外国人タレント
外国人タレント(がいこくじんタレント)は、主に日本国内でのみ芸能活動を行っている外国人のタレント。外国でも著名で日本でも活躍している外国人を含む場合もある。ヨーロッパ・アメリカ系に対してのみ使われ、在日韓国・朝鮮人の芸能人または帰化した芸能人は出自を公表している場合でも普通「外国人タレント」とは呼ばれない。
概要
戦前は、吉本興業(東京吉本)所属の ミス・バージニア(アメリカから来日。白系ロシア人とされる)やマーガレット・ユキ(日系二世でハーフの少女歌手兼タップダンサー。ロンドン生まれ)が人気を博し、元祖・外国人タレントと言われる。ミス・バージニアは、浅草花月 劇場(吉本興業直営)に出演し、金髪美女でありながら、日本髪着物姿で日本舞踊を踊って人気を得た[1]。マーガレット・ユキも、浅草花月劇場に少女タップダンサーとして出演し、金髪を振り乱して踊る可憐な姿で人気者になったという。
戦後は、主に占領軍として来ていた日本語が堪能なアメリカ人が日本で芸能活動を行い成功し、そのまま居残るケースが多かったが、その後日本の復興と共にアジア諸国から来るタレントが増えた。近年ではアフリカ諸国出身の外国人タレントが人気を博すケースが多い。
また、日本ではこれまであまり知られていなかった国の出身者が人気を博すことで、その国の知名度が日本人の間で急上昇するなど、そのタレント活動が副次的に民間外交を促進するという効果をもたらすことも多い。
日本以外ではプロフィールに血液型を載せる慣例がないので、血液型不明の外国人タレントが多い(日本以外では血液型性格分類という迷信の存在そのものが知られていない、自身の血液型は軍隊に入営してIDカードを作ったり病院で手術でも受ける事態になったりしなければ知らないという場合が多い)。
外タレと略して使う場合には、ライブなどで来日する外国のミュージシャンを指すことが多かった(1980年代まで)が、現在ではこの用法は死語に近い。
外国人特有の片言の日本語を使うタレントが多かったが、近年は幼い頃から日本に住み、非常に流暢な日本語を使いこなすタレントが増えている。
外国人タレント(ハーフタレントは除く)は両親とも外国籍である事が一般的であるが、親の再婚等で片親が日本人になるケースも見受けられる(黒宮ニイナ、星野ルネなど)。また、親の再婚や外国人の親が日本国籍を取得するなどで両親共に日本人になるハーフタレントもいる(マテンロウのアントニー、クリステル・チアリなど)。
日本の芸能界には、混血していない日系人(マルシア、アルベルト城間など)や日系人の血を引くタレント(リンダ3世など)もいるが、いずれも分類上は外国人タレントになる。
近年(2015年現在)は女性のハーフタレントの活躍が目立つようになり、女性の外国人タレントの活躍の場は減少傾向にある[2]。比較的活躍が目立つ女性の外国人タレントには非欧米系(特にアジア系)が多く、欧米系の血を引く人が多いハーフタレントとはポジションが被りにくい事が理由の1つと考えられる。
ハーフタレント
「ハーフタレント」と呼ばれる主に日本人と外国人の親を持つ芸能人は、日本国籍を保持していない場合でも通常は外国人タレントとして扱われないが、番組の趣旨や状況によっては外国人として扱われる。また、ハーフではあるが両親とも外国人のタレントは外国人タレントとして扱われる(これも状況によってはその限りではない)。ただし、在日韓国・朝鮮人とその他の国の外国人の親を持つタレントは片親が日本人のハーフタレントと同様の扱いとなる場合がほとんどである。
ハーフタレントにはモデル出身者が多く、日本国内で浸透している「ハーフは美男美女」というイメージを助長してきたが、近年ではハーフタレントの絶対数が増えた事もあり、容姿が良いとは言い難いハーフタレントも見受けられるため、徐々にこのイメージは薄れてきている。
メディアへの露出が目立つハーフタレントには欧米人とのハーフである若い女性が圧倒的に多く、他のハーフタレントと比較して優遇されている事が窺える。
主にハーフと日本人の親を持つ人を「クォーター」と呼ぶが、容姿面では外国的な要素があまり出ていない場合が多く、芸能界でもクォーターである事を売りにしている人は少なく「クォータータレント」とは呼ばれない。ただし、クォーターよりも外国人の血が薄いタレントが外国人の血を引いている事を売りにしている場合もある(水沢アリーなど)。
外国人タレント一覧
香港
- 日本で活躍しているタレント
- 日本でも有名で、よく来日するタレント
台湾
- 日本で活躍しているタレント
- ビビアン・スー(一時は母国でのみのタレント活動だったが、2006年に日本でも活動再開)
- インリン・オブ・ジョイトイ
- リン・チーリン
- ジュディ・オング
- 欧陽菲菲
- テレサ・テン
- シャドウ・リュウ (テンテン、2005年より復帰)
- 邱永漢
- ヴァネッサ・パン(野臣一美)
中国
- 日本で活動しているタレント
- 日本でも有名で、よく来日するタレント
大韓民国
- 日本で活動しているタレント
- SE7EN
- ユンナ
- ユンソナ
- BoA
- K
- 桂銀淑(覚せい剤取締法違反により国外退去。現在は母国で活動中)
