ノーム・チョムスキー

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エイヴラム・ノーム・チョムスキー
フルネーム エイヴラム・ノーム・チョムスキー
生誕 1928年12月7日(83歳)
時代 現代哲学
地域 西洋哲学
学派 言語学
分析哲学
研究分野 言語学
心理学
言語哲学
心の哲学
政治学
倫理学
主な概念 生成文法
普遍文法
チョムスキー階層
文脈自由文法
刺激の貧困
チョムスキー標準形
プロパガンダ・モデル
言語獲得装置

エイヴラム・ノーム・チョムスキー英語:Avram Noam Chomsky、1928年12月7日 - )は、アメリカ合衆国言語学者哲学者思想家マサチューセッツ工科大学教授。 言語学者・教育学者キャロル・チョムスキーは彼のである。

目次

[編集] 人物

チョムスキーは1928年にフィラデルフィアユダヤ系家庭に生まれた。 1949年、アイビーリーグの一つであるペンシルベニア大学を卒業、学士号取得する。1951年ペンシルベニア大学大学院修士課程修了、そして1955年ペンシルベニア大学大学院博士課程を修了し、言語学博士号を取得した。

チョムスキーの提唱する生成文法とは全ての人間の言語に普遍的な特性があるという仮説をもとにした言語学の一派である。その普遍的特性は人間が持って生まれた、すなわち生得的な、そして生物学的な特徴であるとする言語生得説を唱え、言語を人間の生物学的な器官と捉えた。初期の理論である変形生成文法に用いた演繹的な方法論により、チョムスキー以前の言語学に比べて飛躍的に言語研究の質と精密さを高めた。チョムスキー以前の言語学ではフェルディナン・ド・ソシュールの学説やレナード・ブルームフィールドのアメリカ構造主義を基盤とする言語形式を観察・記述する構造主義的アプローチ(構造主義言語学、または構造言語学という)が支配的であったが、これに対し生成文法は言語を作り出す人間の能力(あるいはそのメカニズム)に着目した点が画期的であった。より具体的に言えば、適切な言語形式を産出する能力(linguistic competence: 言語能力)と、実際に産出された言語形式(linguistic performance: 言語運用)とを厳密に区別し、前者を研究の焦点としている。

チョムスキー自身はソシュールの熱烈なファンであり、熱心な読者でもある。

彼以降、言語学は認知科学情報処理と強い親近性を獲得した。また、統語論の自律性を主張したことで、かえって意味論語用論などの隣接分野も浮き彫りにする形となった。この生成文法はチョムスキーがハーバード大学でジュニア・フェローとして過ごした時期の考察に端を発する。

一方で、生成文法の徹底した演繹的な手法や言語の自律性を強調する点に関して、いくつかの立場から批判がなされている。たとえば、認知言語学は言語を人間の認知体系から自律させて考えることに批判的な立場であり、人間の脳内に自律的に言語を司るモジュールが存在するとする生成文法の仮説を批判している。

現代の言語学を語る上でチョムスキーの言語理論を避けて通ることはできず、その影響は自然言語研究だけでなくコンピュータ言語や哲学、数学などの分野にも及んだ。

社会哲学的にはヴィルヘルム・フォン・フンボルトジョン・デューイから、思想的にはスペイン内戦時のカタルーニャ地方バルセロナにおける極度に民主的な労働者自治によるアナキスト革命から強い影響を受け、権威主義的な国家を批判する自由至上社会主義アナキズム)に関わり、アメリカに台頭するネオコン勢力によるアフガン侵攻イラク侵攻やアメリカ主導のグローバル資本主義を批判している。特に2001年アメリカ同時多発テロ事件以降はその傾向を強めており、政治関係の著作も多数ある。2006年にベネズエラウーゴ・チャベス大統領が国連総会でブッシュ大統領を「悪魔」と批判する有名な演説をおこなった際には、チョムスキーの『覇権か、生存か――アメリカの世界戦略と人類の未来』を自ら示して「アメリカ国民はぜひこの本を読むべきだ」と語り、翌日のアマゾンベストセラーランキングで1位になるなど、ベストセラーになった。

ポル・ポトを擁護していた過去がありそのことを隠蔽しているとよく説明される。[1]この件についてチョムスキー自身は、「私は国連においてアメリカが支援していたティモールでの虐殺について証言を行なったことがあり、そのとき、それとポル・ポトの虐殺とが類似しうることをたまたま述べた。実際それは類似していたのだ」と説明している[2]。自国が行なう「大義 (just cause)」の名の下での虐殺をチョムスキーは常々非難しているように[3]、この国連での証言は「自国が行なっているからポル・ポトの行為も容認されるべき」と述べたのではなく、両者の虐殺的行為を非難する趣旨で[要出典]1975年に行なわれたものである。

イスラエル政府やその支持者、同政府に対するアメリカの支援などに極めて批判的で、「イスラエルの支持者は実際の所、道徳的堕落の支持者にほかならない」とまで述べている[4]。こうしたことから、ユダヤ人国家としてのイスラエル建国には不支持を貫き、「ユダヤ人なりキリスト教なりイスラム国家という概念が適切とは思えない。アメリカ合衆国をキリスト教国家とするのはおかしいのではないか」としている[5]

