「うつ病」の版間の差分
==ハーブの利用==をセント・ジョーンズ・ワート2010-10-15T06:54:53 から転載 |
|||
123行目: | 123行目: | ||
: うつ病に対しては、[[抗うつ薬]]の有効性が臨床的に科学的に実証されている。ただし抗うつ薬の効果は必ずしも即効的ではなく、効果が明確に現れるには1週間ないし3週間の継続的服用が必要である。このことをしっかりと理解して服薬する必要がある。 |
: うつ病に対しては、[[抗うつ薬]]の有効性が臨床的に科学的に実証されている。ただし抗うつ薬の効果は必ずしも即効的ではなく、効果が明確に現れるには1週間ないし3週間の継続的服用が必要である。このことをしっかりと理解して服薬する必要がある。 |
||
: 抗うつ薬のうち、従来より用いられてきた[[三環系抗うつ薬]]あるいは[[四環系抗うつ薬]]は、口渇・便秘・尿閉などの[[抗コリン作用]]や眠気などの[[抗ヒスタミン作用]]といった[[副作用]]が比較的多い。これに対して近年開発された、[[セロトニン]]系に選択的に作用する薬剤[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬|SSRI]]や、セロトニンと[[ノルアドレナリン]]に選択的に作用する薬剤[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬|SNRI]]、NaSSA等は副作用は比較的少ないとされるが、臨床的効果は三環系抗うつ薬より弱いとされる。また、不安・焦燥が強い場合などは[[抗不安薬]]を、不眠が強い場合は[[睡眠導入剤]]を併用することも多い。また[[カルバマゼピン]]や[[ベンゾジアゼピン系]]もしばしば用いられている。 |
: 抗うつ薬のうち、従来より用いられてきた[[三環系抗うつ薬]]あるいは[[四環系抗うつ薬]]は、口渇・便秘・尿閉などの[[抗コリン作用]]や眠気などの[[抗ヒスタミン作用]]といった[[副作用]]が比較的多い。これに対して近年開発された、[[セロトニン]]系に選択的に作用する薬剤[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬|SSRI]]や、セロトニンと[[ノルアドレナリン]]に選択的に作用する薬剤[[セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬|SNRI]]、NaSSA等は副作用は比較的少ないとされるが、臨床的効果は三環系抗うつ薬より弱いとされる。また、不安・焦燥が強い場合などは[[抗不安薬]]を、不眠が強い場合は[[睡眠導入剤]]を併用することも多い。また[[カルバマゼピン]]や[[ベンゾジアゼピン系]]もしばしば用いられている。 |
||
: なお、[[抗うつ薬]]による治療開始直後には、年齢に関わりなく[[自殺]]の危険が増加する危険性があると[[アメリカ食品医薬品局|アメリカ食品医薬品局 (FDA)]] から警告が発せられた。また、近年[[セント・ジョーンズ・ワート]]を始めとした[[ハーブ]]の利用にも注目が集まって |
: なお、[[抗うつ薬]]による治療開始直後には、年齢に関わりなく[[自殺]]の危険が増加する危険性があると[[アメリカ食品医薬品局|アメリカ食品医薬品局 (FDA)]] から警告が発せられた。また、近年[[セント・ジョーンズ・ワート]]を始めとした[[ハーブ]]の利用にも注目が集まっており後述する。なお、非定型うつ病については、本来[[モノアミン酸化酵素阻害薬]](MAO阻害剤)が第一選択になり、欧米では活用されているが、2010年現在日本で認可されているものはない。 |
||
; [[認知行動療法]] |
; [[認知行動療法]] |
||
: 外界の認識の仕方で、[[感情]]や気分をコントロールしようという治療法。抑うつの背後にある[[認知のゆがみ]]を自覚させ、合理的で自己擁護的な認知へと導くことを目的とする。[[対人関係療法]]も認知行動療法の要素を持つ。 |
: 外界の認識の仕方で、[[感情]]や気分をコントロールしようという治療法。抑うつの背後にある[[認知のゆがみ]]を自覚させ、合理的で自己擁護的な認知へと導くことを目的とする。[[対人関係療法]]も認知行動療法の要素を持つ。 |
||
139行目: | 139行目: | ||
; [[運動療法]] |
; [[運動療法]] |
||
: 有酸素運動の有効性が学会で指摘されている。入院時の日課とする病院もある。 |
: 有酸素運動の有効性が学会で指摘されている。入院時の日課とする病院もある。 |
||
==ハーブの利用== |
|||
今日、ハーブと利用されている[[セント・ジョーンズ・ワート]]は、うつ病への処置法(あるいはその可能性)として最も知られている。[[ドイツ]]をはじめいくつかの国では軽度のうつに対して従来の[[抗うつ薬]]より広く処方されている<ref name="pmid16553540">{{cite journal|title=Antidepressant use in children and adolescents in Germany|journal=J. Child Adolesc. Psychopharmacol.|volume=16|issue=1-2|pages=197–206|year=2006|pmid=16553540|doi=10.1089/cap.2006.16.197|author=Fegert JM, Kölch M, Zito JM, Glaeske G, Janhsen K}}</ref>。 |
|||
セント・ジョーンズ・ワートについては、うつ病に対する効果を調査した臨床研究が多い。その結論は現在のところ成否さまざまである。軽度から中程度のうつに対して有効でかつ従来の抗うつ薬よりも副作用が少ないとする研究がある一方で、[[偽薬|プラセボ]]以上の効果は見られないとする研究もある。 |
|||
[[コクラン・コラボレーション|コクランレビュー]]による2008年の報告<ref name="pmid18843608">{{cite journal|journal=Cochrane Database Syst. Rev.|year= 2008|volume=4|pages=CD000448|title=St John's wort for major depression|author=Linde K, Berner MM, Kriston L|pmid=18843608| url = http://onlinelibrary.wiley.com/o/cochrane/clsysrev/articles/CD000448/frame.html}}</ref>によると、これまでのエビデンスから |
