ミニスカ宇宙海賊
ミニスカ宇宙海賊 | |
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ジャンル | SF |
小説 | |
著者 | 笹本祐一 |
イラスト | 松本規之 |
出版社 | 朝日新聞出版 |
レーベル | 朝日ノベルズ |
刊行期間 | 2008年10月 - |
巻数 | 既刊8巻 |
アニメ:モーレツ宇宙海賊 | |
原作 | 笹本祐一 |
監督 | 佐藤竜雄 |
シリーズ構成 | 佐藤竜雄 |
脚本 | 佐藤竜雄、伊藤美智子 水野健太郎、宮崎真一 |
キャラクターデザイン | 竹内浩志 |
メカニックデザイン | 河森正治、鷲尾直広、寺岡賢司 鈴木雅久、宮崎真一 |
音楽 | Elements Garden 上松範康、藤田淳平、藤間仁 |
アニメーション制作 | サテライト |
製作 | モーレツ宇宙海賊製作委員会 |
放送局 | 放送局参照 |
放送期間 | 2012年1月 - |
話数 | 全26話予定 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル、アニメ |
ポータル | 文学、アニメ |
『ミニスカ宇宙海賊』(ミニスカパイレーツ)は、笹本祐一のSF小説・ライトノベル。イラストは松本規之。2008年10月より朝日ノベルズから刊行されている。
ミニスカートの船長服をまとった女子高校生が、免許を受けた「合法的な」宇宙海賊の船長として活躍する物語。2010年にテレビアニメ化が発表され、2012年1月より『モーレツ宇宙海賊』(モーレツパイレーツ)として放送中。
あらすじ
海明星(うみのあけほし)に住む高校1年生の茉莉香(まりか)は、ある日、死んだと思っていた父親が実はつい最近まで生きており、宇宙海賊船・弁天丸の船長だったと知らされる。さらに、弁天丸が海賊として活動を続けるうえで欠かせない私掠船(しりゃくせん)免状の継承のためには、直系の継嗣である茉莉香が船長になるのが条件と告げられた。茉莉香は女子高生兼宇宙海賊船船長としての生活を送ることになる。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
各巻あらすじ
- 第1巻『ミニスカ宇宙海賊』
- 茉莉香は弁天丸クルーの訪問を受け父の死亡を知らされるとともに船長就任を要請される。返事を保留したままオデットII世に乗りヨット部の練習航海に出たが、船が電子攻撃[1]を受けたり、幽霊船に追跡されたりする。オデットII世は茉莉香の機転とヨット部の先輩リンのクラッキングの腕で、電子攻撃を仕掛けてきた『幽霊船』を返り討ちにするが、思いもよらない方法で逆襲される。
- 第2巻『黄金の幽霊船』
- 弁天丸船長として学業と海賊業の両立を始めた茉莉香。豪華客船襲撃の「営業」を終えた弁天丸船内で密航者が発見される。密航者はセレニティ王国の皇女グリューエルで、建国時の移民船でもある「黄金の幽霊船」の捜索を弁天丸に依頼する。
- 第3巻『コスプレ見習海賊』
- 茉莉香以外の乗組員が感染症で隔離されてしまった。所定期間以内に次の海賊行為をしないと免状が失効するため、茉莉香はリンたちヨット部員を弁天丸に乗せて「営業」することを決意する。ヨット部員を即席の白凰海賊団に仕立てて弁天丸を動かし、なんとか依頼された豪華客船襲撃の「営業」を成功させるが、今度はリンが「営業」どころではない危険な仕事を依頼してくる。
- 第4巻『漆黒の難破船』
- 120年前の独立戦争時に行方不明になった海賊船「黒鳥号」からの救難信号がオデットII世と弁天丸に届く。翌日、ヨット部の部室に税務局員を名乗る男が現れ、税の滞納を理由にオデットII世の差し押さえを通告してくるが、ニセ税務局員だと見破ったリンたちは対抗策を講じるべく部員を緊急招集する。
- 第5巻『白銀の救難船』
- 前巻の続き。オデットII世を狙う敵と対決すべく、茉莉香の母である梨理香が指揮するオデットII世と弁天丸・バルバルーサは、赤色巨星ガーネットAへ乗り込む。しかし、オデットII世は制御ステーションと連結したまま何処かへ跳躍させられてしまう。
- 第6巻『真紅の海賊船』
- 第4巻から続く物語の完結編。辺境区の七つ星連邦に跳ばされたオデットII世と梨理香やヨット部の仲間を救うため、茉莉香は弁天丸で後を追うが、そこには一連の事件の黒幕である辺境海賊ギルドの大物が待ち受けていた。
- 第7巻『蒼白の髑髏星』
- 帝国第五艦隊との演習を終えた茉莉香は、帝国情報部からの依頼と辺境海賊ギルドからの招待状を受け、クーリエや帝国情報部員のナッシュ達と共にサイレント・ウィスパーで辺境の海賊の本拠地があるという髑髏星へ向かう。
- 第8巻『紫紺の戦魔女』
- 髑髏星に滞在していた茉莉香達だったが、グリューエルが誘拐騒ぎに巻き込まれ、その中で賞金稼ぎのノエルと出会う。いつもの「営業」を終えて帰還中、救難信号を受信して駆けつけた客船で茉莉香はノエルと再会し、彼女の追う賞金首ジャッキーの動向を知らされる。
登場人物
海賊関係者
加藤家
- 加藤 茉莉香(かとう まりか)
- 声 - 小松未可子
- 鯨座宮タウ星系海明星に住む、白凰女学院に通う少女。第1巻冒頭では15歳の高等部1年生。
- 学業成績も宇宙機の操縦シミュレーション成績も優秀で、初等部から無遅刻・無欠席であった。父の後を継いで宇宙海賊船「弁天丸」の船長に就任した後は一時期、欠席・遅刻・早退が増えて成績も下がるが、後に上位に返り咲く。
- 豪華客船を襲撃するアトラクションでは、白凰女学院の制服のままのミニスカートに肩章付きの船長服という派手な衣装をまとい[2]、ノリノリのハイテンションで臨む。この「営業」は「お客さん」に好評を博するが、本人は己の暴走に自己嫌悪に陥ることもある。
- アニメ版では、オデット二世の主操舵手を担当している。誤って憶えた慣用句を口にしては周囲から突っ込まれている。
- 加藤 梨理香(かとう りりか)
- 声 - 甲斐田裕子
- 茉莉香の母。新奥浜空港に管制官として務めており、海明星の星系軍関係者にも顔が利く。男のような言葉遣いをする。
- かつての伝説的な女海賊「キャプテン・リリカ」(アニメ版では「ブラスター・リリカ」)その人だが、茉莉香にはそのことを知らせていなかった。夫と別れた後は首尾よく姿をくらませたつもりだったが、単にゴンザエモンが接触を禁止していただけであり、弁天丸クルーは所在を把握していた。自宅の車庫のコンテナに、多数の武器を隠し持っている。