チョムスキーは昭和天皇を「真の戦争犯罪人」と呼ぶ[6]

[編集] 主な受賞歴

[編集] 日本語訳著書

ノーム・チョムスキー(World Social Forum - 2003

[編集] 言語学関係

  • Syntactic Structures 1957 mouton
  • 『現代言語学の基礎』(大修館書店, 1972年)-M・ハレとの共著
  • 『言語と精神』(河出書房新社, 1980年)
  • 『生成音韻論概説』(泰文堂, 1983年)-M・ハレとの共著
  • 『チョムスキー』 (岩波書店「20世紀思想家文庫」、1983年)
  • 『ことばと認識――文法からみた人間知性』(大修館書店, 1984年)
  • 『文法理論の諸相』(研究社出版, 1984年)
  • 『統率・束縛理論』(研究社出版, 1986年)
  • 『言語と知識――マナグア講義録(言語学編)』(産業図書, 1989年)
  • 『障壁理論』(研究社出版, 1994年)
  • 『言語と精神』(河出書房新社「現代の名著」, 1996年)
  • 『ミニマリスト・プログラム』(翔泳社, 1998年)
  • 『言語と思考』(松柏社, 1999年)
  • 『デカルト派言語学――合理主義思想の歴史の一章』(みすず書房, 2000年)
  • 『生成文法の企て』(岩波書店, 2003年/岩波現代文庫, 2011年)
  • 『言語と認知――心的実在としての言語』(秀英書房, 2004年)
  • 『自然と言語』(研究社, 2008年)

[編集] 政治批評

  • 『アメリカン・パワーと新官僚――知識人の責任』(太陽社, 1970年)
  • 『お国のために(1・2)』(河出書房新社, 1975年)
  • 『アメリカが本当に望んでいること』(現代企画室, 1994年)
  • 『9.11――アメリカに報復する資格はない!』(文藝春秋, 2001年/文春文庫, 2002年)
  • 『アメリカの「人道的」軍事主義――コソボの教訓』(現代企画室, 2002年)
  • 『チョムスキー、世界を語る』(トランスビュー, 2002年)
  • 『金儲けがすべてでいいのか――グローバリズムの正体』(文藝春秋, 2002年)
  • 『「ならず者国家」と新たな戦争――米同時多発テロの深層を照らす』(荒竹出版, 2002年)
  • 『ノーム・チョムスキー』(リトルモア, 2002年)
  • 『グローバリズムは世界を破壊する――プロパガンダと民意』(明石書店, 2003年)
  • 『新世代は一線を画す――コソボ・東ティモール・西欧的スタンダード』(こぶし書房, 2003年)
  • 『テロの帝国アメリカ――海賊と帝王』(明石書店, 2003年)
  • 『抗う勇気―ノーム・チョムスキー+浅野健一対談』(現代人文社, 2004年)
  • 『チョムスキー、21世紀の帝国アメリカを語る――イラク戦争とアメリカの目指す世界新秩序』(明石書店, 2004年)
  • 『秘密と嘘と民主主義』(成甲書房, 2004年)
  • 『覇権か、生存か――アメリカの世界戦略と人類の未来』(集英社[集英社新書], 2004年)
  • 中東――虚構の和平』(講談社、2004年)
  • 『チョムスキー、民意と人権を語る――レイコ突撃インタビュー』(集英社[集英社新書], 2005年)
  • 『G8―G8ってナンですか?』(ブーマー, 2005年) -スーザン・ジョージらとの共著
  • 『知識人の責任』(青弓社, 2006年)
  • 『チョムスキーの「教育論」』(明石書店, 2006年)
  • 『お節介なアメリカ』(筑摩書房[ちくま新書], 2007年)
  • 『すばらしきアメリカ帝国』(集英社, 2008年)
  • 『チョムスキー、アメリカを叱る』(NTT出版, 2008年)
  • 『破綻するアメリカ 壊れゆく世界』(集英社, 2008年)
  • 『現代世界で起こったこと――ノーム・チョムスキーとの対話 1989-1999』(日経BP社, 2008年)
  • 『チョムスキーの「アナキズム論」』(明石書店, 2009年)

[編集] メディア論

[編集] 出典

  1. ^ Noam Chomsky - Extremist of the Left and Right”. 2008年2月20日閲覧。
  2. ^ The Treachery of the Intelligentsia: A French Travesty”. 2008年2月20日閲覧。
  3. ^ Hot Type on the Middle East”. 2008年2月20日閲覧。
  4. ^ On the Future of Israel and Palestine
  5. ^ Solomon, Deborah (November 2, 2003). “Questions for Noam Chomsky: The Professorial Provocateur”. The New York Times Magazine (The New York Times). http://www.nytimes.com/2003/11/02/magazine/way-we-live-now-11-02-03-questions-for-noam-chomsky-professorial-provocateur.html 
  6. ^ ノーム・チョムスキー著、「メディア・コントロール」、辺見庸との対談より。

[編集] 参考文献・注釈

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 映画・ビデオ・音声

 ※ 以下では、映画はM、ビデオはV、音声はAと省略

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