- キム・ヨンジャ
- ユニー・ハン(日本での出演番組はウリナリ!!のみ、現在は母国で活動中)
- ジニー・リー(日本での出演番組はウリナリ!!のみ、現在は母国で活動中)
- チョー・ヨンピル
- SunMin
- ヘリョン
- 東方神起(元5人組ユニット、2010年の分裂騒動を経て、ジュンス率いる『JYJ』と現東方神起(2代目、2人組ユニット)に分離)
- チェウニ
- コン・テユ
- イ・アユミ
- キム・ソウン[要曖昧さ回避]
- チェ・ガンヒ
- チョン・ソヌ
- ハ・ジョンウ
- ヨンア
- KARA
- BIG BANG
- 少女時代
- 超新星
- FTISLAND
- 2PM
- 中村ゆり(元YURIMARI)
- 日本でも有名で、よく来日するタレント
アメリカ合衆国
- 日本で活躍しているタレント
- デーブ・スペクター
- ボブ・サップ
- パトリック・ハーラン(パックンマックン、パックン名義で活動)
- ケント・デリカット
- ケント・ギルバート
- ジェロ
- ケント・フリック
- ビリー・ブランクス
- ダンテ・カーヴァー
- ダニエル・カール
- ロバート・キャンベル
- マシュー・チョジック
- ケイン・コスギ
- ジェフ・バーグランド
- セロ
- リチャード・バーガー
- チャック・ウィルソン
- レオ・メンゲッティ
- カイヤ
- リサ・ステッグマイヤー
- マリアン
- アグネス・ラム
- ジョン・オコーナー(いいとも青年隊)
- ジョン・ギャスライト
- イーデス・ハンソン
- セバスチャン・プラタ
- セイン・カミュ
- ジャスミン・アレン
- トニー・セテラ
- マーティ・フリードマン(元メガデス)
- チャールズ・エイヤーズ
- ジョーン・シェパード(現在は日本での出演なし)
- スティーブ・ソレイシィ(タモリのボキャブラ天国でスティーブ&ジャニカとして出演)
- ジャニカ・サウスウィック(同上)
- ポール・ギルバート(Mr.Big、レーサーX)
- 小錦(力士時代に帰化)
- クリス・ペプラー
- リア・ディゾン
- レックス・ジョーンズ(元塩コショー)
- ザ・デストロイヤー
- クリス・ハート
- シャーロット・ケイト・フォックス
- 厚切りジェイソン
- ダコタ・ローズ
- 日本でも有名で、よく来日するタレント
ブラジル
- 日本で活躍しているタレント
- 日本でも有名で、よく来日するタレント
イタリア
- 日本で活躍しているタレント
フランス
- 日本で活躍しているタレント
- 日本でも有名で、よく来日するタレント
その他
- 日本で活躍しているタレント
- マンスール・ジャーニュ(セネガル)
- インゴ(イラン)
- フェデリコ・アレッタ(アルゼンチン)
- にしゃんた(スリランカ)
- アントン・ウィッキー(スリランカ)
- チャダ(インド)
- ボビー・オロゴン(ナイジェリア)
- ゾマホン・ルフィン(ベナン) - 駐日ベナン国大使。
- ベルナール・アッカ(コートジボワール) - 元塩コショー
- オスマン・サンコン(ギニア)
- アルベルト城間(ペルー) - ディアマンテス
- C・W・ニコル(イギリス)
- ピーター・バラカン(イギリス)
- マリーン(フィリピン)
- 桜坐留美加(アメリカ、イタリア) - 日本名に変更し、デビューはしていない。
- ランディ・マッスル(イラン)
- ハニホー・ヘニハー(イラン) - 田辺製薬(現:田辺三菱製薬)が製造する栄養ドリンク『アスパラドリンク』のTVCMに草彅剛と共演。後に不法滞在が発覚し帰国
- イワン・ソーンツェフ(いいとも青年隊)(ロシア) - 後に大麻所持で逮捕され事実上引退
- ケビン・クローン(日本・アメリカ) - 主に社会・時事関係のジャーナリストとして活動。
- チャド・イアン・マレーン(チャド・マレーン(旧ジパング上陸作戦)- オーストラリア。主に"チャド"名義で活動)
- ロバート・ボールドウィン(カナダ)
- メイナード・プラント(カナダ) - バンド「Monkey Majik」メンバー
- ブレイズ・プラント (カナダ) - バンド「Monkey Majik」メンバー
- アヤカ・ウィルソン(カナダ)
- オユンナ(モンゴル)
- フィフィ(エジプト)
- サニー・フランシス(インド)
- ルビー・モレノ(フィリピン)
- サヘル・ローズ(イラン)
- ブンシリ(タイ)
- 城田優(スペイン)
- ケーキ姫☆優海(オーストリア) - 現在は芸能界を引退。
- アンドレア・ポンピリオ(オランダ)
- クレメント・アダムソン(ガーナ) - 現在は芸能界を引退。
- フォンチー(ベトナム)(元アイドリング!!!メンバー)
- ミシェル未来(オーストラリア)(元アイドリング!!!メンバー)
- ババホジャエヴァ・オルズグル(ウズベキスタン)
- ベッキー・クルーエル(イギリス)
- IVAN(メキシコ)
- 日本でも有名で、よく来日するタレント
脚注
- ^ 旗一兵 『喜劇人回り舞台-笑うスター五十年史』 学風書院、1958年、180-181頁。
- ^ リア・ディゾン以来の黒船襲来? ダコタ・ローズはブレイクするか?