- 娘の茉莉香には、「お母さん」ではなく「梨理香さん」と呼ばれている[3]。
- ゴンザエモン加藤芳郎
- 弁天丸の先代船長。梨理香の夫で茉莉香の父。梨理香はゴンザエモンのことを「権左(ごんざ)」(アニメ版では「あのロクデナシ」)と呼んでおり、茉莉香には死んだようなものと説明していた。
- 物語開始時点で故人[4]。ミーサによれば死因は食中毒とのこと。
弁天丸
- ミーサ・グランドウッド
- 声 - 伊藤静
- 船医。女性。茉莉香の相談役兼参謀で、弁天丸の実質的な副長。梨理香が現役当時から弁天丸に乗っているらしく、梨理香やケインいわく「血塗れドクター」。第1巻から第2巻まで(アニメ版では、茉莉香が1年生の間だけ教員らしからぬセクシーな出で立ちで)、臨時の保健医として白凰女学院高等部に潜入していた。
- 実年齢は不明。それを詮索することは、タブーとされている。
- ケイン・マクドゥガル
- 声 - 松風雅也
- 操舵手。優男。豪華客船襲撃アトラクションでは乗客を装い海賊船長との剣劇を演じるなど、外回りの仕事もこなす。白凰女学院には高等部の物理教師兼ヨット部顧問(第1巻)、中等部の体育教師兼ヨット部顧問(第2巻)として潜入。独身だが、生徒には「既婚者」と言い、左手薬指に指輪をはめている。
- アニメ版では、茉莉香のクラスの担任兼ヨット部顧問として潜入、茉莉香の進級と共に学校を去った。が、ヨット部員たちの嘆願をうけて正式な教員資格を取得して顧問に復帰、部員に猛特訓を課す。
- 百眼(ひゃくめ)
- 声 - 藤原啓治
- レーダー・センサー系を中心に、ブリッジだけに限らず弁天丸の情報の収集・分析担当。男性。アポロキャップをかぶっている。
- クーリエ
- 声 - 堀江由衣
- 電子戦担当。女性。ぼさぼさ髪(アニメ版では、それに加えてビン底眼鏡にドテラ姿)。長時間勤務の時は膝に毛布を敷き、多数のお菓子を持ち込んでいる。
- 銀河帝国情報部員のナッシュとは昔馴染。
- シュニッツァー
- 声 - 三宅健太
- 戦闘指揮担当。真空中でも宇宙服なしで活動できる戦闘サイボーグ。アニメ版では頭部に2本の角が、口許に鋭い牙が生えている。
- 『ARIEL』など作者の他作品にも、名前は違うが同じようなキャラが存在する[5]。
- ルカ
- 声 - 水原薫
- 航法士。女性。黒マント姿、アニメ版では加えて右目に眼帯を着用している。水晶玉を模した立体ディスプレイを持っている。占いも行い、「見える」や、それを捩った言葉が口癖。
- 三代目
- 声 - 松岡禎丞
- 機関担当。男性。頭に鉢巻を結び、作業衣を着ている。ブリッジクルーの中でただ一人弁天丸の安否に神経を使い、些細なトラブルや故障でも大騒ぎする。
- アニメ版では、テディベアマニアという意外な側面[6]が追加された。
バルバルーサ
- ケンジョー・クリハラ
- 声 - 松本保典
- 海賊船バルバルーサ船長。チアキの父でもじゃもじゃ髭の大男。黒髭船長としても知られている。チアキには「ヒゲ親父」呼ばわりされている。
- ノーラ
- バルバルーサの副長。長命種の宇宙人で、120年前の独立戦争の時からバルバルーサに乗り込んでいる。
- ボーグス
- バルバルーサのセンサー・観測系を統括するサイボーグ。
- モーガン
- バルバルーサの操舵手。
- カイエン・ギアー
- バルバルーサの陸戦隊長。
辺境海賊ギルド
- ミューラ・グラント
- 海賊ギルドの大幹部で、海賊船キミーラ・オブ・スキュラの船長。長命種の女性で、半世紀以上も前から高額の賞金首となっている。冷徹かつ苛烈な性格の持ち主で、海賊らしく目的達成の為には手段を選ばない。ステラ・スレイヤーをめぐる事件の黒幕で、辺境の国々を動かしてオデットII世の船首マストを奪おうとするが、ジャッキーに出し抜かれて失敗する。事件後、ヨット部に海賊ギルドへの加盟申請書を送りつけてきた。
- マイラ・グラント
- ミューラ・グラントの姉。愛の女王号の船長。ミューラと同じく長命種の女性で賞金首である。
白凰女学院の生徒
制服は白を基調としたブレザーに、青のミニスカート。なおヨット部員は学年ごとに色が違うヨットパーカーを着用している。
- 遠藤 マミ
- 声 - 小見川千明
- 茉莉香の友人。同級生。1巻では初等部の入学試験のときにそろって迷子になって以来のつきあいとされているが、2巻以降では中等部以来の腐れ縁となっている。喫茶店ランプ館でのバイト仲間でもある。
- 茉莉香が宇宙に出て置き去りにされた形になるが「私は港ですから」と意に介さず交友を続け、気難しいチアキをも人柄で丸め込み、「宇宙では、チアキちゃんが私の代わりだよ」と言い含めた。
- アニメ版では出番が大幅に増やされ、腹黒さや暗躍振りも見せる。また手芸部員でもあり、茉莉香の船長服のカスタマイズを手掛け、丸三日徹夜で白凰海賊団全員の「営業服」を仕立てる熱の入れようを見せる。
- チアキ・クリハラ
- 声 - 花澤香菜
- 白凰の海森星(うみのもりほし)分校の生徒。茉莉香と同学年。まっすぐな黒髪に鳶色の眼、色白の肌の持ち主。一見クールで冷徹な性格だが、実際はツンデレでしかも天然である。茉莉香が船長就任を要請された直後に本校に転校してきた。が、1巻のエピソード後に一度去り、3巻でまた(アニメ版では、2巻冒頭にあたる第7話で)海明星に戻ってきている。
- 海賊船バルバルーサ船長ケンジョー・クリハラの娘。茉莉香と同じく海賊見習い。海賊としての自覚と常識を欠く茉莉香の言動にあきれることもたびたび。茉莉香には「チアキちゃん」呼ばわりされ、その後マミやヨット部一同からも同様に呼ばれる。その都度「『ちゃん』じゃない」と抗議するがまったく効果はない。さらにアニメ版では何かにつけて茉莉香にハグされて閉口している。茉莉香の替え玉として客船襲撃アトラクションの初営業に臨んだ際には、ノリノリで高笑いという派手だがすべり気味な登場をした。
- アニメ版では、校内で一人だけ黒いセーラー服の「冬服」をまとい、原作文中・イラストにはないアンダーリム眼鏡を着用。スィーツに御執心の様を見せる。15話で、茉莉香を初めて名前で呼んだ。
- 白凰海賊団では、サーシャ、ヤヨイと共に動力を担当。「営業」時には弁天丸に残留していたが、グロリアス・クールフ襲撃時には巫女のコスプレで乗り込み、ジュナイ達の悪行を目の当たりにしてブチ切れてブラスターを撃ちまくり、一人で彼らを蹴散らして日頃の鬱憤を晴らした。
