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2001年のヤクルトスワローズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2001年のヤクルトスワローズ
成績
日本一
日本S 4勝1敗(対近鉄
セントラル・リーグ優勝
76勝58敗6分 勝率.567[1]
本拠地
都市 東京都新宿区
球場 明治神宮野球場
球団組織
オーナー 松園直已
経営母体 ヤクルト本社
監督 若松勉
選手会長 高津臣吾
キャプテン 古田敦也
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2001年のヤクルトスワローズ(2001ねんのヤクルトスワローズ)では、2001年のヤクルトスワローズにおける動向をまとめる。

このシーズンのヤクルトスワローズは、若松勉監督の3年目のシーズンであり、4年ぶり6度目のリーグ優勝と4年ぶり5度目の日本一に輝いたシーズンである。

概要

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開幕前は前年オフに川崎憲次郎がFAで中日に移籍し苦戦が予想された。しかし、開幕直後こそ巨人に首位を許したものの、岩村明憲と新外国人のアレックス・ラミレスとの6、7番コンビの活躍もあり、6月には巨人を追い抜き夏場には独走態勢になった。その後は巨人にゲーム差を詰められるも最後は振り切ってリーグ優勝を果たし日本シリーズでは近鉄を4勝1敗で下し、4年ぶりの日本一となった。投手陣は10年目の石井一久を筆頭に、移籍の入来智、2年目の藤井秀悟などが台頭し川崎や右肩痛で離脱した伊藤智仁の穴を埋め、チーム防御率は3.41でリーグ1位となった。打撃陣は球団史上初めてレギュラーメンバー8人が規定打席に到達し[2]、4番のロベルト・ペタジーニや1番の真中満など打線が打ちまくり、本塁打は148本でリーグ3位も打率は.274でリーグ1位だった。シーズンオフ、エースの石井はFAでロサンゼルス・ドジャースへ移籍し、来シーズンの戦いぶりに不安を残すことになる。

チーム成績

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レギュラーシーズン

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オーダー変遷
開幕:3/30 5/1 6/2 7/1 8/1 9/1 優勝:10/6
1 真中満 真中満 真中満 真中満 真中満[注 1] 真中満 飯田哲也
2 宮本慎也 宮本慎也 宮本慎也 宮本慎也 宮本慎也 三木肇 宮本慎也
3 稲葉篤紀 稲葉篤紀 稲葉篤紀 稲葉篤紀 稲葉篤紀 稲葉篤紀 稲葉篤紀
4 古田敦也 ペタジーニ ペタジーニ ペタジーニ ペタジーニ ペタジーニ ペタジーニ
5 ラミレス 古田敦也 古田敦也 古田敦也 古田敦也 ラミレス 古田敦也
6 岩村明憲 ラミレス 岩村明憲 岩村明憲 岩村明憲 岩村明憲 岩村明憲
7 池山隆寛 岩村明憲 ラミレス ラミレス ラミレス 小野公誠 ラミレス
8 土橋勝征 土橋勝征 土橋勝征 土橋勝征 土橋勝征 土橋勝征 土橋勝征
9 石井一久 藤井秀悟 入来智 前田浩継 ホッジス 藤井秀悟 山部太

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2001年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 巨人 17勝 -- 巨人 31勝 -- 巨人 42勝 -- ヤクルト 48勝 -- ヤクルト 63勝 -- ヤクルト 76勝 --
2位 ヤクルト 13勝 2.0 ヤクルト 27勝 1.0 ヤクルト 40勝 -2.5 巨人 48勝 5.0 巨人 62勝 7.5 巨人 75勝 3.0
3位 中日 13勝 4.0 中日 26勝 3.0 中日 33勝 7.0 横浜 41勝 8.0 横浜 51勝 13.5 横浜 69勝 8.0
4位 阪神 11勝 6.0 広島 22勝 5.0 広島 30勝 6.0 中日 41勝 9.0 中日 51勝 15.0 広島 68勝 7.5
5位 広島 10勝 5.0 阪神 19勝 10.0 横浜 29勝 10.0 阪神 39勝 12.5 広島 49勝 13.5 中日 62勝 15.0
6位 横浜 9勝 7.0 横浜 17勝 11.0 阪神 28勝 12.5 広島 36勝 10.5 阪神 47勝 14.5 阪神 57勝 20.5
期間
成績
13勝9敗2分
勝率.591
14勝10敗
勝率.583
13勝5敗
勝率.722
8勝9敗1分
勝率.471
15勝7敗2分
勝率.682
13勝18敗1分
勝率.419

※このシーズンは勝利数優先で順位を決定。


2001年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 ヤクルトスワローズ 76 58 6 .567 優勝
2位 読売ジャイアンツ 75 63 2 .543 3.0
3位 横浜ベイスターズ 69 67 4 .507 8.0
4位 広島東洋カープ 68 65 7 .511 7.5
5位 中日ドラゴンズ 62 74 4 .456 15.0
6位 阪神タイガース 57 80 3 .416 20.5

