギフトゲームにて使用し、黒龍へと変幻したグライアの灼熱の熱線を大蛇が牙を向いて受け止め、片翼を消し飛ばすほどの力を見せた。
麒麟
人徳高き360種の獣王・麒麟の一本角をモチーフに、ペンダントは身長の倍はあろうかという巨大な矛へと編み上げられ、稲妻を携えた麒麟の龍角の矛となる。“ヒッポカンプの騎手”にて“二翼”のグリフィスとの戦闘に使用し、鷲龍と化したグリフィスの鱗の鎧ごと叩き割るほどの破壊力を発揮した。
火鼠
火蜥蜴と鼠の恩恵を融合させて編んだ、ウィラの煉獄の劫火をも防ぐ“火鼠”の革でできた半被。“煌焔の都”で開催された“造物主達の決闘”にて使用したが、見学していた殿下からは頓智も何も利いておらず、己の力がどのようなものかを教えているようなもので、系統樹を操っていることを悟られないためにはこの安易な創作は避けるべきだと評した。
マルコシアス
ソロモン72柱第30位のこの魔獣は鷲獅子の翼と蛇の尾を持ち、第三幻想種の中でも上位に入る魔狼で、龍種を除けば単独で敵う者は限られ、下位ではあるが魔王に上り詰めたほどの幻獣である。灼熱の吐息を吐く強靭な力を持った魔狼だが、この幻獣の真価は戦闘能力ではない。
“生命の目録”により形状を変えたペンダントは眩い光を放って彼女の両足を包み込み、足先に猛獣の鋭利な爪を携え、装甲に鷲獅子を彷彿とさせる羽が装飾される。マクスウェルはこの“マルコシアス”のもたらす恩恵を「未来視」と推測したが、正確には「眼前の状況に対して最も正しい未来を示す」、つまり謎に対して解答<ギフト>を用意するという変則的な恩恵である。「未来を視る」のではなく「望む未来を実行する」この恩恵は、術者が状況を把握していなくてもダイレクトに答えだけを用意してくれる。
大鵬金翅鳥(ヴィナマ・ガルダ
闇夜を照らす燦々とした太陽の輝きを放つ最強種の神鳥。その輝きこそ不浄を焼き払う黄金の恩恵であり対神・対龍の恩恵を持つ。インド神話群にて悪龍マーラを滅ぼし軍神にさえ打ち勝つと約束された半人半鳥の悪神殺しと呼ばれる。耀は未だに扱い切れず、放出する金翅の炎は敵だけでなく己の両手さえも焼きつけてしまう。
ペンダントは黄金の帯へと形状を変え全身絡みつく。ノースリーブの服は身を守る術衣となり頭上には羽根飾りのカチューシャが装着される。この最強種の武具を顕現できたのは、金翅鳥の種に明確な親となる神霊が存在していることに起因している。
原初龍・金星降誕(ケツァルコアトル
蛇と鶏をモチーフとして錫杖とその先端で牙を剥く龍の頭蓋へと変幻する。
終末を呼び込む炎を司るアジ=ダカーハの“覇者の光輪”に対抗するため、対となるこの原初の火の属性の恩恵を持つ幻獣として顕現させた。その力は“覇者の光輪”に劣るものの、殿下の疑似創星図“アヴァターラ”と合わせることで軌道を変えることに成功した。
ジン=ラッセル
声 - 五十嵐裕美
“ノーネーム”のリーダー。11歳。所持するギフトは“精霊使役者(ジーニアー)”(使役対象はペスト(後述))。
当初は絵空事を並べるばかりでリーダーとしての責務を果たし切れていなかったが、十六夜によって考えの甘さを思い知り、打倒魔王を掲げたコミュニティのリーダーとしての名を広めることで、コミュニティの再建を進めることになる。そして十六夜に引っ張られる形で“ノーネーム”書庫における学習と対魔王のギフトゲームでの経験を積み重ねることで、急速な進歩を遂げていく。
彼の一族は“ソロモンの霊王”が恩恵を分け与えるために用意した試練の一つ、“アラビアンナイト”の試練をクリアした血族で、その知識・洞察力・機転は“ノーネーム”トップクラスであり、かつて敵であったペストでさえ認めるほど、名実共にリーダーとしてふさわしい在り様を身に着けている。[注 17]
精霊使役者(ジーニアー)
霊体の種族を隷属させて使役する、魔王の使役・封印に特化した恩恵で、箱庭の四桁に鎮座する“ソロモンの霊王”が72の魔王を封印した功績で授かったと伝えられ、ジンの一族が“ソロモンの霊王”の用意した“アラビアンナイト”をクリアすることでこの恩恵を得た。現在は“ソロモンの霊王”のギフトゲームはすべてクリアされており、この能力を手に入れるには他の誰かが同じような功績を打ち立てる必要がある。
一度契約を結べばその支配力は絶大であり、己の霊格の大きさに問わず、相手が魔王であっても十全に支配できる。限定的な種族にしか作用しないことに加え、隷属関係を結ばない限り発動することはできないが、自然霊にも火霊を操り火(花)を、風霊を操り(そよ)風を、水霊を操り水(蒸気)を発生させるなど微力ながら効果はある。
レティシア=ドラクレア
声 - 巽悠衣子
“箱庭の騎士”と呼ばれる純血の吸血鬼。普段は金髪の美少女の姿だが、特注のリボンを外すと女性の姿へと変わる。ギフトネームは“純潔の吸血姫(ロード・オブ・ヴァンパイア)”。
所持するギフトは“龍の遺影”と戦闘用の槍を始めとする武具(レティシア曰く「どれも三流まがいのギフト」)。
魔王のゲームの際に連れ去られた仲間の一人だったが、“ノーネーム”がコミュニティ“ペルセウス”とのゲームに勝利したことで戻ってきた。現在は“ノーネーム”のメイドとして活動中。後にペストと白雪姫がメイドに加わったため、侍女頭に格上げされた。普段は温厚だが怒ると怖い。子供たちにも常に礼儀を重んじるよう諭すなど、時に厳しく、時に優しい性格の持ち主。
吸血鬼の純血と神格を持ち合わせていたことから「魔王ドラキュラ」と呼ばれていたが、“ノーネーム”にかけつけるべく神格を捨てたため、魔王と称していた時の力はかなり失われてしまった。それでも吸血鬼の純血と武具や“龍の遺影”により、魔王の配下の者と対等以上に戦っている。
作中において、箱庭世界の歴史や前“ノーネーム”のメンバーについて詳しく知っており、物語が進むにつれ、全ての事情を推測し、答えに最も近づいてしまっている数少ない一人。それによって苦悩する場面が多々見られる。
箱庭開闢時代、“箱庭の騎士”としての功績から、増設された13番目の太陽主権が彼女に譲り渡される予定だったが、それを手に入れようとした一部の部下によって、家族、友人、同士を皆殺しにされる。彼女をスカウトするために、彼女の元を訪れた“遊興屋”(後述)から、嘘をついて無駄死にするか、生きて箱庭の秩序を守り、同士殺しの魔王となるかを迫られる。魔王の烙印を受け入れた後、その部下たちに虐殺を行った「串刺しの魔王」にして吸血鬼の王であり、同族殺しとしてわずか12歳で“龍の騎士(ドラクル)”にまで昇り詰めた最強の吸血姫。この時使用した“主催者権限”は彼女が行ったギフトゲームとともに封印されていたが、魔王連盟によって封印を解かれ、今では切り札の一つとしてレティシアが所持している。現在の箱庭では彼女は同士殺しの魔王として口伝されているが、仲間を大切に思う気持ちは物語随所で伺える通りである。
  • ギフトカードの色は金と紅と黒のコントラスト。
龍の遺影
龍の顎のように数多の刃が擦れ合い無尽に切り裂く影。収縮、変幻、膨張、無数の槍など形を変化させることもできる。これは彼女が系統樹の守護者として“龍の騎士”に上り詰めた時に信仰していた龍の恩恵である。
リリ
声 - 三上枝織
狐耳と二尾が特徴的な少女で、“ノーネーム”年長組の筆頭としてコミュニティの家事、農園の世話などを行っている。祖先は豊穣の神である宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)より神格をもらった白狐であり、代々“ノーネーム”の農園を預かってきた家系の一人。九代目である母の代で神格を引き継ぎ現在に至る。
母親も“ノーネーム”に所属していたが、魔王のゲームに敗北した後に連れ去られ行方不明である。
白雪姫
トリトニスの大滝に住んでいた蛇の水神であり、人間の女性の姿をとれる。数百年前に白夜叉から神格を与えられた。また「水樹の苗」の持ち主でもある。
箱庭の世界にやって来たばかりの十六夜との戦いに力押しで敗れ、そのリベンジを企図してギフトゲームをセッティングするがまたしても十六夜の知恵と力の前に敗れ、隷属することになる。現在はレティシア・ペストと共に“ノーネーム”のメイドとして活動中。
和食派で米や豆といった和風料理が好み。そのため洋食派であり、麦栽培を推すペストとは馬が合わない[注 18]
不器用で、五時間かけてもキャベツの千切りが出来ない、ベーコンの薄切りを頼むと角切りが出てくる等、家事のセンスは壊滅的(本人は神格保有者に包丁を持たせる方が悪いと言っている)。
ペスト
声 - 斎藤千和
元“黒死斑の魔王”。黒死病で命を落とした8000万人の死者の悪霊群の代表。ギフトネームは“黒死斑の御子(ブラック・パーチャー)”。
ハーメルンの魔道書から切り離されて神霊ではなくなり、霊格が衰えたが、それでも白雪姫と同等の力を有している。
黒死病で命を落とした8000万人の人々を助けたいと願っている。
“ノーネーム”ではレティシアや白雪姫と同じメイドとして働いており、戦闘力に乏しいジンの警護役でもある。
人間として生きていた頃はヨーロッパ圏に住んでおり、パンを中心とした洋食を好む。生前は麦の栽培に携わっていた事もあり、“ノーネーム”が稲作を推進することに不満を抱き、和食派の白雪姫とは喧嘩が耐えない(リリのご飯をいつもおかわりしているため、米が嫌いというわけではないようだ)。また、かつて敵対していた事やジンに隷属しているためか、サンドラとも仲が良くない。
肉体年齢は12歳であるため、胸が年齢的には特別小さいわけではないが、白雪姫に胸の大きさを指摘されたときは動揺していた。
詳しい記述は後述のコミュニティ"グリムグリモワール・ハーメルン"ペストを参照。
グリー
声 - 石井康嗣
アンダーウッド出身の鷲獅子。ドラコ=グライフの子。10年前、兄グリフィスとの決闘に負け、故郷を追い出されたところを“サウザンドアイズ”に迎えられた。
耀とはギフトゲームで対戦した後に友達になる。
巨人族との戦いで騎手を討たれ、また十六夜を乗せて城へ乗り込んだ際に、再び魔王となったレティシアの影の攻撃で翼を失った。“ノーネーム”の“ヒッポカンプの騎手”優勝の恩恵として、グリーを客分として迎えたい、という申し出が白夜叉に認められ、グリー自身も“ノーネーム”に加わることを望んだことで“ノーネーム”の一員になった。
人化の術で変化した姿は長身の美丈夫であるが、元が獣であるため服を着る(自分の体を隠す)ことを嫌っているため、服装が致命的にピチピチである。

他にリリを含めて120人の10歳以下の子供がおり、中には獣のギフトを持つ者もいるが、ゲームに参加できるだけのギフトを持っている者はいない。

元メンバー[編集]

現在はほとんどのメンバーが魔王に奪われて消息不明であり、金糸雀のように異世界に飛ばされた者もいるため、探し出すのは困難である。

クロア=バロン
“燕尾服の魔王”や“十字架の男爵”と呼ばれる。神名とその伝承の通り「神々の世界(ギネー)」への道を預かる生と死と快楽の神霊。生者が死者の世界へと通過する十字架に立ち生命を通して全知を得るとされるが、彼は精霊からの成り上がりであり全知の領域には達していない。燕尾服と山高帽を常備している。
彼の本性は葉巻とラム酒を好む猥雑な愛の神霊であり生命の神霊。また猥雑な言動と異性に対する劣情を是とする愛と情欲の神でもある。様々なコミュニティから幼い少女を誘拐し、ハーレムを作ろうとした前科があるほどロリコンである。
神霊でも数少ない賢神である彼が魔王となったのは外界の奴隷解放運動に起因している。彼岸死者の日ハロウィンといった世界に数ある万霊節を象徴するその霊格は強大である。その神力は死を招くことと死者の蘇生であり、世間一般に広がっているゾンビの原点は彼にある。彼に可能なのは死者の復活ではなく死者に新しい命を与えることである。
南米ハイチヴードゥー教の死神(グリムリーパー)であり、最も有名な名称は“ゲーテ”。真っ黒な人影の姿に山高帽と燕尾服を着込み、全身が平面的で薄っぺらい姿をしている。神霊ゲーテは実体よりもその身形によって存在が確立されており、彼の本体は影の部分ではなく彼が着ている山高帽と燕尾服である。つまりゲーテとしての彼に確たる姿はなく、山高帽と燕尾服こそが彼の存在を象徴する礼服であり霊格を強く表す旗印である。逆に言えば、彼はその姿の他に明確な正体がなく、山高帽を被り燕尾服を着てさえいれば誰にでも憑依できる。
3年前に十六夜の住む外界に追放されてからは人間に憑依した状態でなければ霊格を保てないほど弱ってしまう。金糸雀と同じく霊格が摩耗し、数々の憑依した人間の人格に引っ張られ、結果口調や性格が箱庭にいた頃とはまるで違っている[注 19]。金糸雀が十六夜に送った遺書を預かる弁護士として、“カナリアファミリーホーム”を訪れる。
神霊の超身体能力に加え、現実世界に似た擬似世界を作り上げたり、物体を削り取る影を操ったり、生物を即死させる呪いを使えるなど、多彩かつ強力な力の持ち主である。
アジ=ダカーハとの戦いの最中に箱庭に戻り“ノーネーム”を援護した。また春日部孝明らしき人物と共に行動していた様子が伺えるが、その人物は何らかの事情があり姿を隠している模様。
かつて箱庭の西部と東南北部を二分した大戦争では、人間を信仰を生み出す家畜として扱う西部・ディストピアの魔王に不満を持ち、反旗を翻した[注 20]。その戦いの中で彼が金糸雀を誘拐したことによって旧“ノーネーム”が生まれた。元は金糸雀の師匠であり、同志でもあった。
境界門
対象を影絵で覆い尽くす平面的な闇として顕現する。限定的な空間跳躍しかできないウィラやマクスウェルとは違い、彼は門を開錠したまま維持することができるため、その空間内の任意の場所に対象を召喚できる。
200年前のアジ=ダカーハとの戦いでは、天を覆うほど霊格を膨張させ、星空の裂け目に現世と幽世を経由する門を作り当時の同盟コミュニティの四つの組織を召喚を行う大規模なものだった。
春日部 孝明(かすかべ こうめい)
耀の父親。彫刻家。白夜叉をして「神代の天才」と言わしめた。彼が作った彫刻は、“煌焔の都”の“星海の石碑”において殿堂入りを果たしている。
“生命の目録”を造り、自身で使用していた後に耀に与えた。
旧“ノーネーム”のリーダー。階層支配者たちよりも強かったと言われている。
ドラコ=グライフと素手で殴りあったことがある。
ガロロによると仲間のために力を発揮できる素晴らしい男であり、10年前に“アンダーウッド”を魔王襲来から救った。
3年前、マクスウェルの魔王との交戦経験もあり、手も足も出させず圧倒した。
蛟劉と知り合いであったようで、蛟劉の“眼”は彼と金糸雀に贈られた物。
“Crescent moon No.16”という(孝明の時代から見て)ビンテージ物のヘッドフォンを持っており、現在は耀が所持している[注 21]
旧“ノーネーム”崩壊以降、消息を絶っており、生死が危ぶまれたが、生存が確認された。“生命の目録”の使用による副作用によって現在、耀との再会は叶わないでいる。

ウィル・オ・ウィスプ[編集]

北区画の箱庭678900外門に本拠を構える。六桁の中でも最上位の一角で、戦闘能力こそあるものの武闘派ではなく、様々なガラス細工やキャンドルスタンドを製作したりと物造りが主体のコミュニティである。旗印は蒼き炎。下層でも屈指のその錬成技術で造られるその工芸品は、北側においてブランドを確立しているほどだが、本拠が雨漏りを起こすほど困窮しているらしく、利益目当てに“ノーネーム”との同盟案に合意することとなる。

ギフトゲームに関しては参加者としてより主催者として力を発揮するタイプであり、そのゲームでは商品目当てのつわものがリピーターと化す一方、無料参加可能というレギュレーションを利用し子供たちも多く参加するという作中では珍しい光景が見られる。その様子は飛鳥や耀にとっては「こうしたギフトゲームの主催者になりたい」という思いを新たにさせるものであった。

旗印にもなっている炎の原点は悪魔の炎で、外界で人間にも理解できるようにわざと化学現象として自ら発信させている。これは無為に命を散らして無念にも破棄された哀れな魂を救うため、死体がそこに埋まっていることを知らせるものである。蒼き炎の導きは、報われぬ死者の魂を導く篝火であり、彷徨う御霊を導く功績で霊格とコミュニティを大きくしている。贖罪として幼い子供の霊を引き取っており、ジャックやアーシャを始めとして、幼子に対して悪事を働くものを許さない(これはコミュニティにおける共通理念でもある)。