- ジェニー・ドリトル
- 声 - 佐藤利奈
- ヨット部部長の三年生(初登場時)。大手星間輸送会社《ヒュー&ドリトル星間運輸》社長のご令嬢だが普段はそれを感じさせない。また、親の会社の関係でグリューエルとは以前から面識があった。卒業後、一族の慣習で望まない政略結婚[7]を強いられるが、ウェディングドレス姿のまま最新鋭の電子偵察機をかっぱらって逃走し、弁天丸を使って婚約者のスキャンダルを暴露して結婚を破談にし、その後宇宙大学に進学した。実は同性愛者で、リンとは恋人関係。
- アニメ版では、ヒュー&ドリトル星間運輸のグループ会社で急成長中の星間旅行会社「フェアリージェーン」を起業し、経営している。
- リン・ランブレッタ
- 声 - 日笠陽子
- ヨット部副部長の二年生(初登場時)、のち部長。常にショルダーバッグ型のパソコンを携行している。コンピュータの操作に長け、中等部の時にクラッキングで保護観察になった前科もある。オデットII世ではその能力を活かして電子戦を担当している。同性愛者で、ジェニーとは恋人関係。悪巧みや悪知恵が得意で、茉莉香を唖然とさせるような行動力を発揮する事も多く、グリューエルと組んで名コンビぶりを見せる。
- 白凰海賊団では、茉莉香に指揮を任せ、アスタと共に通信・電子戦を担当。「営業」時には宝塚の「王子様」風のコスプレをした。グロリアス・クールフ襲撃時には電子戦を実施するため残留している。
セレニティ連合王国
- グリューエル・セレニティ
- 声 - 戸松遥
- セレニティ連合王国星王家の第7正統皇女。初登場時12歳。ゴンザエモン加藤芳郎とは知り合いで、その縁を頼って弁天丸へ「黄金の幽霊船」の捜索を依頼する。ゴンザエモンからは弁天丸の管理者IDリングを託されており、後に茉莉香に返還した。
- 当初は弁天丸との接触を取り繕うために白凰女学院中等部へ短期留学していたが、「黄金の幽霊船」の捜索を通じて茉莉香の人柄を気に入り、その後も留学を延長して留まっている。
- 厳重なセキュリティをたやすく欺いて弁天丸、オデットII世、サイレント・ウィスパーへこっそり乗り込んだり、客船相手の海賊「営業」や白凰海賊団への参加を希望するなど、かなり行動的な性格で茉莉香いわく「密航好きの御姫様」。また、王族としての英才教育を受けて非常に聡明で、ケインに「敵にまわしたくない」と言わしめている。
- グリュンヒルデ・セレニティ
- 声 - 金元寿子
- セレニティ連合王国星王家の第8正統皇女で、グリューエルの妹。愛称はヒルダ(アニメでは「ヒルデ」)。王家の権威を取り戻すために「黄金の幽霊船」の捜索に乗り出し、防衛軍の旗艦クイーン・セレンディピティへ乗り込んで独自に活動する。最終的には王政への復帰を断念し、グリューエルを追って白凰女学院へ入学した。
- アニメ版では出番が大幅に増やされ、ヨット部へ入部して白凰海賊団にも参加し、ネビュラカップにも選手として参戦した。白凰海賊団の「営業」時には、姉妹ともども弁天丸に残留している。
- ヨートフ・シフ・シドー
- 声 - 斧アツシ
- セレニティ正統王家の枢密院侍従長。長命種の老人。グリューエルいわく「1人で戦争を始めたり終わらせることができる」らしい。指弾を使いこなす。
- キャサリン
- セレニティ正統王家近衛の小隊長。普段はメイド服を着ている。百眼いわく「無口な別嬪さん」。
- シムシエル大公
- セレニティ正統王家の現在の当主。グリューエルとグリュンヒルデの祖父。
銀河帝国
- ナット・ナッシュフォール
- 銀河帝国艦隊統合参謀司令部付きの情報部員。通称は「ナッシュ」。弁天丸のクーリエとは昔馴染。
ヒュー&ドリトル星間運輸関係者
- ロバート・ドリトル
- 声 - 津田英三
- ジェニーの伯父。ヒュー&ドリトルの代表取締役で、元は軍の高官。ジェニーとは彼女の父親の代からの犬猿の仲である。
- 自分の息子を会社の後継者として据えるため、後継者候補のジェニーを政略結婚によって会社から遠ざけて排除しようと企み、反抗して逃げた彼女を追うため、自ら艦隊を率いる。
- アニメ版ではグロリアス・クールフ号にまで乗り込み、ジェニーを追い詰めて悪しき大人の貫禄で圧倒するも、彼女らに裏工作の記録を暴露されたことで逮捕される。だが、ジェニーいわく「いずれは釈放されて元の権力を取り戻す」とのこと。
- ジュナイ・クールフ
- 声 - 内匠靖明
- ジェニーの婚約者。ロバートと親しい政治家の息子。自分の船でドラッグを使用した違法パーティーを開催しているところをヨット部の面々に踏み込まれ、これを暴露されたことから縁談は御破算になった。
- アニメ版では反政府革命運動「ごっこ」で演説を行っていたところを踏み込まれ、激昂したチアキの鬱憤晴らしの捌け口にされて大泣きし、一部始終をスキャンダルとしてライブ中継されるという醜態をさらす。
その他
- ショウ
- 声 - 安元洋貴
- ハロルド・ロイド保険組合のエージェントで弁天丸の担当。豪華客船での「海賊アトラクション」をはじめとする数々の業務を仲介する。一見ハイテンションでファンキーなアフロヘアでサングラス姿の年齢不詳の怪人だが、真顔になると冷徹な、時に冷酷なビジネスマンである。アニメでは黒人風の容姿。
- ジャッキー・ケルビン
- 裏稼業で生きる賞金首。魔法使い級の腕前を持つクラッカーでもあり、愛用する宇宙船ルナライオンに強力な電子装備を施している。とにかく食えない性格をしており、いつもふざけた笑みを浮かべている。また、薬物や毒ガスなどを無効化し超人的な身体能力すらも獲得できる特別なナノマシンを常に体内に仕込むなど、危険な裏社会を生き抜いてきたしたたかさを併せ持っている。各地で懸賞金が賭けられており、賞金稼ぎから狙われている。
- 税務局員を騙ってヨット部に接触しオデットII世を騙し取ろうと詐欺をはたらく。また、独立戦争時に殖民星連合が作成した極秘文書を狙い白凰女学院地下の艦隊司令部跡に潜入する。茉莉香達には最初はジャッキー・セルシウス、続いてファーレンハイトという偽名[8]を名乗っていた。
- ノエル・ブルー
- 銀河帝国公認のライセンスを持つ女賞金稼ぎ。「紫紺の魔女」という異名を持つ。髑髏星のダウンタウンで育ち、時々様子を見に帰ってきている。常人では手に余る大型の火器を軽々と振り回す。賞金首のジャッキーを狙っており、彼を追って青原星の教育実習生という肩書きで白凰女学院へと潜入する。