|||
#うつ病患者に対してプラセボ群より優れた効果を示す。 |
|||
#標準的な抗うつ薬と同等に効果がある。 |
|||
#標準的な抗うつ薬と比較して副作用が小さい。 |
|||
ことが示唆されるとしている<ref>[[セント・ジョーンズ・ワート]]</ref>。 |
|||
== 経過 == |
== 経過 == |
2011年1月3日 (月) 13:22時点における版
ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 |
うつ病 | |
---|---|
フィンセント・ファン・ゴッホが1890年に描いた“悲しむ老人” | |
概要 | |
診療科 | 精神医学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | F32, F33 |
ICD-9-CM | 296 |
OMIM | 608516 |
DiseasesDB | 3589 |
MedlinePlus | 003213 |
eMedicine | med/532 |
Patient UK | うつ病 |
うつ病(うつびょう、鬱病、欝病)とは、気分障害の一種であり、抑うつ気分や不安・焦燥、精神活動の低下、食欲低下、不眠症などを特徴とする精神疾患である。
概要
現在でこそ一般にも広く知れ渡っている病気であるが、以前は十分な理解が得られず「怠け病」などと呼ばれていた。
かつて日本で主流であったドイツ精神医学では、精神疾患を大きく外因性、内因性、心因性と原因別に分類し、うつ病はその中でも内因性うつ病という名で内因性疾患に分類されていた。
アメリカ合衆国の操作的診断基準であるDSM-IV-TRでは、「大うつ病性障害」(英語:major depression)と呼ばれている。majorを「大」と訳しているので誤解を生じやすいが、これは落ち込む程度の大、小のことではなく、「主要な」あるいは、「中心的な」という意味でのmajorである。「(小)うつは病気ではないが、社会生活に支障をきたすほどうつが悪化すると、これは精神疾患である。」という意味ではない。DSM-IV-TRでは、症状の重症度について別の基準で評価することになっている。
うつ病は、従来診断においては「こころの病気」である神経症性のうつ病と、「脳の病気」である内因性うつ病と別々に分類されてきたが、2010年現在多用されている操作的診断では原因を問わないため、うつ病は脳と心の両面から起こるとされている。
「脳の病気」という面では、セロトニンやノルアドレナリンの不足が想定されており、脳内に不足している脳内物質(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなど)の分泌を促進させる薬物治療を行う。これが心療内科や精神科におけるうつ病治療の主流になっている。
日本うつ病学会では、厚生労働省からの依頼により、抗うつ薬の副作用をはじめとする薬物療法に関する諸問題を専門家の立場から検討し、適正な抗うつ薬使用法を提言するため、学会内に「抗うつ薬の適正使用に関する委員会」を2009年に設立している[1]。
あまり生活に支障をきたさないような軽症例から、自殺企図など生命に関わるような重症例まで存在する。うつ病を反復する症例では、20年間の経過観察で自殺率が10%程度とされている。
なお、男女比では、男性より女性のほうが2倍ほどうつ病になりやすいとされている[2]。
世界保健機関 (WHO) の診断基準については、ICD-10による気分障害の分類を参照。
うつ病という言葉に関する注意
日本の精神医学界はドイツ精神医学が主流であったが、近年日本にもアメリカ精神医学が浸透し始め、従来診断と呼ばれるドイツ精神医学に倣った原因別分類ではなく、操作的診断と呼ばれる症状別分類で診断されることが多くなった。精神医学以外の医学では、一般に病気を原因別に分類する。例えば胸が痛いもののうち、心臓冠動脈の狭窄による心臓への虚血が原因で起こるものを狭心症と診断する場合がこれにあたる。しかし精神疾患は原因のわからないものが多いため、原因別に分類するより症状別に分類する方がより実際的であろうというのが操作的診断を行う側の立場である。この場合、胸が痛いもののうち痛みが一定期間続くものを“胸痛症”と呼ぶことになる。“胸痛症”という表現があるならば、そこには狭心症のほか、肺塞栓や気胸など様々な疾患が含まれることになろう。逆に糖尿病で痛みを感じにくい患者に起こる狭心症は“胸痛症”には含まれないことになる。原因別に治療を行う内科など精神科や心療内科以外の身体科においてこれは実際的ではないので、“胸痛症”のような操作的病名は実際には使われない(使われる場合は○○症候群のように表現され、○○病という表現は用いられない)。
前述のように、症状別に診断した“胸痛症”と原因別に診断した狭心症は大きく違ったものであるが、それと同じように症状別Äに分類されたmajor depression(大うつ病性障害)などの操作的診断病名と、原因別に分類された内因性うつ病等の従来診断病名とは、同じうつ病であっても大きく異なる概念であると言える。
このことが専門家の間でさえもあまり意識されずに使用されている場合があり、時にはそれを混交して使用しているものも多い。そのため一般社会でも、精神医学会においても、うつ病に対する大きな混乱が生まれている。
漠然と「うつ病」と記載されている場合には、それが内因性うつ病、あるいはメランコリー親和性うつ病などと呼ばれた従来診断におけるうつ病のことなのか、抑うつが2週間以上続くなどの状態像で操作的に分類されたmajor depression(大うつ病性障害)などのうつ病のことなのか、ということを十分に意識して読む必要がある。
※この記事においても、操作的診断と従来診断のうつ病が混交して使用されているので注意が必要である。
症状
うつ病の症状を理解するには、大うつ病についてのDSM-IVの診断基準[3]を参照すると良い。
DSM-IVの診断基準は、2つの主要症状が基本となる。それは「抑うつ気分」と「興味・喜びの喪失」である。精神症状と共に身体的な症状を生じる。身体的な症状は、診断に先立って訴えられることもある。
- 精神症状