現在は魔王“マクスウェルの悪魔”に付け狙われている。

ウィラ=ザ=イグニファトゥス
“蒼炎の悪魔”。生と死の境界に顕現する大悪魔にして、大地の息吹の具現である。星の深淵で生まれた“斉天大聖”ほどの霊格は持ち合わせてはいないが、れっきとした星の落とし子であり、元々は半星霊の候補者。“ウィル・オ・ウィスプ”のリーダー。
本拠を出ることはほとんどなく、3年前からその存在を知られるようになり、マクスウェルの悪魔を封印したという噂もある。その偉業から少なくとも五桁最上位の力を持つとされ、北側最強といわれるほどの実力者。しかしその性格から、好んで戦いを行うことは少なく、ギフトゲームに参加することも稀である。
ウェーブを引いたツインテールに華の蜜のように甘いベビーフェイスながらも魅惑的な姿をした少女。生死の境界を行き来し、外界の扉に干渉することも可能。境界を操作できるため、境界門を自由に開閉できる。これによって目の前から何の気配もなく消えるように見える。興味のある人間の頭部にトンカチ状の鈍器をぶつけて反応を楽しむ悪癖がある。
生死の境界を司る悪魔であり外界の扉にも干渉できる。境界を操作する力で空間跳躍が可能だが、生と死の境界を跳躍する彼女の力では生きている人間や生物を跳ばすことはできたとしても、門を閉ざさないまま維持するだけの力がなく命の保障ができないために使用できない。
“煌焔の都”で開催された“造物主達の決闘”で飛鳥と耀の2人と対戦。ゲーム開始と同時に自身のギフトを発動し、直接地獄とつなげ“愚者の劫火”によってリング上をすべてを焼き払った(ただし二人は無傷だった)。この炎は彼女にとって大したことのない部類である。このゲームの中で、飛鳥と耀に助言を送り、彼女たちの本当の実力を確認させた。
マクスウェルの悪魔に求愛されており、箱庭の外にいた頃から度を超えたストーキング[注 22]されているが、本人は「キモイ!」と拒絶している。
  • ギフトカードの色は蒼炎。
召喚(summon)愚者の劫火(Ignis fatuus)
地獄そのものに繋げることで召喚されたその劫火。物質界に存在するあらゆるものを焼き尽くす。
アーシャ=イグニファトゥス
声 - 積田かよ子
“ウィル・オ・ウィスプ”に所属する地精。地災で亡くなりそのまま地縛霊として彷徨っていたところをウィラが引き取り、大地の精霊として力をつけ始めている。死後の人間に地精が着床し、新たな生命体として生まれた。“ウィル・オ・ウィスプ”の伝承により、手から天然ガスや燐などを放出することができる。
彼女は火だけでなくガラスを構成している素材から変化させてガラス細工を制作している。
青髪のツインテールゴスロリ姿の少女。生前の性格からか、各所で子供っぽい一面を見せる。
火龍誕生祭のギフトゲームの一つである“造物主達の決闘”の時から耀の事をライバル視している。
ジャック・オー・ランタン
声 - 速水奨
ウィラ=ザ=イグニファトゥスが製作し、使役する“ウィル・オ・ウィスプ”の名物幽鬼。“ウィル・オ・ウィスプ”の参謀で、主催者としての活動が多く、参加者としてギフトゲームに参加するのは苦手なようである。
聖人ペテロに業火と不死の烙印を押された生と死の境界に顕現せし幽鬼の大悪魔。万人が知る子供好きであり、子供を愛し、子供に愛される悪魔である。ウィラによって顕現してはいるが、本来は現世に存在すら許されておらず、生と死の双方から除外された彼に「滅ぶ」という概念は存在しない。
生前は「切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)」としてイギリス中を震撼させていたが、聖人ペテロに善性を保証され箱庭に来た。二度の生を大罪人として過ごし、永遠に生と死の境界を彷徨うこととなる。七つの業火(ゲヘナ)の宿るランタンにより、地獄の炎をそのまま召喚する力を持つ。炎と炎、点と点の間に線を引いて消えるように移動できるが、発動条件として炎を纏う必要がある。
作中では耀との関わりが深く、その単独行動に走りやすいやり方を心配しつつも助言や手助けをもたらすことが多い。
幼子に対して殺傷歴、あるいは悪徳を働いた者を裁く断罪人(エクスキューター)としての“主催者権限”[注 23]を有する。発動と同時に真紅のレザージャケットと野獣を思わせる荒れた亜麻色の長髪と血に濡れたナイフを持ち、炎の滞空するスプリングで超高速に飛び回る「切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)」となる。小規模だが“歴史の転換期”を引き起こしており、彼の“主催者権限”は決して強力なものではないが霊格の強化に偏るように作られており、第四桁に近い身体能力を得ている。
アジ=ダカーハとのゲームで大怪我を負い、その状態で彼のギフトゲームの解答である「切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)ではない」と見抜かれたために、不死性を失い瀕死の状態に陥る。その後、自らの死を悟ったジャックはゲームを自分に有利となる条件を組み込んだものに変え[注 24]、不安に涙するリリや“ノーネーム”の子供たちを守るために魔王に堕ちた。その後はアジ=ダカーハとの5分の戦いで互いに身体を砕き合い、自分の命と引き換えにアジ=ダカーハの心臓を剥き出しにした。
  • ギフトカードの色は南瓜色。
魔法の傘
高名なる睡魔・オーレ=ルゲイエ老製作の、様々な夢を見せる魔法の傘。オーレ=ルゲイエとは、デンマーク付近に現れるとされる壮年の姿をした睡魔で、虹色の絹の上着を着て眠っている子供に近寄り、子供が良い子であれば幸せな夢が見られる傘を、悪い子であれば悪夢を見せられる傘を、それぞれの魔法の傘を枕元に置いていくという。
レティシアのギフトゲームの際に、上空に浮かぶ吸血鬼の古城に飛ばされた“アンダーウッド”の子供たちに、砕かれた天球儀を集めるために楽しく協力できるように、ジャックが取り出したプレゼント。ある程度であれば望む夢を見られる模様。

ペルセウス[編集]

東区画の箱庭26745外門に本拠を構えていた。“サウザンドアイズ”の傘下コミュニティだったが、“ノーネーム”にギフトゲームで敗北したことから“サウザンドアイズ”を追放され、六桁に降格した。ルイオスの側近(声 - 鷹野晶 )をはじめ、優秀な者も多いよう[注 25]だが、もっぱら部下を省みないルイオスに振り回されている。六桁降格後は“ウィル・オ・ウィスプ”と同盟関係を結んでいた。[注 26]

本来“ペルセウス”は“サウザンドアイズ”の傘下ではなく、ギリシャ神話に登場する一人の騎士が発祥のコミュニティである。遥か昔、天命を終えて星座に召されたとされている騎士・ペルセウスが招かれたのがこの箱庭の世界であり、“ペルセウス”とはその子孫であることを意味している。

オリュンポス十二神”が一柱、“鍛冶神ヘパイストス”の神格が授けられており、恩恵付与(ギフトエンチャント)や霊石類の錬成を得意とするコミュニティ。20年前にその技術力を以て、死の国の加護を持つ不可視の兜、ヘルメス神の加護を持つ飛翔する具足の二つのギフトをレプリカとして量産することに成功したことが“サウザンドアイズ”の幹部に昇級するきっかけになった。

ルイオス=ペルセウス
声 - 井上剛
“ペルセウス”のリーダー。快楽主義者で、コミュニティのリーダーでありながら多くの仕事に手を付けずにおり、自身の資質も一向に伸ばそうとしていなかった。世襲によるものであっても絶大な力を持っていることは確かであるが、「今の状態が維持できないなら、五桁から六桁に降格しても構わない」と考えるなど、「箱庭に居続けること」を甘く見ていたことは否めない。
レティシアの一件を巡り“ノーネーム”にギフトゲームを申し込まれ、十六夜との一騎打ちに敗北した。
“ペルセウス”には“オリュンポス十二神”の一柱、“鍛冶神ヘパイストス”の神格具が授けられている。それを利用してジャックの手解きを受けながらレティシアのギフトゲームで損傷した“ディーン”を修復し、ジャック、ウィラと共に飛鳥の“城塞”の作成を行ったものの、かつての敗北を未だ根に持っており、“ノーネーム”の面々にはあまりいい顔は見せていない。かつてのように嫌味な面は健在だが、ジャックや飛鳥に弄られ激昂する等、コミカルな面も見せている。
アルゴール
声 - 藏合紗恵子
ペルセウスが隷属させた、世界の全てに石化の恩恵を与える“ゴーゴンの威光”を放つ女星霊の悪魔。灰色の髪と羽を持つ。
アラビア語で「ラス・アル・グル」が語源の「悪魔の頭」を意味する星であり、ペルセウス座でゴーゴンの首に位置する恒星でもある。アルゴルが悪魔の星として伝承されたのは変光星であるためで、これはが魔性の正体である。
星霊故にギフトを与える側の存在で、外壁や柱を蛇蠍の如く変幻させる力や魔獣を生み出すことができる。“ノーネーム”とのギフトゲームでは本拠の白亜の宮殿を魔宮化するも、使役者のルイオスが未熟だったために十全に発揮できず、十六夜に圧倒されて敗北した。
メデューサ”、“原初(リリス)の悪魔”など多くの名を持っていた元魔王。ペルセウスに使役され霊格が圧倒的に縮小しているが、魔王だった当時はクイーン・ハロウィンにさえ匹敵する箱庭三大問題児の一角だった。口癖は「アルちゃん、ちょー美人だし!」。
商業神ヘルメスの靴
輝く翼を持つ飛翔する具足。
冥界神ハデスの兜
死国の王ハデスの加護を持つ不可視の兜。この兜が持つのは透過の恩恵ではなく透明化の恩恵である。よって声や存在を消すことはできないが、箱庭内でも超特級の暗殺ギフトと言われるように、その性能は同系統の恩恵の追随を許さない。剣を振るうような単純な攻撃モーションを行っても、対象に察知される恐れは一切ない。周囲の環境を捻じ曲げてしまうほどの力を持った恩恵と併用すると、間接的に居場所を特定されてしまうが、それでも特殊で強力な恩恵を有する。
ハルパー
「神霊殺し」だけでなく「星霊殺し」の恩恵を新たに付与された鎌。
女神アテナの盾
ゴーゴン退治の旅に出たペルセウスにギリシャ神話の神々から、“ヘルメスの靴”“ハデスの兜”“ハルパー”と共に与えられた、ゴーゴンの首を付与した盾。箱庭の世界では鍛冶神ヘパイストスに捧げられたため失われている。

“サウザンドアイズ”[編集]

特殊な“瞳”のギフトを持つ者たちを中心とした、東西南北上層下層の全ての地区に精通する超大手商業コミュニティで、各地に支店を持つ。東区画の箱庭3345外門に本拠を構える。旗印は向かい合う双女神。[注 27]

コミュニティの巨大さ、膨大さから、支店同士は“境界門”のように自由に行き来が可能で、数ある支店は蜂の巣のハニカム構造のように点在しているが、本店への入り口は一つのみとなっている。

白夜叉(しろやしゃ)/ 白夜王(びゃくやおう)
声 - 新井里美
“サウザンドアイズ”の幹部の一人。白き夜の魔王。太陽と白夜の星霊。神々としての神威と、魔王としての王威が生まれながらにして発生した星霊最強個体にして箱庭席次第10番。白夜の星霊であり、夜叉の神霊。「白夜王」は星霊としての白夜叉を指す名前で、七大妖王など、仏門に帰依する以前(つまり魔王だった頃)の白夜叉を知っている者が使う。太陽の運行を司る星霊の一人で、太陽の主権を争うギフトゲームに勝利し、14の主権を保持している。クイーン・ハロウィンとはその試練での競争相手として戦った数千年に及ぶ仇敵である。
東区最強の“階層支配者”であり、東区四桁以下の階層には並ぶ者がいない最強の主催者。それを証明するように、自身を表現した巨大なゲーム盤を持ち、箱庭に来たばかりでありながら決闘を持ちかけた十六夜たちをそこへ連れて行くことで戦うことなく降参させた。太陽運行を司るため、太陽神でありながら夜を支配できる彼女は太陽神を殺すことに特化している。有力な神群の主神のその多くが太陽神である以上、彼女の相手が務まる者は両手の指ほどもいない。黎明期に“天動説”として全ての宇宙観に君臨していた頃には届かぬものの、その神威は未だ計り知れない。
かつて“天動説”を司る太陽神として数多の神群の宇宙観の中心に居座っていた。今では霊格は縮小しているが、あくまで人類史から観測可能な範囲での話であり、“天動説”の霊格<真実>は、人類史が存続する全ての時間を費やしても暴けない位置に存在しており、星の果て、時の果て、宇宙の最果てに到達してようやく証明することができる存在である。開催するゲームの規模をそこまで広げれば、彼女の霊格は無限に肥大し、参加者に出口のない白夜の地平に永遠に閉じ込める“パラドックスゲーム”を仕掛けることができる。
“ノーネーム”とは親交が深く、ギフトゲームの手配や新たなギフトを授けるなどコミュニティ復興へ様々な手助けをしてきた。女性(作中では主に黒ウサギ)にセクハラを行う際には暴走する。その様を曰く「駄神[注 28]。また、ふざけた言動が多いが、仲間を何より大事にしている[注 29]。普段から遊んでいて仕事をしていないように見えるが、実はちゃんと仕事[注 30]をこなした上で遊んでいた。
どこの宗派にも属する必要のない絶大な霊格を持つが、“階層支配者”である彼女は下層に干渉する条件として仏門に帰依し、本来持つ星霊の力を封印していたが、“魔王連盟”による“階層支配者”同時襲撃の際、3年前の悲劇は繰り返すまいと、魔王を撃退するために仏門に神格を返上、少女の姿から女性の姿となった。解放後の実力は桁違いであり、東区に現れたアジ=ダカーハの分身体(神霊級五体)を一撃で全て葬り去った。しかし、神格を返上したことで後ろ盾が失われ、しばらく“階層支配者”を退くこととなり、“アンダーウッド”収穫祭に参加していた“覆海大聖”蛟魔王に“階層支配者”代行を任せた。
その後、鵬魔王に「本来の階層に戻るのか」と言われているため、本来は四桁よりも上である可能性がある。少なくとも、彼女は“天動説”を司る人類最終試練の一角だった頃の影響で、どこかに隷属していなければ既存の天体法則が乱れてしまう可能性があるため、上層へ戻ることを強制されている。
女性店員
サウザントアイズの支店の一応店長。お堅い性格で十六夜達にからかわれることも多い。一応武術を使うことも。この話の中ではツッコミ役であり、白夜叉の暴走を止める役目をしている。
ラプラスの悪魔
“サウザンドアイズ”の幹部の一人。未来の情報<ギフト>を与える。階層支配者でもあるが、現在は休眠中。元々は白夜叉と同じく魔王だった。
情報収集能力を持つ群体の“ラプラスの小悪魔”が本体に情報を送信し、それにより未来を予見する。その信憑性は「上に投げれば下に落ちる」とされ、本人は「誰が投げた」も「どうやって投げた」も「なぜ投げた」すらも分かっている。
ギフトカードなどの魔王対策に有用なギフトを作成した。

サラマンドラ[編集]

北区画の箱庭54545外門に本拠を構える。初代頭首、龍の純血である星海龍王の龍角を、その子孫にして赤道龍の化身である代々の頭首が、“階層支配者”の地位と共に継承する。元は四桁だったが、200年前のアジ=ダカーハとの戦闘で火龍が吸血鬼化したことによる生殖能力の消失、次期頭首候補サラの離脱で内部分裂が影響して五桁に落ちた。その後、前頭首の病による退陣、新頭首に幼少のサンドラの就任、と激動に見舞われる中で、サンドラの成長を促しコミュニティの威信を取り戻すため、“ウロボロス”から提案された案を呑み“火龍誕生祭”で“グリムグリモワール・ハーメルン”と戦うことを計画した[注 31]。旧“ノーネーム”と親交があったが、“ノーネーム”が魔王に襲われて以来、縁が切れたも同然となった。

サンドラ=ドルトレイク
声 - 佐土原かおり
前頭首の末娘にして新頭首。11歳。北側の“階層支配者”の一人。所持するギフトは“火龍”。赤髪と金の装飾を身に纏い、火龍の旗印を縫った衣装を着こむ。
“ノーネーム”のジンと同年齢の若年[注 32]だが、その秘めた戦闘力は魔王だった“黒死斑の魔王”と渡り合えるほどに高い。その反面知識・洞察力に関してはジン、十六夜、黒ウサギといった強者たちに譲る部分が多く、またリーダーとしての顔と年相応の素の顔には乖離があるらしく、ジンの前で態度を崩しマンドラにたしなめられるなどしており、まだまだ成長途上のようである。しかし、“魔王連盟”による“階層支配者”同時襲撃からは魔王を退けたことで霊格がかなり上がっているようで、かなり頭首としても成長している。ペストとはかつて敵対していた事やジンに隷属していることもあって未だに悪印象である。
年若いためコミュニティの面々から信頼されていないのを気にしており、それに友達だと思っていた殿下とリンの裏切りを受けて弱った心を混世魔王に体を乗っ取られてしまった。解放するために必要な条件として、彼女自身が心身共に成長し、混世をまとめるだけの王器を得ること、そして対象となった組織が一丸となってまとまり混世を正し、混世魔王を倒すことの二つある。
マンドラ
声 - 小西克幸
サンドラの兄にして側近。自身が姉・サラはおろか、100歳は年下の妹・サンドラよりも劣る凡才でしかない[注 33]と自覚しながらも、“サラマンドラ”の誇りと立場を守るべく尽力している。
名と旗印を持たない“ノーネーム”のことをよく思っていない[注 34]。しかし、自身の抱え込んだある“秘密”によって、結果として“ノーネーム”に(というより十六夜に)大きな借りを作ってしまうこととなる。当初は“ノーネーム”メンバーを侮蔑するような言動が多かったが、“煌焔の都”時点では、ある程度“ノーネーム”の面々の力を認めている模様。
アジ=ダカーハとの戦いの際に吸血鬼化する。

“龍角を持つ鷲獅子(ドラコ・グライフ)”連盟[編集]

“一本角”、“二翼”、“三本の尾”、“四本足”、“五爪”、“六本傷”の六つのコミュニティからなる連盟。南区画775917外門に本拠を構える。旗印は二本ある龍角の一本が醜くへし折れている鷲獅子。アンダーウッドとの共存を条件に、守護と復興を手助けしている。“一本角”、“五爪”が戦闘、“二翼”、“四本足”、“三本の尾”は運搬、“六本傷”は農業、商業全般を担当している。五桁昇格、“階層支配者”任命にあたって“六本傷”を除くコミュニティは統合される。

“一本角”[編集]

サラ=ドルトレイク
“サラマンドラ”前頭首の娘。サンドラとマンドラの姉。200歳。“一本角”の頭首で“龍角を持つ鷲獅子”の議長を務める。二本の龍角を持ち、炎の翼で飛ぶことができる。
かつては“サラマンドラ”の一員であり、「彼女が継げば、コミュニティは全盛期を迎えるだろう」と言われるほど、有望な跡取りとして期待されていた。3年前に“ノーネーム”が襲撃された際に、同盟を結んでいた“サラマンドラ”が動かなかったことに失望し、“サラマンドラ”を去って“龍角を持つ鷲獅子”に席を置くことになった。
“アンダーウッド”襲撃で巨龍を止めるために、自身の龍角を切ってディーンに与えた。それにより重傷を負った上、所有する力も低下したことから、グリフィスと頭首の座を賭けた戦いをせざるを得なくなってしまうが、“ノーネーム”の活躍により頭首の座についた。
アジ=ダカーハとの戦いで“階層支配者”として駆けつけたが、ゲームをクリアされたことで霊格を失う。

“二翼”[編集]