- 銀九龍(イン・クーロン)
- 声 - 松山鷹志
- 新奥浜空港で中華レストランを営むコック長。梨理香や弁天丸のクルー達とも知り合いで、普段は「親父さん」と呼ばれている。空港の裏の元締めであり、一番偉い人とされる。元銀河帝国第七艦隊の第58突撃機動艦隊司令官だが、軍関係の業界に再就職せず、コック長となった。
登場メカ
本作の宇宙船はほぼ完全なコンピュータ制御でネットに常時接続されている。基本的に操船は自動化されて人力を必要とせず、コンピュータ操作さえできれば非力な女子校生たちだけでも運用が可能である。
海賊船
オリジナルセブン
- 独立戦争時に、最初に海賊免許が交付された7隻の海賊船を指す。現在詳細が明らかになっているのは弁天丸、白鳥号(オデットII世)、黒鳥号の3隻。
- 弁天丸(べんてんまる)
- 宇宙海賊船。旧式となった二線級の機動巡洋艦に大改装を施した、船齢120年の老朽船。エンジンとなる主転換炉を2基持ち、それぞれ「阿号」・「吽号」と名付けられているが、既に寿命が尽きており、だましだまし調子を見ながら運転する必要があり気難しい。火力よりも速力を重視しており、改装時に武装と装甲を減らしている。先代船長のゴンザエモン加藤芳郎亡き後、娘の加藤茉莉香が船長となる。
- アニメ版ではむしろ航空機に近いデザインで、その機動も「航行」というより立体的な「飛行」である。船体側面とブリッジ内の船長席背後に、海賊のシンボルである髑髏と弁才天に由来する琵琶を合わせたロゴがあしらわれている。
- オデットII世[9]
- 白凰女学院高等部の練習船。太陽帆船(ソーラーセイラー)である。元は海賊船「白鳥号」で、船齢は200年あまり。船体は非武装で鈍足、シールドもなく脆弱であるが、強力な電子兵装を持つ。エネルギーを使わずに航行できる隠密性と高度な電子戦能力を組み合わせて少なからぬ戦績を残している、独立戦争の時に超新星爆弾の使用を阻止した過去があり、超新星爆弾の鍵を握っているとして様々な勢力から狙われた。
- 電子兵装は現在も健在であり、リンの操作で電子戦を行う。
- 黒鳥号
- 独立戦争時代に活躍した宇宙海賊船。巡洋戦艦クラスを改装した船で、火力は弁天丸を上回っていた。恒星ガーネットAで行われた独立戦争の最終決戦時に、超新星爆弾のコントロール指令船を道連れにガーネットAに沈んだはずであったが…。
その他の海賊船
- バルバルーサ
- ケンジョー・クリハラが指揮を執る戦艦クラスの海賊船。弁天丸と行動を共にすることが多い。
- グラマラス・リディス
- ケンジョーの援軍要請に応えてやってきた海賊船。重巡洋艦クラスを改装した船で、海賊ギルドからの逃避行ではピケット艦の役割を果たしていた。
- 迦陵頻伽(かりょうびんが)
- ケンジョーの援軍要請に応えてやってきた海賊船。元は実験戦艦。船齢は弁天丸より古い。船長はカーン伯爵。副長はレディ・アンヌ。
- シンドバット
- ケンジョーの援軍要請に応えてやってきた海賊船。多用途作業船を原型を留めないほど大改装した船。
- デスシャドウ
- ケンジョーの援軍要請に応えてやってきた海賊船。私掠免状が与えられた海賊船としては最強の攻撃力を持つ重戦艦で、艦載機も多数搭載している。船長はクルップ侯爵。
- キミーラ・オブ・スキュラ
- ミューラが指揮を執る海賊船。海賊ギルド屈指の性能を持つ高速戦艦で、船齢も20年程度と若い。速力や攻撃力に優れるのみならず、オデットII世以上の電子兵装も有する。ただし、当のミューラ自身が電子戦に慣れていないためか、電子装備は全ての性能を発揮していない模様。
- シルバーフォックス
- アニメ版に登場。軍の重巡洋艦並みに重武装の海賊船だったが、「海賊狩り」に一蹴されてしまう。
- ビッグキャッチ
- アニメ版に登場。弁天丸を双胴型にしたような大型海賊船。
- 僚艦「ヒヤシンス」、「クロッカス」、「クローバー」とともに小艦隊を編成、さらに弁天丸が護衛についたが、「海賊狩り」にはまったく歯が立たなかった。
- 「海賊狩り」
- アニメ版に登場。船籍・船名すべて不明の超大型戦闘艦。だいたい週一隻のペースで海賊船を襲いながら、たう星系に接近する。
軍艦
セレニティ連合王国
- クイーン・セレンディピティ
- ブルー・インク社製のマラコット級大型戦艦。セレニティ防衛軍の旗艦。防衛軍の旗艦は代々同じ名前を受け継ぐ。
- なお、セレニティ星王家の「黄金の幽霊船」も同名である。
- アニメ版では、長剣を二本束ねたようなカタマランとなっている。
- コーバック級護衛艦
- セレニティ防衛軍で使われている小型護衛艦。コーバック級は銀河帝国中央の軍需産業が各国正規軍向けに広く輸出販売している艦で、海明星星系軍でも使用されており、海賊船に対する「モブのパトカー」的な役割。
- 「小型」とはいえ弁天丸より大きく、カタログスペック上は攻防両面で凌駕しているが、速力と電子戦能力では遠く及ばない。
- アニメ版ではサバイバルナイフを連想させる特徴的な艦形をしている。
銀河帝国
七つ星共和連邦
- グレンスミス級戦艦
- 辺境の星間国家向けに量産された高速戦艦。
- アグリガート級打撃巡洋艦
- 七つ星共和連邦統一軍で使われている旧式巡洋艦。設計はグレンスミス級よりも古い。
- ベスモス級機動巡洋艦
- 七つ星共和連邦統一軍で使われている比較的新しい巡洋艦。
ヒュー&ドリトル星間運輸
- ジャバウォッキー
- ヒュー&ドリトル星間運輸の第1護衛艦隊の旗艦。企業艦隊の中で唯一の電子戦艦。
- アニメ版では、マラコット級戦艦に変更された。
- タルボット級戦艦
- ヒュー&ドリトル星間運輸が保有する戦艦。コーバック級の「刀身」を伸ばしたような外見をしている。
その他
- サイレント・ウィスパー
- 最新鋭の電子偵察機。小型だが、ユニット・コストは弁天丸より遥かに高価である。ジェニーが望まない政略結婚から逃げ出す時に使用し、報酬として弁天丸に残していった。その後はオデットII世に搭載されている。
- ディンギー
- 白凰ヨット部などが所有する1人乗りの小型艇。宇宙船というよりはグライダーに近い機体。主に大気圏突入と突入後の滑空の腕前を競う競技に用いられる。
- プリンセス・アプリコット号
- プリンセスシリーズと呼ばれている豪華クルーズ客船の一隻。弁天丸の「営業」のお得意様で、白凰海賊団もここで「営業」した。
- 黄金の幽霊船