- ボーっとすることが多くなり、口数が少なくなる。学校・会社・部活動では、休みがちになったり、不登校になる。脳が萎縮することで集中力がなくなり、運動神経や記憶力が低下し、勉強ができなくなったり、人の話を聞かなくなる。「抑うつ気分」とは、気分の落ち込みや、何をしても晴れない嫌な気分や、空虚感・悲しさなどである。「興味・喜びの喪失」とは、以前まで楽しめていたことにも楽しみを見いだせず、感情が麻痺した状態である。この2つの主要症状のいずれかが、うつ病を診断するために必須の症状であるとされている。これら主要症状に加えて、「抑うつ気分」と類似した症状として、「自分には何の価値もないと感じる無価値感」、「自殺念慮・希死念慮」、「パニック障害」などがある。
- 身体的症状
- 頭が割れるような頭痛。不眠症などの睡眠障害。消化器系の疾患で急性胃炎、慢性胃炎、胃潰瘍。摂食障害に伴い、食欲不振と体重の減少あるいは過食による体重増加。全身の様々な部位の痛み(腰痛、頭痛など)訴えとしては「食欲がなく体重も減り、眠れなくて、いらいらしてじっとしていられない」もしくは「変に食欲が出て食べ過ぎになり、いつも眠たく寝てばかりいて、体を動かせない」というものである。
- その他
- 自己中心的な行動が増えることで、対人関係が悪化し、さらに病気を悪化させるという悪循環が起きやすい。
診断
「うつ状態」と「うつ病」
うつ状態を呈するからといって、うつ病であるとは限らない。うつ状態は、本当の「気分障害」に該当するもの以外にも、次のような原因によって引き起こされる。
- 一過性の心理的なストレスに起因するもの(心因性のうつ、適応障害、急性ストレス障害、心的外傷後ストレス障害 (PTSD) など)
- 自律神経失調症・パニック障害など、他の疾患の症状としてのもの
- 季節や生体リズムなど、身体の内部の変調によって生じるもの(内因性うつ病)
また、下記のような器質的疾患からうつ病・うつ状態となることもあるので、診察時には注意を要する。
- 中枢神経系(脳血管障害、パーキンソン病、脳腫瘍 など)
- 内分泌系(副腎疾患(アジソン病など)、甲状腺疾患 (橋本病など)、副甲状腺疾患 など)
- 炎症性疾患(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス など)
- 歯科治療用重金属中毒[4]
こうした様々なうつ状態のうち、臨床場面で大うつ病エピソードとして扱われるのは、DSMの診断基準[5]に従って、「死別反応以外のもので、2週間以上にわたり毎日続き、生活の機能障害を呈している。」というある程度の重症度を呈するものである。
分類
うつ病・うつ状態には、様々な分類がある。
まずうつ状態そのものの分類は、症状の重症度で区分する分類と、成因で区分する分類に分かれる。
- DSM-III以降の米国精神医学会のうつ病分類では、うつ病性障害は、ある程度症状の重い「大うつ病」と、軽いうつ状態が続く「気分変調症」に二分されている。
- 一方古典的分類では、疾患の成因についての判断が優先され、「心理的誘因が明確でない内因性うつ病」と、「心理的誘因が特定できる心因性うつ病」の二分法が中心となっている。狭義には前者が“うつ病”とされ、心因性のものは“適応障害”などに分類されることが多い。
DSMなどの症状のみで判断する分類は、実際的で研究や統計に適しているとされる。一方、臨床場面では心理的誘因の評価は不可欠であり、治療において重要である。例えば、“心因性のうつ”では、原因から遠ざかれば一晩で元気になる可能性もあり、治療や環境変化などへのレスポンスが大きく異なっている。
さらに、うつ病の長期経過による分類がある。すなわち、治療の経過に伴い躁状態を呈する双極性障害(いわゆる「躁うつ病」)、うつ病を繰り返す反復うつ病、再発のない単一エピソードうつ病の区分である。
双極性障害との鑑別
うつ病の診断においては、軽躁と鬱を繰り返す双極II型障害を単極性・反復性と誤診するなど、双極性障害と見分けがつきにくいケースが多い。患者側も、睡眠時間が短くてもすんでしまうなど現代の過酷な社会環境にむしろ適応的であり、ばりばりと働けたなどの充実感などのため、軽躁状態を異常と認識せず、主治医に申告しないこともある。
そのため、大うつ病性障害など「うつ病として」受診に来た患者を診断する場合、初診で躁病エピソードの既往症(軽躁エピソードは特に)を確認し、双極性障害でないかどうか明確に鑑別しておくことが何よりも重要であるとの指摘がある。これは、大うつ病性障害などの単極性の気分障害と双極性障害は、治療法が根本的に異なるためである[6][7]。
また、長期経過の中で、うつ状態に加えて躁状態も生じる場合にも、双極性障害(いわゆる躁うつ病)の可能性がある。そのため、躁状態に転じることを常に注意し、素早く対応することが必要であるとも指摘されている[8]。
うつ病を繰り返し生じる場合には、反復性うつ病と呼ばれており、これも、遺伝研究などによって、躁うつ病と根本的には同一の疾患であるとされている。[要出典]
一方、再発のないうつ病は、単一エピソードうつ病と呼ばれ、躁うつ病とは異なった疾患であると考えられている。
治療
治療の基本方針
心理的葛藤に起因しない内因性うつ病の場合 基本的に現在はまず鬱が病気であることを本人・家族が納得し、「無理をせず、養生して、(場合によっては)薬を飲んで、回復を待つ」ことである。
- 内因性うつ病の症状は、“気の持ちよう” “努力”などで変えられるものではない。変えられないものを、変えようと無理をすれば、症状を悪化させる。むしろ、変えようとせず、憂うつな気分に逆らわず、十分な休養を取りながら、回復を待つべきである。
- うつ病の症状の一つに、将来を悲観してしまうことがある。病気のため、もう治らないとしか考えられなくなることも多い。しかし、うつ病はいかに重症でもいつかは改善するものである。いつかは良くなるという希望を持つことが重要である。
- またあせって人生の決断を下さない方がよい。例えば転職・退職、離婚などの重要な決断はなるべく後回しにする。一般にうつ病のため判断能力は低下していることが多く、適切な判断が下せないことが多い。
- 家族など周囲の人たちも、長い目でうつ病患者を見守ることが求められる。「頑張れ」や「さぼるな」という言葉は、患者自身の力ではどうしようもない今の状態を、今すぐに自分の力で変えるようにと、無理を求めるものとなる。そして、このような言葉は、患者を追いつめ、最悪の場合、自殺の誘因とならないとも限らない。患者のみならず、周囲の人々も、患者がうつ病であり、患者自身の力では今の状態から抜け出せないことを受け入れ、長い目で回復を信じ、あせらないことが必要である。