グリフィス=グライフ
元“二翼”のリーダー。第三幻想種のヒッポグリフ。“鷲獅子”と“龍馬”の血統を持つ最高血統の混血の優良種で、閃光と暴風、荒ぶる稲妻を操る。ドラコ=グライフの子で、グリーの兄である。
自身の血統を誇り、他者を侮辱するような言動を取る。これが原因で耀とのいざこざを引き起こし、“ノーネーム”とギフトゲーム“ヒッポカンプの騎手”で戦うことになった。“龍角を持つ鷲獅子”の次期頭首の座を狙い、“龍馬”の象徴である鱗を全身を覆う鎧へ、鷲獅子の面影を捨てその頭蓋すら龍へ、全身から光る粒子を放ち、眩く神々しい翼と龍角を頭上に生やした“鷲龍”へと覚醒するも、耀に敗れたため逆に“二翼”を離れることとなった。
実力は確かなものがあるが、その利己的な性格から周囲からは長の器ではないという評価を下されている。
スティムパリデス
猛毒の恩恵を持ち毒霧を吐く怪鳥。青銅の羽を持ち、その硬度は刃を弾く。
彼らは常に群れで行動し、他種族を寄せ付けずに日々を過ごす。肉食性であり魚も肉も好物である。
その青銅羽は“ケーリュケイオン”発行の銅貨・銀貨に使用される。青銅の羽集めという“ケーリュケイオン”のギフトゲームによる絶滅を防ぐために“二翼”に保護を申し出て、“二翼”自体も長であるグリフィスが出奔したことで弱体化してしまったため、それを補うためにと招かれた。

“四本足”[編集]

ドルグ=ポルフォイ
“四本足”の副長。“ディーン”と同じ大木のような巨躯を誇る巨人族。武器は斧。

“五爪”[編集]

ヴォルド=フォーカス
“五爪”の副長。獰猛な牙と狼の耳を持つ“ワーウルフ”。
ワーウルフ
満月を仰ぎ、零れ落ちた光の滴を瞳から吸収して変幻する。肌は肌色の体毛に覆われ、指からは岩をも斬り裂く鋭い爪が刃のように生える。七代の系譜を重ねて得た霊格は妖仙にも引けを取らない。

“六本傷”[編集]

ガロロ=ガンダック
“怪猫のガロロ”。“六本傷”元頭首。連盟の創設者の一人。かつてドラコ=グライフと共に南側の秩序のために戦った。また耀の父・孝明のことをよく知る人物であり、“魔王連盟”襲来の際に出来た縁から、耀と飛鳥のギフトコントロールに関する指導と、問題児三人のギフトに関する考察を行っている。ドラコ=グライフが生きていたころにコミュニティの参謀を務めた人物で、その経験から、相手の力量を量ることに長けている[注 35]
キャロロ=ガンダック
声 - 藏合紗恵子
ガロロの24番目の子。2105380外門で喫茶店のウエイトレスをする傍らで諜報活動を行っている。当然そのことは秘密だったのだが、十六夜にあっさりバラして弱みを握られるなど、若干抜けたところがある。他の兄弟とは違い、ポロロとの仲は良好である。
ポロロ=ガンダック
“六本傷”の新頭首。ガロロの25番目の子。末の子にして妾の子であり、未だ少年でありながら、頭首の座と絶対服従を賭けた一族内でのギフトゲームに勝利した実力者である。蛟劉の弟子でもある。
ボサボサの髪に丸眼鏡。“ノーネーム”と連盟を組む際に現れ、ジンとの交渉に臨むが、ジンの交渉能力と隠し持つ切り札の前に手玉に取られ、その才を認めることとなる。

“七天大聖”[編集]

かの西遊記に記され義兄弟の契りを結んだ七人の魔王、七大妖王による連盟。中でも絶大な力を誇っている四王は未だ存命し、箱庭の世界でその名を轟かせている。

かつて天帝、道教、仙界、仏門を敵に回し敗れた。仏門に孫悟空、紅孩児(牛魔王の子)を奪われたことから仏門を嫌っている。

神代の時代に行われた七大妖王と天帝の大戦以後、然したる悪事は働いてはいないが、その名は魔王の代名詞の一つに数えられる。

“平天大聖”[編集]

箱庭の北区画6243外門に本拠地を構える。

牛魔王(ぎゅうまおう)
“平天大聖<天を平定せし者>”。美猴王と並び立ったとされる七大妖王の長でありコミュニティ“平天大聖”の頭首でもある。
“魔王連盟”による“階層支配者”同時襲撃で“鬼姫”連盟へ助力に向かってから本拠に戻っておらず行方不明である。

その他[編集]

美猴王(びこうおう)/ 孫悟空(そん ごくう)
斉天大聖<天に斉しき者>”。七大妖王の一人。中華神話の伝記・“西遊記”にて活躍する魔王。箱庭第三桁の実力を持ち、“七天大聖”の旗頭として幾多の神群との激戦を潜り抜けた古強者。天上より魔王の烙印を受けながら己を大聖者だと訴え、正義を謳った愚か者と言われたが、大聖の王号を名乗っていた“七天大聖”の七人の魔王の中で、愛称で「大聖」と呼ばれるのは彼女のみであり、傘下の妖仙や土地神も彼女が大聖者と呼ばれるだけの大器を備えていたことを認めていた。白夜叉曰く箱庭の三大問題児の一人(本人は否定してる)。
大地に芽吹く稲穂のような黄金色の短髪に深緑色の瞳、凛々しい声音とは裏腹に体型は小柄で13、4歳の少女の容姿を持つが、その瞳に宿る強さと輝きは、一目見ただけで超越者の風格を醸し出す。
伝承では活火山である花果山の頂にあった仙石から生まれたとされているが、彼女を産む仙石が地上に姿を現したのは花果山の誕生と同時期、即ち大陸の発祥にまで遡る。彼女は星の中枢で生を受け、地殻、海底の大噴火で噴出した土石流と共に地上へ運ばれた唯一無二の半星霊・星造の“原典候補者”であり生まれついて修羅神仏に並び立つ力を有している。真の星霊として覚醒せず半星霊のままだが、その特異性も、純粋な戦闘能力も帝釈天に引けを取らない実力を誇る。
彼女と六人の妖王は大連盟を結成した後、天帝・道教神と大戦争を繰り広げ、惜しくも最後は護法十二天と釈迦の手により敗れる。その後、禁固500年の罰刑を受けた彼女は、白夜叉の口添えで玄奘三蔵を師として天竺を目指した旅を経て仏門に下った。神霊にも仙人にも物の怪にもなれず、己を探す旅路の果てにたどり着いた答えが、「溢れ出る絶大な力で世を治め、永久に世界を平定すること」だった。故に彼女は己が名に過大な使命を与え、“斉天大聖<天に斉しき大聖者>”を名乗り魔王の烙印を受け入れた。仙道の修行を経て一人前となった彼女は様々な負の意味を持つ“混”である混世魔王を切り捨てることで成長の証とした。仏門に引き取られてからも放任状態にあり、彼らは覇権を握るために彼女を最後の切り札として温存しているとされている。
蛟魔王(こうまおう)/ 蛟劉(こうりゅう)
“覆海大聖<海を覆いし者>”。七大妖王の第三席。階層支配者を退く白夜叉に代わり、東側の階層支配者となった。義姉である孫悟空を慕い、白夜叉が孫悟空と会わせる便宜を図る代わりに依頼を果たす契約を交わした。
隻眼に眼帯をした細身細目の関西弁の男。生前の金糸雀や春日部孝明と面識があり、彼の左目の瞳は“ノーネーム”の水源として“水珠”に加工して譲ったほどの仲[注 36]である。現在はその左目に月の主権・“新月”を義眼として入れている。。
星の深淵、深海火山で千年の修行を経て“仙龍”の海千山千の霊格を得た。生命が生きられぬ灼熱と土石流の中で功績を得た彼は、地母神と海神の双方に匹敵する力を持つ。最強種ではないが、その霊格は並みの神霊を遥かに凌駕し、星を揺るがす十六夜の拳や蹴りを容易く受け流す体術や大海を操る実力を誇る。“ヒッポカンプの騎手”では十六夜と戦う中で、十六夜の言葉に心を動かされ、魔王時代の覇気を取り戻した。
黄龍の血筋に生まれ天賦の才を与えられながら、妾の子である理由から認知されず、王族を見返すために極限の練磨で手にした恩恵を持つ。“覆海大聖”のギフトゲームは、月の満ち欠けによる超重力の負荷と自身の一時的な星霊化が行われる。
  • ギフトカードの色は蒼海。
新月
眼帯を外して解放する月の主権・“新月”である。人型だった彼は本来の姿である海龍へと姿を変える。
鵬魔王(ほうまおう)/ 迦陵(かりょう)
混天大聖<天を混沌せし者>。七大妖王の第四席。対神・対龍の恩恵を持つ最高位の神鳥・大鵬金翅鳥の姫。純血ではなく半神である。迦楼羅天の娘。
黒髪を結い上げ肩から背中にかけて大胆に開いた雅な柄の衣装を着込む。白夜叉や蛟劉からは、ちゃん付けで呼ばれている。(本人は嫌がっている)
背中から肌を焦がすほどの熱線を放ち、対神・対龍の恩恵を持つ金翅の炎を操る金翅の炎を顕現させる。半神といえどその最強種の炎は七天の中でも最大火力を持ち、昔から殲滅戦の要だった。インド神話群にて「帝釈天に比肩する王」という願いを込められて生を受け、邪悪なる龍を喰らい上げるとされた生来の神霊。
日輪金翅鳥(ヴァーナハ・ガルダ)
霊格解放により炎で全身を覆い巨大な金翅の怪鳥へと姿を変える。金翅の怪鳥を身に纏った彼女はより強い輝きを放ち、日輪をその身に宿す。

“クイーン・ハロウィン”[編集]

ケルト神群最大勢力を誇る、箱庭屈指の組織力を持つコミュニティ。旗印は黄金の稲穂と地平線から昇る太陽と女神。

円卓の騎士”や“光の御子”といった著名な騎士を始め、絶大な力を誇る“魔女(フェイ)”や“伝術師(ドルイド)”、世界の境界を越えて召喚される幻獣が所属する。

クイーン・ハロウィン
星の運行を司る星霊。箱庭第三桁の実力を誇る最強の召喚師。星の境界を支配する太陽と黄金の魔王。“魔王(キング)”の集うこの箱庭において唯一“女王(クイーン)”の王号を持つ大魔王。彼女の寵愛を受けた者たちは与えられた騎士号を名乗ることが義務づけられ、空前絶後のギフトが与えられる。白夜叉に次ぐ六つの太陽の主権を預かっている。
箱庭の三大問題児の一人であり秩序を乱すほど横暴で我儘だが、乱した分だけ整える。絶大な力を持つ魔王の烙印を受けながらも罰されることなく野放しにされているのはこれが理由である。
2000年代でこそハロウィンは祭り行事の一つでしかないが、時代を遡れば古代ケルト民族が栄えていた頃から行われている伝統ある祭事でもある。ケルト民族は一年の季節の中で輝きを変える太陽を生と死の象徴として崇め、収穫祭などの祭事を行っていた。それが彼らの太陽信仰、ハロウィンの原型である。
ケルトで太陽神と言えば必中必勝の神槍と名高い“光の腕(ブリューナグ)”の所持者、太陽神ルーが有名だが、これはケルト民族の祖先を神と崇める祖霊崇拝という概念に基づいて描かれた偶像である。本来であれば英霊にカテゴライズされる種だが、後天的な信仰により死後に神霊として成り上がった。

“女王騎士(クイーンズナイト)”[編集]

女王の寵愛を受けた“クイーン・ハロウィン”直属精鋭騎士団。彼女らの個々の力は神群にも匹敵し、一人一人に名工の鍛冶師たちの手で鍛えられた、一つ一つの特徴に見合った鋼を用いて錬成される武具が与えられる。全員、本名とは別の騎士名を名乗ることを義務づけられている。

フェイス・レス
“女王騎士”第三席。クイーン・ハロウィンの寵愛を受けた騎士として“顔亡き者(フェイス・レス)”の騎士名が与えられた。世界の境界を預かる星霊クイーン・ハロウィンの力を借り、星の廻りを操り因果を変える力を持つ。“黄道の十二宮”を操るほどの強大な才能の持ち主だが十六夜たちと同じ人間である。
燃えるような紅い舞踏仮面と流れるような銀髪のポニーテールに黒い髪飾り、精密な意匠が施された白銀の鎧を纏う女性騎士である。
戦闘では武器(連射の剛弓、蛇蝎の連接剣、二本の剛槍)を使い分け、近距離から遠距離まで対応する。黒ウサギからして、十六夜と並び立つかそれ以上と言わしめるほどの実力者。
“ヒッポカンプの騎手”では、恥も外聞もない作戦で他の選手たちを苦しめ、会場の盛り上がりに一役買った。
蛇蝎の連接剣
蛇の牙のように刺さり蠍の尾のように敵を貫く魔剣。刀身の関節部分となる鋼索は、極細の針金を数千本も巻き上げて作られており、手元の柄を締め上げることで多種多様な剣閃を作り上げている。つまり連接剣の伸縮は五本の指一本一本の捻り具合で変化する。
黄道の十二宮
“アンダーウッド”収穫祭にて耀が壊してしまった十六夜のヘッドフォンの弁償をするために父・孝明が使用していたヘッドフォンを召喚する際に使用した。対象者を十二宮の中心に座し、“クイーン・ハロウィン”の旗印が刻まれた剣の力で世界の境界を崩し、“黄道の十二宮”の力でそれを安定させる複合術式の儀式を行って使用する。厳密には“クイーン・ハロウィン”の力で召喚するのではなく、星の廻りを操って因果を変える能力である。

アヴァロン[編集]

“クイーン・ハロウィン”直系傘下の騎士団。“円卓の騎士”の名を借りており、襲名制度でその名と恩恵を引き継いでいるコミュニティ。

傘下である理由は、ケルト民族の宇宙観・死生観によるものが大きい。ケルト民族は一年を通してその輝きを変える太陽の運行に死生観を重ね、夏から秋に差し掛かる頃から衰え始める太陽が冬に死んで新たな生命を宿すことから、ハロウィンが行われる10月31日は異世界との境界線が不安定になり、死者の国から祖霊が現世に帰ってくると彼らは信じていた。しかし、死者の国から祖霊だけでなく様々な悪鬼羅刹も共に訪れると恐怖した彼らは、己を化生に擬態することで身を守っていた。後のハロウィンの仮装の理由もここにある。

一説によれば、太陽の沈む方角に楽園“アヴァロン”が存在し、太陽に沈む様を英霊たちの死に重ねていたとされている。故に死後に行き着く祖霊たちの中でも名誉ある者たちが招かれたコミュニティが現在の“アヴァロン”になったのである。南の“階層支配者”を放出し、箱庭第四桁の実力を誇っていたが、“アンダーウッド”収穫祭を前に殿下率いる組織に討たれた。

ウロボロス”連盟[編集]

各地の“階層支配者”を同時に襲ったことから“魔王連盟”と仮称されている。箱庭世界を覆すほど大きなことを企てている。“サラマンドラ”を唆して“グリムグリモワール・ハーメルン”と戦わせた。レティシアの売買を行っていたことなどから、3年前に“ノーネーム”を襲った魔王もいると考えられる。

殿下の率いる組織[編集]

“ウロボロス”の下部組織。表向きには商業コミュニティとして活動しており、“サラマンドラ”、“ペルセウス”に接触している。“ウロボロス”と縁を切りたいと考えている。

