F-ZEROシリーズ

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F-ZERO
ジャンル レースゲーム
開発元 任天堂
エヌディーキューブ
アミューズメントヴィジョン
朱雀
発売元 任天堂
主な製作者 宮本茂
今村孝矢
1作目 F-ZERO
1990年11月21日
最新作 F-ZERO CLIMAX
2004年10月21日
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F-ZEROシリーズ(エフゼロシリーズ)は、任天堂が発売したコンピュータゲームシリーズ作品である。

概要[編集]

現代より数世紀先の未来を舞台設定にしたレースゲームのシリーズ作品。 退屈な日常に飽きた宇宙の富豪達がスリルと熱狂を求めて、20世紀に発足したF1を模して復活させた自動車競技が「F-ZERO」である。 反重力発生装置『G-ディフューザーシステム』によって常に路面から浮いているマシンを操り、宇宙各地に建設された数々のサーキットにおいて、時に音速を超える程のスピーディなレースを繰り広げる。

特色としては、非常にコーナーや高低差が激しく、複雑に捻じ曲げられているコースを超高速で駆け抜ける点にあり、他のレースゲームと比べてもアクロバティックかつダイナミックな動きが多い。レーサーとして登場するキャラクターには普通の人間に限らず、ロボットや獣人、異星人等もおり、どこかアメリカンコミックテイストの意匠を感じさせるキャラクターが多い。

第1作目のスーパーファミコン版『F-ZERO』は、旧世代ハードでは不可能だった圧倒的スピード感が話題となり、レースゲームの「タイムアタック」という概念を浸透させたものとして大きな足跡を残した。また、後の様々なレースゲームに登場するスタート時に急加速を行う技術ロケットスタートという言葉も本作を特集したゲーム雑誌記事から生まれた。

2013年現在、『F-ZERO CLIMAX』を最後にシリーズの発売が10年近く途絶えている。

シリーズ作品[編集]

登場人物[編集]

基本操作 レースルール[編集]

基本操作[編集]

基本操作は、通常レースとほぼ同じだが、特徴的なものをあげる。

重心移動
左右に水平移動する。走行ラインの微調整などが可能。
スライドターン
重心移動をしながらのターンで、安定して曲がることができる。最高速設定向き。左に旋回する場合は十字キー(3Dスティック)を左に、Lボタン(トリガー)を同時入力しながら行う(右旋回は逆入力)。
ドリフトターン(X、for GBA、GX、ファルコン伝説、CLIMAX)
機体を進行方向に滑らせながら方向転換を行い、急旋回させるターン。加速設定向きで、ドリフト中は速度も上がる。スライドターンより操作が難しいが、ブースターを使い急加速と速度を上げながら曲がることも可能。このコマンドは初代にはない。コマンドは2タイプあり、左に旋回する場合、十字キー(3Dスティック)を左、L・Rボタン(トリガー)を同時押しして行うタイプと、十字キー(3Dスティック)左、Rボタン(トリガー)を同時入力しながら行うタイプがある。前者は据置型ハードでのタイトル、後者は携帯型ハードでのタイトルで見られる(前者、後者共に右旋回時は逆入力)。
ブラストターン
アクセルボタンを一定のタイミング(初代)、または連打することでバーナーをふかし、ある程度まで速度を下げ一定に保つことで、グリップを高めるターン。スライドターンと併用することができる。
サイドアタック(X、GX、ファルコン伝説、CLIMAX)
左右の重心移動ボタンを二回押す事(『GX』を除く)で発動する、幅寄せ攻撃。初代では出来ない。スライドターンより鋭いターンとして応用も利く。左にアタックする場合、『GX』ではXボタンを入力しながら3Dスティックを左に入力する。その他ではLボタン(トリガー)を2回連打入力する(どちら共右アタックは逆入力)。
スピンアタック(X、GX、CLIMAX)
機体を正面にすべらせながら回転する攻撃方法。攻撃時間が長く、混戦時に向いている。入力方法は2タイプあり、L・Rボタン(トリガー)の同時入力で発動させるタイプと、Zボタンを入力しながら、3Dスティックを右か左に入力(威力は変わらないが、右回転・左回転に変化する)するタイプに分かれる。

レースルール[編集]