- 「気の持ちようではないか」「旅行にでも行って気分転換してはどうか」といった言葉も、適切ではない。うつ病でなくとも、嫌なことが起きれば、嫌な気分になるし、そういった一過性の軽い抑うつ気分は多くの人が経験する。これらの言葉は、うつ病もそれと同じように対処すれば良いものと見ている。しかし、長期間に及ぶような酷いうつ状態(つまりうつ病)の場合には、適切な治療なしには気の持ちようを正すこともできず、旅行に行く気力も出ないため、これらの言葉はかえって患者を苦しめる。患者がこれらのアドバイスを受け入れられるほど回復したかどうかの見極めが大切である。
- 治療の前提として、治療の基本的原則について、しっかりと医師が説明を行い、患者が納得して治療に取り組むことが必要である。また、投薬についても、医師がしっかりと説明する必要がある。患者も、分からないことは質問していくことが必要である。こうした医師と患者のコミュニケーションが治療の成功には不可欠である。
心理的葛藤に起因すると思われる心因性うつ病の場合
- 心理的葛藤に起因すると思われるうつ病では、原因となった葛藤の解決や、葛藤状況から離れることなどの原因に対する対応が必要である。なお、一人一人の患者においては、心理的葛藤が原因と考えるべきものなのかどうかの判断は、かなり難しい。このため、この判断は、心療内科医や精神科医の助言に従うのが良いであろう。
入院・外来などの治療設定の選択
- 入院するかどうかなどの治療設定の選択をする場合には、症状の重症度の判断が重要である。ただし、専門的に見てかなり重症であると判断されるうつ病を、家族や周囲の人が、軽く見ることは多く、専門医を受診し、診断を受けることがまずもって必要である。特に、「死にたい」とか「消えてしまいたい」「自分は居ない方がいい」などの希死念慮や自己否定的な内容を口にする場合には、自殺の危険性があり、すみやかな受診が必要である。
- 治療開始の時点では、自殺の危険性が高い重症例であるか否かがまず評価され、自殺の危険性が高い重症例では、入院治療が必要となる。
- 自殺の危険性はないが、日常生活に著しい障害が生じている場合には、仕事を休んだり、主婦であれば家事を誰かに手伝ってもらうなど、社会的役割を免除してもらい、休養する必要がある。
- 日常生活における障害が軽い軽症例では、これまで通りの生活を続けながら、治療を行うこともある。
- いずれの重症度でも、内因性うつ病においては、薬物療法を行うのが原則である。
治療法各論
- 薬物療法
- うつ病に対しては、抗うつ薬の有効性が臨床的に科学的に実証されている。ただし抗うつ薬の効果は必ずしも即効的ではなく、効果が明確に現れるには1週間ないし3週間の継続的服用が必要である。このことをしっかりと理解して服薬する必要がある。
- 抗うつ薬のうち、従来より用いられてきた三環系抗うつ薬あるいは四環系抗うつ薬は、口渇・便秘・尿閉などの抗コリン作用や眠気などの抗ヒスタミン作用といった副作用が比較的多い。これに対して近年開発された、セロトニン系に選択的に作用する薬剤SSRIや、セロトニンとノルアドレナリンに選択的に作用する薬剤SNRI、NaSSA等は副作用は比較的少ないとされるが、臨床的効果は三環系抗うつ薬より弱いとされる。また、不安・焦燥が強い場合などは抗不安薬を、不眠が強い場合は睡眠導入剤を併用することも多い。またカルバマゼピンやベンゾジアゼピン系もしばしば用いられている。
- なお、抗うつ薬による治療開始直後には、年齢に関わりなく自殺の危険が増加する危険性があるとアメリカ食品医薬品局 (FDA) から警告が発せられた。また、近年セント・ジョーンズ・ワートを始めとしたハーブの利用にも注目が集まっており後述する。なお、非定型うつ病については、本来モノアミン酸化酵素阻害薬(MAO阻害剤)が第一選択になり、欧米では活用されているが、2010年現在日本で認可されているものはない。
- 認知行動療法
- 外界の認識の仕方で、感情や気分をコントロールしようという治療法。抑うつの背後にある認知のゆがみを自覚させ、合理的で自己擁護的な認知へと導くことを目的とする。対人関係療法も認知行動療法の要素を持つ。
- 電気けいれん療法 (ECT)
- 頭皮の上から電流を通電し、人工的にけいれんを起こす事で治療を行う。薬物療法が無効な場合や自殺の危険が切迫している場合などに行う。最近は麻酔を使用した苦痛の少ない方法がとられることが多くなり[9]、安全管理も慎重に行われるようになった[10]。前述の場合に有効性が高い治療法であると考える臨床家も多く[11]、保険診療でも認められている。その一方で、薬物療法など他の方法が功を奏さない場合に限るとするなど[12]慎重な適用を求めるものもいるほか、この治療そのものを勧めない精神科医もいる(電気けいれん療法#勧めない精神科医もいる参照)。
- 経頭蓋磁気刺激法 (TMS)
- 頭の外側から磁気パルスを当て、脳内に局所的な電流を生じさせることで脳機能の活性化を図るもの。保険は未承認。
その他、実験的段階にあるものや、限定的に行われる治療法として以下のようなものもある。
- 断眠療法
- うつ病患者が夜間眠らないことでうつ症状が急速に改善するという治療法である。薬物治療への効果が乏しく、うつ状態が長く続いているような場合に施行される。
- 光療法
- 強い光(太陽光あるいは人工光)を浴びる治療法。過食や過眠のあることが多い、冬型の「季節性うつ病」(高緯度地方に多い冬季にうつになるタイプ)に効果が認められている。冬季うつ病の第一義的な治療法は光療法とされ、抗うつ剤よりも有効性が高いことが確認されている[13]。
- また、光療法が非季節性のうつ病の治療に有効であることが実証された[14]。光療法がうつ病に効果があるかどうかは古くから検討されてきたものの、有効、無効の両方の報告があり、有効であることの決定的な証拠はなかったが、最新の研究成果によりその有効性が実証されるに至っている。
- 運動療法
- 有酸素運動の有効性が学会で指摘されている。入院時の日課とする病院もある。
ハーブの利用
今日、ハーブと利用されているセント・ジョーンズ・ワートは、うつ病への処置法(あるいはその可能性)として最も知られている。ドイツをはじめいくつかの国では軽度のうつに対して従来の抗うつ薬より広く処方されている[15]。
セント・ジョーンズ・ワートについては、うつ病に対する効果を調査した臨床研究が多い。その結論は現在のところ成否さまざまである。軽度から中程度のうつに対して有効でかつ従来の抗うつ薬よりも副作用が少ないとする研究がある一方で、プラセボ以上の効果は見られないとする研究もある。