殿下
組織の司令塔。南の支配者“アヴァロン”を落とした功績が認められ、“原典候補者”に祀り上げられた。リンやアウラ、グライア=グライフの主人。
白髪金眼の少年。未だ3歳未満であり、知識のみを与えられた存在だが、コミュニティ運営やゲームに必要な知識を大量に与えられているが、一般常識はない。10代前半程度の外見年齢とは不相応な物静かさを持つ。産まれたての身に目的はなく、部下たちから期待を寄せられるままに行動している。
圧倒的な身体能力や強靱な肉体など、十六夜とほぼ互角の似た力を持つ神の“原典候補者”。“ノーネーム”の面々を圧倒し、黒ウサギに大怪我を負わせた。帝釈天の神槍の類いの武具は生まれついて効かない性質を持つ。
ジンの推測では、インド神群の宇宙観に記された四つの年代記、人類の文明の進化と最盛期の後に迎える滅亡、いわゆる終末論に対して人類末世を救うために現れた最後の英雄とされる。インド神群の太陽の化身にして釈迦と同列以上の霊格を誇る。終末論(カリ=ユガ)を乗り越えるのに必要な人材だと言われている。
アヴァターラ
殿下の所持する“疑似創星図”。アジ=ダカーハとの戦いで耀にこの能力で手を貸した。
来寇の書(エリン・グリモワール
10年前に巨人族が使い“アンダーウッド”を襲った“主催者権限”。“原典候補者”の持つ力の一端とされる。
彩里 鈴(あやざと りん)
組織のゲームメイクを任されており、最終決定は旗頭である殿下の役目だが、そこに至るまでの作戦は全て彼女が考える。その直感と駆け引きの実力は高い。
ノースリーブを着込み、腰まで伸びる艶やかな黒髪の少女。腰から下げている革のベルトには何本もの短刀を収めている。
アキレス・ハイ[注 37]
概念的な“距離”を支配する空間操作のギフト。対象の到達速度・到達時間を間接的に操作できることと同義の能力とされる。相対的な距離を操るこの恩恵は自身防衛において最強の一角の能力である。彼女に対する攻撃は「当たらない」でも「通じない」でもなく「届かない」。この能力で周囲と「距離の壁」を構築してしまえば声を遮断することもできる。
アウラ
ローブのフードを深く被る魔女(フェイ)。
  • ギフトカードの色はシアンブルー。
黄金の竪琴
ケルト神群の大神の由緒正しい竪琴。“来寇の書”より召喚された“トゥア・ハ・デ・ダナン”の神格武具。敵地にあってなお、目覚めの歌で音色を奏でる神の楽器。宿る力は喜鬱(士気)の操作、睡眠の誘惑、天候操作。
グライア=グライフ
漆黒の総身を持つ一本角の鷲獅子。ドラコ=グライフの弟。胸元に“疑似・生命の目録”が刻まれている。[注 38]胸元に刻まれているのは、自身が“生命の目録”に生かされているためだが、これは主神の呪いであるらしい。彼の“生命の目録”の系統樹は流転を繰り返し、彼の生命としての在り方そのものを変えていく。
鷲獅子の旋風に龍角の炎、この二つが相まって起こす力の渦は炎の嵐を巻き起こす。
黒龍
レティシアのギフトゲームで耀と対峙した際に変幻した、巨大な四肢と龍角を持つ漆黒の西洋龍。
混世魔王
“北の災い”。西遊記に記された“混世魔王”。己の姿を隠す恩恵を有しており、結びを解いた巻物から文字が顕現して能力を発動する。
“混”の一文字が縫われたフード付きのローブを着込む。
彼の霊格は、国の乱れや世情の乱れから民草の不安が増長した際に現れる放蕩の悪神であり、混沌極まる混世で人の心の隙間に取り入り、“一事無成”、一事も成すことのない魂へと変質させる悪魔。大人を緩やかに堕落させて混世を築き、子供の放蕩心を増長させ親から孤立させる力を持つ。つまり周囲の大人の理不尽さに振り回された童心が造り出した悪魔であり、「未熟な子供の神隠し」の正体である。子供の放蕩心に宿る化身として、その姿は子供にしか見えない。
数々の功績を打ち立てることになる“斉天大聖”の快進撃の銅鑼を鳴らす最初の被害者として彼女への恨みを持っている。彼女の義兄弟である蛟魔王・蛟劉を襲うために“階層支配者”召集会が行われた“煌焔の都”を訪れ、その場に存在する人材、物資など全てを奪うというリンの言葉に感動し、その大願に同意、その場で殿下率いる組織へと加盟した。
魔王にしては戦闘力は低い。“煌焔の都”では「神隠し」の正体として見破られた十六夜に圧倒された挙句に追い詰められたところをリンとマクスウェルの魔王に助けられた。
しかし、彼の主催するギフトゲームはかなりの難易度と危険度があり、彼のゲームを経験して生き残っているものは少ない。その“主催者権限”によるゲームに参加できるのは一人限りで、“契約書類”も参加している本人のみ読むことができる。現在は“主催者権限によってサンドラの意識を消しその体を一時的に使っている。
虚度光陰
周囲一帯をモノクロームに色を奪い、対象の体感時間を静止させる力を持つ。「虚度光陰」とは中華系の意味で「光の如く虚しい日々が続き、何を成すこともない」ことで、日本の諺である「光陰矢の如し」をより怠惰的にした言葉。また日本では「混ざる」の意味で使われる「混」も、中華系では「無為に生きる」、「曖昧に暮らす」という意味に成り替わる。つまり「光陰矢の如し」が人間の体感時間の経過を示し、色を奪うのは「無為に過ごす」ことの表れとされる。
マクスウェルの魔王
境界を操る魔王。物理学・熱力学の思考実験で生み出された熱量を司るマクスウェルの悪魔。北の五桁で最上位の魔王だったが、四桁に昇格[注 39]。“ウロボロス”から派遣された、殿下たちの監視役。頭首からは“カリ=ユガ”を乗り越えるために必要な人材となる殿下以外の抹殺を許可されている。
青と赤のコントラストで彩られた外套を身に纏う。箱庭の外の世界にいた時からウィラに対して愛情を抱き、ストーカー行為を行ってきた。箱庭に来てからは、助けに入った孝明との戦いに敗れ、一度は退けられた。
空間跳躍に使用される境界門は、漆黒の紙吹雪をかき乱す炎の嵐が意思を持つかのように螺旋を描きながら収束して形を成す。一口に熱量を操ると言ってもその汎用性は無限大に等しく、彼はそれほど脅威には見えない空間跳躍を主に使用しているが、小国程度であれば一瞬で皆殺しにできるほどの絶大な力を秘めている。
生まれたのは1860年代で、箱庭上層に食い込むほどの“歴史の転換期”を多数引き起こすとされる時期には生まれていない。しかし、2120年代にそれを起こした彼は、“第三永久機関”として第四桁の霊格を得た。[注 40]その身体は傷を負っても霞を集めて瞬く間に修復される性能を持つが、未だ正規の器ではなくその力は不完全である。
ウィラがリンにキスされたのを見て天使を召喚する。その後、自分も天使のような姿に変貌するが、クロアに瞬間移動を封じられたところを十六夜に倒される。
召喚(summon)氷結境界(Phrase gate)
ウィラの劫火の炎、熱をも奪い刹那の間に氷結させる。
召喚(summon)踊る姉妹人形(Coppelia sister)
単身では強大ではないと思ったマクスウェルが、魔王としてその非力さを補うために作られた人形。3年前にある者が封印した“第三永久機関”コッペリアの成れの果て。封印するだけでは勿体ないと彼が量産したが、試作品である。
全て女性型であり透き通るような蒼い瞳とプラチナブランドの髪を靡かせている。瞳に生気は感じられないが、その肌は紅を差したかのように熱と血潮が流れている。指先、手首、肘、スカートの先など身体の至るところに刃物を隠し、軽やかなステップを踏みながら凶刃を振るう。
Summon maxwell myths. 3S,nano machine unit
炎熱と極寒の風を纏い、背中に巨大な翼を持ち、剣と槍、鎧を携えた天使を召喚する。召喚できる体数に限りはないようで、“煌焔の都”では十数体召喚している。
生物とは思えない外見にも拘らず、鋼の表皮は血が通っているかのように脈打ち、その胸には華の蕾をモチーフとした“第三永久機関”の旗印が刻まれている。鎧の中は伽藍同であり生命が宿っている様子はない。その身体は霞を攻撃したかのように手応えがなく、身体を粉々に打ち砕かれても霧が収束したかのような形で修復される。マクスウェルと同じく空間跳躍が可能で、知性はともかくとして、その一撃、素体は神霊クラス。この天使は“マクスウェルの悪魔”の霊格が関わっており、その強大さから開発過程に神群が関わっていると考えられる。

“天軍”[編集]

上層の魔王討伐を旨とする神群による連合コミュニティ。“階層支配者”では手に負えない最古の魔王を狩るエキスパートとして、護法十二天を筆頭に各神群から集められた武神集団となっている。彼らの召喚要請は“箱庭の貴族”の特権だが、上層の神群の判断やその要請により忉利天を通じて派遣される。

確認されている所属コミュニティは、護法十二天、迦楼羅が所属する八部衆、五大明王、オリュンポスの神々など。

護法十二天[編集]

最強の武神衆で、天軍を仕切っている。

帝釈天
箱庭の創始者であり“箱庭の貴族”である“月の兎”が主神と崇める軍神。護法十二天神の長。天界でも「動けばいらないことしかしない駄神」と評している。
“拝火教”のアジ=ダカーハと同じく“悪”の御旗を背負って生まれながら、後に善神の筆頭とまで呼ばれるに至る。酒を好み、女を好み、戦いを好み、そして人の良性を愛した善と悪の神霊である。

ケーリュケイオン[編集]

南側一帯を仕切る最大手の商業コミュニティ。旗印は杖に絡み付く二匹の蛇。ギリシャ神群臨時代表である彼らは、オリュンポスの十二柱が一柱、商業神ヘルメスの治める箱庭第五桁に位置し、コミュニティの名も、商業神が持つ“神杖(ケイン)”から戴いている。旗印の造形には蛇が絡み付いた黄金の神杖であるという伝承が残っており、西欧から極東と呼ばれる土地にまでその旗印を刻んだ彼らは、ギリシャ神群の金庫番として重役扱いされている。

外界でも1900年代から2000年代に設立された欧米の商業組織や医療機関、学校のモチーフとしても描かれ、洋の東西を問わず広くその旗印を貸し与えている。その信仰が神群の霊格に繋がるのであれば、彼らは1900年代から2000年代のギリシャ神群の信仰を支える稼ぎ頭と言える。

彼らが発行する銅貨・銀貨にはスティムパリデスの青銅の羽が使用され、その絵柄に刻まれている。

“フォレス・ガロ”[編集]

コミュニティ“六百六十六の獣”の傘下。“ノーネーム”と同じ箱庭2105380外門に本拠を構え、多くのコミュニティを傘下に治めていた。しかし、それは多くのコミュニティから女性や子供たちを人質にとった上でのことであり、さらにその人質を全員殺害していたことが飛鳥の“威光”により発覚。“ノーネーム”とのギフトゲームに挑まざるを得なくなり敗北し完全崩壊した。

ガルド=ガスパー
声 - 安元洋貴
“フォレス・ガロ”のリーダー。人と虎と悪魔から霊格を得たワータイガー
表面上紳士的な態度を取っているが、その実態はルールを曲げ、悪事を犯すことに何らためらいを持たない外道。飛鳥の“威光”により秘密を全てバラされ、飛鳥たちの怒りに触れ“ノーネーム”にギフトゲームを持ちかけられた。ギフトゲームを前にレティシアから鬼種のギフトを得るも、それにより人としての意思がほとんど消え去って野獣にも等しくなってしまい、飛鳥たちの前に敗れた。

“ラッテンフェンガー”[編集]

六桁の外門に本拠を構える。ドイツ語で「ネズミ捕りの男」を意味する。これは魔書に存在するグリム童話の道化師がネズミを操る道化師だったことから“ハーメルンの笛吹き”を指す隠語として名乗っている。

群体精霊
ハーメルンで犠牲になった130人の子供たちの御霊。人の身から精霊へ、転生という新たな生を経て霊格と功績を手にした精霊群である。
星海龍王から授かった珍神鉄で“ディーン”を造り上げた。“グリムグリモワール・ハーメルン”によるゲームの最中、ディーンを託すに足る存在として飛鳥を見出し、ゲーム終了後、飛鳥の“ノーネーム”への誘いを断って箱庭を去ることを決断。その際に、自分たちの開拓の功績をメルンに託すことで、メルンを箱庭で生きた証として残した。
メルン
声 - 久野美咲(とんがり帽子/メルン)
長い旅路の果てに上記の群体精霊より生まれた群体の欠片であり、飛鳥と出会ってその助けを得る。群体精霊が消えた後、飛鳥に名前をもらい、“ノーネーム”へ加入する。
開拓の功績を利用して“ノーネーム”の農園の復興を手伝い、農地復活という成果を出すことに成功した。
ディーン
声 - 浜添伸也
“ラッテンフェンガー”が製作した紅い鋼の巨人。“ラッテンフェンガー”からギフトゲーム“奇跡の担い手”をクリアした飛鳥へ贈られた。
神珍鉄でできており、自身の大きさを自在に変えられる。本来、神珍鉄は大きさは変化しても重量は変化しないが、飛鳥のギフトによって最大十倍まで増大する。

“アンダーウッド”[編集]

南区画の箱庭7759175外門に本拠を構える。非常に美しい景観をしていることで有名。巨躯の水樹と地下都市を中心としており、町には翠色の水晶で作られた水路が広がっている。多くの精霊が住み着いており、その数は2000体ともいわれる。10年前に魔王が襲来して以来、“アンダーウッド”に宿る大精霊は眠りについたままである。“龍角を持つ鷲獅子”に守護と復興を手助けしてもらっている。

キリノ
“アンダーウッド”の精霊の一人。樹霊(コダマ)の少女で弟がいる(弟はペストのゲームの際に飛鳥とディーンに助けられている)。収穫祭では本陣営で受付をしていた。

“グリムグリモワール・ハーメルン”[編集]

“ウロボロス”からラッテンとヴェーザーを部下として与えられた、“黒死斑の魔王”率いる新興コミュニティ。本拠は存在しないが、五桁の外門の魔王に相当するとされた。

“火龍誕生祭”に突如現れ、太陽の主権を持つ白夜叉を倒すことと、新戦力の獲得のためにギフトゲームを行った。「敵を生かしたまま新戦力としてかっさらう」という思いが勝ちすぎるあまりいくつかの判断ミス[注 41]を犯し、壊滅した。

ペスト
声 - 斎藤千和
14世紀以降に大流行した黒死病の8000万人の死者の霊群であるルーキー魔王。肉体ベースは12歳。ギフトネームは“黒死班の魔王(ブラック・パーチャー)”[注 42]。死の恩恵を与える黒い風を操る神霊“黒死斑の死神”であり、「命あるものを殺す」という点において強大な力である。
“幻想魔道書群”のリーダーが召喚しようとしたが、召喚途中に亡くなってしまった後、何らかの形で召喚式が完成して箱庭にやってきた。死霊群であることとは別に“ハーメルンの笛吹き”による信仰と恐怖を取り込んで神霊となり、代表として“グリムグリモワール・ハーメルン”のリーダーとなった。
“火龍誕生祭”に突然現れて混乱させ、さらにルール設定の機会を設け、太陽の氷河期、即ち太陽の力が弱まっていたとされる年代記を取り込み白夜叉を封じるという彼女特有の極めて希少な“主催者権限”で優位に立つことに成功。しかし、そこで黒ウサギのゲーム参加を認めたことが運命の分かれ道となる。その後、黒ウサギとサンドラと戦い圧倒するものの、ラッテン、ヴェーザーが脱落すると自身の能力による無差別殺戮を企てる。しかし、“ディーン”という不確定要素[注 43]の乱入により失敗、最後は黒ウサギの所持する“叙事詩・マハーバーラタの紙片”から召喚されたインドラの槍によって魂まで砕かれた。
一度箱庭から消滅したが、魔王の隷属条件を満たした“ノーネーム”に、彼女を封印した指輪がギフトゲームの賞品として白夜叉より授与され、ジンの“精霊使役者”で彼を主人として再び箱庭に戻った。その際、彼女の神格は“黒死班の魔王”から“黒死班の御子”として顕現した。かつて「玩具にしてみせる」と豪語したジンに従わせられる立場になったが、本人はこの状況に意外と楽しみを見出している[注 44]。いつかは必ず滅びるとわかっていながらも最後まで自分に忠を尽くしてくれたヴェーザーとラッテンには並々ならぬ思いを抱いており[注 45]、召喚に使用された“グリムグリモワール・ハーメルン”の旗印が刻まれた指輪を大事にしている。[注 46]
ヴェーザー
声 - 岩澤俊樹
“グリムグリモワール・ハーメルン”の一員。その前は“幻想魔道書群”に所属していた。
ハーメルンの街付近に流れるヴェーザー河の化身。地災や河の氾濫、地盤の陥没などの災害から生まれた悪魔を具現化した存在である。また唯一本来の“ハーメルンの笛吹き”の碑文に沿って生まれた本物の“ハーメルンの笛吹き”である。
その存在から岩盤などを歪ませる棍を操る。“火龍誕生祭”に現れると同時に十六夜の強襲を受け、その知性と力を認めることとなる。最終決戦を前に、ペストから神格を授けられ、本気の勧誘を断られながらも十六夜と互角の勝負を繰り広げる。全力の勝負で召喚の触媒であった棍が砕かれたことで消滅した。
ラッテン
声 - 南里侑香
“グリムグリモワール・ハーメルン”の一員。その前は、“幻想魔道書群”に所属していた。
ドイツ語で「ネズミ」。ネズミと人を操る悪魔を具現化した存在で、本物の“ネズミ捕りの道化(ラッテンフェンガー)”。魔笛(フルート)の音色でネズミだけでなく人心を操る音楽を奏でる。
飛鳥との勝負で“ディーン”の一撃を受け致命傷を負う。その後、飛鳥に隷属している“ディーン”を操ってみせるよう勝負を挑まれ、その演奏で飛鳥を感動させるものの、“ディーン”を支配するには至らずに敗北。大怪我を負った状態で全力の演奏を行ったために霊格が保てなくなり消滅した。
シュトロム
声 - 浜添伸也
ドイツ語で「嵐」。暴風雨などによる災害の悪魔を具現化した陶器の巨兵。
擬人化した笛の姿をしており、全身の風穴から空気を吸い込み四方八方に大気の渦で乱気流を起こす。瓦礫を吸収し、圧縮して散弾の如く放出する。
“ハーメルンの笛吹き”とは関係のない魔物であり、複数存在している。

人類最終試練(ラスト・エンブリオ)[編集]

最古の魔王の総称であり、人類を根絶させる要因の試練が顕現した存在。人類の歴史を巡り神々が争っていた黎明期に突如として現れた災厄である。人類史が存続することを前提とした試練が行われている神々の代理戦争に対し、彼らは誰かが乗り越えない限り、人類または世界が破綻する可能性を秘めた最上級の試練である。つまり、最終試練を越えることは人類史に必須であり放っておけば外界の人間にも影響する。その攻略にはタイムリミットがあり、これは人類の破滅が外界で確約されるまでの時間を指している。

閉鎖世界(ディストピア)、絶対悪(アジ=ダカーハ)、退廃の風(エンド・エンプティネス)、永久機関(コッペリア)などがいる。 彼らは“主催者権限”がそのまま擬人化したような存在であり“契約書類”などの概念を用いることなくゲームを開催し続ける事ができる。故に彼らを打倒するには膨大な知識量と発想の飛躍、そして不可能に挑み倒そうとする覚悟が必要となる。

