国道2号

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一般国道
国道2号標識
国道2号
地図
総延長 673.9km[1]
実延長 673.9km[1]
現道 591.5km[1]
制定年 1920年
起点 大阪府大阪市北区
梅田新道交差点(北緯34度41分53.6秒 東経135度30分2.3秒
主な
経由都市
兵庫県神戸市姫路市
岡山県岡山市倉敷市
広島県福山市東広島市広島市
山口県岩国市周南市山口市下関市
終点 福岡県北九州市門司区
老松公園前交差点(北緯33度56分50.4秒 東経130度58分6.1秒
接続する
主な道路
記法
国道1号
国道25号
国道43号
国道28号
国道29号
国道30号
国道31号
国道54号
国道9号
国道3号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

国道2号(こくどう2ごう)は、大阪府大阪市北区から福岡県北九州市門司区へ至る一般国道である。本州九州との間は、関門トンネルによって繋がり、兵庫県から山口県にかけての大半の区間で山陽自動車道と並走している。

山陽道(近世山陽道・西国街道)を前身とする路線であり、山陽道をほぼ踏襲している。しかし起点は大阪で、また岡山県岡山市から広島県福山市までは、戦前に行われた大規模な経路変更のため鴨方往来を前身とし、岡山県総社市井原市などを経由するかつての山陽道からは大きく外れている。

路線データ

歴史

古代から存在した山陽道を継承するものであるが、山陽道(西国街道)は京都を起点とし、大阪を経由せずに神戸に直接向かっていた。

1885年明治18年)、内務省告示第6号「國道表」にて指定された国道3号「東京より神戸港に達する路線」・国道4号「東京より長崎港に達する路線」も、西国街道のルートをそのまま引き継いでいる。現在の国道2号の大阪 - 神戸のルートは、国道26号「大阪府広島鎮台とを拘聯する路線」として指定されていた。

1920年大正9年)施行の旧道路法に基づく路線認定では、国道2号「東京市より鹿児島県庁所在地に達する路線(甲)」の一部となった。この国道2号は現在の国道1号・2号・3号とほぼ同じルートであり、ここではじめて大阪から九州への道が1本の路線となる。

1926年(大正15年)、重要性が増した倉敷を通過する経路に改めるため、岡山県岡山市 - 広島県沼隈郡津之郷村(現:福山市津之郷町)間において鴨方往来を踏襲するルートに経路変更が決定する[2]

1929年昭和4年)、鴨方往来を踏襲するルートに経路変更された[3]。これにより、現在の岡山市中心部 - 倉敷市中心部 (現在、この間は岡山県道162号岡山倉敷線等) - 浅口市 - 笠岡市 - 福山市津之郷町間が本国道となり、岡山市中心部 - 総社市吉備路) - 倉敷市真備町 - 小田郡矢掛町 - 井原市 - 福山市神辺町および津之郷町は、県道(岡山県道岡山井原線、岡山県道倉敷井原線、広島県道・岡山県道福山井原線、広島県道尾道井原線等)に降格となる。ただし、鴨方往来には未改良区間が多かったため、東西の主要交通路は依然として県道に降格した山陽道が担う。それもあってか当時の地図には変更後のルートが国道として記載されていないものが多い。変更後のルートが地図にはっきり示されるようになるのは戦後になってからである。

1930年(昭和5年)頃の岡山市街。変更前のルートが国道として「山陽道」と記されている。

1952年(昭和27年)12月4日、新道路法に基づく路線指定で一級国道2号(大阪府大阪市 - 福岡県門司市(現 北九州市門司区))となった。1965年4月1日に、道路法改正によって一級・二級の別がなくなり一般国道2号となった。

並行する旧街道

路線状況

大阪から神戸にかけての区間は、従来「第二阪神国道」である国道43号に対し、「第一阪神国道」(略称は「一国(いちこく)」と呼ばれてきたが、近年は、この国道2号のことを「にこく」と呼ぶことも多く、地元での呼称はやや混乱してきている[注釈 1]。またこの区間は大正時代に阪神国道電軌(後に阪神電気鉄道吸収合併)の資金によって建設されたので、1975年に廃止されるまで路面電車である阪神国道線併用軌道で通っていた。

兵庫県の姫路市や加古川市の一部区間では、多大な交通量の対策として国道としては極めて稀な一方通行規制を行っている[注釈 2]。他にも兵庫県内では交通量の都合上、多くの区間でバイパスが建設されている。

岡山県では岡山市東区から浅口市、笠岡市の一部区間でバイパスが建設されている。バイパス供用後、当時の現道は県・市に順次移管されたが、岡山市中心部には2016年3月31日まで別線として指定区間が残っていた[4]

尾道バイパス以西の広島・山口両県では、急カーブが連続する区間の路面に直進矢印(↑)を最短約1m間隔で連続標記する「(対向車線はみ出しと逆走防止のための)視線誘導標示」が各所に見られる(国道3号でも同様)。

