認知行動療法

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認知行動療法(にんちこうどうりょうほう、cognitive behavioral therapy、CBT)は、行動療法(学習理論に基づく行動変容法・理論の総称)と認知療法(認知や感情に焦点を当てる心理療法)との総称である。

目次

概要[編集]

認知行動療法とは?
誤った認識・陥りがちな思考パターンの癖を、客観的でよりよい方向へと修正する、避けたがっている問題とあえて向き合うことで徐々にトラウマに慣れさせる、悲しみを外に出し心を癒すことで気持ちの安定を得る、などの方法を組みあわせることで、精神的な苦痛と、それに伴う身体的な症状を改善していく治療法。鬱、PTSD、パニック障害、解離性障害、複雑性悲嘆、強迫神経症など、多種多様な精神的疾患で、その高い効果が報告されている。
自身で手引きを参考にしながら出来る、比較的、手軽な方法から、それが困難な場合には、専門の医師に治療してもらう方法まで、認知行動療法は、広義に活用されている。ただし疾患の種類や症状の重さによっては、トラウマへの介入・想起により強い苦痛や葛藤を伴い、場合によっては悪化することもあるため、クライエントの状態を判断して治療することが重要である。
治療の進め方
治療の進め方としては、現在、医院ではクライエントに無理がないように時間をかけて、徐々に問題と向き合う方法が主に行われているが、逆に短期間に問題と向き合うショック療法的な認知行動療法もある。この療法では、症状が出ることとなった精神的な根本要因にまでさかのぼって問題と向き合うため、記述や口述などによる、当事者の過去の想起や暴露が必要となる。そのために認知行動療法の中でも、特に暴露法が取り上げられることがある。
こうしたことから認知行動療法とは、認知の歪みを客観的に正し、クライエントが自身で感情や考え方の安定したコントロールが出来るようにすることで、問題に囚われた精神状態から無事、脱却し、再び同じ心身状態に陥ることを防ぐ治療法といえる。
行動療法と認知療法
行動療法と認知療法とは切り離せないものと考えられており、今ではこの二つを合わせた「認知行動療法」と呼ばれるようになっている。「認知行動療法」という呼び名が最初に現れたのは、ドナルド・マイケンバウムの著作のタイトルである。行動療法では認知や感情も行動の一部であるという解釈があり、認知療法のアルバート・エリスアーロン・ベックは積極的に行動療法的な技法を取り込んで発展させて行った。そのため、次第にこの両者は統合あるいは折衷されていった。
それまでの行動療法が対症療法的で、個人の経験や葛藤を考慮していないために再発や別の症状が出るという批判も、認知や感情を重視するようになったためほぼ解消されたといえる。
「認知療法」、「行動療法」と分けて呼ぶ場合には「(ベックの)認知療法」と言った狭義の呼称であったり、系統的脱感作のような古典的技法を指しての「行動療法」であったりする。なお海外では「行動認知療法(Behavioral and Cognitive Therapies)」と呼ばれることもある。さらに近年は「マインドフルネス」と「アクセプタンス」を共通の治療要素とする第三世代の行動療法が展開されている。
認知行動療法のテクニックは、人それぞれが持つ認知構造やスキーマと呼ばれるものが、人生において出会ういろいろな状況に反応したり適応したりする方法を形づくるという想定の下にある[1]

脚注[編集]

  1. ^ Nancy C. Andreasen(ナンシー・C・アンドレアセン),etc., Introductory Textbook of Psychiatry,4th ed.,2006,page460

関連項目[編集]

関連書籍
  • 坂野雄二(1995) 認知行動療法 日本評論社
  • 岩本隆茂(編)(1997) 認知行動療法の理論と実際 培風館
  • 下山晴彦(編)(2011) 認知行動療法を学ぶ 金剛出版
資格

外部リンク[編集]

日本国内の学会
日本以外の学会