異常気象
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異常気象(いじょうきしょう)とは異常高温、大雨、日照不足、冷夏などの通常とは異なる気象の総称。
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[編集] 異常気象の定義と概念
気象庁では、「過去30年の気候に対して著しい偏りを示した天候」を異常気象と定義している。
世界気象機関では、「平均気温や降水量が平年より著しく偏り、その偏差が25年以上に1回しか起こらない程度の大きさの現象」を異常気象と定義している。
エルニーニョ現象や、これに南方振動を含めたENSOは、異常気象の原因となるとされているが、エルニーニョ現象は数年の周期で起こるものであり、「エルニーニョ現象=異常気象」ではない。
また、気象庁の異常気象レポートでは、「過去に経験した現象から大きく外れた現象で、人が一生の間にまれにしか経験しない(過去数十年に1回程度の頻度で発生した)現象」[1]ともしている。
「異常気象」は、英語の"extreme weather","unusual weather","abnormal weather","anomalous weather"とほぼ同義であり、極端な気象、稀にしか起こらない気象という概念だとされている。しかし近年、メディアを中心に、異常気象が増加しているとの考え方が浸透し、同時に異常気象という言葉の概念や定義が変わりつつある。傾向として、異常気象の概念は"severe weather","bad weather"(激しい気象、荒天、悪天候)の概念に近づきつつあり、範囲が広がってきている。これは地球温暖化問題や自然破壊問題の影響を受けたものだと考えられている。
これに関して、異常気象の『異常さ』が薄れていくこと、あるいは長期的な気候変化により学問的な異常気象の定義が少しづつ変わっていくことで、警戒心が薄れたり、気付かないうちに気候が変化していたりするのではないか、という声もある。一方で、逆に異常気象の概念が限定的になり定義も狭いものになれば、異常気象の把握が難しくなったり、異常気象に気付きにくくなるのでは、という声もある。
自然変動の周期はさまざまであり、1日周期の太陽放射から十数年周期の太陽黒点活動、数十万年周期のミランコビッチ・サイクルまである。周期の長いものは「30年あるいは25年」という異常気象の判断基準に合わず、変動の山や谷にあるときは現在から見れば異常気象であっても、当時の状況では異常気象ではない、ということもありうる(氷河期など)。
[編集] さまざまな異常気象
以下の現象は、程度の違いはあるものの、おおむね異常気象とみなされる現象である。
- 寒春
- 暖春
- 冷夏
- 猛暑(酷暑、暑夏)
- 寒秋
- 暖秋
- 寒冬
- 暖冬
- 熱波(高温)※季節を問わない。
- 寒波(低温)※季節を問わない。
- 少雨(旱魃)
- 大雨(洪水)
- 少雪
- 大雪(豪雪)
- 日照不足(寡照)
- 日照過多
- 長期的な弱風
- 長期的な強風(風害)
- 乾燥
- 多湿
このほか、季節現象の時期が大きくずれることも異常気象の1つである。初雪や結氷(初氷)、初冠雪、春一番、梅雨入りといった物理化学的な現象はもちろんのこと、紅葉、開花、初鳴き、初見、冬眠といった生物化学的な現象(生物季節観測)も含められる。
以下の現象は通常起こりうる気象であるが、勢力の変化、増減、進路の偏りなどによっては異常気象となる現象である。
[編集] 異常気象の原因
異常気象とされるものの多くは、気象擾乱が発達・退化しながら気象が刻々と変わってゆく中で、悪条件が重なって起こるもので、自然変動の働きによって起こる突発的な現象である。しかし、人為的な気候変動やヒートアイランドなどの局地的な気候が異常気象に関係しているとの指摘もある。異常気象の原因はこのほかにも多数ある。異常気象の因子(きっかけ、異常気象を増強・軽減する現象)を以下に挙げる。
- ブロッキング
- テレコネクション
- エルニーニョ・南方振動(ENSO)
- 南極振動(AAO)
- 北極振動(AO)
- 北大西洋振動(NAO)
- マドン・ジュリアン振動(MJO)
- ダイポールモード(IOD)
- 大規模な火山の噴火(エアロゾル濃度の急増)
- 太陽活動の変動
- 地球温暖化(人為的なものに起因するもののみ)
