木村伊兵衛写真賞
木村伊兵衛写真賞(きむらいへいしゃしんしょう)は、朝日新聞社、朝日新聞出版主催による写真の賞である。
日本を代表する写真家、木村伊兵衛 (1901-1974) の、戦前・戦後を通じて日本の写真界の発展に対する貢献と業績を記念し、1975年に朝日新聞社によって創設された。
プロ・アマ・年齢を問わず、毎年1月から12月までに雑誌・写真集・写真展などに発表された作品を対象とし、写真の創作・発表活動において優れた成果をあげた新人に贈られる。受賞発表・選考内容等は毎年3月発行のアサヒカメラ誌(朝日新聞出版発行)に掲載される。
新人を対象とし、著名な写真家を数多く輩出している事から、「写真界の芥川賞」と呼ばれることもある。
第46回は本来2020年発表作品を対象に行う予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い選考を延期、2021年分もあわせた2年分の作品を対象として選考を行うことになった。また、主催誌の『アサヒカメラ』が2020年7月号で休刊したことに伴い、この回より運営事務局が朝日新聞出版宣伝プロモーション部に移ったほか、発表媒体も朝日新聞紙面と雑誌『AERA』及び朝日新聞出版運営のニュースサイト「AERA dot.」にて行われることになっている[1][2]。
受賞者・受賞作一覧[編集]
- 注:年度末の3月頃に発表される(受賞年は当該年度の次年)
第1回〜第10回[編集]
- 第1回(1975年度)選考委員:伊奈信男、五木寛之(作家)、篠山紀信、渡辺勉、岡見璋
- 第2回(1976年度)選考委員:伊奈信男、大辻清司、安岡章太郎、渡辺勉、岡見璋
- 第3回(1977年度)選考委員:伊奈信男、大島渚、高梨豊、渡辺勉、岡井輝雄
- 第4回(1978年度)選考委員:桑原甲子雄、吉行淳之介、渡辺勉、岡井輝雄
- 第5回(1979年度)選考委員:石元泰博、大江健三郎、重森弘淹、渡辺義雄、岡井輝雄
- 第6回(1980年度)選考委員:石元泰博、井上ひさし、重森弘淹、渡辺義雄、岡井輝雄
- 第7回(1981年度)選考委員:安部公房(作家)、石元泰博、重森弘淹、渡辺義雄、岡井輝雄
- 第8回(1982年度)選考委員:安部公房(作家)、石元泰博、重森弘淹、渡辺義雄、谷博
- 第9回(1983年度)選考委員:安部公房(作家)、石元泰博、重森弘淹、渡辺義雄、相沢敬三
- 第10回(1984年度)選考委員:大倉舜二、大辻清司、佐々木昆、渡辺義雄、相沢敬三
第11回〜第20回[編集]
- 第11回(1985年度)選考委員:大倉舜二、大辻清司、佐々木昆、渡辺義雄、藤田雄三
- 第12回(1986年度)選考委員:大倉舜二、大辻清司、佐々木昆、渡辺義雄、藤田雄三
- 第13回(1987年度)選考委員:大倉舜二、大辻清司、佐々木 昆、渡辺義雄、藤田雄三
- 第14回(1988年度)選考委員:石元泰博、篠山紀信、長野重一、渡辺義雄、佐藤靖
- 第15回(1989年度)選考委員:石元泰博、篠山紀信、長野重一、渡辺義雄、佐藤靖
- 第16回(1990年度)選考委員:石元泰博、篠山紀信、長野重一、渡辺義雄、佐藤靖
- 第17回(1991年度)選考委員:石元泰博、篠山紀信、長野重一、渡辺義雄、藤沢正実(アサヒカメラ編集長)
- 第18回(1992年度)選考委員:篠山紀信、高梨豊、長野重一、奈良原一高、藤沢正実(アサヒカメラ編集長)
- 第19回(1993年度)選考委員:篠山紀信、高梨豊、長野重一、奈良原一高、藤沢正実(アサヒカメラ編集長)
- 第20回(1994年度)選考委員:高梨豊、長野重一、奈良原一高、藤原新也、山崎幸雄
第21回〜第30回[編集]
- 第21回(1995年度)選考委員:高梨豊、長野重一、奈良原一高、藤原新也、山崎幸雄
- 第22回(1996年度)選考委員:高梨豊、長野重一、奈良原一高、藤原新也、山崎幸雄
- 第23回(1997年度)選考委員:高梨豊、長野重一、奈良原一高、藤原新也、山崎幸雄
- 第24回(1998年度)
- ホンマタカシ「TOKYO SUBURBIA 東京郊外」(写真集)、「東京郊外」(写真展)
- 第25回(1999年度)
- 鈴木理策「PILES OF TIME」(写真集)
- 第26回(2000年度)選考委員:篠山紀信、高梨豊、都築響一、藤原新也、広瀬博
- 第27回(2001年度)選考委員:篠山紀信、土田ヒロミ、都築響一、藤原新也、広瀬博
