西浦直亨

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西浦 直亨
横浜DeNAベイスターズ #39
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 奈良県吉野郡大淀町
生年月日 (1991-04-11) 1991年4月11日(32歳)
身長
体重
178 cm
75 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 遊撃手三塁手二塁手
プロ入り 2013年 ドラフト2位
初出場 2014年3月28日
年俸 2600万円(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

西浦 直亨(にしうら なおみち、1991年4月11日 - )は、奈良県吉野郡大淀町出身のプロ野球選手内野手)。右投右打。横浜DeNAベイスターズ所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

法政大学時代 2013年5月19日 明治神宮野球場にて

大淀町立大淀桜ケ丘小学校3年生の時から野球を始める。ポジションは投手だったが、中学校時代に捕手にコンバートされる。

天理高等学校進学後に内野手へ転向[2]。1年秋から控え選手としてベンチ入りし、3年春・夏には全国大会に出場する。高校の1学年後輩には中村奨吾がいた。

高校卒業後は法政大学に進学。1年春からベンチ入りし、4年春のリーグ戦でベストナインを獲得した。最終的にはリーグ通算62試合に出場し、217打数52安打、打率.240、6本塁打、35打点の成績を残した。

2013年ドラフト会議東京ヤクルトスワローズから2位指名を受け、入団。背番号は3

ヤクルト時代[編集]

2014年は、開幕戦の対横浜DeNAベイスターズ戦(明治神宮野球場)で8番・遊撃手としてプロ初出場、初先発すると、初回の初打席で、大学時代1学年先輩だった三嶋一輝から3点本塁打を放った。開幕戦での新人選手の初打席初球本塁打は日本プロ野球史上初[3]。秋季キャンプ終了後、真中満から徳山武陽古野正人荒木貴裕らと共に、1番成長が感じられた選手の1人に挙げられた[4]

2015年4月28日に、「侍ジャパン大学日本代表 対 NPB選抜」のNPB選抜に選出されたことが発表された[5]。しかし6月25日に、出場辞退したことが発表された[6]。シーズンでは新加入の大引啓次の存在もあり遊撃のレギュラー争いが厳しくなった。

2016年は7月22日の中日ドラゴンズ戦(ナゴヤドーム)ではラウル・バルデスから自身初となる満塁本塁打を打ち勝利に貢献した。9月28日と9月29日の横浜DeNAベイスターズ戦では自身初の2試合連続本塁打を記録している。オフには、シーズン中に結婚していたことを発表[7]

2017年は、内野のレギュラー候補として期待され開幕スタメンにも名を連ねたが、チームが低迷する中で自身も打率.208、本塁打なしと苦戦した。

2018年は、キャンプから廣岡大志との遊撃手の定位置争いを繰り広げたが、オープン戦で結果を残せず開幕スタメンを逃した。しかし、川端慎吾の離脱や廣岡の不振により遊撃手や三塁手として出場機会を得る。川端と大引の復帰後は不振の廣岡に代わり遊撃手のレギュラーに定着。5月から6月は好調で[8]、1番打者としても起用された[9]。9月9日の阪神タイガース戦では2打席連続本塁打を打ち、自身初の2桁本塁打を達成した[10]

2019年は、5月12日の読売ジャイアンツ戦で下半身のコンディション不良を訴え、翌13日に登録抹消となる[11][12]。その後7月8日に一軍に復帰するも[13]、7月18日の巨人戦で左肘を骨折し翌19日に再び登録抹消となった[14][15]

2020年は、6月25日の阪神戦で藤川球児から逆転サヨナラ3点本塁打[16][17]、7月2日の広島戦で2本の同点本塁打を打つなど勝負強い打撃を序盤より見せた。12月21日に「2020スカパー! ドラマティック・サヨナラ賞」の年間大賞を受賞した[18]

