シンガポール航空
種類 | 公開会社 |
---|---|
市場情報 | SGX:C6L |
本社所在地 |
シンガポール |
設立 | 1947年 |
業種 | サービス |
法人番号 | 7700150003048 |
事業内容 | 空運業 |
代表者 | Goh Choon Phong(CEO) |
決算期 | 12月末日 |
主要株主 | テマセク・ホールディングス(54.91%) |
外部リンク | http://www.singaporeair.com/ |
| ||||
法人番号 | 7700150003048 | |||
---|---|---|---|---|
設立 | 1947年 (Malayan Airways として) | |||
ハブ空港 | シンガポール・チャンギ国際空港 | |||
マイレージサービス | KrisFlyer, The PPS(Priority Passenger Service) Club | |||
会員ラウンジ | SilverKris Lounge | |||
航空連合 | スターアライアンス | |||
親会社 | テマセク・ホールディングス | |||
保有機材数 | 101機(73機発注中+59機オプション) | |||
就航地 | 66都市 | |||
本拠地 | シンガポール | |||
代表者 | Goh Choon Phong (CEO) |
シンガポール航空(シンガポールこうくう、英語: Singapore Airlines (SIA) , 中国語: 新加坡航空公司(新航)、マレー語: Syarikat Penerbangan Singapura、タミル語: சிங்கப்பூர் ஏர்லைன்ஸ்)は、シンガポールの航空会社である。
概要
英スカイトラックス社による航空会社の格付けで、実質最高評価の「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ(The World's 5-Star Airlines)」の認定を得ている。
シンガポールを代表する大企業の一つで、チャンギ国際空港をハブ空港とするシンガポールの「フラッグ・キャリア」である。 またアジアのみならず世界でも有数の規模を持つ航空会社でもある。
シンガポール本国への航空需要はそれほど多くないことから、乗り継ぎ客(特にヨーロッパとオーストラリアやニュージーランドを結ぶカンガルールートの利用者)を重視した路線設定を行っている。
航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している。 [1] [2]
コードデータ
- IATA航空会社コード:SQ
- ICAO航空会社コード:SIA
- コールサイン:Singapore
- ボーイング社の顧客番号(カスタマーコード12)
- IATA登録CIP番号:618
沿革
- 1947年 マラヤンエアウェイズとして設立、運航を開始。
- 1963年 シンガポールがマラヤ連邦等と統合しマレーシア結成。
- 1965年 シンガポール共和国としてマレーシアから分離独立。
- 1967年 マレーシア・シンガポール航空 (Malaysia-Singapore Airlines) へ改称
- 1972年10月 マレーシア航空を分離、新生シンガポール航空の発足。
- 1979年 東アジア及び東南アジア初のコンコルドによる定期航路開設(シンガポール~バーレーン経由~ロンドン)。ブリティッシュ・エアウェイズとの共同運航でBA所有の1機の右側面をBA塗装、左側面をSQ塗装したコンコルドがあり、当時話題となった。また、同年4月に初の太平洋線である、シンガポール-香港-ホノルル-サンフランシスコ線を開設。使用機材はDC10。
- 1980年12月1日 シンガポール-成田-ロサンゼルス線を開設。当時の使用機材はBoeing747-200だった。
- 1981年7月1日 シンガポールでの空港の使用をパヤレーバーからチャンギ国際空港に変更。
- 1991年3月26日 シンガポール航空では初めてのハイジャック発生。マレーシア発シンガポール行き。2人のキャビンアテンダントがハイジャッカーによって航空機から落とされて怪我をした。この他には怪我はなく翌朝7時にハイジャッカーに解放。また、このあとA310が使われていたのをA330型機に取り替えた。
- 1993年9月10日 通算生産数1,000機目となる記念のボーイング747-400:9V-SMUを受領する。この機体には「1000th Boeing747」と塗装が施された(現在は通常塗装)。
- 2000年4月 スターアライアンスに加盟。