- 第28回(2002年度)選考委員:篠山紀信、土田ヒロミ、都築響一、藤原新也、岩田一平(アサヒカメラ編集長)
- 第29回(2003年度)選考委員:篠山紀信、土田ヒロミ、都築響一、藤原新也、岩田一平(アサヒカメラ編集長)
- 第30回(2004年度)選考委員:篠山紀信、土田ヒロミ、都築響一、藤原新也、岩田一平(アサヒカメラ編集長)
第31回〜第40回[編集]
- 第31回(2005年度)選考委員:篠山紀信、土田ヒロミ、都築響一、藤原新也、奥田明久(アサヒカメラ編集長)
- 第32回(2006年度)選考委員:篠山紀信、土田ヒロミ、都築響一、藤原新也、奥田明久(アサヒカメラ編集長)
- 第33回(2007年度)選考委員:篠山紀信、土田ヒロミ、都築響一、藤原新也、奥田明久(アサヒカメラ編集長)
- 第34回(2008年度)選考委員:篠山紀信、土田ヒロミ、都築響一、藤原新也、奥田明久(アサヒカメラ編集長)
- 浅田政志「浅田家」(写真集)
- ノミネート作家:石川直樹、Eric
- 第35回(2009年度)選考委員:篠山紀信、土田ヒロミ、都築響一、藤原新也
- 第36回(2010年度)選考委員:岩合光昭、瀬戸正人、鷹野隆大
- 第37回(2011年度)選考委員:岩合光昭、瀬戸正人、鷹野隆大、勝又ひろし(アサヒカメラ編集長)
- 第38回(2012年度)選考委員:岩合光昭、瀬戸正人、鷹野隆大、勝又ひろし(アサヒカメラ編集長)
- 第39回(2013年度)選考委員:岩合光昭、瀬戸正人、鷹野隆大、長島有里枝、勝又ひろし(アサヒカメラ編集長)
- 第40回(2014年度)選考委員:岩合光昭、瀬戸正人、鷹野隆大、長島有里枝、アサヒカメラ編集長
第41回〜第50回[編集]
- 第41回(2015年度)選考委員:石内都、鈴木理策、ホンマタカシ、長島有里枝、佐々木広人(アサヒカメラ編集長)
- 第42回(2016年度)選考委員:石内都、鈴木理策、ホンマタカシ、佐々木広人(アサヒカメラ編集長)
- 原美樹子「Change」(写真集)
- 第43回(2017年度)選考委員:石内都、鈴木理策、平野啓一郎(作家)、ホンマタカシ
- 第44回(2018年度)選考委員:石内都、鈴木理策、ホンマタカシ
- 第45回(2019年度)選考委員:石内都、鈴木理策、平野啓一郎(作家)、ホンマタカシ
- 第46回(2020+2021年度)選考委員:大西みつぐ、長島有里枝、澤田知子、平野啓一郎(作家)
- 吉田志穂「測量|山」(写真集)「測量|山」/ 砂の下の鯨」(写真展)「余白の計画」(写真展)「あざみ野フォト・アニュアル とどまってみえるもの」(写真展)「日本の新進作家 vol. 18」(写真展)
- ノミネート作家:顧剣亨「A PART OF THERE IS HERE」(写真展)、西野壮平「水のかたち」「東海道」「写真家はどこから来てどこへ向かうのか 〜世界を歩き、地球を変換する写真〜」「New Horizon」(全て写真展)、福島あつし「ぼくは独り暮らしの老人の家に弁当を運ぶ」(写真展、写真集)「弁当 is Ready」(写真展)、山元彩香「We are Made of Grass, Soil, Trees, and Flowers」(写真展、写真集)「日本の新進作家 vol. 18」(写真展)
- 第47回(2022年度)選考委員:大西みつぐ、長島有里枝、澤田知子、平野啓一郎(作家)
- 新田 樹:「写真集 Sakhalin(サハリン)」(ミーシャズプレス)、「写真展 続サハリン」(ニコンサロン)
- ノミネート作家:王露「写真集 Frozen are the Winds of Time」(ふげん社)、清水裕貴「写真集 微睡み硝子』(私家版)、「写真展 微睡み硝子」(PGI)、「グループ企画展カタログ Tokyo Dialogue 2022」(東京駅東側エリア:TODA BUILDING工事仮囲)、「グループ展 カタログ とある美術館の夏休み」(千葉市美術館)、吉田亮人「写真集 The Dialogue of Two」(Three Books/RPS)、「写真展 The Dialogue of Two」(RPS京都分室パプロル)、吉田 多麻希「企画展 KYOTOGRAPHIE 10/10現代日本女性写真家たちの祝祭」(京都国際写真祭2022:HOSOO GALLERY)
脚注[編集]
- ^ 木村伊兵衛写真賞 2年ぶり選考へ,朝日新聞社,2021年11月9日
- ^ ノミネート作家が決定! 第46回木村伊兵衛写真賞,朝日新聞出版,2022年2月4日