論理療法

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論理療法
治療法
MeSH D011617

論理療法(ろんりりょうほう、英語: Rational emotive behavior therapy ; REBT)とは、心理療法アルバート・エリス(Albert Ellis)によって1955年頃に創始された心理療法の一つである。広義の認知療法では最初のものとされている。

分かりやすい論理体系やユーモアある技法、エリスのキャラクターと相まって、依然として論理療法を愛好する人も多い。

名称と日本での訳語の混乱[編集]

当初の名称はRational Therapyであり、國分康孝が「論理療法」と訳した。その後、エリスはRational Emotive TherapyRational Emotive Behavior Therapyと、2度名称を変更して現在に至っている。現在では、その頭文字をとってREBTと呼ばれることが多い。

それにともなって、Rationalを「論理」「理性」「合理」、Emotiveを「感情」「情動」など様々に訳し、さまざまに組み合わせて使われる上、旧名称を依然として使う人も多い状況で、訳語は混乱している。

つまり現在の名称であるRational Emotive Behavior Therapyは、日本においては、「論理情動行動療法」「理性感情行動療法」「合理情動行動療法」といったように、様々に訳語されている。そのため、日本においても、英語名称の頭文字をとってREBTと呼ばれることも多い。

國分は「Rational Emotive Behavior Therapyを論理療法と呼ぶべきだというのはイラショナル・ビリーフだが、論理療法と呼んでほしいというのはラショナル・ビリーフである」と論理療法の用語・理論とからめて、「論理療法」と呼ぶことを推奨している。要するに「論理療法と呼ぶべきだとまでは言わないが、呼んでほしいとは思う」ということである。

理論[編集]

人の悩みは出来事そのものではなく出来事の受け取り方によって生み出されるものであり、受け取り方を変えれば悩みはなくなるというのが基本的なスタンスである。そして、それはABC理論とイラショナル・ビリーフに集約される。

ABC理論[編集]

  • A:Activating event(出来事)
  • B:Belief(信念、固定観念)
  • C:Consequence(結果)

出来事があって、結果があるのではなく、間にビリーフによる解釈があるという考え方である。とくに不合理な考えによる解釈をイラショナル・ビリーフと呼び、それを粉砕することを目的とする。

  • D:Dispute(論駁)
  • E:Effect(効果)

ABCのあとにの二つを加えて、ABCDE理論と呼ぶこともある。

イラショナル・ビリーフ[編集]

Irrational Beliefは「非合理的な信念」と訳される。「失敗してはならない」「すべての人に愛されなければならない」「世の中は公正でなければならない」などという思いを持っていると、それらが満たされなかったときに悩むことになる。イラショナル・ビリーフは以下のような特徴がある。

  • 事実に基づいていない
  • 論理的必然性がない
  • 気持ちを惨めにさせる
  • 自己否定的・悲観的な内容である

イラショナル・ビリーフは願望(~ねばならない、~であって欲しい)と事実を混同することから起こっている。このような混同を論理的に否定し、ラショナル・ビリーフ(合理的信条)へと変えてゆくのが論理療法の役割である(「文章記述を書き換える」という表現をする)。ラショナルビリーフは

  • 事実に基づいている
  • 論理性がある
  • 人生を幸福にする

ラショナル・ビリーフの例は「失敗しないほうがいいが人間だから失敗することもある。失敗から学ぶべきである」「人に愛される・愛されないとは関係なしに具体的になにかをするべきである。その結果人が愛してくれればありがたいし、愛されなくとももともとである」などである。

端的に言ってしまえば、「~ねばらならない(must)」ではなく、よりマイルドであると言われる「~であるにこしたことはない(should)」という文章記述の書き換えである。

国内の研修・研究機関[編集]

1996年4月に、日本ではじめて、論理療法を専門に研修・研究する組織である「日本論理療法協会」が発足し、それが日本論理療法学会(Japanese Association of Rational Emotive Behavior Therapy、略称:日本REBTまたはJ-REBT)と名称を変え、現在に至っている。ちなみに、日本論理療法学会は会の目的を、「論理療法の創始者アルバート・エリス のカウンセリング・サイコセラピー哲学に基づき、非営利団体として、日本における論理療法の健全な普及・発展を図ることを目的とする」としている。この組織では、論理療法の特徴である「論理療法の哲学」を特に大切にする立場をとっている。

また、日本論理療法学会では、論理療法の専門家である論理療法士(Certified REBT Therapist)の養成と資格認定を行っている。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]