- 2000年10月、中華民国の台北中正国際空港(現台湾桃園国際空港)でシンガポール発台北経由ロサンゼルス行き006便、ボーイング747-400型機が間違えて工事中の滑走路へ進入、離陸滑走を開始し工事用車両と接触、機体は大破、炎上し乗員・乗客179人中83人が死亡、80人が重軽傷を負う。1972年の会社設立以来の大惨事となった(シンガポール航空006便離陸失敗事故)。
- 2004年2月3日、ロサンゼルスへのノンストップ便が開設される。機材はエアバスAirbusA340-500を使用し、下記のニューヨーク直行便によって塗り替えられるまで世界最長のフライトであった。
- 2004年6月28日、シンガポールからニューアーク(ニューアーク国際空港)への世界最長である所要時間18時間30分の超長距離ノンストップ便を開設した。これとフランクフルト経由のニューヨーク行きの路線を組み合わせて、事実上の世界一周路線を完成した(正確には乗り換えが必要な上、同一便名ではないため世界一周路線ではない)。
- 2004年7月、日本-シンガポール間の直行便を全て全日空と共同運航便化。
- 2007年9月、全日本空輸(ANA)とのコードシェアをさらに拡大。
- 2007年10月25日、シンガポール-シドニーで世界で最初にエアバスA380が有償運航された。この便名は SQ380である。この便の座席はオークションで発売され、売り上げは慈善団体に寄付される。さらに、10月28日からシンガポール-シドニーのSQ221/220で正式に定期便での運航を開始する。
- 2008年3月18日、シンガポール-ロンドンの一部の便にA380を投入し運航開始。ロンドンは欧米初のA380就航地となった。
- 2008年5月15日、全席新型ビジネスクラス(A380、Boeing777-300ERに搭載されているシートと同じタイプ。)100席仕様に改装したAirbusA340-500型機をシンガポール-ニューアーク間で運航開始した。6/29までは週3-5便での運航だが、6月30日から毎日運航を開始した。なお、日本航空もかつて、成田-ニューヨーク間ノンストップ便に、ファーストクラス44席・ビジネスクラス204席のみ設定したBoeing747-200(エグゼクティブ・エクスプレス)を投入していた。
- 2008年5月20日、シンガポール-成田にA380が就航開始。この日は、成田国際空港開港30周年でもある。シドニー線やロンドン線でも見られたようにこの日のみ便はSQ636/637で、21日より通常運航でSQ638/637で運航が開始された。SQ636の就航日当日、関東地区の天候が荒天だったため、中部国際空港へダイバートした。2時間ほどの駐機後、再び成田国際空港へ向かい、定刻より4時間遅れで同空港に着陸した。折り返しとなるSQ637便は1時間半ほどの遅れで成田国際空港を離陸した。乗り入れ初日は就航記念行事が予定され、一時は大幅の遅延のため中止されることになったが、結果として行われた。
これに先駆け4月16日から20・22日まで、A380の最新機内設備が赤坂サカスにて一般公開された。 - 2008年9月21日、シンガポール〜ニューアーク線に続き、シンガポール〜ロサンゼルス間のノンストップ便にも全席新型ビジネスクラス100席に改装されたAirbus340-500が投入され、毎日運航中。
- 2009年2月16日、シンガポール-クアラルンプール、シンガポール-ジャカルタにAirbusA330-300型機を初めて投入された。このAirbus330-300は順次、ブリスベン、パース、中部国際空港、アデレード、大阪の各線に投入される。同時に、初期に導入されたBoeing777-200型機のリタイヤを進める。
- 2009年3月29日、アデレード線就航25周年
- 2009年6月1日、シンガポール-中部にAirbusA330-330型機が、シンガポール~パリにAirbusA380-800型機がそれぞれ投入された。
- 2009年7月9日、シンガポール-香港の一部の便にAirbusA380-800型機が投入された。
- 2009年9月29日、シンガポール-メルボルンの一部の便にAirbusA380-800型機が投入された。
- 2010年3月28日、ミュンヘンへ初就航。
- 2010年10月31日、羽田へ再就航。Boeing777-300ER型機で毎日2便。羽田就航に伴い、日本の路線に同社のBoeing777-300ERが初めて投入された。
- 2011年3月27日、シンガポール-成田(SQ637/638)に、A380から代わってA330が投入。
- 2011年3月28日バルセロナ経由でサンパウロへ初就航。同社初の南米線開設となる。