2021年は、廣岡が読売ジャイアンツに移籍したことで遊撃手のレギュラーに近い存在になる。オープン戦から結果を出し[19][20]、開幕戦で7番・遊撃手としてスタメンに抜擢された[21]。しかし、開幕から低調な打撃に終始して5月ごろは打率2割を切るなど低迷して、新人の元山飛優にスタメンを譲る機会が増えると、6月末には出場選手登録を抹消され二軍で再調整となった。後半戦途中から復調して一軍に復帰すると元山と併用されながら結果を残し始め、9月には打率.321、OPS.838と活躍。10月8日の阪神タイガース戦では、試合前まで27イニング連続無失点と好投していた髙橋遥人から本塁打を放ち、マジック点灯の立役者となった[22]。シーズン全体では前年を大きく下回る成績に終わるが、2015年には果たせなかった一軍メンバーとして優勝を経験した。

2022年は、開幕一軍入りを果たすも、長岡秀樹の台頭により出場機会が減少[23]。4月14日に登録抹消となった[24]。その後7月に一軍再昇格したが、1週間で再び二軍落ちし、そのまま自己ワーストとなる6試合出場でシーズンを終えた[23]。シーズンオフの契約更改では推定年俸3300万円からダウン提示を受けて更改した[23]

2023年も一軍出場機会は少なく、7月26日までに6試合の出場で打率.167、1打点に留まっていたが、イースタン・リーグでは打率.306、4本塁打、20打点を記録していた[25]

DeNA時代[編集]

2023年7月26日、阪口皓亮とのトレードで横浜DeNAベイスターズへ移籍することが発表された[25][26]。背番号は昨年まで嶺井博希が付けた39。チーム防御率が12球団ワーストの3.64と、投手陣の補強を望むヤクルトと、右打者の内野手を欲したDeNAとの思惑が一致した形となった[27][28]

選手としての特徴[編集]

走攻守においてバランスの良い遊撃手。安定したスローイングなど堅実な守備面での評価が高い[29]。打撃面では、リストが強く、ツボにはまった時は力強い打球を飛ばす[30]

人物[編集]

高校の2学年先輩には元テレビ和歌山テレビ神奈川アナウンサー瀬村奈月がいる。瀬村とは選手とマネージャーの関係であった[31]

2014年度のヤクルトのファン感謝デーで西浦は、投手野手対抗歌合戦のコーナーで三輪正義藤井亮太と一緒にSMAPの『らいおんハート』を熱唱した。三輪、藤井と無難にこなした後を継いだ西浦の独特の音程に、客席からはすぐに笑い声があがったがなかなかの声量で西浦は気持ち良さそうに歌い切った。自己採点はと聞かれると爽やかに「100点だと思います」と答えた西浦にファンからは暖かい拍手が送られた[32]

また西浦は観客やファンサービスを兼ねて東京音頭ホワイトベリーの夏祭りなどを披露することもあるが、ジャイアンリサイタルと言われており、つば九郎が気絶すると言うお約束もある。

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2014 ヤクルト 14 36 32 5 5 1 0 1 9 5 0 0 0 0 4 0 0 6 0 .156 .250 .281 .531
2015 26 48 44 9 13 3 1 1 21 5 1 0 1 0 3 0 0 12 0 .295 .340 .477 .818
2016 72 273 247 21 63 12 0 7 96 28 9 3 2 1 23 0 0 54 3 .255 .317 .389 .706
2017 72 171 144 9 30 6 0 0 36 8 3 0 8 2 16 1 1 31 5 .208 .288 .250 .538
2018 138 550 479 57 116 28 0 10 174 55 1 2 20 3 40 1 8 88 10 .242 .309 .363 .673
2019 44 162 149 17 35 9 0 4 56 19 0 0 2 0 10 0 1 35 6 .235 .288 .376 .663
2020 101 310 286 24 70 10 0 10 110 43 4 2 4 2 16 3 2 74 11 .245 .288 .385 .672
2021 92 276 242 27 54 9 0 5 78 24 1 1 4 3 24 3 3 60 8 .223 .298 .322 .620
2022 6 15 14 0 1 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 8 1 .071 .071 .071 .143
通算:9年 565 1841 1637 169 387 78 1 38 581 187 19 8 42 11 136 8 15 368 44 .236 .299 .355 .654
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



