法哲学
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法哲学(ほうてつがく、philosophy of law; jurisprudence)とは、一般的に法や法現象に関する基本問題を哲学的に考察する学問分野である。ただし、具体的な内容については、研究者の間にも大きな見解の相違がある。
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[編集] 概要
法哲学という用語は、ドイツ語の Rechtsphilosophie の訳語として使用されはじめたものであり、主にヘーゲル以後に一般化したものと考えられている。しかし、法に関する哲学は、すでに古代ギリシアのソフィストにおける議論にも見られる[1]。
日本では、法哲学との呼称・表記のほかに法理学(ほうりがく)と呼ぶこともあるが、この名称は穂積陳重が東京帝国大学において講義担当教授となった際、歴史法学などの非形而上学的方法論をとる学派をも包摂する名称として考案したものであり、現在でも京都大学などではこの名称が用いられる[2]。
しばしばよく見られる主張としては、実定法学が実定法(positives Recht、現に存在する法)を対象とするのに対して、法哲学は、あるべき法ないし正しい法を探求する学問である、というものがある。
法哲学が法価値論(以下で詳述)のみを対象としていた時代にはそのような考え方も成り立っていたが、現在では法哲学の対象が広がっているばかりか、「あるべき法を探求する」というのも一つの立場からの考え方に過ぎないことに注意することが必要である。したがって、現代では、法哲学について多様な捉え方がある。
[編集] 研究対象
大別して、次の3つに分けられることが多いが、相互に関連している。
[編集] 様々な学派
- 自然法学派
- 人間の社会的実践とは独立した普遍的に妥当する実質的な規範が存在し、それが自然法として実定法に優越する、と考え、そのような自然法の内容の把握を探求しようとする学派。中世のスコラ哲学以来の長い歴史を誇るが、形而上学の没落とともにかつての勢いを失い現在に至る。但し、ラテン系大陸諸国のフランス、イタリアなどではなお有力である。
- 分析法学派
- 法哲学の対象を主として、法や権利の概念の明晰な把握や、法体系の内的構造の解明などに置く学派。ベンサムやオースティンによって創始され、ハート以来の英米系法哲学は概ねこの系統に属する。法実証主義を基調とし、自然法学派と対立することが多い。
- 歴史法学派
- 初期分析法学派への反動としてメインなどによって提唱された[3]。法の把握は、諸概念の明晰化のみによって可能なものではなく、原始社会における法の様態が今日までどのように発展してきたか、などの歴史的考察によって初めて可能になる、と主張した。法哲学における勢力は殆どないが、法制史の領域ではなお隠然たる影響力を誇る。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 三島淑臣 『法思想史』、青林書院<現代法律学講座3>、1980年 ISBN 4417004870
- 大橋智之輔・三島淑臣・田中成明編 『法哲学綱要』、青林書院、1990年 ISBN 4417007608
- 平野仁彦・亀本洋・服部高宏 『法哲学』、有斐閣<有斐閣アルマ>、2002年 ISBN 4641121486
- 笹倉秀夫 『法哲学講義』、東京大学出版会、2002年 ISBN 4130323253
- Vicente Barretto. Dicionário de Filosofia do Direito (Philosophy of Law Dictionary). São Leopoldo, Unisinos, 2006. ISBN 85-7431-266-5
[編集] 外部リンク
- (百科事典)「Philosophy of Law」 - インターネット哲学百科事典にある「法哲学」についての項目。(英語)
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