*順位は勝率に関係なく勝利数順で決定


日本シリーズ

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2001年 日本シリーズ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月20日(土) 第1戦 ヤクルトスワローズ 7 - 0 大阪近鉄バファローズ 大阪ドーム
10月21日(日) 第2戦 ヤクルトスワローズ 6 - 9 大阪近鉄バファローズ
10月22日(月) 移動日
10月23日(火) 第3戦 大阪近鉄バファローズ 2 - 9 ヤクルトスワローズ 明治神宮野球場
10月24日(水) 第4戦 大阪近鉄バファローズ 1 - 2 ヤクルトスワローズ
10月25日(木) 第5戦 大阪近鉄バファローズ 2 - 4 ヤクルトスワローズ
優勝:ヤクルトスワローズ(4年ぶり5回目)

オールスターゲーム2001

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  • 選出選手
ポジション 名前 選出回数
投手 藤井秀悟
入来智
捕手 古田敦也 12
内野手 岩村明憲
ペタジーニ 3
外野手 岩村明憲
稲葉篤紀 2
  • 太字はファン投票による選出。

個人成績

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投手成績

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  • 色付き規定投球回(140イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/石井一久 27 27 0 0 0 12 6 0 732 175.0 135 18 82 5 173 14 0 74 66 3.39 1.24
/藤井秀悟 27 26 2 1 0 14 8 0 707 173.1 145 24 64 3 124 4 0 62 61 3.17 1.21
/前田浩継 28 23 2 1 0 7 10 0 630 146.2 162 23 44 2 85 8 0 73 64 3.93 1.41
/入来智 24 21 1 0 1 10 3 0 528 129.1 117 16 32 4 80 1 0 42 41 2.85 1.15
/ホッジス 12 12 0 0 0 5 3 0 293 66.1 73 5 34 4 30 0 0 29 28 3.80 1.61
/ニューマン 17 10 1 1 0 3 4 0 243 60.1 61 8 12 1 38 1 1 31 28 4.18 1.21
/山本樹 61 0 0 0 0 6 3 1 232 58.1 45 5 14 1 42 1 1 22 19 2.93 1.01
/山部太 12 10 0 0 0 4 2 0 219 52.2 45 4 23 1 36 2 0 22 22 3.76 1.29
/高津臣吾 52 0 0 0 0 0 4 37 212 51.2 49 3 13 0 39 1 0 17 15 2.61 1.20
/島田直也 53 0 0 0 0 0 2 0 198 46.1 45 5 18 4 26 0 0 18 15 2.91 1.36
/河端龍 41 0 0 0 0 3 2 0 178 45.0 39 4 11 0 35 0 0 16 16 3.20 1.11
/松田慎司 48 0 0 0 0 2 0 1 177 42.0 32 2 22 2 33 1 1 16 15 3.21 1.29
/五十嵐亮太 41 0 0 0 0 2 3 0 180 41.2 25 2 28 2 51 1 0 13 12 2.59 1.27
/石井弘寿 39 0 0 0 0 2 3 1 175 39.2 31 6 23 2 40 4 0 23 15 3.40 1.36
/ハースト 22 2 0 0 0 1 1 0 154 34.2 43 4 11 0 13 2 0 25 23 5.97 1.56
/寺村友和 19 3 0 0 0 2 1 0 147 33.1 36 3 11 0 15 1 0 17 16 4.32 1.41
/本間忠 13 1 0 0 0 2 0 0 99 22.2 24 6 7 2 16 0 0 11 11 4.37 1.37
/鎌田祐哉 8 1 0 0 0 1 0 0 63 15.1 12 0 7 0 9 0 0 1 1 0.59 1.24
/高木晃次 2 2 0 0 0 0 2 0 32 7.0 7 3 3 1 3 0 0 9 7 9.00 1.43
/花田真人 4 0 0 0 0 0 0 0 22 5.1 4 0 1 1 2 1 0 2 1 1.69 0.94
/宮出隆自 3 0 0 0 0 0 0 0 18 4.1 3 0 4 0 4 0 0 3 0 0.00 1.62
/伊藤智仁 1 1 0 0 0 0 0 0 15 4.0 4 0 0 0 2 0 0 0 0 0.00 1.00
/高橋一正 1 0 0 0 0 0 0 0 7 2.0 1 1 1 1 0 0 0 1 1 4.50 1.00
/平本学 1 1 0 0 0 0 1 0 8 0.1 4 0 2 1 0 0 0 4 4 108.00 18.00