天動説の白夜叉も昔は人類最終試練の一角だったが、仏門に隷属することで抑えている。

アジ=ダカーハ
“拝火教”神群が一柱、五大魔王の三頭龍。数多の神群を退けた人類最終試練。白夜叉の居ない状態では下層では止められる者がいないとまで言われる。帝釈天と同一の起源を持ち、宗主より“悪(Aksara)”の御旗と箱庭第三桁を預かり、今生を魔王として過ごすことを約束された不倶戴天の化身。“月の兎”の故郷である“月影の都”をわずか一刻で滅ぼしたその力は護法十二天にさえ匹敵する。強力な不死性を持ち、斬撃・打突を幾多数多振りかざしても死ぬことはない。悪神だが火を尊び崇拝する“拝火教”の加護を受けている。
夜天を照らす凶星のような紅玉の眼、顎から頭蓋を貫通した杭を打たれた異形の三本首の白蛇。蛇としてピット器官を備えている。背中に「Aksara」、「悪」の原語が刻まれた旗を、双肩にボルトで縫い留めて靡かせている。頭蓋の杭は200年前に戦った金糸雀たちが施した封印の一つである。外見こそ龍種に近いものの、霊格は神霊や悪魔といった霊的な存在に近い。しかし、如何なる恩恵かも不明であり大陸かそれに等しいだけの質量をわずか三メートルの身体に凝縮しており、時間経過で回復するが、分身体は自身の霊格を切り分けて与えている。
伝承では千の魔術を行使する魔王であると記述されているが、古代において魔術とは科学・医術の代替品だった場合が多く、その内容を詳しく記述した書物が存在しないにも拘らず伝承が残っているのは、魔王としての知識量を意味しているとされる。実際に彼の脳内には魔術・錬金術・科学技術などの歴史ごとに名称を変える「術の全て」の知識が収められており、幾千もの“主催者権限”を受けてきたにも拘らず、それでも簡単に封印することができなかったのは、ゲームに有効な知識を無条件で得られるような恩恵を所持していたとされている。
200年前、金糸雀たちによって“煌焔の都”の地下に封印されたが、リンの手によって封印を解かれ開放された。200年前の戦いで二つ目の封印を受けて身体能力を劣化させているが、基礎性能は“アヴェスター”で補っている。また、自身の影はレティシアと同様に操ることが可能だが、精度やスピードなどはレティシアとは比べ物にならないほど鋭く速い。
元々は人型であったが、人類最終試練と呼ばれるになり呪詛を浴びせられる内に肉体が現在のように変化した。“拝火教”悪神の母である彼の宗主が、“拝火教”という枠組みを超えてより強大な超越者としての視点から、人類が絶対に滅ぶ絶対の結末に涙しているのを見て、彼女の涙を少しでも拭うために、彼女の愛した人類が勝利する未来を造るために最も業の深い“絶対悪”の御旗を背負い人類最終試練になった。
彼の打倒には大量の戦力により、倒すにせよ封印するにせよ、まずはその膨大な霊格、質量を全て吐き出させる必要がある。つまり傷口から分身を産み落とす性質を利用して大量の分身体を倒し、急所である心臓の位置を明らかにするための戦力が求められる。しかし、分身体は数ある恩恵の一つでしかなく、倒すために必要不可欠な武器こそ、「勇気ある者の一振り」である。十六夜に「決して勝てない」と思わせるほどの強さを持ち、激戦の末、黒ウサギが放ち、それをが避けてみせた“疑似神格・梵釈槍”を受け止めた十六夜に心臓を貫かれ、恐怖に震えながら踏み込んだ勇気を讃えて消滅した。
双頭龍
本体の傷口から噴き出した血液を浴びた大地、溶岩、朽ちた大木を双頭龍へと変幻させる。
第一世代は神霊級の強さを誇り、本体の命令を忠実に従うのみで意思や感情は宿っていないが、闘争の点においては知恵が回る。その強力性は本体自身の霊格を切り分けて与えられており、翼を持つ眷属は霊格を多く消費する。
アヴェスター
“アヴェスター”起動――相剋して廻れ、の言葉と共に顕現する“疑似創星図”。
二元論を最速で構築できる相剋の“疑似創星図”で、相手の恩恵を含めた額面上の性能を全てそのまま己に上乗せする恩恵であり、神霊が数を揃えても彼に力及ばぬ理由は、神霊の数だけ力を得てしまうことになるためである。相手の宇宙観の反面を模倣して取り込み限定的に行使することができる。ただし、彼本体とそれを共有し合う種族だけは数を揃えたとしても一体以上は模倣できない。つまり元々人間だった彼に、同じ人類の血を引く者だけが“アヴェスター”の影響を掻い潜って挑戦できる。伝承でも彼は世界の終末に現れ「人類の未来を救う英雄」により打倒される運命にある。
覇者の光輪(タワルナフ)
伝承で世界の三分の一を滅ぼすと伝えられてきた閃熱系最強の一撃。終末論の引き金を引く力を召喚し、炎熱として扱う恩恵である。
コッペリア
南側で“退廃の風”に封印されていた人形。自分(第三永久機関)を完成させるというパラドックスゲームを開催していた人類最終試練。翠色の髪に蒼い瞳を持つ。
“ディーン”の神珍鉄を使用することで神造永久機関として完成したが、本人は第三永久機関として完成していることを望んでいるので、自分を完成させる相手を探すために、今は“龍角を持つ鷲獅子”に身を寄せている。また、“龍角を持つ鷲獅子”にはゲームメイカーがいないため、彼女がその役割を担っている。
彼女を模した人形がマクスウェルによって量産されている。“第三永久機関”の正当な霊格を持つため、マクスウェルが滅ぼされた後に、その霊格が移譲された模様。
退廃の風(エンド・エンプティネス)
信仰を廃れさせ、畏怖を忘却させ、研鑽を途絶えさせる姿なき無貌の魔王。数ある魔王の中でも取り分け特異とされ、彼らが“天災”と称されるようになった元凶であり最上級に危険な天災の一つ。天災であるが故に目的はなく知性を持たない。時に試練のロジックとして、時に時勢の荒波として、時間という概念の最果てより訪れ、追憶の彼方へと去るだけの存在。所在が明らかになっている数少ない一桁ナンバーである。便宜上、魔王に位置付けられているが、この“退廃の風”は世界の法則、いわば全能の一端とも言える存在である。
“徘徊する終末論(ラスト・デカダンス)”、“最果ての暴君(グリード・クラウン)”、“共喰い魔王”などこの神々の箱庭で数多の名を持つ天災の代名詞。神仏の、生命の、星々の輝きを喰らう生粋の魔王で、如何に尊い意思が募ろうと関係なく、恩恵の有無を問わず、あらゆる物質、概念を摩耗させる。“アンダーウッド”収穫祭では決して到達できない存在、つまり喰い尽くせない無限のご馳走である第三永久機関・コッペリアを封印していたが、神造永久機関という仮の形であれ完成したことにより箱庭の中心へと去っていった。
風の色により桁数が異なり、黒が最も強く、白が最も弱い。収穫祭に現れた鈍色の“退廃の風”は五桁に該当し、格下の霊格を退廃させることはできない、正確には“喰らうことを許されていない”ため、“倒すには該当する階層以上の旗印が必要”となる。
“退廃の風”が人類最終試練に位置付けられているのは、最終試練攻略のためのタイムリミットとしての機能があることによる。収穫祭に現れるまで200年姿を見せなかったのは、アジ=ダカーハが封印されていたことが原因である。アジ=ダカーハの封印が解かれ、タイムリミットが過ぎてしまえば箱庭全土に“退廃の風”が吹き荒れることになっており、上層の者達はこれを逃れるために新たな箱庭の構築と移設の準備に勤しんでいたが、十六夜達の健闘により最悪の事態は免れた。

箱庭世界のその他の人物[編集]

遊興屋(ストーリーテラー)
ゲームクリエイターの幻想(グリム)の詩人。全200篇以上にも及ぶ魔書から悪魔を呼び出した驚異の召喚士であり、コミュニティ“幻想魔道書群(グリムグリモワール)”を率いた伝説の魔王。1篇から召喚される悪魔は複数で、その魔書一つ一つに異なった背景の世界が内包され、その全てがゲーム盤として確立されたルールと強制力を持つという絶大な力を持っていた。“ハーメルンの笛吹き(ヴェーザー、ラッテン)”だけでなく、“灰かぶり姫”や“靴履き猫”などの民間伝承を媒介に童話の悪魔として呼び出した。
線が細かく背が高い切れ長の目の男。「どこの」とも「何の」とも「何のため」とも理解できない装いで、出所も、製法も、目的も読み取ることができない風貌をしており、存在そのものを限りなく希薄にしている。大規模な力を持ち、指先一つで城を呼び出せる。その力で数多の平行世界を旅し“箱庭の世界”を“可能性(異世界)に偏在する空間”と考えた。
200年前の“階層支配者”制度施行初期、吸血鬼の同士に裏切られ自暴自棄になっていたレティシアを一喝し、彼女が魔王になり復讐を果たすための手助けをした。ギフトゲーム“SUN SYNCHRONOUS ORBIT IN VAMPIRE KING”のルールを組み上げ、その内容から頭が切れることが伺える一方で、己の利益だけに固執せず、相手に救いの道を提示した上で交渉を持ちかけるなど、常に相手と対等な立場で接する人物であったことがレティシアやペストとの会話から伺える。
とあるコミュニティとのギフトゲームで敗北し、この世を去ったとされていたが、霊格を失った状態で生き延びており、“煌焔の都”でゲームメイク中のアジ=ダカーハの前に姿を見せた。現在は遊興屋(ストーリーテラー)として雇われ、“ウロボロス”に協力しており、リンからは「先生」と呼ばれている。
カーラ
吸血鬼。レティシアが“龍の騎士”となった当時、吸血鬼のコミュニティのメイドをしていた侍女頭。主人が求めれば、茶席の世話から料理・洗濯・掃除などの基本的な家事、菜園の手入れや着替え、知略・策略・謀略も用意し、暗殺から一番槍まで完璧にこなす、一族で折り紙つきの戦士であり対魔王戦のゲームメイカーでもあった。
美麗な金髪にメイド服を着込む。苺のように赤い唇に整った容姿と愛らしさを持つが、その腰には彼女の容姿とメイド服に似合わない、彼女の背丈ほどあろうかという巨大な大剣を提げている。美しい外見と明るい挙動とは裏腹に、彼女の視線には昏い魔性の光が灯っており、その眼光は騎士というよりは魔女であり、彼女の本質は魔性の類いであるとされる。レティシアのメイドをしていた「カーラ」と同じ名前で“煌焔の都”に現れた純血の吸血鬼が遊興屋と行動をしているが、同一人物かどうかは不明。
一二三(ひふみ)
声 - 日高里菜
OVA登場。八百万の大御神(やおよろずのおおみかみ)の分家筋のコミュニティ・スクナビコナの眷属に所属している。
スクナビコナは神道系の神で、水源の開拓を行うが悪童神としても有名で定期的に奉納祭と称したゲームを行う。

幻獣・神獣・その他[編集]

詩人(クリエイター)
巨人族や魔法使いに次ぐ人類の幻獣。決して強い種族ではないが、彼ら詩人には第四の最強種とまで恐れられる、“主催者権限”のゲームルールを再構築、ゲームリメイクと称される唯一無二の恩恵を持つ幻想種である。彼らは歴史の改竄さえ容易く行いその影響力は独自の神群を築くこともできる。
古来、詩人の唄は民草に歴史を伝え聞かせてきた。時にその歌声で、時に書物で、様々な形で世界の功績をこの世に記し、時代という姿なきものに形を与えてきた。つまり、彼ら詩人は時代によっては一国の王よりも強い影響力を持つ。影響力の強い詩人は時に偽りの功績を偏って王の悪名を流すなど、己の唄で真実の歴史を捻じ曲げることさえ可能にしたのである。
また、経典を作成した聖人たちも広義では詩人である。彼らは箱庭から外界の戦争や政治といった“歴史の転換期”に干渉することでその神群規模を広げてきた。
巨人族
人類の幻獣。箱庭の巨人族はその多くが異界での敗残兵である。ケルトのフォモール族などが代表格だが北欧の者たちも多い。敗残してきた経緯から基本的に戦いを避ける穏やかな気性で、物作りに長けた種である。
5年前に“侵略の書”の魔道書を手に入れた巨人族の魔王とその一派が、強制して土地を賭け合うゲーム「Labor Gabala」でコミュニティを巨大化し同族の巨人族を支配していったが、その末に戦いに敗れて滅んだ。巨人族の闘争を記したダーナ神話群の一説には、とある強大な力を持つ巨人族が黒死病を操ることで他の巨人族を支配していた、とある。つまり彼らは黒死病が弱点だが、「バロールが率いた部族」は黒死病を操り支配体系を築き上げた。
“アンダーウッド”収穫祭を強襲したのはその末裔の混血種。彼らは神群を指すものではなく「巨大化した人類」という幻獣の枠組みであり強大な力は持っていない。
鷲獅子(グリフォン)
鳥の王にして獣の王。「力」「知恵」「勇気」を司り、ギフトゲームを代表する幻獣。翼を推進力として飛ぶのではなく、空を踏みしめ空中を走って飛んでいる。
獣王である獅子と王鳥である鷲の因子を持つグリフォンは、ギリシャ神群の主神ゼウスの戦車(チャリオット)を牽き、黄金を守る役目を与えられた、いわば神獣に該当する。人類の年代記でも国旗や家紋のモチーフとして扱われることが数多くあり、その神性は並の神霊を凌ぐ。しかし箱庭では繁殖し、個体数が増えたためにそれらの神性は分散し、個々の力は幻獣の中級程度であるのが現状である。それらの神性を一つの個体に集めるために造られたのが鷲獅子の龍角であり、ギリシゃ神群から授けられた神格と個体としての神性を高める恩恵、それがドラコ=グライフの与えられた鷲龍の角の正体である。二本ある角を揃えた鷲獅子は、ゼウスの神雷を携えるほどの霊格を誇る。
光翼馬(ペガサス)
翼を持つ幻獣の中でも特異な種で、光のように輝くエネルギーを推進力として生み出して飛翔する。
旋風で飛んでいるのではなく力場のようなものを作り出すことで、重力に逆らい空中で停止することができる。“光翼馬”と称されるようにその輝く推進エネルギーの本質“サイコキネシス”に近い性質がある。
マルコシアス
ソロモン72柱第30位の魔獣。鷲獅子の翼と蛇の尾を持つ狼型の第三幻想種。第三幻想種の中でも上位に入る魔狼で、下位ではあるが魔王に上り詰めたほどの幻獣である。
(ばつ)
中国神話に現れる干ばつを呼ぶ神獣である。黄帝の血筋である“魃”は生まれつき陽の光を呼び込み、雨風を消し去る力を持っていたという。魔王“蚩尤”との決戦の際、その力を行使した“魃”は穢れを浴び天に還れなくなる。しかし、ただ生きているだけで干ばつを起こす“魃”を地上に放置しておくわけにもいかず、黄帝は迷った末に箱庭の世界で保護することとした。長い月日が流れ、世代を繰り返しても天に還ることを望み続けた“魃”の末裔は、やがてその姿を怪鳥に変え、箱庭を彷徨っている。
正確には遠い系譜の末にあたる怪鳥だが、日照りを呼び込む力でコミュニティにも属せない哀れな幻獣であり、穢れにより神格をなくし、神気も衰え、知性も持たない。腕が一本、足が一本の怪鳥で、恒久的に高温を発し、不自然に陽炎が発生している。一時期南側を棲家とし干ばつを起こしたために、長く日照りが続き水不足などの理由から、動植物の生態系を大きく乱れさせた。
ペリュドン
鹿の角と鳥の翼を持つ幻獣。人間を食べる「食人種」ではなく人間を殺す「殺人種」。元はアトランティス大陸から来た外来種である。
先天的に影に呪いを持ち、己の姿とは違った影を映す。人を殺すのはその解呪方法が「人間を殺すこと」であることが理由である。
ユニコーン
コミュニティ“一本角”所属の、艶のある青白い胴体に額の一本角の幻獣。
水辺に生息し、その角には治癒や浄化の加護が宿るとされている。その角を求める者たちにより乱獲された記録があり、人里を訪れる事はほとんどない。
冬獣夏草
レティシアのギフトゲーム中に吸血鬼の古城に現れた寄生種の怪植物。苔に見える部分は胞子で、生き物やその死骸を苗床に繁殖する菌糸類。冬虫夏草と性質が似ていることから名付けられた。
血塊と苔の集合体のような赤黒い人型の身体、動きは速いが身体は脆い。
ヒッポカンプ
海馬(シーホース)とも呼ばれ、鬣に背ビレ、蹄に水掻きを持ち水上を走る半馬半魚の幻獣。
地上とは違い水上は不安定で、蹄が触れる水面の張力、水中の圧力を操っているため、駆け出す瞬間は浮き沈みが激しく地上の騎馬よりも揺れる。水面を走るには流体力学の高度な応用が必要とされるが、彼らはそれを理論ではなく経験則と血筋を頼りにやってのける。
ヒッポグリフ
鷲の翼を持つ怪馬。鷲獅子に馬を掛け合わせた第三幻想種。
龍馬(ドラニコルホース)
馬と龍の混血種。亜龍の一種で、馬の姿に龍の鱗を持ち水と稲妻を操る。
水霊馬(ケルピー
“アンダーウッド”の樹海の水面に生息する、ヒッポカンプと同様馬の姿をしている。
精霊というよりは怨霊に近い彼らは、樹海で死んでいった霊群である。元が霊群だけあって多少の傷であればすぐに収束して形を成す。
桜見鳥
桜の木に巣を作る鳥。パイなどの料理に好んで使われる桜色の卵を産み落とす。

カナリアファミリーホーム[編集]

金糸雀が十六夜を引き受けるために作った児童福祉施設。研究施設のような真っ白な外観の5階建ての建物である。

親のいない子供たちを引き取って里親を募集するのが表向きだが、その実情は、世間一般では手がつけられないほど特異な問題児たちを引き受ける施設である。「特異」とは少年少女の個人個人が常識から逸脱した能力や才能を持っていることを意味している。これは十六夜を引き取った際に金糸雀が取り決めたことだが、十六夜のような現実ではありえないような驚異的な力を有していたのは十六夜一人のみである。だがそれでも金糸雀の努力の甲斐あって、以下の面子は“十六夜の大切な人たち”に成り得た。

金糸雀(カナリア
旧“ノーネーム”の参謀。南側出身の詩人。“歴史の転換期”を引き起こすことができる[注 47]ほどのその凡才は、クロア、大聖、帝釈天、クイーン、オルフェウス、その他多くに苦労をかけていたという。
白いトレンチコートに革のロングブーツ、左右の耳に逆廻きの貝殻のピアスを身に付けている金髪の女性。
3年前にコミュニティが魔王に敗北したことで外界へ追放され、自ら十六夜と接触し、彼と世界中をめぐった後に“カナリアファミリーホーム”を設立。世界を改変する詩を謳い自身の霊格と引き換えに“歴史の転換期”を引き起こしたが、神群の中核になることはできず、神格が宿ることもなくなったことで霊格そのものが摩耗しすぎてしまい、息を引き取った。強大かつ不安定だった十六夜を世界に適合させるという難事をこなしてのけ、さらに奇妙な遺書まで用意して十六夜を箱庭に導き、その力を存分に発揮させるお膳立てまでして見せた。
幼い頃にコミュニティに招いた黒ウサギと十六夜の双方に大きな影響を与えた人物であり、特に黒ウサギは彼女の救出を困難に耐えるモチベーションにしている節があるが、「異世界に流されそのまま死んだ」結果が確定した以上もはや救出の目はなく、十六夜もレティシアも黒ウサギに真実を告げることができずにいる。現在、上記の事情を全て把握しているのはレティシアのみであり、金糸雀の辿った運命はレティシアに「奪われた仲間はみな異世界に流され、もはや奪還は不可能なのでは」という疑念をもたらすこととなる。
彩里 鈴華(あやざと すずか)
健康的な褐色肌とパイナップルのような髪型の少女。見た目のとおり、非常に活発な女の子である。
西郷 焔(さいごう ほむら)
ボサボサ頭に眼鏡をかけた少年。十六夜のヘッドフォンを作った人物であり、一度バラバラにした物から瞬時に構造を理解し、時間さえあればパソコンを備品から全て組み立てることもできるその圧倒的な理解力と再現力、創造力に長けた才能で施設に招かれた。

用語[編集]