- 2011年7月1日、シンガポール-成田-ロサンゼルス(SQ11/12)に、B777-300ER[3]から代わってA380が投入された。日本発着路線では、以遠権のフライトに初めてA380が初めて運用されることとなった。
- 2012年3月25日、メルボルン→シンガポール線のSQ238便を最後にBoeing747-400が旅客便としての定期運用を終了。
- 2012年4月6日、シンガポール⇔香港(往路便:SQ747/復路便:SQ748)間でBoeing747-400がラストフライト[4]。同便をもって同社の747旅客便として39年間の運航の歴史に幕が閉じられた。これにより、同社が所有するボーイング社製の旅客機は双発機のみとなった。
- 2012年8月10日〜8月15日の間、大阪線開設40周年を記念してシンガポール⇔関西(SQ618/SQ619)間でAirbusA380-800型機が期間限定で就航。関西空港に定期旅客便として初めてA380が就航した。また、以後この8月10日〜15日はSQ618/SQ619にはA380が投入されており、2013年以降の年末にもA380がSQ618/SQ619に投入されている。
- 2014年8月9日と13日の2日間限定で名古屋線開設25周年を記念してシンガポール⇔中部国際空港(SQ671/SQ672)間でAirbusA380-800型機が就航。中部空港では同社が保有するA380がダイバートする形で離着陸した実績があるものの、定期旅客便としては初めての就航となる[5]。
就航路線
サービス
コンデナスト・トラベラーなどの旅行雑誌で高い評価を受けている。高い評価の理由とされるのは「最新鋭の翼とやさしいおもてなし」のコンセプトに基づく高レベルのサービスと評されている。
客室乗務員
機内では、サロンケバヤに身を包んだキャビンアテンダント(CA)のサービスの評価が高い。なお、2000年に発生した006便墜落事故において客室乗務員が常時着用していたサンダル(バックストラップなし)が緊急脱出に時間を要する原因になったとの声もあり、離着陸時のみバックストラップのサンダルを着用することとなった。
- ※ただし、サロンケバヤを着用しているのは女性CAで、実際には薄い青や紺色のジャケットを着用した男性CAが半分近く乗り込んでいる。もちろん、男性CAのサービスのレベルも高い。
- ※多民族国家であるシンガポールを反映して、CAも中国系、マレー系、インド系など、多くの民族から構成される。日本発着便には日本人CAも乗務している。
機内食
シンガポール航空の機内食は、スイート・ファーストクラス・ビジネスクラス・プレミアムエコノミー・エコノミークラスを問わず、チャンギ国際空港内にあるSATS(シンガポール・エアポート・ターミナル・サービス)社で製造された機内食が用意される。同センター内には世界初の減圧器を備えた部屋「シミュレーテッド・エアクラフト・キャビン」があり、地上1万メートルの機内と同じ環境を作り出して機内食などのプレゼンテーションを実施していることにより、高品質なサービスを展開している。プレミアムエコノミー・ビジネスクラス以上のクラスでは、一部に「ブック・ザ・クック」の豊富なメニューから選択でき、これはシンガポール発のほか成田と東京/羽田・ミュンヘン・ロサンゼルスなどの約20都市から出発する路線で利用可能。また一部のメニューに「インターナショナル・カリナリー・パネル」が監修した食事が用意され、日本路線には和食や洋食から1種類選べる。
また、ベジタリアンミールやモスレム食・チャイルドミール・フルーツプラッターなどの機内特別食も選択できる。このうちナッツフリーミールとコーシャーミールの2種類は出発の48時間前、それ以外のベジタリアンミールなどは出発の24時間前に同社もしくは予約した旅行会社にリクエストする必要がある[6]。
コードシェア
- エア・カナダ
- ニュージーランド航空
- USエアウェイズ
- サウジアラビア航空
- エジプト航空
- スイス インターナショナル エアラインズ
- ルフトハンザ航空
- LOTポーランド航空
- マレーシア航空
- 全日本空輸
- エバー航空
- アシアナ航空
- シルクエアー
- 南アフリカ航空
- ターキッシュ・エアラインズ
- ヴァージン・アトランティック航空
- ヴァージン・オーストラリア
保有機材
最新鋭機をいち早く導入し、保有機就航年数も平均約5年と短いサイクルである。
運航機材
機材 | 保有数 | 発注数 | 座席数 | 備考 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