- セレニティ星王家の神話で「天使の箱舟」と呼ばれる船。その正体はセレニティ星王家の最初の皇族や国民を運んだ大型移民船で、船名は「クイーン・セレンディピティ」。全長24km、全幅7km。
- 超光速航行性能を持たない世代間宇宙船(恒星船)として建造され、コールドスリープ施設や人工子宮設備も備え、乗組員や生態系を保存して数十年をかけて星の海をわたった。最初の皇族と国民をセレニティに運んだ後も星系間の定期航路に就役していた。後に初歩的な超光速機関を自主開発したが、亜空間に姿を晦まして消息を絶ち、稀に通常空間に浮上した姿が幽霊船としてとらえられる。王家の中でも限られた者はその正体や出現位置を把握しており、時に接触して船内の宝物を持ち出して糊口を凌いでいた。また、人工子宮「薔薇の泉」で皇族を産み出しつづけていた。
- アルティメット・フェアリー号
- 花嫁に仕立てられたジェニーが押し込められた客船。茉莉香はリンの依頼を受けてフェアリー号襲撃・ジェニー奪取計画を考え始めるが、その矢先にジェニーがサイレント・ウィスパーを奪取して逃走してきた。
- グロリアス・クールフ号
- クールフ家が私有する客船で、ジェナイがプライベートで使用していた。その運用に胡散臭さを感じた茉莉香らは襲撃をかけ、ジェナイの意外な弱みを握る。
- ルナライオン
- 詐欺師のジャッキーが使用する改造船。元の船の形状が判別出来ないほどの大改装が施されており、いびつな形状の船体に大型のパラボラアンテナが2基装備されている。船体表面はアクティブステルスと光学迷彩を行うシステムで覆われており、大半のセンサーに捕らえられない。強力なコンピュータを備え、高度な電子戦能力と膨大な情報処理能力を持つ。
- 愛の女王号
- ミューラの姉、マイラ・グラントが船長を務める「売春」を主とする船。
- シェナンドア号
- ヒュー&ドリトル星間運輸の高速客船。
用語
惑星、施設
- 海明星(うみのあけほし)
- 銀河系オリオン腕、鯨座宮たう星系[10]の第3惑星。海の惑星で、茉莉香が住む新奥浜市は、唯一の大陸の赤道直下の沿岸部にある。
- 白凰女学院(はくおうじょがくいん)
- 茉莉香やグリューエル達が通う名門お嬢様学校[11]で、新奥浜市の郊外にある近隣星系からも生徒が集まる。オデットll世を所有するヨット部が存在する。また、ウズマサ星系海森星(うみのもりほし)に分校がある。学校の地下には100年前の殖民星連合の艦隊司令部が眠っている。
- ランプ館
- 新奥浜市の運河沿いにある、レンガ倉庫を改造した喫茶店。茉莉香のアルバイト先であるが、船長就任後はあまり通えていない。ウェイトレスは、エプロンドレスと白いレースのカチューシャをつけたメイド服姿。
- 髑髏星(スカルスター)
- 辺境の宇宙海賊の本拠地とされる、髑髏の形をした人工天体。数千年前に建造された機動要塞が原型となっており、超光速航行で頻繁に位置を移動するために銀河帝国の情報部ですら、はっきりとした所在を掴めていない。内部は巨大なブラックマーケットとなっていて、あらゆる違法取引が公然と行われている。また、失われた遺物や技術、紙の書物や封印された技術なども大量に所蔵されている。
- 風凪星(かぜのなぎほし)
- アニメ版に登場。ディンギー競技大会「ネビュラカップ」(第13大会、第19大会)の開催地となった惑星。普段は穏やかな風と海の星だが、太陽に電磁嵐が起きるとその影響で乱気流が吹き荒れる。
- かつての第13回大会で、白凰ヨット部は「コースが平穏すぎてつまらない」というだけの理由でクラッキングを行い、コースデータを乱気流のど真ん中へと書き換えた。その結果は参加者142名中完走者2名という大惨事となり、白凰ヨット部は5年間の出場停止処分を受けた。
国家、星系
- セレニティ連合王国
- 歴史あるセレニティ正統王家が治める星間国家。当主はシムシエル大公。王家は内政にはほとんど関わらない。グリューエルはセレニティ星王家の第七皇女。グリュンヒルデは第八皇女。
- 銀河帝国
- 海明星を含む、銀河系数十億の星が加盟する星間国家。海明星ら植民星連合と宗主星との独立戦争のさなかに来訪し、両者を一まとめに併呑して戦争を終わらせてしまった[12]。
- 七つ星共和連邦
- 銀河帝国とは対立中の辺境星間国家。
- ガーネットA星系
- タウ星系の海明星から30光年の距離にある赤色巨星。
その他
- 海賊
- 下記の海賊免許を保有して政府などから公認されたものと、どこの政府にも属さず独立して活動する正真正銘の海賊とがいる。後者は事実上犯罪組織ないしは反体制武装勢力であり、凶悪な反社会的存在である。海賊ギルドも結成している。
- 海賊免許(私掠船免状)
- 百数十年前の独立戦争時、植民地側が乏しい戦力を補うために海賊を活用する方便として発行したもので、これをもって海賊の存在を公認したうえで指揮系統に組み込み通商破壊の遊撃任務に当たらせた。独立戦争自体は宗主星系・植民星連合双方が銀河帝国に併合される形で終了したが、この作戦の有効期限が定められず、また、理由は不明だが制度自体も廃止されることなく現在に至り、政府から作戦中止の通達がない限り、下記の条件を満たせば今でも免許は有効である。
- 有効期限は50日間[13]で、その間に次の海賊行為を行えば有効期限が更新される。
- 免許を受けた船体に限り有効(アニメ版では言及されていない)。
- 免許を受けた船長が存命の限り有効。ただし、直系の継嗣が継承する事ができる。
- 独立戦争終了後、海賊はもはや必要とされず、新たに免許が交付される可能性はまずない。現在の海賊は稼業を継続するため、古い免許の維持に腐心する。
- 海賊の主な業務は、保険会社・船会社からの依頼で実施されるアトラクションとしての豪華客船襲撃、軍の演習における敵役、表に出せない物の護衛や輸送を行うほか、星系軍の雑用を請ける。免許を持っているからといって犯罪行為が無制限に許されるわけではなく、暗黙のルールの中で業務が行われる。
- 星間法上、海賊免許の下で活動する海賊は軍隊に準じて扱われるため、海賊行為中、船長は船長服の着用を義務づけられる。
- 幽霊船
- 難破したり、戦闘で大破するなどして航行不能になった筈だが、目撃例が相次ぐ宇宙船全般の事。単なる噂や都市伝説の一種から、電子戦での欺瞞工作による影、更には名称通りの宇宙船まで含まれている。
- 長命種(メトセラ)、短命種(ショートタイマー)