- ヒートアイランド
- 森林破壊、砂漠化(土地の不毛化)、氷河や永久凍土の融解などの、土地利用(地面の状態)の変化
[編集] 異常気象の増加
20世紀頃から、工業化、文明化が急速に進行して異常気象が多く起こるようになったとされている。しかし、増加の原因は異常気象自体の増加のみによるものではなく、通信技術の発達や開発により多くの異常気象が報告されるようになったこと、人口の増加や貧困、建築物の長寿化などにより社会的に異常気象による災害に対するリスクが高まったこと、気象に関する知識の普及や気象学の進展なども一因である。
気候モデルの推定によれば、地球温暖化により今後数十年~数百年後には、現在よりも異常気象が増えると考えられている。しかし、氷河期においては低緯度と高緯度の気温差が大きく、異常気象が現在よりも多かったとの研究もある。
[編集] 異常気象の観測と統計
[編集] 全球異常気象監視速報
気象庁では毎週水曜日に前日までの1週間に発生した世界の異常気象や気象災害の状況を公表している。
これにおける異常気象の定義は、
- 異常高温・低温 1週間の平均気温の平年値との差が同月における標準偏差の3倍以上
- 異常多雨 1週間の降水量が平年の月降水量を上回る
- 異常少雨 前30日間の降水量が同期間中において1971年~2000年の間で最も少ない(一部の乾燥区域を除く)
- 熱帯低気圧
- その他の気象災害
となっている。
[編集] 異常気象レポート
気象庁は、1974年から5年ごとに異常気象レポートをまとめている。内容は、日本と世界の長期的な気候を考慮して、近年の気象を観測した結果や将来の予測をまとめたものである。
[編集] 異常気象への対応と備え
異常気象への対応といっても、それは「激しい気象」や「好転」「悪天候」などへの対応とほぼ同じもので、同一視されることが多い。いわゆる気象災害への対応としてまとめて行われることが多い。
企業や組織においては、リスクマネジメントやリスクアセスメントによって気象災害のリスクの軽減を図る。気象災害による損害を見越した天候デリバティブという金融派生商品もある。
ただ、「異常気象」は地球温暖化などによって今後増加しうるものだという見方が強く、「異常気象の増加」や「異常気象のリスクの増加」に対する備えもなされている。中央防災会議の「大規模水害対策に関する専門調査会」など、分野別の対応がとられている場合が多い。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 気象庁 全球異常気象監視速報
- 気象庁 異常気象レポート2005
- 異常気象リスクマップ 気象庁
- 悲鳴が悲鳴でなくなる日Narymoto Kuroda
- 大規模水害対策に関する専門調査会 内閣府 防災情報 中央防災会議
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| 経過 | 地球の気候史 : 氷河期 • ヤンガードリアス • 完新世温暖期 • 中世温暖期 • 小氷期 • 過去の気温変化 …その他 地球温暖化問題の経過 : スターン報告 • IPCC第4次評価報告書 • キーリングのカーブ • 近年の地球温暖化対策 |
| 原因 | 要因とメカニズム : 温室効果 (温室効果ガス) • 太陽放射 • 日傘効果 • エアロゾル • アルベド • 吸収源 • 森林破壊 • ヒートアイランド • ミランコビッチ・サイクル • 海洋循環 • 大気循環 • 地殻変動 …その他 気候モデル : GCM |
| 影響 | 気温上昇 • 海面上昇 • 氷河融解 • 異常気象の増加・極端化 • 気候の変化 • 熱塩循環の停止 …その他 |
| 対策 | 緩和策 : 排出量取引 • クリーン開発メカニズム • 共同実施 • 環境税 • 低炭素社会 (オフセット • ニュートラル)• 再生可能エネルギーの利用 • 省エネルギー • 循環型社会 • 吸収源活動 • 二酸化炭素貯留 • 温暖化関連政策 • 温暖化防止活動 …その他
適応策 : 枠組み : IPCC • 京都議定書 • ポスト京都 • 気候変動枠組条約 • APP • ECCP • 世界気候会議 …その他 |
| 議論 | 懐疑論 • 暴走温室効果 • スベンスマルク効果 • ガイア理論 • エコロジー • 地球寒冷化 • ホッケースティック論争 |
| カテゴリ : 気候変動 • 地球温暖化 | |