R | F | J | S | Y | 計 | ||||
エアバスA330-300 | 29 | 30 | 255 | 285 | |||||
エアバスA350-900 | 0 | 70 | No Data | 順次導入予定(このうち7機は、ウルトラロングレンジ仕様) | |||||
エアバスA380-800 | 19 | 5 | 12 | 86 60 |
36 | 245 333 |
379 441 |
2015年夏以降プレミアムエコノミー導入 R:スイートクラス ローンチカスタマー | |
86 60 |
311 399 |
409 471 | |||||||
ボーイング777-200 | 11 | - | 12 | 42 | 234 | 288 | 順次退役予定 | ||
38 30 |
228 293 |
266 323 | |||||||
ボーイング777-200ER | 11 | - | 26 30 |
245 255 |
271 285 |
||||
ボーイング777-300 | 6 | - | 8 | 50 | 226 | 284 | 順次退役予定 | ||
ボーイング777-300ER | 27 | - | 4 | 48 | 28 | 184 | 264 | 2015年夏以降プレミアムエコノミー導入 | |
4 8 |
48 42 |
232 228 |
284 278 |
||||||
ボーイング787-10 | 0 | 30 | No Data | ローンチカスタマー 2018年以降順次導入予定 | |||||
計 | 104 | 120 |
- 2016年現在
シンガポール航空の搭載エンジンは、ボーイング777を導入以降B777-300ERの様にエンジンを選択できない機材を除き、極力ロールスロイス社製トレントを搭載する(A330-300・A340-500・A380-800・B777-200/200ER/300は全機材ロールスロイス・トレントを搭載)更に発注中のエアバスA350-900はロールスロイス(トレントXWB)のみの選択なので、シンガポール航空のロールスロイスエンジンの採用率はきわめて高い部類になる。
2012年9月からエアバスA380で機内インターネットを開始。 その後ボーイング777-300ER等にもサービスを展開[7]
退役済機材
- エアバスA300B4型機
- エアバスA310-200/-300型機
- エアバスA340-300/500型機
- ボーイング707-312B/-324C/-327C/-338C型機
- ボーイング727-100/-200advance型機
- ボーイング737-200advance型機
- ボーイング747-200B/-300/-300M型機
- ボーイング747-400型機
- ボーイング757-200型機
- アエロスパシアル・BAC コンコルド
- マクドネル・ダグラスDC-10-30型機
愛称
シンガポール航空では、一部の機材に愛称をつけていた。
- ボーイング747-400:メガトップ(MEGA TOP)
- ボーイング747-400F:メガアーク(MEGA ARK)
- ボーイング777-200/-300:ジュビリー(JUBILEE)
- エアバスA340-500:リーダーシップ(LEADERSHIP)
- エアバスA340-300(過去):セレスター(CELESTAR)
- ボーイング747-300/-300M(過去):ビッグトップ(BIG TOP)
特別塗装機
- ボーイング747-400(9V-SMU):「1000th Boeing747 Livery」(過去)
- ボーイング747-400(9V-SPK,SPL):Tropical Megatop Livery(過去[8])
- ボーイング777-200ER(9V-SQA):「50th Anniversary 1947-1997 JUBILEE Livery」B777-1号機受領記念(過去)
- 「STAR ALLIANCE」巨大ロゴ[9]
- ボーイング747-400(9V-SPP)
- ボーイング777-200ER(9V-SRE)[10]
- ボーイング777-300(9V-SYE[11]、9V-SYL)
- ボーイング777-300ER(9V-SWI、9V-SWJ)
- エアバスA380:「First to Fly - the Singapore Airlines A380」(計画中止)、「SG50 Livery」(9V-SKI、9V-SKJ)
発注キャンセル