コクランレビューによる2008年の報告[16]によると、これまでのエビデンスから
- うつ病患者に対してプラセボ群より優れた効果を示す。
- 標準的な抗うつ薬と同等に効果がある。
- 標準的な抗うつ薬と比較して副作用が小さい。
ことが示唆されるとしている[17]。
経過
「誰でもかかる可能性がある」「かかりやすい」ことを表した『うつ病は心の風邪』という言葉が、一部における「うつ病は放っておいても簡単に治る」という誤解に繋がっているが、風邪と違って時間がたてば自然に治る類の病ではなく、薬剤治療が一般的である。鬱病になった人は「地獄にいるみたいだ」と語る人が多い。
かつては、電気けいれん療法、ロボトミーしか効果の証明された治療法が無かった[要出典]が、その後抗うつ薬が登場し薬物治療が発達した。過去に比べれば、うつ病に対する治療法は確立されてきている。
うつ病では、6か月程度の治療で回復する症例が、60%ないし70%程度であるとされ、多くの症例が、比較的短い治療期間で回復する。しかし、一方では25%程度の症例では、1年以上うつ状態が続くとも言われ、必ずしもすべての症例で、簡単に治療が成功するわけではない。また、一旦回復した後にも、再発しない症例がある一方、うつ病を繰り返す症例もある。このように、様々な経過をとる可能性があることは認識しておく必要がある。
再発率に関しては、うつを繰り返すたびに高くなる傾向にあり、初発の場合の次回再発率は50%、2回目の場合75%、3回目の場合は90%にも達する[18]。
さまざまな「うつ病」
子供のうつ病
子どもの大うつ病の時点有病率は児童期で0.1から2.6%、青年期で0.7から4.7%とされている[19]。
軽症のうつ病ではイライラしたり、少し落ち込んでいるようにみえたりするだけでうつ病体験を言語化しないことが多く(発達段階によっては出来ない)、頭痛や腹痛等の身体症状や不登校等の行動面での変化が特徴である。
投薬治療はフルオキセチンやセルトラリンなどのSSRIが推奨されているが、思春期前の子どもへのパロキセチンの投与は慎重に行われるべきである。SSRIの投与により改善が見られない場合には、他のSSRIや三環系抗うつ薬などへの変更が推奨される。
日本うつ病学会では、厚生労働省からの依頼により、抗うつ薬の副作用をはじめとする薬物療法に関する諸問題を専門家の立場から検討し、適正な抗うつ薬の使用法を提言するため、学会内に「抗うつ薬の適正使用に関する委員会」を2009年に設立している[20]。
心理療法は、児童期では認知行動療法、青年期では認知行動療法と対人関係療法の有効性が認められている。
家庭や学校などの日常生活における環境を整えることも、回復を促す上で有効である。
非定型うつ
通常のうつ病(メランコリー型うつ)は気分が落ち込む状態が長期にわたって持続して気分が明るくならないが、好きなことをしているときなどには気分が明るくなるようなタイプのうつ病は非定型うつといわれ、うつ病の半分程度は非定型とされる[21]。 ただし、非定型うつ病は双極性障害の初期症状と区別しにくいため、とりわけ親族に双極性障害患者がいる場合は、その可能性を考慮する必要がある。 非定型うつ病にはMAO阻害剤と呼ばれるタイプの特殊な抗うつ薬が有効であることが知られているが、この薬剤が課す広範な食事制限のため、実際の臨床での利用は困難を極める。具体的には、豆やその加工品(醤油、味噌など)の摂取制限、チーズやチョコレートの摂取制限という、日本人にも西洋人にも向かぬものである。
新型うつ
自責感が強い従来のうつ病と対照的に他罰的で、趣味活動などには積極的になれるが職場などストレスを感じる場面でのみで激しく気分が落ち込むようないわゆる新型うつが30代ぐらいの若い世代で増えている[22][23]。新型うつでは、うつ病との診断による休職中に国外旅行[24]・語学留学[25]・転職活動[26]などを行って周囲の反感を買うようなケースもあり、職場全体の雰囲気が悪くなったり、フォローする側の周囲の人までうつ病になってしまうような2次被害の危険性もある[27]。もっとも、人間が果たすべき義務を遂行するためには全ての人間が多かれ少なかれ何かしらの我慢を強いられているのは当然のことであるから、新型うつのような患者の行動理念が理解され難いのも正常な側の立場から見れば当然、といった問題が常につきまとう。対処法について、通常のうつ病患者に「がんばれ」と励ますことは、本人に過剰なプレッシャーをかけ場合によっては自殺に追い込む危険性もあるためタブーであるとされているが、新型うつの患者には適切な時期には「そろそろがんばってみたら」と積極的に介入することも必要であり、その時期も見極めが重要であると精神科医の香山リカは述べている[28]。
一方、精神科医の岩波明は「『新型うつ病』という概念はタレントとして活躍している女性精神科医の創作であり、医学的な根拠がない」という[29]。
月刊「創(創出版)」の香山の連載「『こころの時代』解体新書」2006年4月分加筆収録版「うつ病こそ最大の国益損出?」では「ここでは一応、新型うつ病としておくが」と断りを入れている[30]。また、2007年12月分加筆収録版「08年はうつ病の時代?」では双極Ⅱ型(双極II型障害)や気分変調症(気分変調性障害、抑うつ神経症)に似ているが、鑑別のポイントが回避性人格障害(回避性パーソナリティ障害)に通じるところが大きいとしている[31]。
成因
うつ病の成因論には、生物学的仮説と心理的仮説がある。心理的仮説は生理的な理由付けが無いため、科学的根拠に欠けるとの批判が存在するが、生物学的仮説は2010年現在は脳と精神の関係がほとんど解明されていないこともあり、治療という面でも初期の段階にある。ただし、統合失調症などに幾分か有効な薬が開発されているが、2010年現在はうつ病の症状を抑える程度の薬しか存在しない。いずれの成因論もすべてのうつ病の成因を統一的に明らかにするものではなく、学問的には、なお明確な結論は得られていない。
治療場面では、なぜうつ病になったかという問いよりも、今できることは何かを問うべきである。この意味で、成因論は学問的関心事ではあるが、現時点では臨床場面での有用性は限定的である。
- 生物学的仮説は、薬物の有効性から考え出されたモノアミン仮説、MRIなどの画像診断所見に基づく仮説などがあり、2010年現在も活発に研究が行われている。モノアミン仮説のうち、近年はSSRIとよばれるセロトニンの代謝に関係した薬物の売り上げ増加に伴い、セロトニン仮説がよく語られる。また近年、海馬の神経損傷も話題となっている。ただ、臨床的治療場面を大きく変えるほどの影響力のある生物学的な基礎研究はなく、決定的な結論は得られていない。