こちらも通常レースゲームと同じ部分もあるが特徴的なものが非常に強く、印象的なルールになっている。

エネルギーメーター
F-ZEROの最大の特徴ともいえるシステム。いわゆる体力ゲージのことで、マシンに体当たりをされたり、コースにぶつかるなどの衝撃を受けたり、またブーストを使うことによりエネルギーメーターが減る。ゲージが空の状態で接触するとクラッシュとなり、その場でレース敗退となってしまう。回復にはコース上に設置されたピットゾーンからエネルギーを補充するという行動が必要になり、それが現実のF-1との世界観を共有しているところである。なお、敵の機体を破壊することでもエネルギーが少量回復する。
S-JET(初代とFor GBAのみ)
機体を加速させる装置。コースを1周するごとに1回の使用が許可され、3回までストックできる。初代とfor GBAで採用されているルールで、その他の作品では下記のブーストシステムが採用されている。
ブースト (X、GX、ファルコン伝説、CLIMAX)
S-JETと同じく機体を加速させる装置。コースの2週目以降から使用許可が得られるのはS-JETと同じだが、こちらは使うたびに一定量のエネルギーを消耗してしまう。エネルギーの続く限り何度でも使用することが出来る。『CLIMAX』では周回するごとにストックされる「リアクターマイト」をブースト中に使用することでブーストシステムとS-JETシステムを融合した「スーパーブースター」も使用できる。
クラッシュ
障害物に衝突してEMを使い果たすとレース中に爆発し失格。スペアマシンを1台消費してレースにリトライするか、全戦リタイアするかを聞かれる(スペアマシンを無くすと無条件で全戦リタイア)。XやGXでは衝突から数秒間操縦不能になってから爆発するようになっているため、場合によってはその数秒間にゴールすることもできる。『AX』『CLIMAX』ではNOVICEランクのみ、爆発してもある程度のタイムロスでレースに復帰できる。
落下
コース外に落下すると即アウトとなる。ガードレールが無い場合もしくは、機体を飛ばしている場合におきる。これも『AX』『CLIMAX』のNOVICEに限り、復帰できる。
障害物等
コースについての項目を参照。
ショートカット
ジャンプ台を使用した大胆なショートカットもF-ZEROの特徴の一つだが、作品によっては大幅なショートカットができないようになっている。初代では大幅なショートカットを行うと悪質な行為とみなされ、ある程度の距離まで強制的に戻されてしまう。
また、Xでも大幅なショートカットを行おうとすると、マシンが路面を貫通して落下してしまう。作品によってはショートカットのペナルティが一切無いものもあり、大会のルールは時期によりその都度変更されているようである。

世界観[編集]

26世紀の宇宙が舞台。近代化が進み、惑星間の交流も盛んに行われている。目だった戦争や外敵の襲来も無く、惑星間は長い間平穏そのものだった。 基本的にアメコミ調の近未来を舞台にしている。宇宙人が多数登場し、善人、悪人、マシンの外見も含め個性にあふれる。世界観の深さや裏設定など同社の『スターフォックス』シリーズに通じるものがある。

惑星・地域[編集]