MD-11型機は、開発中に機体の重量や抵抗が想定より大きくエンジンの燃費性能も予想より低い事が分かったが、このことは航続距離や経済性などが計画値より大きく劣る事を意味していた。そのためシンガポール航空は全機の発注をキャンセルし、エアバスA340-300型機に発注を切り替えた。しかしエアバスA340-300も、エアバスA340-500型機やボーイング777型機の導入で同社から退役している。
新機材の積極的導入
同社は、機材の更新に積極的でボーイング777-300ER・787・エアバスA380・A350等の最新鋭機を積極的に導入することを進めている。また、シンガポール航空は2009年から2010年までに、エアバス社からエアバスA330-300型機19機を、リースで導入する。A330型のリース契約は、A380型の引き渡し遅延に伴う供給不足を補う為、エアバス社がシンガポール航空に支払う、補償の一環とされている。また、A350-900XWB型機を20機発注し、同時に同型機を20機オプション発注した。これらは2013年から2015年にかけて納入される予定である。(A330-300はA350-900XWBが導入されるまでのつなぎとして導入をされた。)
キャセイパシフィック航空などの英国連邦の航空会社同様にエンジンに関してはボーイングB777-300ER以外はロールスロイス社製トレントを搭載又は導入予定である。
シンガポール航空のシートTV(オンデマンド式)はすべてパナソニックアビオニクス社製。ボーイングB777-300ER・エアバスA330-300・エアバスA380-800に搭載されているものはeX2という最新鋭のものであり画面をタッチできるもの。ファーストクラスの画面は20インチ以上と破格である。全席にユニバーサル対応のパソコン電源があるのも大きな特徴。今後、B777-300ER19機を2015年から2016年の計画で機内リニューアルを行なう計画である[12]。
エアバスA330-300はボーイング777-200の代替として19機が導入される。最初の就航路線はブリスベーンで、後にオーストラリア(パース・アデレート)・名古屋・大阪・福岡に就航した。シートテレビ等のエンターテイメントはボーイング777-300ERやエアバスA380と同等なものが搭載される。[4][5]
シンガポール航空は世界で初めてパナソニックアビオニクス社製のeX3と呼ばれるAndoirdベースの機内エンターテイメントを導入。導入されるのはA350-900XWBと追加発注のエアバスA330-300とボーイング777-300ER[13]
またシンガポール航空の保有機材の平均機齢は5〜6年と、世界的にも低い。これは、同社が新機材を積極的に導入しており、使用機材の退役が早いためである。
A380の導入
A380のローンチカスタマーとして、24機を導入予定。広大な客室空間を利用し、一階部分前方に12室の個室型スイートクラスを設定し、23インチのモニターを装備。スイートクラスではそれぞれにスライドドアとロールブラインドが付いており完全個室化が可能であるが、離着陸時等は保安のためこれらは全て開けておかなければならない。 シンガポール航空はA380の開発を決定づけたローンチカスタマーとして、早期の日本路線への投入が期待されていたが、2014年には中部国際空港への夏季繫盛期定期便機材として初投入され、日本の三大都市圏の国際空港(成田・関空・中部)へ定期便でのA380型機乗り入れが実現した。日本の三大都市圏からシンガポール乗り継ぎ利用での東南アジア・オセアニア及び南太平洋地域各地への乗り継ぎ旅客では、日本国籍保有者からも相当な割合を占めると共に、その乗り換え利便性も高く評価されており、東南アジア随一のハブ空港としての地位を確立している。
初便記念飛行
エアバスA380型機の初便記念飛行は、2007年10月25日シンガポール-シドニー線の最初の1往復のみで行われた。 両便搭乗旅客には、就航記念として、クラス別に搭乗証明書および、ノイズキャンセリングヘッドフォンやバッグなどの記念品が提供された。
なお、初便記念飛行のチケットは、ネットオークションで販売され、それらの売上金は全て慈善団体に寄付された。
就航路線
A380の第1号機(機体記号:9V-SKA[14])は2007年10月25日、シンガポール-シドニー線に初就航し同年10月30日には定期運航を開始している。
また2008年3月18日、A380の3号機を受領し同日からシンガポール-ロンドン線に就航した。ロンドンはヨーロッパで最初のA380定期便就航空港となった。同年5月20日、シンガポール-成田にA380が就航した。成田国際空港はアジアで最初のA380定期便就航空港となった。但し成田国際空港に関しては初就航日は悪天候のため中部国際空港へダイバートととなり、4時間遅れの到着となった。このため当日予定していた「日本初就航記念」行事は中止も検討されたが、結果として行われた。