広島県内の広島岩国道路は国道2号のバイパスとして建設された一般有料道路だが、事実上、山陽自動車道と一体化している。

下関市では瀬戸内海沿いを通って中心部へ向かう国道9号に対して国道2号は内陸部を通り関門トンネルへと続くので下関駅前や中心街へ行くときは注意が必要である。なお、関門トンネル手前で中心部へ向かう山口県道57号下関港線と分岐している。

なお、国道2号を補完する目的で整備され、後に無料開放された有料道路として、岡山ブルーライン(=岡山県道397号寒河本庄岡山線)、欽明路道路(=山口県道15号岩国玖珂線)、長府道路がある。

大阪市道路元標:梅田新道交差点の北西の歩道にあるモニュメント
起点 梅田新道。手前が国道1号、交差点より先が国道2号。
桜橋交差点大阪市北区曾根崎新地) 写真前後方向が国道2号)
国道2号 終点 北九州市門司区

バイパス

国道2号のバイパスとして整備されている道路のみ記す。

有料道路

通称

  • 第一阪神国道(通称いちこく):大阪市北区 - 神戸市中央区
  • 曽根崎通:大阪市
  • 東山通り:岡山市
  • 宮島街道:広島市 - 廿日市市

重複区間

道路施設

休憩施設

自動車専用道路区間にはサービスエリアパーキングエリアが複数存在する。

主なトンネル

本州と九州を結ぶ海底トンネルである関門トンネルには、車道とは別に、世界的にも珍しい海底の人道トンネルがあり、地上との間はエレベータで昇降する[5]。この人道トンネルやエレベータは国道2号の歩道施設の一部となっている[5]

  • 城山トンネル(兵庫県揖保郡太子町)※姫路バイパス
  • 三石第一トンネル(岡山県備前市)
  • 下木原トンネル(広島県三原市)※三原バイパス
  • 時広トンネル(広島県三原市)※三原バイパス
  • 防府第一トンネル(山口県防府市)※防府バイパス
  • 防府第三トンネル(山口県防府市)※防府バイパス
  • 長府トンネル(山口県下関市)
  • 関門トンネル(山口県下関市 - 福岡県北九州市門司区)

主な橋梁

最も橋の数が多い国道は国道2号であることが知られており、その数は2m以上の橋が1279箇所ある[6]

道の駅

沿線には長らく道の駅が1箇所も存在していなかったが、2011年にバイパス区間に沿線初の道の駅が開業された。

事前通行規制区間

下記の区間は事前通行規制区間で、雨量によって通行止めとなる場合がある。

  • 兵庫県上郡町の一部
  • 岡山県備前市(三石船坂 - 三石四十谷、三石木谷口 - 八木山、伊里中 - 東片上) = 連続雨量250mmを超える場合通行止
  • 広島県三原市(木原 - 糸崎町)
  • 山口県岩国市(岩国 - 関戸) = 連続雨量250mmを超える場合通行止

地理

通過する自治体

交差する道路

※バイパスのうち兵庫県の第二神明道路加古川バイパス姫路バイパス、広島県の松永道路尾道バイパスを除く。それぞれの接続路線については各記事を参照。

近畿地方整備局管内

中国地方整備局管内

九州地方整備局管内

  • 福岡県
    • 国道3号(北九州市門司区・老松公園前交差点終点)

主な峠

  • 鯰峠標高100m):兵庫県赤穂市 - 兵庫県赤穂郡上郡町
  • 船坂峠(標高180m):兵庫県赤穂郡上郡町 - 岡山県備前市
  • 廿木峠(標高120m):山口県岩国市
  • 椿峠(標高94m):山口県周南市 - 山口県防府市
  • 吉見峠(標高90m):山口県宇部市吉見 - 同市船木
  • 談合峠(標高70m):山口県山陽小野田市

ギャラリー

脚注

注釈

  1. ^ 同様の混乱は、東京横浜京浜間においても、「第一京浜国道」国道15号と「第二京浜国道」国道1号の間でも発生している。
  2. ^ 双方とも、東行きのみが国道に指定され、西行きの国道に実質的に相当する一方通行の市道がある。関連項目も参照のこと。

出典

  1. ^ a b c d e 国土交通省 道路統計年報2014 道路の現況「表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF) 」,2015年12月6日閲覧
  2. ^ 『岡山県史 第十一巻近代Ⅱ』 岡山県、1987年昭和62年)11月18日
  3. ^ 『福山市史 下』 福山市史編纂会編、1983年昭和58年)10月30日
  4. ^ "岡山市内における一般国道2号の路線名称が変わります" (PDF) (Press release). 国土交通省中国地方整備局 岡山国道事務所. 30 March 2016. 2016年4月1日閲覧
  5. ^ a b 佐藤健太郎 2014, pp. 27–28.
  6. ^ 佐藤健太郎 2014, p. 145.
  7. ^ 周南市道の駅推進課

参考文献

関連項目

外部リンク