ミュートシティ (MUTE CITY)
銀河連盟最大の、宇宙の中心的都市で、その人口は2億人とも10億人ともいわれ、全宇宙の情報発信基地として多大なる影響力を持つ。『ファルコン伝説』では地球、それも現在のニューヨークに当たるとされ、F-ZERO最盛期にその栄華を極めていたが、後にその覇権をビアンカシティーに奪われ衰退。for GBA以外の全作品に登場。
ビッグブルー (BIG BLUE)
地表の99%以上をが占める惑星。自然保護団体が厳重に管理していたが、海底エネルギー資源の調査が開始される。しかし原因不明の事故が多発、神秘の星と呼ばれるようになった。初代、『X』『GX』『ファルコン伝説』『CLIMAX』に登場。なお、アニメ版『ファルコン伝説』には登場しないが、ファルコンが活躍するシーンでしばしばBGMのアレンジが流れる。
サンドオーシャン (SAND OCEAN)
地表のほとんどが砂漠。古代遺跡が発見され宇宙有数の観光地となった。初代、『X』『GX』『ファルコン伝説』『CLIMAX』に登場。
デスウィンド (DEATH WIND)
初代にのみ登場。ピコの出身地。常に強い横風が吹き付けており、通常とは異なる走行を強いられる。
サイレンス (SILENCE)
無音の惑星。その空にはマシンの爆音のみが木霊する。『GX』『AX』を除く全作品に登場、for GBAでは1カートリッジ対戦専用のコースのみが用意されている。
ポートタウン (PORT TOWN)
惑星間交易の中心地。キャプテン・ファルコンの出身地としても知られている。for GBA以外の全作品に登場。
レッドキャニオン (RED CANYON)
荒涼の大地。サムライ ゴロー率いる宇宙海賊団のアジトがあるなど、治安が悪い。初代、『X』『ファルコン伝説』『CLIMAX』に登場。『GX』でもストーリーモードでのみ登場する。
ホワイトランド (WHITE LAND)
地表が水晶で覆われた惑星で、その景観は観光地として有名である。アニメ版では極寒の惑星だった。初代、『X』『ファルコン伝説』『CLIMAX』に登場。
ファイアフィールド (FIRE FIELD)
『AX』以外の全作品に登場している、灼熱の惑星。ただし、地表全体がマグマに覆われているわけではない模様。『GX』と『ファルコン伝説』では、資源採掘業者が無節操に掘り進めた結果休火山が爆発しこうなったとされている。当の採掘業者はサーキットを建設し、その興行収入で経営危機を脱している。
デビルズフォレスト (DEVIL'S FOREST)
『X』のみに登場するの惑星。
ベガスパレス (VEGAS PALACE)
ミュートシティの一角にある娯楽特別地区。多数のカジノが建ち並び、その歓声と怒号は止むことがない。『GX』にのみ登場。
ライトニング (LIGHTNING)
大気汚染に因る異常気象で雷雲が発生、それを利用し発電所が多数建設されている。『GX』『AX』『ファルコン伝説』『CLIMAX』に登場。
エアロポリス (AEROPOLIS)
超高層のビルが立ち並ぶ、スーパーコンピュータ「MOTHER-Q」により管理された地域。ビルの建設も全てMOTHER-Qが行っている。『GX』『AX』に登場。
グリーンプラント (GREEN PLANT)
人口増加に起因する酸素不足のため、バイオテクノロジーを駆使し生み出された緑の工場。しかしその生命力は人類の想定を遥かに凌駕し、予想を超えて繁殖している。『GX』『AX』に登場。
コスモターミナル (COSMO TERMINAL)
ロケットに代わる新たな輸送手段として建設が進められている軌道エレベータ。現在地表86,000kmのところまで工事が進んでいるが、多額の建設費が足枷となり難航している。そんな中に強行的に建設されたサーキットが何を意味するのか、それは誰も知らない。『GX』にのみ登場。
ファントムロード (PHANTOM ROAD)
その存在は全くの謎と言われている異次元空間。ワープホールが近辺に存在するらしい。『GX』にのみ登場。
アウタースペース (OUTER SPACE)
実行委員会がレースに刺激を求め、無謀にも隕石により大破したスペースコロニーをサーキットに改造した。現在も隕石が多数降り注いでおり、コースの損傷が激しく多数のレーサーがこれは無謀と考えている。『AX』に登場。『GX』でも隠し要素に入っている。
ビアンカシティー (BIANCA CITY)
後の世代において宇宙の中心となる都市。大量の高純度チタンが採掘され、それはミュートシティーから覇権を奪い取るほどのものであった。ビアンカは初代村長の妻の名前である。for GBAのみ登場。
スタークファーム (STARK FARM)
かつて大農場地帯であったが、土壌から有害物質が検出され放棄された。現在は世捨て人が集まる地帯となっている。for GBAのみ登場。
ラピュタンコロニー (LAPUTAN COLONY)
かつて人口問題を解決させるために中空都市の建設が行われ、それが辛うじて成功を収めた地域。for GBAのみ登場。
クラウドカーペット (CLOUD CARPET)
地表が厚いに覆われており、太陽の光が降り注ぐことはない。人々は雲よりも高い塔を建設し、そこから光ケーブルで地上に光を送っている。サーキットも雲の上に建設されていた。for GBAのみ登場。
イーストテンサイド (EAST TEN SIDE)
ルイス社の区画整備計画により作られた工業区画の一つ。for GBAのみ登場。
ビーコンポート (BEACON PORT)
隕石や宇宙船との衝突で大破したビーコンを回収し、修理・再利用するための工場のある惑星。for GBAのみ登場。
シノバズ (SINOBAZZ)
地表はほとんどという惑星。革命で国を追われた貴族が身を潜めた地。for GBAのみ登場。
エンシャントマーレイ (ANCIENT MASE)
かつてこの惑星上の黒い影を海と思っていた人々の思いが込められた、海の惑星。for GBAのみ登場。

※スペルはANCIENT MASEでありANCIENT MAREではない。

クレーターランド (CRATER LAND)
巨大なクレーターに覆われている。そのクレーターからは多量の石油が採掘される。for GBAのみ登場。
ミストフロウ (MIST FLOW)
濃いに覆われた惑星。視界が非常に悪い。『ファルコン伝説』『CLIMAX』に登場。
イリュージョン (ILLUSION)
存在さえ謎に包まれている地域。この地域にあるコースにはガードビームが存在しない。『ファルコン伝説』『CLIMAX』に登場。