箱庭
強大な力を持つギフト保持者が面白可笑しく生活できる為に造られたステージであり、今でこそ神々の遊び場と化しているが、本来は外界を正しく発展させるために造られた神造世界、即ち第三観測宇宙である。神霊種が人類史と共依存している世界であり、人類の破滅が確認されれば箱庭の世界は滅びる。これを神霊は総じて世界の終焉“終末論”と呼んでいる。
明確な“世界の果て”が存在する箱庭の世界だが、その表面積は恒星に匹敵し、世界軸という柱によって支えられている。中心を見上げた時の遠近感を狂わせるようにできており、肉眼で見た縮尺との距離の差異は大きい。箱庭を覆う天幕は、太陽にあたることのできない種族のために作られたもので、箱庭の内側に入ると不可視となる。
上層から下層まで七つの支配権に分かれ、数字が若いほど都市の中心部に近く、より強大な力を持つ者たちが住んでいる。一般的に七桁・六桁を下層、五桁を中層、四桁・三桁・二桁・一桁を上層と呼ぶ。上1桁が住所のようなもので、東:1~3 北:4~6 南:7~9となる。東側の外門の外は世界の果てと向かい合っているため、他の地域に比べて閑散としている。最下層である七桁を除けば、それぞれの階層に求められる条件が存在する。本拠の階級を上げる方法は様々存在するが、分かりやすい一例として、六桁の門を越えるには、“階層支配者”が提示した試練(ゲーム)をクリアしなければならず、五桁の門を越えるには、六桁の外門を三つ以上勢力下に置き、その門に旗を飾った上で100以上のコミュニティが参加するギフトゲームの主催者を経験する必要がある。六桁外門への昇格は参加者・個人としての力を求められ、五桁外門への昇格は主催者・組織としての力が求められる。即ち六桁と五桁の魔王では使用する“主催者権限”の質と規模などその実力には雲泥の差がある。
一定のスパンで人工降雨が行われる。その時のみ箱庭の天幕が可視状態となり、光学屈折で作り出した雨雲を視覚に錯覚させる。つまりありもしない雨雲を「ある」と錯覚させた上で雨を降らせている。ここまでの高等技術を持ってまで雨風を起こすのは、古来天運天災に身を潜める修羅神仏にとって雨雲の有無の意味合いが大きいためである。また箱庭の天幕は満月であっても星の光は霞まずに目視しやすいように作られており、幾千万の星々もまた、箱庭のために造られた舞台の一部である。
立体交差並行世界論
通称“歴史の転換期”と呼ばれ、箱庭の多岐集結型召喚式の一種。異なる事象が時間平行線で起きているにもかかわらず、結果が収束するクロスポイントがある、というもの。
歴史の転換期(パラダイム・シフト)
人類だけでなく一生命体の単位で観測される節目、大規模な戦争や生態系が変わる規模の天変地異、それらが起こる時期のことである。数年単位でズレが生じる可能性がある。起こる時代が大まかに決まっており、時期による歴史の収束を促すために様々な形で“恩恵”が顕現する。つまりコミュニティのルーツを辿っていくと伝承・伝説・史実上の人物に行き着くことが多くなる。作中において、箱庭は異なる全ての可能性の収束点として描写されるため、箱庭に召喚されるためには、異なるすべての時間軸で同様の事象が観測されなければならない[注 48]
上層に割り込むほど大きな“歴史の転換期”が起きるのは17世紀前後までが最盛期であり、以降の歴史、特に19世紀以後は様々な可能性が多岐に亘って分割し可能性が収束されにくく、2000年代にもなれば神霊や悪魔が生まれる収束点はほぼ皆無、あっても都市伝説の規模となる。“歴史の転換期”を起こしたもの、あるいは重要な役割を占めるものは(後者はその信仰により)高い霊格を得る[注 49]。技術的な“歴史の転換期”は本来であれば個人ではなく組織に依存することになる。ラプラスの悪魔やマクスウェルの悪魔のような理論の擬人化が行われるのは、理論に対する霊格の担い手が不確定であることによる。
数多の恩恵と強力な霊格が与えられる“歴史の転換期”はすでに強力な神群が信仰という根を張っているのが現在の世情である。基本的に、信仰で神霊となった者は星の年代記である以上その霊格は年代記を保持しようとする強制力で蘇ることが可能であり、生半可な方法では命を奪うことはできない[注 50]。また、「とある事実」において、太陽の周期などの大規模な出来事が原因となると、必然的に“歴史の転換期”を迎えることになるため、その事実は各世界の時間軸において不可避の未来となる傾向にある[注 51]。つまり、神霊を殺すには年代記に沿った倒し方を用意するか、人類史を一撃で破壊し尽くす大規模な超破壊能力を行使するかの二通りの方法がある。
人類最終試練(ラスト・エンブリオ)
「神霊は人類の信仰(観測)によって発生する」「人類は神々の恩恵を受けて進化する」。この神霊が発生する条件から、両者の起点と終点はどちらにあるのか、つまり起点(アルファ)である造物主と終点(オメガ)である創造主が同一の世界、それが箱庭の世界である。箱庭の有史以来最大の謎とされているパラドックス、鶏<カミ>が先か卵<ヒト>が先か、通称“Bootstrap Paradox”だが、これはすでに人界でも、人類の末世と呼ばれる2000年代で最も支持を受けたのは、神による世界の創造論だったと結論が出ている。この結論は時代の力ある宗派の影響が大きいが、世界(宇宙)を構築した一次的要因として創造論以外の説明が未だに立証できないという事実もあり、それは人類史が全ての時間を費やしても到達できない真実の一つである。だが、「人類の支持を得た」ことが「創造論の保証」になるのであれば、「世界の法則は人類の主観に左右されて構築される」、即ち人現原理こそが宇宙観の真実となる。そしてそれこそが“人類最終試練”を最強の神殺しへと押し上げている事実であり、人類と神霊が相互観測者ということは、一方が滅べばその関係は破綻する。つまり“人類最終試練”とは「人類全てを滅ぼす要因α」、これこそが人類に降りかかる最後の試練である。それを北欧では“ラグナロク”、インドでは“カリ=ユガ”と呼び、遥か古代の文明から神々が警鐘を鳴らし続けたその収束点(オメガ)Xを、彼ら神霊は総じて世界の終焉、即ち“終末論”と呼ぶ。
最終試練のタイムリミットとは、人類の破滅が外界で確約されるまでの時間を指している。もしもこれが真実であれば、破滅を迎えようとしているのはこの箱庭の世界ではなく、十六夜、飛鳥、耀が元居た世界ということになる。だが、「人類は人類の手で滅びを迎える」というのが最終試練に与えられた共通項であり、アジ=ダカーハのような一部の権力者による滅びも結果的には同じで、20世紀に核兵器を始めとしたNBCR(大量破壊)兵器が存在しているように、人類の悪意の暴走は終末論の引き金を引くには十分な力がある。自然災害や隕石の衝突のような外的要因を伴う終末論との違いはここにある。これらの終末論は最終的に神霊や星霊の力で回避することが可能であるのに対し、人類が人類を滅ぼす終末を乗り越えるには、人類が霊長として次の進化を遂げる必要がある。悪意に勝つ霊長としての進化は口で言うほど簡単なものではない。ディストピアの魔王を倒す際に必要だった犠牲は、人類の数割が死に絶えるほどの想像を絶し、黒死病の大流行による農奴の激滅、生産性の減少、8000万の犠牲者、それにより社会的地位の向上が早まり、人類を滅ぼしかねない疫病が最終的に人類の未来を変えた。本来であれば農奴の解放は1900年代最初期かその前後にまで延びるはずだった。これらは結果として啓蒙思想・自由主義といった思想の発展の妨げとなりディストピア思想を増長させる原因となり、黒死病の蔓延は14世紀から100年以上も続く。人類最大の試練であった黒死病の蔓延は、“閉鎖世界”へ繋がる未来を打ち消し霊長の進化を促すために必要不可欠だった。8000万の怨嗟を生んだ試練に絶対的な正当性はないが、大流行の事実を時代から抹消してしまえば、魔王ディストピアの復活に繋がると言われる。
終末論(カリ=ユガ
インド神話群の終末論。人類の文明の発展と共に民草から信仰が失われ、道徳心が欠如する末世。
天文学が絡んでおり、箱庭から観測した場合、解釈時期がバラバラで特定しにくい。循環する年代記の四番目に相当し、時が来たら新たな年代記に移り変わることで乗り越えられる。
恩恵(ギフト)
様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた特異な力。様々な形に変幻し、生命に宿ることでその“恩恵”となる力を発揮するものである。時代の収束点である“歴史の転換期”に合わせて顕現する力であり、人類史が正しい方向に進むために神々が与えるバランサーシステムでもある。箱庭に招かれる者に英雄英傑や、歴史的な著名人が多いのは、恩恵を回収する際にそのまま召喚されてしまった結果である。
ギフトゲーム
恩恵を用いて競い合うための神魔の遊戯。箱庭では売買と同価値の興業として扱われており、箱庭の代表的文化体系である、とは表向きの話で、その実ギフトゲームとは、歴史の考察・外界の事象を形骸化して争う試練、及び代理戦争がその原型である。代理戦争の結果次第では外界の歴史が変化することもある。恩恵が時代の収束点、“歴史の転換期”に合わせて顕現し、恩恵と共に英雄英傑修羅神仏が召喚されてしまうように、様々な世界や歴史、系統樹のパターンを試しそのたびに回収した結果、箱庭そのものが文化体系を持つに至りギフトゲームの興業化に繋がったのである。
修羅神仏が人間を含めた様々な種に与える試練を形式化したものであり、ゲーム難度はそのまま己の格を表す。ギフトゲームは、暇を持て余した修羅神仏が人を試すための試練として開催されるゲーム、コミュニティの力を誇示するために独自開催するゲーム、の主に二種類があり、ゲームの勝者はゲームの主催者が提示した賞品を手に入れることができる。前者は自由参加が多いが、主催者が修羅神仏故に凶悪かつ難解な試練が多く、命の危険を伴うが見返りは大きく、主催者次第では新たな恩恵を手にすることもある。その難易度は主催者から参加者に対する信頼であり愛情であるように、その根底には慈しみが必ず存在する。後者はチップを用意する必要があり、金品・土地・利権・名誉・人間・ギフトなどを賭け合って行う。「力」「知恵」「勇気」などを試すゲームがある中で「運気」を試すゲームも数多に存在するらしい。また己のコミュニティのブランドを高く意識して出店する店はギフトゲームによる売買を行う。コミュニティ同士のゲームを除けば、ゲームそのものはそれぞれの期日内に登録すれば始めることができる。
金銭を払って観客を招くゲームがあるが、最初の取り決めになく、状況が把握できないような隔絶空間でない限り侵入や途中参加はできない。しかし、“連盟権限”を利用した場合のみ、魔王に襲われたコミュニティに同連盟コミュニティが助太刀のために介入することができる。
ギフトゲームは能力不足、知識不足を不備としない。「空を飛べ」「不死を殺せ」と書いてあろうが、飛べぬ方が悪く、殺せぬ方が悪い。よって攻略するために無理難題を押し付けるゲームが確かに存在するが、“階層支配者”が主催するゲームは原則として「殺し」は“契約書類”に載せるまでもなくご法度なのが大前提であり、クリアすることが可能な物でなくてはならない[注 52]
試練そのものである最古の魔王たちを倒すことは物的には不可能であり、彼らに対抗するための手段として後に造られたのが、己の霊格を解放して試練と化す神魔の秘奥“主催者権限”でありギフトゲームの原型である。これこそギフトゲームが神魔の遊戯と呼ばれた本当の理由であり、神群と魔王の代理戦争の名残が幾星霜の時を経て今のような形となった。
魔王によるギフトゲームには必ず二つ以上のクリア条件、つまりゲーム終了条件が提示される。「魔王を倒すことでゲームクリア」「魔王を無力化することでゲームクリア」、主にこの二つで、クリア数や時間制限を指定されない限り、一つクリア条件を満たせば参加者側の勝利となる。三つ以上の勝利条件が提示されている場合は多ければ多いほどクリア条件が増える参加者側が有利となるため、逆に魔王側には有利なペナルティルールが敷かれている、もしくは隠されている。それでも、魔王とのギフトゲームでは魔王との直接対決は最後の最後、それも最終手段であり、如何にして魔王と戦わないかが生き残る上で重要となる。
パラドックスゲーム
解答の存在しないギフトゲーム。通称トラップゲーム。人類未到達の技術をクリア条件に持ってくることは決して反則ではなく、クリアが可能なものではあるが、実質的にはクリアが不可能なゲームである。
作中では永久機関の完成がクリア条件のギフトゲームが存在するが、この場合永久機関を作る技術を持っていない参加者が悪いという事になりゲーム自体に問題は無い[注 53]
Bootstrap Paradox(ブートストラップ・パラドックス)
18世紀ドイツに実在した貴族・ミュンヒハウゼン男爵をモチーフにした小説に登場するパラドックスゲーム。日本では「鶏<カミ>が先か卵<ヒト>が先か」の起因(アルファ)と終結(オメガ)が同一になるパラドックスが有名な話である。
一つ間違えば“歴史の転換期”が起きてしまう“Bootstrap Paradox”は、起きれば箱庭の上層が征伐に向かう規模の大事件であり、箱庭の神々からも問題視されている。
全能の逆説(オムニポテント・パラドックス)
箱庭の神々はこのパラドックスゲームの一部によって一元論・一神教を基軸とした宇宙観を構築することが許されない。2000年代に実在する最大宗派が箱庭でその力を存分に振るえない理由がここにある。
主催者権限(ホストマスター)
ギフトゲームの強制召集権。内的宇宙を解放し、最古の魔王を取り込むために造られた神魔の秘奥。悪用されるようになったのは、最古の魔王が駆逐され、箱庭の世界が安定を迎えた後のことである。
魔王の代名詞として広く知られているが、その本質は、「罪を犯した者を裁くための試練」「信仰心を裏付けするための試練」「新しい進化を迎えるための試練」であり、こういった善性の試練を世界に与えるための、神々の恩恵すら超える最強の強制執行権というのが本来の姿である。試練そのものである最古の魔王たちを倒すことは物的には不可能だが、“主催者権限”によりゲーム盤が召喚された場合はゲームがクリアされるまで外に出ることはできない。このように、彼らに対抗するための手段として造られたのが、己の霊格を解放して試練と化す神魔の秘奥“主催者権限”でありギフトゲームの原型である。
契約書類(ギアスロール)
“主催者権限”を持たない者が主催者となりゲームを開催するために必要なギフト。契約は絶対であり、如何なるギフトも契約書類に背く場合無効化される。
ゲーム内容、ルール、チップ、賞品などが書かれており、コミュニティのリーダーが署名をすることで成立する。
ギフトカード
正式名称を“ラプラスの紙片”。全知の一端である“サウザンドアイズ”の大幹部“ラプラスの悪魔”対魔王用に作り上げた逸品。所持しているかどうかで対魔王戦の生存率が大幅に上がるほど重要なギフト。
ギフトネームは自身の魂と繋がった恩恵の名称であり己の正体を示す。カードには自身のコミュニティの名と旗印が記される。また、顕現しているギフトを収納、好きな時に顕現できる機能を持つ。収納したギフトはカードに収納物を示す絵と名前が記される。
境界門(アストラルゲート)
広大すぎる土地を誇る箱庭を行き来するための、唯一無二の移動手段として外門に与えられた空間跳躍のギフト。「Astral」とは星を意味し、この門を通過したものは物質界から切り離された星辰体となり、星の光の如く駆け巡る。
外門の数字が書かれた鈍色のナンバープレートがあり、そのプレートに書かれた数字が移動先の外門の出口となる。起動時は“サウザンドアイズ”発行の金貨で言えば一枚分が必要で、さらに北から南に移動する場合は500%増となっている。その料金の80%が“地域支配者”に納められる。階層支配者が定めた範囲内なら使用料は“地域支配者”が決めることができる。また個人での使用は緊急時の場合のみとなっており、通常起動する時は主に行商目的のコミュニティが一斉に集まってくる。
忉利天
天軍を出撃させるために用意された現世と天界を繋ぐ門。箱庭第三桁にある忉利天は蓮の花が浮かび、桃の並木道が彩る天界の門となっている。三桁に座す強力な神霊たちが本来の姿のまま下界に顕現すれば、その存在だけで天地を揺るがす災害となりかねない。その余波を軽減するために造られ、星辰体(アストラル)と物質体(マテリアル)を相互可逆させ環境に合わせた最善の姿で神霊や星霊を顕現させることができる。よってこの天門以外の方法で下層に降りる事は原則として禁じられており、天軍の所属コミュニティ以外の者が使用する際には帝釈天の許可が必要となる。
アジ=ダカーハの手で一時的に使用不能な状態に陥っていたが、現在は修復され四桁までが繋がり移動可能となっている。
全権階層支配者(アンダーエリアマスター)
“外門の支配者”が地域を治めていた頃は修羅神仏入り乱れの大魔境であり、魔王に外門利権証を奪われれば“境界門”使用料が独断で定められ、外門の外に出ることも叶わず奴隷のように飼い殺しにされていた。そんな末世にあった下層に秩序を取り戻そうと旗を掲げた“箱庭の騎士”である吸血鬼たちが、その持ち前の力と知恵、勇気を以て次々と凶悪な魔王たちを打ち破り、それでも手に負えない魔王や外界に取り逃がした魔王もいたが、結果的に箱庭は安定期を迎えることに成功した。その後、下層は“箱庭の騎士”を中心に全外門で共通の規定を取り決め、法整備し、“階層支配者”と“地域支配者”制度を設け、東西南北の下層を見守る“全権階層支配者”として広く認められた。
“階層支配者”が壊滅、もしくは一人となった場合に限り、“全権階層支配者”が選ばれ、暫定四桁の地位と相応のギフト、太陽の主権の一つ、そして東西南北から他の“階層支配者”を選定する権利が与えられる。過去に就任した前例は白夜叉とレティシアのみである。
階層支配者(フロアマスター)
箱庭の秩序の守護者として下位コミュニティの成長を促すために設けられた制度。秩序を乱す天災・魔王が現れた際には率先して戦う義務があり、魔王でなくとも無法行為を働く者たちを裁く使命がある。彼らはその義務引き換えに、膨大な権力、強大なギフト、そして最上級特権“主催者権限”が与えられる。
また箱庭内の土地の分割や譲渡、コミュニティが上位の階層に移転資格を試す試練を行う、天候をある程度預かる、地域の活性化を促す大規模ゲームの定期開催、など数多くの激務がある。
現在の“階層支配者”は“サウザンドアイズ”の白夜叉、“ラプラスの悪魔”(現在休眠中)、“サラマンドラ”、“鬼姫”連盟、 “龍角を持つ鷲獅子”連盟。また白夜叉が神格を返上したために、東側は蛟魔王・蛟劉が代行を務めている。
“階層支配者”が壊滅、もしくは一人となった場合に限り、“全権階層支配者”が選ばれ、暫定四桁の地位と相応のギフト、太陽の主権の一つ、そして東西南北から他の“階層支配者”を選定する権利が与えられる。
外門の支配者(ゲート・ルーラー)
“階層支配者”制度投入前の箱庭開闢時に各外門に決められた制度で、“境界門”の使用料も彼らの独断になるなど独自の裁量で地域を治め、魔王に支配された外門は出ることもできずに飼い殺しにされた[注 54]
地域支配者(レギオンマスター)
地域で最も力があると“階層支配者”に認められたコミュニティは、外門利権証を取得することで様々な影響力が発生する故に“地域支配者”と称される。
外門利権証
“地域支配者”が“階層支配者”の提示するギフトゲームをクリアすることで与えられ、箱庭の外門に存在する様々な権益を取得できる特殊な“契約書類”。外門同士を繋ぐ“境界門”の起動や広報目的のコーディネートなどを一任できる権利。
星の主権
数多の修羅神仏の徘徊する箱庭では、それぞれの星に所有権、つまり主権が存在する。星の主権を所持していれば絶大な力を持つ星霊・神霊を召喚し従えることができる。
太陽の主権
最も多くの神仏が宿る太陽の主権は、“黄道の十二宮”に記された白羊・金牛・双子・巨蟹・獅子・処女・天秤・天蠍・人馬・磨羯・宝瓶・双魚の12星座と、“赤道の十二辰”に記された鼠・牛・虎・兎・龍・蛇・馬・羊・猿・鳥・狗・猪の12辰、これら二つの天体分割法を用いて24個に分け、主権を分散している。主権のいずれか一つでも持っていれば、箱庭の大天幕を開くことができる。
上記のものとは別に、“全権階層支配者”に貸し出される13番目の黄道宮の“蛇遣い座(アスクレピオス)”の主権が存在する。太陽の主権を持つ者は巨龍を始めとする星獣を召喚することができる。
また、新しい箱庭を、世界(歴史)を始めるには対象主権の過半数が必要であり、アジ=ダカーハが倒される前に箱庭の移設を計画していた上層の者たちは、躍起になって白夜叉を連れ戻そうとしていた。
月の主権
15に分割されているようで、現在確認されているのは黒ウサギの“月界神殿”と蛟魔王・蛟劉の“新月”の2つ。
コミュニティ
複数名で作られる組織の総称。活動するためには、箱庭の中枢に名と旗印を申告しなければならない。名がないと“ノーネーム”や“名無し”と呼ばれ「その他大勢」に分類される。また、名の改名はコミュニティの完全解散を意味し、旗印はコミュニティの縄張りを主張するものである[注 55]
基本的に、箱庭で生活するためにはコミュニティに所属する必要がある。また、コミュニティのマスターは傘下のコミュニティを好きに支配できるが、犯罪などの違法行為はその限りではなく、複数のコミュニティが合流してつくられたコミュニティはほとんどの場合、内部分裂や内部抗争を抑えるため、ある程度折り合いをつけて暮らしているようである。
コミュニティがギフトゲームを行うために保有する土地「舞台区画」、商業や娯楽施設を設けている「自由区画」、寝食や菜園、飼育などを行う「居住区画」など様々な専用区画がある。箱庭の建造物はそのほとんどが自衛のための恩恵を受けており、基本的に頑丈に造られている。
連盟
連盟旗を作る条件として、旗を所持した三つ以上のコミュニティが同盟を組む必要がある。連盟組織を作る一番の目的は、“連盟権限”による魔王対策だが、同連盟コミュニティが魔王に襲われているとしても介入するか否かはそれぞれのコミュニティの判断になるため義務は発生しない。分が悪ければ己のコミュニティを危険に晒すことになり助けは来ない可能性もあるため、気休め程度に連盟を組むコミュニティも多い。
連盟権限(ゲストマスター)
連盟加入コミュニティが魔王に襲われた際に、ゲームの参加条件をクリアせずに介入できる権限。ただし、参加するか否かはそれぞれのコミュニティの判断に任され、義務ではない[注 56]
魔王
“主催者権限”を持つ箱庭に蔓延る天災。魔王とはあくまで“主催者権限”を悪用する者たちを指し、秩序と二律背反する世界に生まれた膿である。世が正しくあるために世を律する絶対悪として、己の悪行を悪と見定めた上で強権を振るい、己の魂と存在の全てを賭けて法律<ルール>を定め、世界にそれを強制させる力と覚悟を持つ王である。
魔王の隷属は“主催者権限”を強制したゲームを完全勝利で飾ることで成される。魔王が隷属されて再召喚されるのは、烙印に刻まれた禊をするためである。
個別の旗印を掲げた魔王は決して旗を束ねることはない。彼らが「天災」と称されるのはその孤高の誇りにこそある。魔王アジ=ダカーハは現在ほど強大な魔王ではなく、東洋神であれば十二天神や“斉天大聖”、西洋神であれば戦女神や死者の王らと同格程度だったが、アジ=ダカーハを筆頭に何体かの魔王がある日を境に一斉に、それこそ一体一体が百万の神群を退けられるほどにまで霊格を肥大させたらしい。
原典(オリジン)候補者
誕生が円環状になっている人間と神様の関係に対して「どちらが本当の原典(オリジン)であるか」を問うための代表者。「神霊は人類の信仰によって発生する」、「人類は神々の恩恵を受けて進化する」。つまりは起点(アルファ)である造物主と、終点(オメガ)である創造物が同一の世界の箱庭が抱える最大の謎、鶏(カミ)が先か卵(ヒト)が先か、これまで解答が出なかったパラドックスゲーム、通称“Bootstrap Paradox(ブートストラップ・パラドックス)”に対して最終的な結論を導き出すための候補者こそ、彼ら“原典候補者”である。つまり、殿下が神の原典候補、十六夜が人間の原典候補となる。
候補者が終末論を乗り越えなければならないのは、起点を決めるのであれば終点も決めなければ辻褄が合わなくなるなり、両者の起源を決めるために候補者は人類最終試練を踏破しなければならない。
霊格
世界に与えられた恩恵であり生命の階位。霊格を得る方法は主に、世界に影響・功績・対価を与えるか、誕生に奇跡を伴う遍歴があるか(先祖が神仏であるなど)[注 57]、の二通りの方法がある。また、存在否定を成された悪魔は物理的な攻め手だけでも倒すことができ、本来であれば下級の亡霊程度の霊格しか与えられない。また、質量や熱量はそのまま霊格に置き換えることができる。霊格は持ち主の魂と同義であるため、例え隷属させたとしても本人の許可なしには手に入れることはできない。
「石が積もれば山に、山が繋がれば大陸に」、「水が蓄積すれば湖に、湖が集まれば大海に」、その双方が大量に集まれば、自然と星になる。これが、星霊が最強種と呼ばれるほどの霊格として顕現する理由の一つだが、霊格の存在密度の詳細は時間密度を計算しなければ算出できない。霊格を引き上げるのは神格の付与か似像(イデア)の規模を拡大させる類いの力が必要となる。
箱庭では存在している時間が長ければ長いほど霊格は強大になる。これは恩恵というよりも、時間流に偏在していられる箱庭を成立させるために設けられた自然的な法則である。年代記が同一の時間に存在しているといっても、文明の系統樹をたどっていけば互いの出自に前後の違いが必ず現れる。異なった二つの存在がぶつかり合い、古参が完全消滅するようなことがあれば、外界の歴史が根底から瓦解する可能性がある。そういったミクロやマクロの単位で無視できない大局的パラドックスを防ぐための予防措置の一つが「長寿の霊格ほど力を得る」という恩恵の正体である。それでも古参が消滅するようなことがあった場合、幾つかの例外的処置で再召喚、即ち再生が施される。それが消滅した本人が、それとも異なった可能性の別人かは、再召喚した者の気紛れでしかない。
神格
神霊に神として認められた位を指し、種族・物質の霊格を最高位にまで引き上げる恩恵。
例として、蛇に神格を与えれば巨躯の蛇神に、人に与えれば現人神や神童に、鬼に与えれば天地を揺るがす鬼神となる。
疑似神格
己の命を損耗させて神格級の力を得る諸刃の剣。つまりこの恩恵を与えられた対象は絶大な力と引き換えに命を削られる。よって強靭な肉体、あるいは霊格がなければ長時間耐えられる代物ではない。
系統樹
生物の発祥と進化の系譜を示したもの。
純血
系統樹の起点に位置する。種の中でも個別の呼び方をされる。
生命位
一つの因子を持つ獣や人類を一次生命、二つ以上の因子を持つ幻獣や神族を高位生命、そこからさらに進化を重ねた種を第三幻想種と呼ぶ。
最強種
生来の星霊・神霊・龍の純血の箱庭を代表する三大種族を指す。最強種を箱庭に召喚する場合、星の主権と器が必要となる。
星霊
惑星級以上の星に存在する主精霊。妖精や鬼、悪魔などの概念の最上級種であり、質量・空間を司る最強種である。
ギフトを与える側の存在であり、最強種の中でも頂点に位置するのは、戦闘能力の問題ではなく人類の発祥とは無関係に必ず誕生するためである。故に星霊を完全に殺すことは無限に存在する世界を破壊し続ける様なでたらめな力でない限り不可能である。
半星霊
星霊とは別の使命を課せられた最高クラスの精霊の名称。星の恩恵によって誕生した彼らは、己を産み落とした土地の守護者として山神や海神、地母神として成長する。
例として“猿神(ハヌマン)”がその一種。彼らは幾星霜の月日を経て、やがてその一人だけが真の星霊として覚醒する。つまり星霊の候補者であり“原典候補者”と呼ばれる。誕生に際して何かしらの手違いがあった場合、土地や空間に縛られることがなくなるため、生まれついて修羅神仏に並び立つ力を有するが、実際の半星霊に対して使命を帯びないため、周囲に対する影響範囲の自由度はこちらのほうが高いと言える[注 58]
神霊
生来の神仏。時代・概念の霊格を支配する最強種。神霊が発生する条件は、神霊は人類の信仰(観測)により発生する、人類は神々の恩恵を受けて進化する、の主に二つ。最強種以外が神霊となるために必要な功績は「一定数以上の信仰」であり、如何に規格外の「死」を収集しようと神霊にはなれないが、功績を積むことで後天性的に成り上がることができる。
否定する者も多いが、神霊の系統(ルーツ)は人類史と綿密な関係にある。彼らは別宇宙に存在する相互観測者であり、帝釈天やゼウスのように「最も人類に近い神」は人間の本能的な部分の影響を受けやすかった。中には飛鳥のように人類でありながら神群の長になるべく誕生する者もいる。
龍の純血は幻獣の頂点であり系統樹が存在せず、「誕生」するのではなくある日突然何の前触れもなく強大な力が集結して形を成し「発生」した種である。後世は単一生殖をした場合のみ“純血”として、異種と交わった場合は“亜龍”として生まれる。単一生殖が可能だが、龍の純血はいずれも想像を絶する巨躯を誇る。特に吸血鬼を造り出した龍は「世界を背負った龍」だったとされている。
巨龍の力は絶大であり、彼らにとって「ただ動いただけ」の飛翔は嵐風を起こし全ての生物を天空へ巻き上げ、疾走すれば暴風を、雷雨を、地鳴りを起こす。また彼らの鱗は一枚一枚から巨亀や大蛇などの新種を作りだす。龍の純血種が残す遺骨や遺物は、その存在そのものが強力なギフトとなる。
吸血鬼
ドラキュラが「龍の子」を意味するように、彼らは最強種・龍の純血によって生み出され、その系統樹が乱れないように監視する種族だった。吸血行為による種族変化は系統樹の守護者としての名残である。純血の吸血鬼は遥か彼方の未来、可能性の収束から外れた時間流で生まれた種族であり、人類の次の世代の霊長の一角である。
彼らのもたらす恩恵はあらゆる儀式過程を省き、互いの体液を交換し合うことで鬼種化を成立させる。この恩恵を受けたものは吸血鬼として食人の気を持つことになるが、純血以外の吸血鬼に吸血されても鬼種化することはない。吸血鬼化と言えば聞こえは良いが、これは屍鬼化一歩手前、いわば禁忌の術である。さらに吸血鬼化の最大の代償、即ち生殖機能の消失を負う。
箱庭の騎士
箱庭の吸血鬼は外界から来た外来種で、故郷の世界を追われ一族ごと箱庭に逃げ延びてきた。その後、彼らは平穏と誇りを胸に、太陽の恩恵を受けることができる箱庭の都市を守る姿から“箱庭の騎士”と称される存在となった。魔王討伐や“階層支配者”や“地域支配者”制度の設立など、その多大な貢献に応え“十三番目の黄道宮”である“蛇使い座”を設けることとなっていた。
“箱庭の騎士”として下層を守る“階層支配者”制度の投入に成功し、その当時“全権階層支配者”となったレティシアはその権力と利権を手に、上層の修羅神仏へ戦争を仕掛けようとした。その後戦争を阻止しようと同族の吸血鬼たちが革命を決起し、彼女や彼女の家族を殺し、太陽の主権と“全権階層支配者”の地位を手に入れるために内乱となったが、“遊興屋”の協力によって魔王となったレティシアにより壊滅した。わずかにも生き残った吸血鬼たちは隠れ里で静かに暮らしていると巷では噂されている。箱庭において“箱庭の騎士”は英雄視されているが、現在その事実を知っている者はほとんど生存していない。
月の兎
傷付いた老人を救うため、炎の中に飛び込んで自らを食べるように捧げた仏話の一つ。仏門における自殺は本来大罪の一つに挙げられるが、この兎の行為は自己犠牲の上に成り立つ慈悲の行為として認められ、帝釈天に召され“月の兎”となる。
故郷である東側の2222外門の“月影の都”は200年前にアジ=ダカーハに滅ぼされ、忉利天に通じる門を守ると城に残った一族は“月の兎”として授かった恩恵である月の主権と“月界神殿”を御子である黒ウサギに授けたが、結果的に滅ぼされてしまった。
彼らは月光を浴びることで神気を溜め込み成長する。同様に仙道では千年の間に月と太陽の光を霞と共に吸収し、仙気を得るという修業がある。精霊である“月の兎”はより早く成熟できる。
箱庭の貴族
生来、数多の恩恵を主神である帝釈天より授かる種族。箱庭のウサギは帝釈天に導かれて箱庭に招かれた“月の兎”の末裔であり、その高位存在故に“箱庭の貴族”と称される。
審判権限(ジャッジマスター)
“月の兎”の持つ特権の一つ。“審判権限”所持者がゲーム審判を務めた場合、両者は絶対にゲームルールを破ることができない。そしてウサギたちも、ルール違反の判定を無理に揺るがすと盛大に爆死するらしい。“月の兎”が審判を務めたゲームは「箔」付き、つまりゲームの正当性が箱庭の名誉ある戦いに昇華され記録される。箱庭の中枢に記録されることは、コミュニティが誇りと御旗の下に戦ったという証として太鼓判が押されるため、“月の兎”の末裔たちは重宝されている。
制約
1:ギフトゲームの審判を務めた日より数えて15日間はゲームに参加することはできない。
2:ゲームに参加するには主催者側から認可を得らなければならない。
3:箱庭の外で行われているゲームに参加することはできない。
審議決議
“主催者権限”により作られたゲームルールに不備不正がないかどうかを確認するために、“審判権限”に与えられた権限の一つ。真偽に関係なく、ゲームマスターなどから申し立てがあり“審判権限”の発動が受理された場合に、ゲームは強制中断され審議に入る。強制的に中断できるため、奇襲を仕掛けることが多い魔王に対抗する一つの手段という側面もある。審議決議を行ってルールを正す以上、主催者と参加者は対等な関係となり、「このギフトゲームにおける遺恨を一切持たない」という相互不可侵の契約が交わされる[注 59]
神群
雷雨などの天災、地殻の流動による地災、疫病の蔓延、神群にこれらの疑似化が多いのは、度重なる人類存続の危機を神霊が重複してきた証である。中には天体法則のような例外もある。
かつて箱庭の世界に存在していた多くの神群のほとんどは、最古の魔王たちに駆逐された。
天使
聖書に記述される神霊と思われがちだが、実際には天使と称される神霊はエンジェルやキューピッドなど多種多様である。
幻獣
霊格が高まって系統樹に爆発的な変化が起きた場合に産まれ、種の多くは異種配合された姿で存在している。
鷲と獅子の因子を持つ者、鹿と鳥の因子を持つ者、猿と蛇と虎の因子を持つ者など、本来の系統樹からはあり得ない進化の系譜を持つが故に幻の獣と称される。彼らは人化の術により人の姿へ変幻できる。翼を持つ幻獣はそれぞれが異なった恩恵を用いて飛翔している。鷲獅子のように旋風を巻き上げる者もいれば、重量変化などで飛翔する者もいる。また角を持つ獣は洋の東西を問わず神聖視され、力ある者の象徴として扱われる。
精霊
アーシャと同じく天災や天変地異で亡くなった魂は、時にその魂の形骸を肥やしとして新たな超常存在へと昇華する。また、精霊は霊格が高まるまでメルンのように土地を開拓して霊格を高めるか、アーシャのように死後転生された者など、それ以外は全て粒子のように小さな微精霊の姿で生まれる。
悪魔
“マクスウェルの悪魔”や“ラプラスの悪魔”が悪魔と呼ばれるのは、観測可能な不確定存在、即ち科学における机上の空想が疑似化したものの暗喩である。
彼らは存在が不確定でありながら存在を認められて悪魔となった。彼らは一度、その存在を生みの親である科学により否定されている。
鬼種
独立種が多く個体によって霊体なのか、系統樹に依存した獣なのかが変わる。吸血鬼はその中間の存在である。
神族
本来は違う生命体である人間と神霊の間に子を宿すのは不可能だが、その不条理を捻じ曲げて生まれてくる者たちは、本来の生命体よりも高位生命として後五世代までを神族と称する。