- 寿命が種別平均よりも倍以上を生きる種族を長命種、半分以下の種族は短命種と呼ばれる。長命種の絶対数は少ない。一般的に長命種は気が長いのんびり屋、短命種は気が短くせっかちとの説がある。バルバルーサ副長のノーラ、セレニティ王家枢密院侍従長のヨートフ、辺境海賊ギルド幹部のミューラなどが長命種にあたる。
- スカラー・ルート
- 辺境区の星間航路。銀河帝国の基幹航路並みの航法支援設備が存在する。ルート上には自由貿易都市「明夜」などがある。
- ステラ・スレイヤー
- 恒星のエネルギーを取り出して使う超新星爆弾。使用されると膨大なエネルギーを周囲に撒き散らし後始末が大変で厄介な代物である。
- ハロルド・ロイド保険組合
- 銀河有数の巨大保険組織。宇宙海賊の業務を遂行する上で生じるリスクをカバーする為に不可欠な保険商品を提供する。客船襲撃アトラクションをはじめとする仕事の仲介も行う。現在の弁天丸の担当エージェントはショウ。先代はハロルドだったが、梨理香によればいけ好かない奴だったらしい。
既刊一覧
- 2008年10月21日初版発行 ISBN 978-4-02-273901-8
- 黄金の幽霊船 2009年4月21日初版発行 ISBN 978-4-02-273913-1
- コスプレ見習海賊 2009年11月20日初版発行 ISBN 978-4-02-273926-1
- 漆黒の難破船 2010年5月20日初版発行 ISBN 978-4-02-273942-1
- 白銀の救難船 2010年11月19日初版発行 ISBN 978-4-02-273956-8
- 真紅の海賊船 2011年3月19日初版発行 ISBN 978-4-02-273962-9
- 蒼白の
髑髏星 2011年11月30日初版発行 ISBN 978-4-02-273978-0 - 紫紺の戦魔女 2012年4月20日初版発行 ISBN 978-4-02-273985-8
テレビアニメ
Template:継続中の作品 『モーレツ宇宙海賊』(モーレツパイレーツ)のタイトル[14]で、MBS、tvk他にて2012年1月より放送中。全26話予定[15]。
主人公が宇宙海賊となることを自ら選択するまでの過程[16]は、第1話から第5話までを費やす形で描かれ、テンポが重視されることの多い2012年のテレビアニメとしては例外的な構成が取られた。監督の佐藤によれば、これは後に他の登場人物を牽引していくことになる主人公の決断を、周囲に流されるのではなく、説得力のある形で描くという意図があったという[17]。
次回予告に続くエンドカードでは、当該エピソードで出てきた台詞から佐藤が選んで揮毫したキーワードや一言が表示される。佐藤いわく、本作と自身が総監督を務める『輪廻のラグランジェ』では実験的な試みの意図も込め、恋愛要素は一切排除されているとのこと[18]。
原作の第3巻がまだあらすじしかできていない時期にアニメ化の企画が動き始めたため、第1話から第18話までは原作の第1巻から第3巻までに準拠した内容となっており、第19話以降はアニメオリジナルエピソードとなっている。また、当初は2011年後半に放送が予定されていたものが2012年にずれこんだ。そういった時間的余裕もあり、第1話の放送前に全26話の制作を完了した[19]。制作に余裕を持てた状況も、前述のような異色の展開や実験に寄与している。
キャスト
大半はアニメオリジナルのキャラクターであるが、原作小説本編のキャラクターも一部で登場する。
白凰女学院のヨット部員
原作では一部を除いて名前すら設定されていなかったが、アニメ版では名前や容姿などを詳細に設定されている(ただし、人数は減らされている)。学年は物語開始時基準。第13話で進級した。弁天丸の乗組員達が事情で船を離れて仕事を行えなくなり、茉莉香がピンチに陥った際にはセレニティ姉妹(前述)を含めたリン部長以下のヨット部の部員達が乗員の代わりに弁天丸へ乗り込み、「白凰海賊団」として仕事を行った。
3年生→卒業生
第13話(原作では第3巻)でジェニーと一緒に卒業した。
- タルヴィッキ・ラウノ
- 声 - 伊藤静
- オデット二世の動力系を担当。
- フローラ・チャピー
- 声 - 小見川千明
- ミレーネ・セルトン
- 声 - 早見沙織
- オデット二世の航行系を担当。体格が良く、濃い色のレンズの丸眼鏡を着用している。
2年生→3年生
リンらと同学年組。
- イズミ・ユノモト
- 声 - 内田真礼
- オデット二世の操帆を担当。
- 白凰海賊団では、エイプリルやベリンダと共に火器管制を担当。 「営業」時には教会のシスターのコスプレをした。
- アスタ・アルハンコ
- 声 - 安野希世乃
- オデット二世の操帆を担当。銀髪のボブヘアー。
- 白凰海賊団では、リンと共に通信・電子戦を担当。 「営業」時には小悪魔のコスプレをした。
- 小林丸翔子
- 声 - 野村香菜子
- オデット二世の索敵・レーダー系を担当。 名前は『スタートレック』のコバヤシマルより。
- 左側の髪が長く、片目が隠れている。しっかり者でリンから信頼されている(第13話より)。
- 白凰海賊団でも、ナタリアやウルスラと共にレーダーを担当。「営業」時には婦警のコスプレをし、銃まで携行した(「営業」時に銃を携行したのは、茉莉香・リン・翔子のみ)。
- エイプリル・ランバート
- 声 - 巽悠衣子
- 白凰海賊団では、イズミやベリンダと共に火器管制を担当。「営業」時にはレースクイーンのコスプレをした。
- ベリンダ・パーシー
- 声 - 三森すずこ
- オデット二世の操帆を担当。赤毛のツインテール。
- 白凰海賊団では、イズミやエイプリルと共に火器管制を担当。「営業」時にはアスタとペアの天使のコスプレをした。
1年生→2年生
茉莉香らと同学年組。
- 原田真希(はらだ まき)
- 声 - 赤崎千夏
- 赤毛で頭頂部をおだんごに纏めている。よくリリィと一緒にいる。あだ名は「ハラマキ」(第15話より)。料理が上手い。
- 弁天丸初乗船の際、誤って砲撃ボタンを押して主砲を発射し、星系軍の注意を惹いて白凰海賊団に最初の危機をもたらす。
- 白凰海賊団では、リリィやアイと共に航法を担当。「営業」時には魔法少女のコスプレをした。
- サーシャ・ステイプル
- 声 - 高森奈津美
- 金髪にヘアバンドをしている。翔子と共にリンから信頼されており(第13話より)、進級後は副部長を務めている。就寝前には肌のお手入れを欠かさないなど、この学年の中では一番女らしい。