同年8月2日から8月8日の期間限定で、シンガポール-北京線の3便あるうちの1本がB777-300ERから代わって運航された。
2015年現在
- シンガポールを起点に日本、欧州、北米、豪州のほか中国、インドなどの主要路線に投入されている。
マイレージカード
シンガポール航空が運営する入会無料のマイレージプログラムは3種類あり、「クリスフライヤー(KrisFlyer)」と上級組織である「PPSクラブ」、2~12歳が入会できる「ヤングエクスプローラークラブ」という子供用プログラムがある。どちらも、シンガポール航空便及びシルク航空便をはじめとしたスターアライアンス加盟各社便、レンタカー、ホテルチェーンなどでマイルを貯めてスターアライアンス加盟各社の無料航空券、アップグレードの特典と交換できる。 参考までに、ANA日本国内線往復無料航空券は25,000マイルで取得できる。
日本国内では三井住友カードとJCBの提携カードを提供している。
クリスフライヤー
「クリスフライヤー」は、13歳以上が対象で申込手続をすればすぐに入会できるプログラムである。スターアライアンス加盟航空会社の他に、2008年現在どこのアライアンスにも属していないヴァージン・アトランティック航空による飛行マイルでも、スターアライアンスゴールド会員資格が取得できる唯一のプログラムである。
PPSクラブ
「PPS(Priority Passenger Serviceの頭文字)クラブ」は自社運航便のビジネスクラス・ファーストクラスの乗客に特化したプログラムとして位置づけられており、その入会・会員資格維持条件として『シンガポール航空及びシルク航空のビジネスクラス・ファーストクラスに1年間で50,000マイル以上または25PPSセクター以上搭乗して「クリスフライヤー」にマイルを加算またはカウントさせる』と規定されている。 その最高級の会員である『ライフ・ソリティア・PPSクラブ(終身会員)』はPPSクラブと同条件で、累積1,875,000マイル以上または1,000PPSセクター以上の搭乗が必要になる(キロメートル換算で300万kmになる)という制度。 その入会条件の厳しさゆえに、「PPSクラブ」全会員が「スターアライアンスゴールドメンバー」となる。
「PPSクラブ」は2007年9月資格更新分より、資格認定のカウント方法が独自換算方法による”シンガポールドル(SGD)換算での資格更新方式”へ変更されている。
ラウンジ
- シンガポール発ロンドン行のSQ322便のスイートクラス利用者およびソリティアPPSメンバーはロンドン・ヒースロー空港ターミナル3にあるヴァージンアトランティック航空のアライバルラウンジを利用することができる。
- シルバークリスラウンジはスターアライアンスゴールドメンバーでも入場することができるが、シンガポールとクアラルンプールにあるシルバークリスラウンジは、PPSクラブメンバー以外のエコノミークラス利用のスターアライアンスゴールドメンバーは入場できない。また、シンガポールのシルバークリスラウンジに入場できるのは、以下の場合のみ。
- シンガポール航空のスイートクラス・ファーストクラス・ビジネスクラスクラス利用者と同伴者(ビジネスクラス利用者は同伴者不可。)
- PPSクラブメンバーと同伴者。
- ルフトハンザドイツ航空・全日本空輸・アシアナ航空のファーストクラス・ビジネスクラス利用者(ターミナル2のみ。)。ルフトハンザのファースト利用者は同伴も可。また、全日空のANAマイレージクラブのダイヤモンドメンバーも全日空便利用に限り(利用クラス不問)、ターミナル2のファーストクラスラウンジを利用することができる。同伴者も可。ただし、ターミナル3のファーストクラスラウンジの利用はできない。なお、シンガポール航空と同じターミナル3から出発するユナイテッド航空とコンチネンタル航空のファーストクラスもしくはビジネスクラス利用者にはチェックイン時にSATSプレミアラウンジのインビテーションカードを配布しており、ユナイテッド航空とコンチネンタル航空利用者は利用クラス問わずSATSプレミアラウンジの利用を案内しており、シルバークリスラウンジへの案内はしていないため利用できない。
- シンガポール航空の公式サイトには全く記載はないが、シンガポール・チャンギ国際空港ターミナル3にあるシルバークリスファーストクラスラウンジ内にザ・プライベートルームという特別のラウンジがある。室内はレストランのようなダイニングルームになっている。メイン料理以外はブッフェ形式になっており、メイン料理はオーダー形式となっている。シルバークリスラウンジとは違い24時間営業ではない。シンガポール航空のスイートもしくはファーストクラスであれば利用できるが、次の場合を除く。