書誌情報[編集]

小説[編集]

角川スニーカー文庫刊(角川書店発行) 既刊10巻以下続刊

巻数 サブタイトル 第1刷発行日 ISBN
1 YES! ウサギが呼びました! 2011年3月31日 ISBN 978-4-04-474839-5
2 あら、魔王襲来のお知らせ? 2011年6月30日 ISBN 978-4-04-474848-7
3 そう……巨竜召喚 2011年10月29日 ISBN 978-4-04-474854-8
4 十三番目の太陽を撃て 2012年2月29日 ISBN 978-4-04-100182-0
5 降臨、蒼海の覇者 2012年6月30日 ISBN 978-4-04-100357-2
6 ウロボロスの連盟旗 2012年11月30日 ISBN 978-4-04-100585-9
7 落陽、そして墜月 2013年3月30日 ISBN 978-4-04-100759-4
8 暴虐の三頭龍 通常版 2013年8月1日 ISBN 978-4-04-100936-9
同上 オリジナルアニメ ブルーレイ同梱版 2013年7月21日 ISBN 978-4-04-100685-6
9 そして、兎は煉獄へ 2014年4月1日 ISBN 978-4-04-101295-6
10 撃て、星の光より速く! 2014年8月1日 ISBN 978-4-04-102006-7

短編集

巻数 サブタイトル 第1刷発行日 ISBN
1 YES! 箱庭の日常ですっ! 2013年11月1日 ISBN 978-4-04-101060-0

短編[編集]

ザ・スニーカーWEB ノベル・ライブラリー

サブタイトル 掲載日 時系列上の位置づけ
1 箱庭のとある日の日常 2011年6月27日 本編第1巻と第2巻の間
2 キャンドルとオムレットとゴーストタウン 2012年2月24日 本編第3巻の序盤
3 異邦人のお茶会 2012年6月25日 本編第4巻と第5巻の間
4 リリの大冒険〜働かざる者食うべからずと偉い人は言いました〜前編 2012年11月26日 本編第5巻の序盤
5 リリの大冒険〜働かざる者食うべからずと偉い人は言いました〜中編 2013年1月25日
6 リリの大冒険〜働かざる者食うベからずと偉い人は言いました〜後編 2013年2月25日