- 白凰海賊団では、チアキやヤヨイと共に動力を担当。「営業」時にはバニーガールのコスプレをした。
- リリィ・ベル
- 声 - 佐藤聡美
- オデット二世の通信を担当。褐色の肌と銀髪を持ち、額にビンディーを貼っている。
- 白凰海賊団では、真希やアイと共に航法を担当。「営業」時には看護師のコスプレをした。
- ウルスラ・アブラモフ
- 声 - 西明日香
- 緑髪の少女。頭頂部にアホ毛がある。
- 白凰海賊団では、翔子やナタリアと共にレーダーを担当。「営業」時には怪獣のコスプレ(というより着ぐるみ)をした。
新入生(第13話以降の1年生)
第13話(原作第3巻)で卒業した3年生と入れ替わりに入学し、ヨット部に入部した。
- アイ・ホシミヤ
- 声 - 茅野愛衣
- 中学生の時に、1人乗りヨットの大会で優勝した実績を持つ。仔犬のような耳付きの帽子を被っている。
- 白凰海賊団ではまずリリィや真希と共に航法を、そして弁天丸の操舵を担当。「営業」時には妖精のコスプレをして妙にウケた。
- 海と風が心底好きな性格で、ネビュラカップもその情熱で体格的なハンデを乗り越えて選抜を勝ち抜いた。
- 中学新入生のグリュンヒルデと同じくらい背が低いため、弁天丸を操舵する際には踏み台を使用した。
- ヤヨイ・ヨシトミ
- 声 - 南條愛乃
- 新入生3人組の中では最長身。
- 実家が裕福な貿易商で双発型クルーザーを所持しているため、その経験を生かして白凰海賊団ではチアキやサーシャと共に動力を担当。「営業」時にはカウガールのコスプレをした。
- ナタリア・グレンノース
- 声 - 伊瀬茉莉也
- 体育会系の元気な少女。新入生で唯一、原作に名前が登場していない。
- 白凰海賊団では、翔子やウルスラと共にレーダーを担当。「営業」時にはチアガールのコスプレをした。
- ネビュラカップ選抜では、第一位で選手の座を射止めている。
ネビュラカップ関係者
- 委員長
- 声 - 慶長佑香
- ネビュラカップの運営委員長。かつて大会をぶち壊しにした「悪魔」白凰ヨット部の参加に恐怖し、取り乱した挙句、みずからディンギーで撃って出るという暴挙に出る。
- 副委員長
- 声 - 葉山いくみ
- 委員長の腹心。「無法者には無法者」、すなわち白凰ヨット部に対抗して弁天丸を大会警護に雇うという策を立てるが、その弁天丸の船長茉莉香が白凰ヨット部員であることまではつかんでいなかった。
- 出場選手達
- 声 - ももいろクローバーZ
- 他校のヨット部員たち。白凰ヨット部を白眼視している。先輩たちの屈辱を晴らすべく五年間しごかれて腕を上げ、第19回大会に臨む。
その他
- ビスク員
- 声 - 岩瀬周平、山本格
- よそ者の犯罪組織「ビスクカンパニー」の構成員で、「海賊船免状がうらやましい」犯罪者たち。不可侵協定を無視して茉莉香を狙い、武装した航空機でネビュラカップに乱入。茉莉香だけでなく他の参加者まで無差別に攻撃する。
- ナレーション
- 声 - 小山力也
スタッフ
- 監督・シリーズ構成 - 佐藤竜雄
- アニメーションキャラクター原案 - あきまん
- アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督 - 竹内浩志
- メカニックデザイン - 河森正治、鷲尾直広、寺岡賢司、鈴木雅久、宮崎真一
- プロップデザイン - 吉川美貴
- 美術監督 - 伊藤聖
- 美術設定 - 佐藤正浩、ロマン・トマ、ルガル・ヤン、ブリュネ・スタニスラス
- 撮影監督 - 山根裕二郎
- 編集 - 坪根健太郎
- 音響監督 - 明田川仁
- 音響効果 - 山谷尚人
- 音楽 - Elements Garden - 上松範康、藤田淳平、藤間仁
- 音楽制作 - スターチャイルドレコード
- プロデューサー - 島居理恵、川人憲治郎
- アニメーションプロデューサー - 金子文雄
- アニメーション制作 - サテライト
- 製作 - モーレツ宇宙海賊製作委員会
主題歌
- オープニングテーマ「猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」」
- 作詞・作曲・編曲 - 前山田健一 / 歌 - ももいろクローバーZ
- エンディングテーマ「LOST CHILD」
- 作詞 - 岩里祐穂 / 作曲・編曲 - NARASAKI / 歌 - ももいろクローバーZ
- 第9話、第12話、第13話、第16話では未使用。
- イメージソング「Black Holy」(第9話、第12話、第16話)
- 作詞 - 只野菜摘 / 作曲・編曲 - nishi-ken / 歌 - 小松未可子
- 表記はイメージソングだが、実質エンディングテーマ扱いとなっている。
- ゲストエンディングテーマ「透明な夜空 〜瞬く星に包まれて〜」(第13話)
- 作詞・作曲・編曲 - sin / 歌 - 小松未可子
- 第21話では挿入歌として使用。
- 挿入歌「白凰ヨット部の唄」
- 作詞 - 佐藤竜雄
各話リスト
各話のサブタイトルは、エンディング開始時に表示される。
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
SAILING 1 | 海賊、罷り通る | 佐藤竜雄 | 佐藤竜雄 | 筑紫大介 | 竹内浩志 |
SAILING 2 | 私の力、海賊の力 | 水本葉月 | 倉田綾子 | ||
SAILING 3 | オデット二世、出航! | 下田正美 | 佐々木奈々子 | 杉村友和 寺尾憲治 | |
SAILING 4 | 決戦は深夜 | 大脊戸聡 | 山下英美 | ||
SAILING 5 | 茉莉香、決意する | 西村聡 | 近藤一英 | 大河内忍 | |
SAILING 6 | 茉莉香、初仕事する | 佐山聖子 | 福島利規 | 福島豊明 伊佐英朗 興石暁 | |
SAILING 7 | 平穏ままならず | 島津裕行 | 室谷靖 | 小谷杏子 吉川真帆 | |
SAILING 8 | 姫と海賊 | もりたけし | 筑紫大介 | 今西亨 | |
SAILING 9 | 華麗なる船出 | 小野勝巳 | 水本葉月 | いとうまりこ | |
SAILING 10 | 嵐の砲撃戦 | 佐山聖子 | 大野和寿 | 高乗陽子 山村俊了 | |
SAILING 11 | 閃光の彷徨者(ワンダラー) | 伊藤達文 | いとうまりこ | ||