二塁 三塁 遊撃




































2014 ヤクルト - - 13 13 23 2 2 .947
2015 - 2 0 0 0 0 .000 23 19 38 0 5 1.000
2016 2 1 0 0 0 1.000 37 18 43 0 2 1.000 46 64 112 4 18 .978
2017 - 23 2 27 0 3 1.000 47 39 100 4 18 .972
2018 - 14 7 21 0 4 1.000 127 183 381 11 71 .981
2019 - - 43 58 92 3 15 .980
2020 - 30 16 36 4 2 .929 65 73 158 2 29 .991
2021 - 6 0 1 0 0 1.000 82 100 199 10 53 .968
2022 - - 5 5 14 1 1 .950
通算 2 1 0 0 0 1.000 102 43 128 4 7 .977 451 554 1117 37 212 .978
  • 2022年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰[編集]

記録[編集]

初記録
その他の記録

背番号[編集]

  • 3(2014年 - 2023年7月27日)
  • 39(2023年7月28日 - )

登場曲[編集]

代表歴[編集]

出典[編集]

  1. ^ ヤクルト - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2022年12月8日閲覧。
  2. ^ 2013年プロ野球ドラフト 西浦直亨”. スポニチアネックス. 2014年3月16日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ a b 西浦 プロ野球史上初の3点弾は「体が勝手に反応した」”. スポーツニッポン (2014年3月28日). 2014年3月28日閲覧。
  4. ^ 【秋季キャンプ第4クール最終日】キャンプ打ち上げ! 真中監督は「100点! 想像以上の内容だった」”. 東京ヤクルトスワローズ (2014年11月21日). 2021年6月5日閲覧。
  5. ^ 侍J大学代表vsNPB選抜 メンバー発表”. 日本野球機構 (2015年4月28日). 2015年5月24日閲覧。
  6. ^ ユニバーシアード 日本代表壮行試合 NPB選抜チーム出場選手変更のお知らせ”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト (2015年6月25日). 2015年6月26日閲覧。
  7. ^ ヤクルト西浦が結婚「知的で品がある」元CA美人妻”. 日刊スポーツ (2016年12月19日). 2019年10月20日閲覧。
  8. ^ 衝撃デビューから4年…ヤクルト・西浦直亨、プロ5年目の進化”. BASEBALL KING (2018年5月21日). 2021年5月29日閲覧。
  9. ^ ヤクルト西浦、新1番のひと振りで連敗止めた”. 日刊スポーツ (2018年6月25日). 2019年10月20日閲覧。
  10. ^ ヤクルト西浦直亨が2打席連発で自身初2桁10号”. 日刊スポーツ (2018年9月19日). 2019年10月20日閲覧。
  11. ^ ヤクルト・西浦、下半身に痛み”. SANSPO.COM(サンスポ) (2019年5月13日). 2020年4月29日閲覧。
  12. ^ 【セ・リーグ公示】5月13日 ヤクルト・西浦が抹消”. SANSPO.COM(サンスポ) (2019年5月13日). 2020年4月29日閲覧。
  13. ^ 【セ・リーグ公示】7月8日 ヤクルト・バレンティンが登録”. SANSPO.COM(サンスポ) (2019年7月8日). 2020年4月29日閲覧。
  14. ^ ヤクルト・西浦、登録抹消へ 17日の巨人戦で左肘を負傷”. SANSPO.COM(サンスポ) (2019年7月18日). 2020年4月29日閲覧。