他のゲームとの関連[編集]

  • 『スターフォックス』シリーズにも「G-ディフューザーシステム」や「スペースダイナミクス社」といった名前が存在しており、登場人物の中にも同姓同名かつほぼ同じ格好をした人物が存在する。また、『スターフォックス コマンド』には、『F-ZERO』シリーズのキャラクターと同名の敵キャラクターが登場しているほか、エンディングのひとつに「G-ZERO」グランプリが登場している(G-ZEROとは任天堂がバーチャルボーイで開発されていたものの中止になったゲームの名前)。
  • メトロイド』シリーズと『F-ZERO』シリーズ両者の世界に「銀河連邦」という政府が存在するため、同一世界である可能性がある。しかし、『F-ZERO』での年代設定が26世紀なのに対し、『メトロイド』の世界観ではコスモ暦2X25年と設定されている。
  • 同じ任天堂のレースゲーム『マリオカート』シリーズに毎回登場するコース「レインボーロード」が『F-ZERO X』に登場している。コースの形状は『マリオカート64』のものと同じである。また、『マリオカートWii』には、キャプテン・ファルコンのマシン「ブルーファルコン」が隠しカートとして登場している。

コースについて[編集]

コースは各惑星の地表の遙か上空に設置されており(一部例外もある)、路面両脇のガードビームはこの状態を維持するための反重力発生装置を兼ねている。コース上には以下のようなものが設置されており、しかもルール上"演出に必要不可欠な物"として実行プロジェクトはその設置に対し絶対的な権限を持つ。

ピットエリア
壁にぶつかったりブーストを行ったりして消耗したマシンのエネルギーを回復できる場所。このエリア上にいる限りエネルギーが回復し続ける。初代のみピットエリアに到達した後に補給装置がスタンバイされ、回復が始まるまでに若干のタイムラグがある。
ダッシュプレート
マシンに一時的にブーストに近い加速力を与える。作品によりブースト状態になる物(初代、X、GX)とその方向に弾き飛ばすタイプ(for GBA、ファルコン伝説、CLIMAX)の物に分かれる。初代では、逆走でジャンププレートにのってもスピードアップしたり逆方向に弾き飛ばされたりない。なお、Xでのダッシュプレートによる加速は如何なるマシンでもブースト性能Aのマシンと同等の加速力が得られる。
スリップゾーン
上を通過している間、マシンのグリップ力が極端に低下し横滑りを起こしやすくなる。
ジャンププレート
通過することでジャンプする。ショートカットに用いることが可能な物もある。ただし、作品によってはショートカットの度が過ぎるとペナルティが発生する。
強制減速ゾーン(ダート)
通過している間スピードが落ちる。ブースト使用中はこの限りではない。
地雷
接触すると爆発し、ダメージを受けて吹き飛ばされる。初代以外では跡地を通過してもダメージを受ける。あえて接触することで加速を図る高等テクニックも存在する。
トラップ
Xにおける地雷的存在。接触すると若干のダメージと共に車体が跳ねる。トラップ自体は消滅せずその場に残り続ける。
マグネット
下もしくは横方向に引き寄せるトラップ。初代では触れるとダメージを受ける。for GBA、『ファルコン伝説』『CLIMAX』では下方向のみ登場し、空中にいる場合のみ影響を受ける。
スキッド
for GBA、『ファルコン伝説』『CLIMAX』における、水平方向(左右だけでなく前後方向の物も追加された)のマグネットに似た性質を持つエリア。ベルトコンベアのように、一定の方向に車体が流れる。進行方向と逆方向のスキッドに乗ると、メーター上ではわからないが若干スピードが落ちる。進行方向のスキッドに乗ると加速しているのも同じ原理。
チューブ・パイプ
コース形状が筒状であり、その内壁を走行する。形状的にあらゆるコース面(例えば逆さまでも)で走行でき、コースアウトしないが、出口付近は危険。
シリンダー
コース形状が筒状であり、その外壁を走行する。形状的にあらゆるコース面で走行できるが、すり鉢走行を行うと落下する危険性がある。
チェックゲート
『AX』と『GX』のみ登場。『AX』においては通過すると制限時間が追加される。

関連項目[編集]

  • 今村孝矢 (F-ZEROシリーズのキャラクターデザイン、チーフデザイン、コースデザイン、監修などを担当)
  • 宮本茂 (F-ZEROシリーズのゲームプロデューサー)