- 一方、心理学的・精神病理学的仮説としては、フーベルトゥス・テレンバッハの唱えたメランコリー親和型性格の仮説が有名である。これは、几帳面・生真面目・小心な性格を示すメランコリー親和型性格を持つ人が、職場での昇進などをきっかけに、責任範囲が広がると、すべてをきっちりやろうと無理を重ね、うつ病が発症するという仮説である。つまり鬱の原因は人生問題であるというものである。生活での悩みが鬱の原因になるという主張はことに反論を唱えるものはいないが決してすべてのうつ病がこの仮説に一致する訳ではない。例えば家族の一員の死などで鬱になる場合でも個人差があり回復に数年と言うケースも存在する。またまれに理由も無く深刻な鬱である場合もある。ただしこのような心理的仮説は鬱を生物学的に捕らえ治療を行うという考え方に対する疑問として掲示される仮説である。
- また、認知療法の立場からは、人生の経験の中で否定的思考パターンが固定化したことがうつ病と関連しているとされている。
生物学的仮説:脳の海馬領域における神経損傷仮説
- うつ病の神経損傷仮説:近年MRIなどの画像診断の進歩に伴い、うつ病において、脳の海馬領域での神経損傷があるのではないかという仮説が唱えられている[32]。そして、このような海馬の神経損傷には、遺伝子レベルでの基礎が存在するとも言われている[33]。
- 心的外傷体験が海馬神経損傷の原因となるという仮説:また、海馬の神経損傷は幼少期の心的外傷体験を持つ症例に認められるとの研究結果から、神経損傷が幼少期の体験によってもたらされ、それがうつ病発病の基礎となっているとの仮説もある。
心理学的仮説:病前性格論
心理学的成因仮説の代表は、病前性格論である。うつ病にかかりやすい病前性格として、主に、メランコリー親和型性格、執着性格、循環性格、が日本では提唱されている(米英圏では強迫性)。しかし、近年はうつ病概念の拡大や社会状況の変化に伴い、下記の性格に該当しないうつ病患者が増加している。
- メランコリー親和型性格は1961年にテレンバッハが提唱したもので、秩序を愛する、几帳面、律儀、生真面目、融通が利かないなどの特徴を持つ。主として反復性のないうつ病を呈するとされる。
- 執着性格は1941年に下田光造が提唱したもので、仕事熱心、几帳面、責任感が強いなどの特徴を持つ。反復性うつ病ないし躁うつ病の病前性格の1つであるとされる。
- 循環性格はエルンスト・クレッチマーが提唱したもので、社交的で親切、温厚だが、その反面優柔不断である為、決断力が弱く、板挟み状態になりやすいという特徴を持つ。躁うつ病の病前性格の一つであるとされる。
疫学的特徴
DSMの診断基準を用いたうつ病の有病率についての12の疫学的研究を見ると、ある時点で過去1か月以内にうつ病と診断できる状態であった人の割合は、1.0% - 4.9%であり、おおむね約2.8%が平均的な調査結果であった。
また、生涯のうちにうつ病にかかる可能性については、近年の研究では15%程度という報告が多い。また、日本で2002年に行われた1600人の一般人口に対する面接調査によれば、時点有病率2%、生涯有病率6.5%とされている。
これらの研究結果から、ある時点ではだいたい50人から35人に1人、生涯の間には15人から7人に1人がうつ病にかかると考えられている。発生率は女性に比較的高いとされているが、閉経や子供の自立による喪失体験、PMSによるストレス、男性より寿命が長いことによる配偶者との死別などによる部分も少なくはないと思われ、社会生活によるストレスが多い男性にも普通に見られる。
製薬会社のファイザーが2009年6月に10年以上の喫煙歴がある40~90歳の男女計600人を対象にインターネットで行った調査によると、ニコチン依存症の人の16.8%にはうつ病やうつ状態の疑いがあり、ニコチン依存症でない人でのその割合は6.3%のため、ニコチン依存症の人ほど、うつ病・うつ状態の可能性が高いと報告している[34]。また、典型的な抗うつ薬であるイミプラミンについて、喫煙者は効果が半減するとの指摘がなされている[35]。
うつ病を患った著名人
脚注
- ^ 抗うつ薬の適正使用に関する委員会(委員長:樋口輝彦 国立精神・神経センター総長) 日本うつ病学会
- ^ 厚生労働省 うつ病対策推進方策マニュアル(doc)
- ^ DSM-IVの診断基準
- ^ 「Solving the Puzzle of Mystert Syndromes」によると、181人のうつ病患者(含自殺願望の患者)の口中から水銀アマルガムの詰め物を取り除いた結果、全員が完治または改善を報告している。
- ^ DSM-IV・DSM-IV-TRでは、主要症状1つを含む5つ以上の症状が2週間以上持続することが、大うつ病性障害の診断条件となっている。
- ^ 神庭重信・杉山暢宏ほか『気分障害の診療学』「新世紀の精神科治療(新装版)」第2巻,2008年,pp71~72
- ^ 内海健 うつ病新時代-双極II型という病 勉誠出版
- ^ 杉山暢宏・神庭重信ほか『気分障害の診療学』「新世紀の精神科治療(新装版)」第2巻,2008年,pp72,176~180
- ^ 志水彰ほか『精神医学への招待』改訂2版,南山堂,p100,p188
- ^ 井田逸朗 他「修正型電気刺激療法」『気分障害の診療学』中山書店,pp.371~379
- ^ 井田逸朗 他「修正型電気刺激療法」『気分障害の診療学』中山書店,pp.378~379
- ^ 志水彰ほか『精神医学への招待』改訂2版,南山堂,p188
- ^ 「高照度光療法」 Vol.17増刊号 精神科治療学 気分障害のガイドライン 2002年10月 星和書店、 「4.高照度光療法」 睡眠障害の対応と治療ガイドライン 編集 睡眠障害の診断・治療ガイドライン研究会 じほう
- ^ 「8.うつ病の時間生物学的治療」 睡眠医療 第2巻 第1号 2007 (株)ライフサイエンス
- ^ Fegert JM, Kölch M, Zito JM, Glaeske G, Janhsen K (2006). “Antidepressant use in children and adolescents in Germany”. J. Child Adolesc. Psychopharmacol. 16 (1-2): 197–206. doi:10.1089/cap.2006.16.197. PMID 16553540.
