ペルセウス座

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ペルセウス座
Perseus
Perseus
属格 Persei
略符 Per
発音 英語発音: [ˈpɜrsiːəs]もしくは/ˈpɜrsjuːs/; 属格:/ˈpɜrsiː.aɪ/
象徴 Perseus
概略位置:赤経 3
概略位置:赤緯 +45
広さ 615平方度[1]24位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
65
3.0等より明るい恒星数 5
最輝星 α Per(1.79
メシエ天体 2
確定流星群 ペルセウス座流星群
ペルセウス座ε星流星群
隣接する星座 カシオペヤ座
アンドロメダ座
さんかく座
おひつじ座
おうし座
ぎょしゃ座
きりん座
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ペルセウス座(ペルセウスざ、Perseus)は、北天の星座トレミーの48星座の1つ。

有名な変光星アルゴル(Algol)(ペルセウス座β星)があり、毎年γ星付近に放射点をもつペルセウス座流星群も観測される。

主な天体[編集]

恒星[編集]

α星[2]、β星[3]の2つの2等星がある。

以下の恒星には、国際天文学連合によって正式な固有名が定められている。

  • α星:ミルファク[4] (Mirfak[5]) という固有名を持つ。ペルセウス座で最も明るい恒星で、薄黄色の超巨星である[2]
  • β星:アルゴル[6] (Algol[5]) は、星座で最も明るい恒星ではないが、この星座で最も有名な恒星である。この星はアラビアのal-Ghul(は悪鬼あるいはアルゴールを意味する)で、星座内の位置はペルセウスが持つ怪物メドゥーサの目の部分に当たる。この星は食変光星で、視等級は2.12等から3.39等まで変化し、周期は2.867日である。
  • η星:A星にミラムという固有名が付けられている[5]
  • κ星:Aa星にMisamという固有名が付けられている[5]
  • ξ星:メンキブ[7] (Menkib[5])
  • ο星:アティク[7] (Atik[5])
  • HAT-P-15:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でウクライナに命名権が与えられ、主星はBerehinya、太陽系外惑星はTryzubと命名された[8]
  • HAT-P-29:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でデンマークに命名権が与えられ、主星はMuspelheim、太陽系外惑星はSurtと命名された[8]

星団・星雲・銀河[編集]

由来と歴史[編集]

かつてアラビアには、プレアデス星団 (M45) を中心にして、ペルセウス座を通ってカシオペヤ座までを一方の腕、くじら座β星ν星までをもう一方の腕とみなした、「プレアデスの両手[7][10]」という意味のアッ=スライヤー[10] (aṯ-ṯurayyā[10]) と呼ばれるアステリズムがあった[7][10]。そのため、ペルセウス座のα星ξ星ο星にはそれぞれアッ=スライヤーの身体の「肘」「肩」「肩甲骨」を指す固有名が付けられている[10]

神話[編集]

ウラニアの鏡』に描かれたペルセウス座

大神ゼウスダナエーとの間に生まれたペルセウスは、セリーポス島の領主ポリュデクテースから怪物メドゥーサの首を持ってくるように命ぜられた[11]アテーナーヘルメースヘスペリデスらから助力を受けたペルセウスは、メドゥーサを倒し、また海の怪物ケートスの生贄にされようとしていたアンドロメダー姫を救った[11]。天上のペルセウスは、右手に剣、左手にはメドゥーサの首を持っている。メドゥーサの首はあまりに恐ろしく、見たものはになるという[12]

出典[編集]

  1. ^ 星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
  2. ^ a b SIMBAD Astronomical Database”. Results for V* alf Per. 2013年1月28日閲覧。
  3. ^ SIMBAD Astronomical Database”. Results for V* bet Per. 2013年1月28日閲覧。
  4. ^ 原恵 2007, p. 213.
  5. ^ a b c d e f IAU Catalog of Star Names (IAU-CSN)”. 国際天文学連合 (2017年6月30日). 2017年10月14日閲覧。
  6. ^ 原恵 2007, pp. 213–214.
  7. ^ a b c d 原恵 2007, p. 214.
  8. ^ a b Approved names” (英語). Name Exoworlds. 国際天文学連合 (2019年12月17日). 2020年1月3日閲覧。
  9. ^ ロバート・バーナム・ジュニア 著、斉田博 編『星百科大事典』(改訂版)地人書館、1988年2月10日、1215頁。ISBN 4-8052-0266-1 
  10. ^ a b c d e 近藤二郎『星の名前のはじまり - アラビアで生まれた星の名称と歴史』誠文堂新光社、2012年8月30日、144-146頁。ISBN 978-4-416-21283-7 
  11. ^ a b Ian Ridpath. “Star Tales - Perseus”. 2014年2月1日閲覧。
  12. ^ 原恵 2007, p. 212.

参考文献[編集]

外部リンク[編集]

座標: 星図 03h 00m 00s, +45° 00′ 00″