主な打撃成績

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  • 色付き規定打席(434打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/稲葉篤紀 138 601 527 94 164 32 5 25 281 90 5 4 13 2 43 0 16 89 6 .311 .379 .533 .912
/ペタジーニ 138 592 463 93 149 27 0 39 293 127 4 1 0 2 120 13 7 89 11 .322 .466 .633 1.099
/宮本慎也 125 578 477 74 129 15 0 1 147 17 11 6 67 1 27 0 6 57 8 .270 .317 .308 .625
/岩村明憲 136 564 520 79 149 24 4 18 235 81 15 6 5 4 32 5 3 111 6 .287 .329 .452 .781
/ラミレス 138 547 510 60 143 23 0 29 253 88 1 2 0 5 27 0 5 132 11 .280 .320 .496 .816
/古田敦也 121 503 441 59 143 23 0 15 211 66 1 0 3 7 43 2 9 41 17 .324 .390 .478 .868
/土橋勝征 137 502 442 21 110 16 0 2 132 31 1 1 13 3 39 12 5 35 15 .249 .315 .299 .614
/真中満 123 498 449 61 140 26 1 7 189 36 7 3 5 2 38 9 4 40 6 .312 .369 .421 .790
/飯田哲也 105 212 187 32 55 10 0 1 68 9 6 1 6 1 18 0 0 31 3 .294 .354 .364 .718
/小野公誠 35 98 89 5 19 1 0 2 26 6 0 1 5 0 4 1 0 23 1 .213 .247 .292 .539
/三木肇 79 87 71 18 9 1 0 1 13 3 8 0 11 0 5 0 0 17 1 .127 .184 .183 .367
/池山隆寛 65 85 73 7 14 4 0 4 30 12 0 0 0 3 7 1 2 30 1 .192 .271 .411 .682
/副島孔太 69 76 66 4 14 2 0 2 22 10 1 1 0 0 9 1 1 16 0 .212 .316 .333 .649
/度会博文 53 52 49 11 15 5 0 1 23 8 1 0 3 0 0 0 0 4 0 .306 .306 .469 .776
/高橋智 35 39 34 3 5 0 0 1 8 5 0 0 0 1 4 0 0 14 1 .147 .231 .235 .466
/城石憲之 31 38 36 4 9 3 0 0 12 0 0 0 1 0 1 0 0 10 0 .250 .270 .333 .604
/代田建紀 5 7 6 1 1 0 0 0 1 0 2 0 0 0 1 0 0 0 0 .167 .286 .167 .452
/本郷宏樹 2 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 .000 .500 .000 .500
/鮫島秀旗 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000
/米野智人 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000

できごと

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若松監督は10月6日優勝を決め胴上げされた直後のインタビューで、「ファンの皆様、本当にあの〜、あの…、おめでとうございます!」と言い間違えてしまったが(本当は「ファンの皆様、ありがとうございます」と言うつもりだった)、むしろ場内は大爆笑に包まれて和やかなムードになった。さらにシーズン本拠地最終戦でのファンへの挨拶では「一戦、一戦、頑張りますので、オールスターでも、いや、日本シリーズでも皆様のご声援よろしくお願いします」と言ってしまい、またしても会場は大ウケとなった。そして日本シリーズ制覇を達成した際のインタビューでは「本当にファンの皆様、改めまして、日本一、おめでとうございます!!」と堂々とファンに叫び(先のリーグ優勝の後に「いや、元々からおめでとうございますって言おうと思ってたんだよ」とうそぶいていたが、今度は緊張せずにしゃべることができたという)、同年の新語・流行語大賞の語録賞に選ばれた[4]。なお、2015年のヤクルトのリーグ優勝およびクライマックスシリーズ制覇時、2001年優勝メンバーでもあった監督の真中満はインタビューの際にこの言葉を再度使用した。

選手・スタッフ

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表彰選手

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藤井秀悟(投手、初受賞)
古田敦也(捕手、3年連続8度目)
ロベルト・ペタジーニ(一塁手、3年連続3度目)
稲葉篤紀(外野手、初受賞)
古田敦也(捕手、3年連続9度目)
ロベルト・ペタジーニ(一塁手、2年連続2度目)
岩村明憲(三塁手、2年連続2度目)
宮本慎也(遊撃手、3年連続4度目)

ドラフト

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順位 選手名 ポジション 所属 結果
自由獲得枠 石川雅規 投手 青山学院大学 入団
1巡目 (選択権なし)
2巡目 梶本勇介 内野手 専修大学北上高 入団
3巡目 (選択権なし)
4巡目 内田和也 外野手 日本大学第三高 入団
5巡目 福川将和 捕手 三菱自動車岡崎 入団
6巡目 萩原多賀彦 投手 JR東日本 入団
7巡目 五十嵐貴章 投手 JR東日本 入団
8巡目 志田宗大 外野手 青山学院大学 入団

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 偵察メンバーの藤井秀悟と交代。

出典

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  1. ^ 年度別成績 2001年 セントラル・リーグ”. 日本野球機構. 2017年1月12日閲覧。
  2. ^ 【データ】阪神が規定打席8人到達 50年以来!昨年から倍増”. 日刊スポーツ (2021年12月23日). 2022年3月4日閲覧。
  3. ^ 『2002 ベースボール・レコード・ブック』ベースボール・マガジン社、2001年。ISBN 4-583-03677-9 
  4. ^ 「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン新語・流行語大賞