- ^ Linde K, Berner MM, Kriston L (2008). “St John's wort for major depression”. Cochrane Database Syst. Rev. 4: CD000448. PMID 18843608 .
- ^ セント・ジョーンズ・ワート
- ^ 「うつ」からの社会復帰ガイド うつ・気分障害協会編 岩波アクティブ新書115
- ^ 佐藤寛ほか(2008) 「一般中学生におけるうつ病の有病率」 精神医学 第50巻
- ^ 抗うつ薬の適正使用に関する委員会(委員長:樋口輝彦 国立精神・神経センター総長) 日本うつ病学会
- ^ 貝谷久宣『気まぐれ「うつ」病―誤解される非定型うつ病』筑摩書房、2007年、11頁・14頁。ISBN 978-4480063724。
- ^ 香山リカ 『仕事中だけ「うつ病」になる人たち――30代うつ、甘えと自己愛の心理分析』 講談社、2007年、39頁・47-50頁など。ISBN 978-4062594844。
- ^ 新型うつ病社員”への対処法:ビジネスガイド調査記事 『日本の人事部』
- ^ 『仕事中だけ「うつ病」になる人たち――30代うつ、甘えと自己愛の心理分析』 73頁。
- ^ 香山リカ 『「私はうつ」と言いたがる人たち』 PHP研究所、2008年、35-37頁。ISBN 978-4569699530。
- ^ 『「私はうつ」と言いたがる人たち』 38頁。
- ^ 『仕事中だけ「うつ病」になる人たち――30代うつ、甘えと自己愛の心理分析』75-80頁。
- ^ 『仕事中だけ「うつ病」になる人たち――30代うつ、甘えと自己愛の心理分析』 148-150頁。
- ^ 精神障害者をどう裁くか 岩波明 光文社 2009年 ISBN 9784334035013 p186~188
- ^ うつ病が日本を滅ぼす!? 香山リカ 創出版 2008年 ISBN 9784924718869 p23
- ^ うつ病が日本を滅ぼす!? 香山リカ 創出版 2008年 ISBN 9784924718869 p11
- ^ 山脇成人(2005年). page 8,9.
- ^ 学習・記憶、情動に関わるエピジェネティック制御機構
- ^ /press/2009/2009_07_27.html 製薬会社ファイザーの調査2009年7月27日広報
- ^ ビタミンショック-暴かれた害と効用-, ハンス・ウルリッヒ グリム/著 イェルク・ツィットラウ/著 佐々木建/監訳 花房恵子/訳
- ^ Simpson, Dave (2007年11月8日). “Music's a personal crusade, very much within his soul. But he's reaching out for something else - what he can be”. The Guardian (London) 2010年3月27日閲覧。
- ^ Sir Malcolm Arnold Timesonline; September 25, 2006
- ^ “Queen Juliana of the Netherlands”. The Guardian (London). (2004年3月22日) 2006年8月9日閲覧。
- ^ Woody Allen biogs.com
- ^ Sadamoto, Yoshiyuki (December 1998) [1995]. “What were we trying to make here?”. Neon Genesis Evangelion, Vol. 1. Essay by Hideaki Anno; translated by Mari Morimoto, English adaptation by Fred Burke. San Francisco: VIZ Media LLC. pp. 170–171. ISBN 1-56931-294-X
- ^ SANE Australia - Natalie Imbruglia
- ^ Kurt Vonnegut Jr.: So it goes
- ^ philosophical society
- ^ http://reviews.ebay.com/JAMES-ELLROY-WRITES-LONGHAND-Writer-apos-s-Cramp-Not-Block_W0QQugidZ10000000008123320
- ^ “Suicide keeper battled depression”. BBC News. (2009年11月11日) 2010年3月27日閲覧。
- ^ 立花隆『宇宙からの帰還』(1983年、中央公論社)
- ^ Curtis Biography
- ^ John Kirwan to front new depression campaign - 10 Oct 2006 - NZ Herald: New Zealand National news
- ^ A Promising Beginning by Romas Ramanauskas - Lithuania in the World
- ^ AAP (2007年3月27日). “Anthony Callea comes out”. The Sydney Morning Herald 2008年1月4日閲覧。
- ^ "Karzai Suffers Depression, Says Watergate Investigator". Telegraph.co.uk. 22 September 2010.