- 入場資格を満たない同行者
- シンガポール航空以外の利用者
利用資格者はチェックインカウンターでザ・プライベートルームのインビテーションカードが発行され、搭乗券にも利用資格者の印字がされる。 スターアライアンス世界一周ファーストクラス運賃利用者は、上記の条件に一つも当てはまらなければ、ザ・プライベートルームへの入場が可能である。
その他
- A380、Boeing777-300ER、Airbus A340-500のビジネスクラス、全機種のファーストクラスの特典は、原則クリスフライヤーでしか獲得することができない。
- A380のスイートクラスはクリスフライヤーを除き、特典航空券には一切開放されておらず、UPグレードも受け付けていないどころか、世界一周運賃で差額を支払って搭乗することもできない。
- 2004年6月28日に、シンガポール-ニューアーク直行便を開設しているが、予定では同年7月28日に開設する予定だった。ところが、キャセイパシフィック航空が同年7月1日に香港-ニューヨーク直行便を開設することを発表したため、シンガポール-ニューアーク直行便の開設を予定より1か月早めた。
- 現在は世界的に当たり前となっているアライアンスだが1988年デルタ航空とかつて存在したスイス航空と大陸間をまたいだ提携し、お互いに10%の資本を保有する「Global Excellence」を形成し、現在のアライアンスの元祖ともいえる提携で世界的にも注目された。
事故
1991年3月25日、マレーシアクアラルンプール発シンガポール行きハイジャック事件発生。
シンガポール航空006便墜落事故(2000年10月に中華民国の中正国際空港で発生)
チャンギ国際空港で10月15日、A330-300機が突然車輪が引っ込み機種が地面に激突するトラブルが発生[15]。整備士一人に怪我はなし。
子会社及び提携
シンガポール航空グループは50社以上の子会社及び資本提携会社で構成される:
子会社
- Abacus 旅行システム (61.0%)
- カーゴコミュニティネットワーク (51.0%)
- SIA Engineering Company (86.6%)
- SIAEC グローバル (86.6%)
- SIAEC サービス (86.6%)
- シンガポールジャムコ (56.3%)
- SIA プロパティ (100%)
- シルクエアー (100%)
- スクート (100%)
- シンガポール航空(モーリシャス) (100%)
- SIA (モーリシャス) (100%)
- シンガポール航空カーゴ (100%)
- シンガポール空港 Duty-Free Emporium (96.8%, 休眠中)
- シンガポール空港ターミナルサービス (86.5%)
- 航空ランドリー&リネンサービス (86.5%)
- エアロログエキスプレス (Aerolog Express) (60.5%)
- アジア=パシフィック・スター (86.5%, 休眠中)
- カントリィフーズ (57.7%)
- SATS 空港サービス (86.5%)
- SATS ケータリング (86.5%)
- SATS セキリティサービス (86.5%)
- シンガポール航空機&ジェネラル保険会社 (100%)
- シンガポール飛行カレッジ (100%)
- Sing-Bi Funds (100%, 休眠中)
- トレードウインズ・ツアー&トラベル (100%)
- Tiger Air (100.0%)
資本提携
- アジア航空貨物ターミナル (21.2%)
- アジアリーシング (21.0%)
- アジア・コンプレッサー技術サービス (Asian Compressor Technology Services) (21.2%)
- Asian Surface Technologies (25.1%)
- Aviserv (42.4%)
- 北京空港 Inflight Kitchen (34.6%)
- 北京航空機地上サービス会社 (34.6%)
- Combustor Airmotive Services (42.4%)
- イーグルサービスアジア (Eagle Services Asia) (42.4%)
- エバグリーン航空貨物サービス会社 (21.6%)
- エバグリーン航空サービス会社 (17.3%)
- Fuel Accessory Service Technologies (42.4%)