SAILING 12 | 永遠(とわ)よりの帰還 | 西村聡 | 室谷靖 | 山下英美 塩川貴史 | |
SAILING 13 | 茉莉香、招待する | 下田正美 | 大脊戸聡 | 大河内忍 寺尾憲治 | |
SAILING 14 | 茉莉香、募集する | 伊藤美智子 | 島津裕行 | 大野和寿 | 中野彰子 |
SAILING 15 | 密航出航大跳躍 | 倉田綾子 | いとうまりこ | ||
SAILING 16 | 初仕事!白凰海賊団 | 筑紫大介 | 小谷杏子 | ||
SAILING 17 | 意外なる依頼人 | 室谷靖 | 泉保良輔 | ||
SAILING 18 | 打ち上げはジュース | 大脊戸聡 | 今西亨 | ||
SAILING 19 | 四人の絆 | 水野健太郎 | 佐々木奈々子 | 羽多野浩平 | 安藤正浩 |
SAILING 20 | 茉莉香(せんちょう)、波に乗る | 宮崎真一 | 安田賢司 | 近藤一英 | 塩川貴史 いとうまりこ |
SAILING 21 | 決戦!ネビュラカップ | 西村聡 | 筑紫大介 | 大河原晴男 山下英美 | |
SAILING 22 | 海賊狩り | 佐藤竜雄 | 室谷靖 | 泉保良輔 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
神奈川県 | tvk | 2012年1月7日 - | 土曜 24:30 - 25:00 | 独立局 | |
東京都 | TOKYO MX | 土曜 25:00 - 25:30 | |||
近畿広域圏 | 毎日放送 | 土曜 27:28 - 27:58 | TBS系列 | アニメシャワー第4部 | |
千葉県 | チバテレビ | 2012年1月8日 - | 日曜 23:30 - 24:00 | 独立局 | |
埼玉県 | テレ玉 | 日曜 25:35 - 26:05 | |||
愛知県 | テレビ愛知 | 2012年1月9日 - | 月曜 26:00 - 26:30 | テレビ東京系列 | |
日本全域 | BS11 | 2012年1月13日 - | 金曜 23:30 - 24:00 | 独立系BS放送 | ANIME+枠 |
AT-X | 2012年1月14日 - | 土曜 23:30 - 24:00 | CS放送 | リピート放送あり | |
インターネット配信 | ニコニコチャンネル | 2012年1月14日 - | 土曜 23:00 更新 | ネット配信 | 最新話1週間無料 |
バンダイチャンネル | 土曜 24:00 更新 | ||||
ShowTime | 2012年1月16日 - | 月曜 12:00 更新 | |||
アニメワン | |||||
GyaO! | 2012年2月11日 - | 月曜 24:00 更新 | 最新話1週間無料[20] |
Blu-ray / DVD
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2012年5月9日発売のBlu-ray第3巻初回限定版は発売初週6352枚を売り上げオリコンBDランキング総合首位を獲得している[21]。
Blu-ray
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DVD
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脚注
- ^ 本作を含め笹本作品全般では『電子攻撃』『電子戦』とはいわゆるサイバー攻撃のこと。『電子戦』で敵艦の機能を麻痺させたり制御を奪取することで、ドンパチ(笹本作品で実戦を指す)を始める前に決着がつくことが多い。
- ^ アニメ版では、中盤でマミの手により船長服を手直しされている。
- ^ アニメ版では、第5話で茉莉香から船長就任の決意を伝えられた際の一度だけ「お母さん」と呼ばれている。茉莉香がここでだけ梨理香をそう呼ぶのは、「同居人としての梨理香」へではなく「母親としての梨理香」に対し、人生の重大な決意の告白を行ったということを意味する。序盤を丹念に描いてきたアニメ版では、その最後の仕上げとして重要な部分となっている。
- ^ 劇中の説明によれば物語開始の2~3日前に死亡。
- ^ スター・システム的な扱い。
- ^ テディベアは乳幼児の象徴であり、いい歳の大人が持つこと自体がかなり微妙
- ^ ちなみに、予定されていた結婚式場は『ARIEL』にも登場した機動要塞結婚式場「銀英殿」であった。
- ^ ケルビン、セルシウス、ファーレンハイトは、いずれも温度の単位であり、作中でも指摘されている。
- ^ アニメ版では「オデット二世」。
- ^ 「鯨座宮」「たう」という表記は原文通り。実在するくじら座タウ星との関係は明かされていない。
- ^ 1巻では小学校からの一貫教育を旨とするとあるのだが、4巻では中高一貫教育となっている。
- ^ 内政不干渉を基本とする政治体制や企業名などに同じ作者の『ARIEL』と共通するものがあるが、本作と『ARIEL』が同一世界かどうかは明かされていない
- ^ 交付・更新時から、或いは海賊行為から起算して50日間。
- ^ 原作8巻後書きによれば、当初は「ミニスカ~」にするつもりだったがクレームがつけられた為に変更した。
- ^ 佐藤竜雄 (2011年11月3日). “あれ、モーレツ宇宙海賊、 ...”. Twitter. 2012年3月16日閲覧。
- ^ 原作の第1巻に相当。
- ^ 佐藤竜雄 (7 February 2012). "チャラいとモーレツにならない〈「モーレツ宇宙海賊」佐藤竜雄監督インタビュー前編〉" (Interview). Interviewed by 丸本大輔. 2012年2月8日閲覧。
{{cite interview}}
: 不明な引数|program=
は無視されます。 (説明) - ^ 佐藤竜雄 (2012年3月16日). “今回監督と総監督やってる二作品は、 ...”. Twitter. 2012年3月16日閲覧。
- ^ 作中のケアレスミスについては、Blu-ray / DVD化の際に修正。
- ^ 初回1週間は、SAILING 1からSAILING 5までを一挙配信
- ^ 【オリコン】『モーレツ宇宙海賊』シリーズ初のBD総合首位ORICON STYLE 2012年5月16日