- ^ Kierkegaard's Biography
- ^ a b Artists with Depression
- ^ “Carrey: 'Life Is Too Beautiful'”. CBS News. (2004年11月21日) 2006年8月10日閲覧。
- ^ This Comic's Life Is Not Always A Laughing Matter
- ^ Kirchner Biography
- ^ “LIVE: Weezer Aren't Afraid Of The Blues”. 'Chart (2005年5月9日). 2009年9月11日閲覧。
- ^ Thorpe, Vanessa (2006年10月15日). “Christie's most famous mystery solved at last”. The Guardian (London) 2010年5月8日閲覧。
- ^ Tormented President: Calvin Coolidge, Death, and Clinical Depression by Robert E. Gilbert. 2003
- ^ Sherry, Norman, The Life of Graham Greene ISBN 0-641-68443-6
- ^ Tribute to Akira Kurosawa
- ^ Pita, Elena An Intimate Conversation with...Leonard Cohen, El Mundo September 26, 2001
- ^ Mumbi Moody, Nekesa (2005年6月6日). “Billy Corgan embraces solo life”. Associated Press 2006年8月10日閲覧。
- ^ Najder, Zdzisław Józef Teodor Konrad Korzeniowski -Joseph Conrad 2nd Polish ed. Warszawa 1996
- ^ Biography, Chronology and Photographs of William James
- ^ William James - Biography of William James
- ^ Washington Post – Crushed Velvet
- ^ “Ashley Judd says she was treated for depression”. AP. (2006年7月5日)
- ^ Famous People With Depression - Billy Joel
- ^ Dallaire, Roméo, Shake Hands with the Devil ISBN 0-7867-1510-3
- ^ “Kirsten Dunst Battles Depression, Not Drugs and Alcohol”
- ^ Pool, Hannah (2007年5月31日). “Question time”. The Guardian (London) 2010年5月8日閲覧。
- ^ Storr, Anthony: Churchill's Black Dog, Kafka's Mice, and Other Phenomena of the Human Mind ISBN 978-0-345-36547-7
- ^ 『タイムズ』2005年3月17日付
- ^ http://www.panbello.com/WebNoir7_Raymond_Chandler.html
- ^ Suicide News
- ^ Pearce, Anna; Scanlon, Matt (2002年6月1日). “Through a Lens, Darkly”. Psychology Today
- ^ Dangerfield is no laughing matter
- ^ “Movies: About Take Me Home: The John Denver Story”. The New York Times 2010年5月8日閲覧。
- ^ Edgar Degas (1834–1917): Painting and Drawing | Thematic Essay | Timeline of Art History | The Metropolitan Museum of Art
- ^ www.nickdrake.com
- ^ Pannick, David (2005年3月22日). “The troubled life of a tormented man and brilliant legal philosopher”. The Times (London) 2010年5月8日閲覧。
- ^ Jesus Huerta de Soto: The Austrian School of Economics: market order and entrepreneurial creativity. Edward Elgar, 2008, p. 77. ISBN 9781847207692.
- ^ Evolutionists and the Moth Myth
- ^ [1]
- ^ “Finding a Healing Note in Michael's Absence”. Michael Hutchence Official Site. 2009年6月23日閲覧。
- ^ Joe Budden Pumps It Up
- ^ David Banner Preaches!
- ^ [2]
- ^ The John Hinckley trial: Key figures
- ^ “Whoa here she comes again”. The Times (London). (2006年5月21日) 2010年3月27日閲覧。
- ^ Feyerabend, Paul, Killing Time: The Autobiography of Paul Feyerabend (1995), ISBN 0-226-24531-4, ISBN 0-226-24532-2
- ^ Eribon, Didier, Michel Foucault Cambridge, MA: Harvard University Press, 1991 ISBN 0-674-57286-6
- ^ Lisa C. Hickman: William Faulkner and Joan Williams: the romance of two writers. McFarland&Co. Publishers, Jefferson (NC), 2006, p. 91-93
- ^ Famous People With Depression - Harrison Ford
- ^ "John Frusciante-wikipedia.de "
- ^ a b Philosophy and Depression Philosophical Society, USA, June 2005
- ^ 1996: Margaux Hemingway is found dead, ew.com. Retrieved on 2-04-08
- ^ Katz, Ephraim Bergman Biography The Film Encyclopedia (3rd ed., 1998)
- ^ Griffin, Richard (2009年6月24日). “Votto opens up about his battle with depression”. The Star (Toronto) 2010年3月27日閲覧。
- ^ Pruyn, Fred Infinite Potential: The Life and Times of David Bohm
- ^ Redfield Jamison, Kay (2006年6月25日). “Acknowledging Depression”. The Washington Post 2006年8月9日閲覧。
- ^ Eccleston, Danny (2000年10月1日). Q
参考文献
- 志水彰ほか『精神医学への招待』改訂2版,南山堂,2005年,ISBN 4-525-38352-6
- 神庭重信 編『気分障害の診療学』「新世紀の精神科治療(新装版)」第2巻,中山書店,2008年,ISBN 978-4-521-73049-3
- 日本医学会:第129回日本医学会シンポジウム記録集「うつ病」
- Belmaker RH, Agam G. "Major depressive disorder." NEJM. 2008 Jan 3;358(1):55-68. No abstract available. PMID 18172175
関連項目
- 抗うつ薬
- 日本うつ病学会
- 精神科医
- 臨床心理士
- 双極性障害(躁うつ病)
- 躁病
- メランコリー
- セロトニントランスポーター遺伝子
- メンタルケア
- 労働契約法
- 安全配慮義務
- ビオチン(厚生労働科学研究では、慢性的に生卵白を摂取した成人や青少年の、臨床所見では鬱、嗜眠、幻覚、四肢の感覚異状があらわれる。詳しくは「ビオチン欠乏により発症する病」参照のこと)
外部リンク
- 日本うつ病学会
- うつ病とは、うつ病・うつ状態のセルフチェック - MSD
- UTU-NET うつ・不安啓発委員会公式ホームページ
- NHK うつサポート情報室 - うつ病をテーマにした放送のログ。実例と医師の解説が豊富
- うつ病治療と光療法 - うつ病治療に光療法が有効であることが実証された内容とその文献が掲載
- FDA Public Health Advisory - FDAのSSRIと自殺念慮に関する勧告(英語)
- FDAの自殺念慮に関するプレスリリース(英語)
- Depression - ウェイバックマシン(2012年10月12日アーカイブ分) (英語) Medpedia「うつ病」の項目。
Template:Link FA Template:Link FA Template:Link GA Template:Link GA