- International Aerospace Tubes Asia (28.9%)
- MacroAsia-Eurest ケータリングサービス (17.3%)
- モルディブ Inflight Catering (30.3%)
- Messier Services Asia (34.6%)
- Pan Asia Pacific Aviation Services (40.8%)
- PT JAS Aero-Engineering Services (42.4%)
- PT Pantai Indah Tateli (20.0%)
- PT Purosani Sri Persada (20.0%)
- PWA インターナショナル (42.4%)
- RCMS プロパティ (20.0%)
- Rohr Aero Services-Asia (34.6%)
- SERVAIR-SATS Holding Company (42.4%)
- Service Quality (SQ) Centre (50.0%)
- Taj Madras Flight Kitchen (25.9%)
- TAJ SATS 航空ケータリング (42.4%)
- Tan Son Nhat カーゴサービス (25.9%)
- Tiger Air (100.0%)
- Turbine Coating Services (21.2%)
- ヴァージン・オーストラリア(22.1%)
ジョイントベンチャー
- ビスタラ(正式社名は Tata-SIA Airlines Limited)(49%)
- International Engine Component Overhaul (IECO) (43.3%)
- シンガポール Aero Engine Services Private Limited (SAESL) (43.3%)
CM
日本の航空会社を除き、海外の航空会社のCM自体が珍しい[16]が、シンガポール航空は以前からテレビ東京(前身の東京12チャンネル時代から)でよく見かける。現在は『日経スペシャル ガイアの夜明け』で流れている他、2012年に入ってからはフジテレビ系列でかつて放送されていた『笑っていいとも!』等の番組でも流れるようになった。
注釈
- ^ “日本発着路線をもつアルテア利用航空会社 (2015年6月現在)”. アマデウス・ジャパン. 2015年9月26日閲覧。
- ^ “Airlines using Amadeus” (英語). アマデウスITグループ. 2015年9月27日閲覧。
- ^ 2011年4月5日より、B747-400から代わって運航開始。
- ^ 『月刊エアライン』(2012年4月号),p19,イカロス出版
- ^ 『中日新聞』(2014年4月12日朝刊),11面,中日新聞社
- ^ [1]
- ^ [2]
- ^ なお9V-SPK機の事故後に他方機種も通常塗装に戻す。
- ^ 同社では加盟航空会社で唯一、垂直尾翼が「STAR ALLIANCE」の五つ星マークではなく会社用ロゴの塗装である。
- ^ 現在は同社から退役している。
- ^ 現在は同社から退役している。
- ^ SIA To Invest US$325 Million To Fit Latest Cabin Products To B777-300ER Fleet - 09 May 2014
- ^ [3]
- ^ この記号はかつて同社のボーイング747-300 (BIG TOP) に使用されていた。
- ^ 車輪突然引っ込み、機体が地面に激突 シンガポール航空 2015.10.15 Thu posted at 19:18 JST
- ^ ルフトハンザドイツ航空やエールフランスなどもCMを流していることはある。
関連項目
- シンガポール航空インターナショナルカップ (競馬の国際GI競走。優勝馬にはシンガポール航空杯が贈られる。2006年にコスモバルクが優勝し、地方調教馬として国際G1初優勝。2007年にはシャドウゲイトが優勝し、日本馬の連覇を達成)
- 世界一周航空券(シンガポール航空単独で販売を行っている)
- ワールドビッグテニス
- マレーシア航空(1972年9月までMSA「マレーシア・シンガポール航空」として同一会社だった 参考図書:消えたエアライン 賀集章:著、山海堂:2003年刊)
- コンコルド(ブリティッシュ・エアウェイズと共同でシンガポール―バーレーン―ロンドンを運航していた)
- スターアライアンス
- シンガポールガール
外部リンク
- シンガポール航空 (英語)
- シンガポール航空 (日本語)
- シンガポール航空Facebookページ (英語)