コミック[編集]

コンプエース連載版(七桃りお作)
原作本編のコミカライズ、全4巻。

巻数 第1刷発行日 ISBN
1 2012年12月6日 ISBN 978-4-04-120524-2
2 2013年3月7日 ISBN 978-4-04-120632-4
3 2013年8月21日 ISBN 978-4-04-120833-5
4 2014年2月26日 ISBN 978-4-04-120947-9

エイジプレミアム月刊ドラゴンエイジWEB増刊)連載版(坂野杏梨作)
原作本編のスピンオフ作品。

巻数 第1刷発行日 ISBN
1 2013年1月7日 ISBN 978-4047128484
2 2013年5月9日 ISBN 978-4041206324
3 2014年1月9日 ISBN 978-4047129931

テレビアニメ[編集]

2013年1月から3月にかけて、TOKYO MXtvkAT-Xほかにて放送された。全10話。

同年7月にテレビ未放送の第11話が収録されたBD付き限定版が発売された。

スタッフ[編集]

  • 原作 - 竜ノ湖太郎・天之有(角川スニーカー文庫刊)
  • 製作 - 菊池剛、土橋哲也、合志陽一郎、福原直樹、武智恒雄、平田哲、藤澤博之[注 60]、小原充、熊谷宣和、木場正博
  • 総監督 - 草川啓造
  • 監督 - 山本靖貴
  • シリーズ構成 - 木村暢
  • キャラクターデザイン・総作画監督 - 井出直美
  • キーアニメーター - 石川雅一、本多美乃
  • アクション監修 - 玉木慎吾
  • レイアウト監修 - 益田賢治
  • 色彩設計 - 小島真喜子
  • 美術監督 - 稲葉邦彦
  • 撮影監督 - 伊藤康行
  • 編集 - 岡祐司
  • 音楽 - 浜口史郎
  • 音楽制作 - フライングドッグ日本コロムビア
  • 音響監督 - たなかかずや
  • 企画・エグゼクティブプロデューサー - 安田猛
  • プロデューサー - 田村淳一郎、倉兼千晶
  • アニメーションプロデューサー - せきやまあきひろ
  • アニメーション制作 - ディオメディア
  • 製作 - プロジェクト「ノーネーム」

主題歌[編集]

オープニングテーマ
Black † White」(第2話 - 第10話、OVA)
作詞・作曲 - manzo / 編曲 - CHOKKAKU / 歌 - 野水いおり
第1話ではOPがない代わりにエンディングテーマとして使用された。
エンディングテーマ
To Be Continued?」(第2話 - 第9話、OVA)
作詞 - 三浦誠司 / 作曲 - 大沢圭一 / 編曲 - 久下真音 / 歌 - 佐土原かおり
「ぼくたちの星座」(第10話)
作詞 - 三浦誠司 / 作曲 - Noda Akiko / 編曲 - マルヤマテツオ / 歌 - 佐土原かおり
挿入歌
Beauty as the Beast」(第1話・第5話)
作詞 - 三浦誠司 / 作曲 - 酒匂謙一 / 編曲 - 木之下慶行 / 歌 - 佐土原かおり featuring 山形ユキオ
「Scarlet」(第10話)
作詞 - RUCCA / 作曲 - 雅大 / 歌 - 久遠飛鳥 starring ブリドカットセーラ恵美
「SINCERELY」(OVA)
作詞 - RUCCA / 作曲 - 石川烈 / 編曲 - manzo / 歌 - 春日部耀(中島愛

各話リスト[編集]

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 エンドカード
第1話 問題児たちが箱庭にやって来たようですよ? 木村暢 草川啓造 小平麻紀 石川雅一、本多美乃
佐藤麻里那
いとうのいぢ
第2話 和装ロリはいろいろブっ飛んだお方のようですよ? 吉田泰三 山本靖貴 松本麻友子、玉木慎吾
武本大介、本多美乃
mebae
第3話 お風呂であんなコトやこんなコトだそうですよ? 山田靖智 島津裕行 奥野耕太 宇佐美皓一、相坂直樹
小澤円
るろお
第4話 黒ウサギがエロイヤらしい奴に狙われたようですよ? 白根秀樹 所俊克 佐藤麻里那、若山政志
木村邦彦、工藤利春
藤真拓哉
第5話 誓いは星の彼方にだそうですよ? 山田靖智 三宅雄一郎 徳田夢之介、三宅雄一郎 THORES柴本
第6話 問題児たちがお祭り騒ぎに参加するようですよ? 木村暢 きみやしげる 大西秀明、國行由里江
石川雅一、本多美乃
佐藤麻里那
ユキヲ
第7話 暗闇で飛鳥がチューチューされちゃうそうですよ? 白根秀樹 吉田泰三 小坂春女 松本麻友子、冨谷美香 ゆーげん
第8話 黒い凶事は笛の音と共に来るそうですよ? 山田靖智 島津裕行 矢野孝典 宇佐美皓一、飯飼一幸 BUNBUN
第9話 災禍をもたらす死の香りが街にはびこるようですよ? 木村暢 所俊克 渡部周 三宅雄一郎、追崎史敏
渋谷秀
しらび
第10話 問題児たちが白黒はっきりさせるようですよ? 山本靖貴 佐藤麻里那、若山政志
大西秀明、國行由里江
天之有
OVA 問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜温泉漫遊記〜 竜ノ湖太郎
白根秀樹
所俊克 井出直美、玉木慎吾
斎田博之、國行由里江
佐藤麻里那
-
  • OVAは原作第8巻同梱BDに収録。

放送局[編集]

放送地域 放送局 放送期間 放送日時 放送系列 備考
東京都 TOKYO MX 2013年1月12日 - 3月16日 土曜 1:30 - 2:00(金曜深夜) 独立局 製作関与
千葉県 チバテレビ 2013年1月14日 - 3月18日 月曜 0:00 - 0:30(日曜深夜)
神奈川県 tvk 製作関与
兵庫県 サンテレビ 月曜 0:30 - 1:00(日曜深夜)
埼玉県 テレ玉 月曜 1:00 - 1:30(日曜深夜)
福岡県 TVQ九州放送 月曜 2:30 - 3:00(日曜深夜) テレビ東京系列
日本全域 TwellV 2013年1月15日 - 3月19日 火曜 2:00 - 2:30(月曜深夜) BS放送 [注 61]
岐阜県 岐阜放送 2013年1月16日 - 3月20日 水曜 0:00 - 0:30(火曜深夜) 独立局
日本全域 AT-X 水曜 21:00 - 21:30 アニメ専門CS放送 製作関与
リピート放送あり
三重県 三重テレビ 2013年1月17日 - 3月21日 木曜 1:20 - 1:50(水曜深夜) 独立局

関連商品[編集]

BD / DVD[編集]

2013年3月29日から7月26日まで発売された。

発売日 収録話 規格品番 BD/DVD限定版 特典
BD DVD限定版 DVD通常版
1 2013年3月29日 第1話 - 第2話 KAXA-6101 KABA-10132 KABA-10137 ドラマCD「これがノーネームの日常のようですよ?」
書き下ろし小説「黄金盤の謎を追え」第1話
2 2013年4月26日 第3話 - 第4話 KAXA-6102 KABA-10133 KABA-10138 ドラマCD「これがノーネームの日常のようですよ?」Vol.2
書き下ろし小説「黄金盤の謎を追え」第2話
3 2013年5月31日 第5話 - 第6話 KAXA-6103 KABA-10134 KABA-10139 ドラマCD「これがノーネームの日常のようですよ?」Vol.3
書き下ろし小説「黄金盤の謎を追え」第3話
4 2013年6月28日 第7話 - 第8話 KAXA-6104 KABA-10135 KABA-10140 ドラマCD「キャンドルとオムレットとゴーストタウン・前編」
書き下ろし小説「黄金盤の謎を追え」第4話
5 2013年7月26日 第9話 - 第10話 KAXA-6105 KABA-10136 KABA-10141 ドラマCD「キャンドルとオムレットとゴーストタウン・後編」
書き下ろし小説「黄金盤の謎を追え」第5話
BOX 2015年3月27日予定 全10話 + OVA KAXA-9912 全収録

CD[編集]

発売日 タイトル 規格品番
2013年2月20日 問題児たちが異世界から来るそうですよ? サウンド・コミュニティI VTCL-60334
2013年3月13日 問題児たちが異世界から来るそうですよ? サウンド・コミュニティII VTCL-60335

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ただし、荒廃した領地は見せしめとして残され、宝物庫の伝説級のギフトは盗られなかった。
  2. ^ 里親の中にはその生き方を十六夜が認めた人物もいたようだが、その全員が十六夜を利用するだけ利用して最後には手放したため、十六夜によって、検察とマスコミに悪事の証拠を送りつけられるという形でそれら全ての生活に幕を下ろされている。
  3. ^ 「星を砕くぐらいの力がなければ、魔王には勝てない」という表現が本作にはあり、「十六夜は星をも砕ける」ということは「十六夜は人の身でありながら魔王を倒せる」ということを意味している。
  4. ^ おそらく、これが十六夜の「擬似創星図」だと思われる。
  5. ^ 「単一のギフトで複数の働きは出来ない」というのは箱庭の世界における常識である。加えて“正体不明(コード・アンノウン)”には少なくとも、“ギフト無効化”と“山河をも砕く力を発現させるギフト”の二つが両立していることになるため、その点においても矛盾を抱えており(自身のギフトは無効化されないため)、常識に反する代物だといえる。
  6. ^ 殿下はそれを「仲間を頼ることができない」と評している。
  7. ^ つまりは彼の恩恵は因果律が逆転している。過去を救ったために得られる恩恵ではなく、未来を救うことを約束されているために祝福された恩恵である。
  8. ^ “月の兎”としては第2次成長期を迎える頃。
  9. ^ リンとの戦いで疑似神格解放を行い半壊、その後完全に壊れたが、黒ウサギが擬似神格を授かった際に槍となって新生した。
  10. ^ 梵釈槍と日天鎧を同時に使用するとペナルティが与えられる。
  11. ^ ノーネーム地下の武具のように、特定の人物や、難題な課題をクリアしたものにしか扱えない武具には作用することが出来ない。
  12. ^ 火花を散らす程度のギフトを鉄を蒸発させるギフトにまで昇華させるため、服にギフトを仕込んでいるだけで物理攻撃等を無視できる。反面、これらのギフトは霊格が低いため、飛鳥が使うとギフトの寿命を著しく削ってしまいすぐに壊れてしまうため、経済的な難点を抱えている。
  13. ^ 価格の参考までに、発火の宝珠は銅貨一枚、冷却の宝珠は金貨一枚というボッタクリ価格である。
  14. ^ ウィラの言葉から、現在飛鳥はフェイス=レスと互角に戦う力を有している模様。
  15. ^ 本来“生命の目録”は触れた生物から生物としての機能をサンプリングし、再現、合成するためのギフトで使用者は例外なく合成獣(キメラ)となるが、耀はサンプリングした生命体の遺伝子から、過去現在未来のすべての生命体の系譜を纏め上げることで、出会ったことのない幻想種の力までも再現できるようになった。
  16. ^ “何者にも成れない者”の意味であり、効果は不明だが“生命の目録”を使っても怪物化せず、“生命の目録”なしでは動けないのもこれが原因と思われる。
  17. ^ とは言ってもやはり歳相応で、問題児三人の素行やペストと白雪姫の喧嘩には、黒ウサギ共々日々頭を悩ませている。
  18. ^ お互いを「まな板娘」「乳蛇」と言い合うほど。
  19. ^ ただし、霊格を開放する際には口調が戻る。
  20. ^ 当時人類の大半を「飼っていた」西部神群は、東南北部の神群に対して「神殺し」を所有し、いつでも行使できることに等しく、修羅神仏悪鬼羅刹の犇く合同連合軍であった東南北部と西部の実力は戦力数に大きな差はあったものの、力の差はほとんど拮抗していた。
  21. ^ このヘッドフォンは、その機能とエンブレムから、製作を手がけたのは十六夜のヘッドフォンを作った焔であると考えられ、これらの事情をすべて知るレティシアは耀に、「起こってからでは取り返しがつかない」と告げ、ヘッドフォンのことは伝えないようにと言っている(ザ・スニーカーWEB 問題児たちが異世界から来るそうですよ? 短編 『異邦人のお茶会』 より)。
  22. ^ ベッドの中やトイレの中にまで瞬間移動されている。
  23. ^ 幼子に害を成してない者に対しても発動は可能だが、その場合聖人ペテロによる善性の保証が無くなる為、魔王の烙印を受ける事になる。
  24. ^ これは霊格は上昇するがその反動で自壊し、死後も天罰を受けることとなる最悪の魔王への堕ち方である。
  25. ^ 十六夜が「万全の態勢で臨まれたら危なかった」と言うほど。
  26. ^ “ウィル・オ・ウィスプ”が“ペルセウス”の手綱を握っていると見受けられ、“ペルセウス”に何かしらのメリットがある模様。
  27. ^ 作中においては主役たる“ノーネーム”がいまだ下層に留まっていることもあり、コミュニティの全体像は明らかではない。その一方、「コミュニティそのものより一幹部である白夜叉の方が名が売れている」という下層における現実は、“ノーネーム”に「たとえ名も旗も無くても、幹部の名を売ることはできる」というブレイクスルーを与えることとなる。
  28. ^ 「エッチな衣装を着せる」「タックルをかましつつ抱きつく」「美に関する持論をとうとうと語る」「ギフトゲームの参加条件に女性陣の水着着用を義務とする」etc.
  29. ^ 同士を売れと言ったルイオスに対して激怒したり、蛟劉がグリフィスがグリーを侮辱したことに対して「身内贔屓の白夜王が知ったら、“二翼”は今日明日中に皆殺し」と脅すほど。
  30. ^ 代行を引き継いだ蛟劉が辟易するほどの量。
  31. ^ この計画はサンドラが知らないまま進められた。
  32. ^ ジンとは実質幼なじみの関係にあるが、自身が栄達しジンが落ちぶれたことで友達づきあいもままならなくなっている。
  33. ^ 龍角の根腐れを起こしたため、成龍になれなかった。
  34. ^ もっとも、これは箱庭にあっては普通の態度ではある。
  35. ^ 耀とグリフィスが一悶着起こしたときは、「あの子が本気になれば、一撃でグリフィスの若造は挽肉にされる」と肝を冷やしたほど。
  36. ^ このギフトはコミュニティの水源として大変役立っていたようだが、3年前の魔王襲撃の際に奪われている。
  37. ^ これは自称であり、正式名称は不明。
  38. ^ 使用者は合成獣(キメラ)となる。が、耀はそれに加えて進化を行っているため、お互いの力には大きな差異が見られる。
  39. ^ “階層支配者”のように最強種の後ろ盾がない限り、五桁の者が四桁に昇格することはまず無い。
  40. ^ これほど長寿の年代記になると、技術は神代にも匹敵するとされる。作中では、近現代以降になると歴史の可能性は多岐にわたるため、可能性が収束する“歴史の転換期”は発生しにくくなるとされているため、マクスウェルの魔王は例外中の例外と言える。
  41. ^ 「黒ウサギが欲しいので参加者として認める」「多くの人材を手に入れたいので、タイムオーバー狙いの消極策をとる」
  42. ^ 神霊としてのギフトネームは“黒死班の死神(ブラック・パーチャー)”。
  43. ^ 「命あるものを殺す」ペストの能力にとって、元来「命を持たないもの」であるディーンとの相性は最悪である。
  44. ^ 「この関係性でもジンを玩具に出来そう」と思い、また、ジンのリーダーとしての佇まいに感心するなどしている。
  45. ^ 二人を三流悪魔呼ばわりしたアウラに対して激怒し、義理も恩も捨てて決別を告げている。
  46. ^ この指輪は、己の野望に殉じたヴェーザーとラッテンを思って、何らかの形で“グリムグリモワール・ハーメルン”の旗印を残して欲しいと白夜叉に頼み込んだものであり、本来なら、魔王となり秩序の道を踏み外した彼女にそんな自由は与えられるはずも無いが、その姿勢に更生の道を見出した白夜叉によって与えられたものである。この指輪は彼女自身を顕現させる媒介としての機能も果たしているが顕現させる媒介としては弱い部類に入る。
  47. ^ 詩人という種族は決して強いと言えないが、その能力により箱庭では第四の最強種と言われている。
  48. ^ 飛鳥は久遠財閥を「日本で五指に入る財閥」と言っているが、十六夜の世界では久遠財閥は存在していないということになっているため、十六夜は、より根幹的な部分で飛鳥と十六夜の世界は袂を別ったと考えている。
  49. ^ 例としては前者がマクスウェルの魔王、後者がペルセウスを代表とした神話に登場する神々である
  50. ^ 年代記に沿った倒し方をする、あるいは一撃で人類史を破壊し尽くす大規模な超破壊能力の行使の二つが確認されている。
  51. ^ 例としては、太陽周期に伴う地球の寒冷化による黒死病など。
  52. ^ 「定められた範囲内に生息する蕾を開花させる」という条件のゲームであるのにその範囲内にそもそも蕾がない等、参加者側に落ち度がない場合に限られる。
  53. ^ 修羅神仏の集う箱庭世界において、人類未到達の技術をクリア条件にする事は反則ではない。
  54. ^ 当時はまだ“階層支配者”がいなかったため、魔王がその地域の外門利権証を使って門から門への移動の際に金貨100枚とされても住民は抵抗できなかった。
  55. ^ 商業コミュニティにとっては、名と旗印が信頼に足るブランドであることを証明するものになるため、強制的に吸収されたコミュニティなどでない限り、名と旗印を変えることは滅多にない。“六本傷”が“龍角を持つ鷲獅子”連盟に統合されなかったのはこれが理由である。
  56. ^ 魔王に襲われた前“ノーネーム”は“サラマンドラ”と同盟を結んでいたが、終に“サラマンドラ”は動かなかった。この一件によって、サラは“サラマンドラ”に失望し、故郷を出奔することになった。
  57. ^ 飛鳥がこれにあたり、彼女の場合は父、母、神霊の三つがそのルーツとなっている。
  58. ^ この場合、それぞれの神が授かるはずの知識を得られなくなるため、星霊になることは出来なくなる。厳密に言えば斉天大聖がこれにあたり、十六夜や殿下もこれにあたることが作中で仄めかされている(原作第6巻)。
  59. ^ これは、ゲームに負けたコミュニティは、仲間がどれだけ殺されていようと、復讐のための報復行為が行えなくなるということでもある。
  60. ^ 藤澤は、TOKYO MX執行役員である[4]
  61. ^ 2007年の開局以来、初めて深夜アニメおよびUHFアニメを放送。また、同局の番組『BS12 TwellV Times』(MC:カスタマイズ)第3回・第4回で本作を取り上げた。

出典[編集]

外部リンク[編集]