  15. ^ ヤクルト・西浦、左肘骨折 17日巨人戦の守備で走者と交錯”. SANSPO.COM(サンスポ) (2019年7月20日). 2020年4月29日閲覧。
  16. ^ 【ヤクルト】西浦直亨の代打逆転サヨナラ弾はチーム10年ぶり、高津監督「いい存在」”. スポーツ報知 (2020年6月25日). 2021年5月3日閲覧。
  17. ^ ヤクルト・西浦、代打で逆転サヨナラ弾 球児撃ち、激アツ神宮劇場”. SANSPO.COM(サンスポ) (2020年6月26日). 2021年5月3日閲覧。
  18. ^ ヤクルト西浦「打席で見られる幸せ」藤川斬り回想”. 日刊スポーツ (2020年12月21日). 2021年6月5日閲覧。
  19. ^ 【ヤクルト】西浦直亨がオープン戦2号ソロ「力負けせず」 3戦ぶり一発で開幕スタメンへ前進”. スポーツ報知 (2021年3月9日). 2021年6月5日閲覧。
  20. ^ ヤクルト西浦が3号満塁弾「一発で仕留めることができた」”. 東スポWeb – 東京スポーツ新聞社 (2021年3月19日). 2021年6月5日閲覧。
  21. ^ スタメン2021年3月26日(金) vs. 阪神 JERA セ・リーグ公式戦 神宮”. 東京ヤクルトスワローズ (2021年3月26日). 2021年6月5日閲覧。
  22. ^ 【ヤクルト】西浦直亨が左翼ポール直撃弾「うまく反応」引き分け以上でマジック点灯”. スポーツ報知 (2021年10月8日). 2021年11月19日閲覧。
  23. ^ a b c 【ヤクルト】西浦直亨が自己最少6試合出場「ダウン」「悔しいシーズン」…長岡の成長で2軍生活続く”. スポーツ報知 (2022年12月8日). 2023年3月9日閲覧。
  24. ^ 中日勝野、巨人戸田、ヤクルト西浦直亨ら抹消 ソフトバンク笠谷ら登録/14日公示” (2022年4月14日). 2023年7月27日閲覧。
  25. ^ a b “電撃トレード ヤクルト西浦直亨内野手とDeNA阪口皓亮投手 7・31期限前に同一リーグ成立”. 日刊スポーツ. (2023年7月26日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/202307260000215_m.html 2023年7月27日閲覧。 
  26. ^ 阪口皓亮選手と東京ヤクルトスワローズ 西浦直亨選手のトレードについて”. 横浜DeNAベイスターズ (2023年7月26日). 2023年7月27日閲覧。
  27. ^ “ヤクルト・西浦直亨とDeNA・阪口皓亮の緊急トレードが成立 超異例のシーズン中に同一リーグで”. サンケイスポーツ. (2023年7月26日). https://www.sanspo.com/article/20230726-K2I5DQVEBRIATOZE64RNSSUUDI/ 2023年7月27日閲覧。 
  28. ^ “【DeNA】トレードの背景 ヤクルト西浦直亨は補強ポイント 阪口皓亮は新天地で飛躍の可能性”. 日刊スポーツ. (2023年7月26日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/202307260000653_m.html 2023年7月27日閲覧。 
  29. ^ プロ野球ドラフト会議”. 東京ヤクルトスワローズ公式サイト (2013年10月24日). 2013年10月24日閲覧。
  30. ^ 神宮つばメ~ル(第1、3月曜更新) : 第39回 ドラフト2位・西浦直亨、3拍子揃った背番号3”. スポーツコミュニケーションズ (2013年11月4日). 2014年7月16日閲覧。
  31. ^ 瀬村奈月 (2022年5月20日). “三浦大輔監督は急いでいても足を止めて…元tvkアナウンサーがベイスターズと過ごした“勉強の日々””. 文春オンライン. 文藝春秋. 2023年7月26日閲覧。
  32. ^ ヤクルト西浦の美声?にファン沸く”. 日刊スポーツ (2014年11月23日). 2016年11月25日閲覧。
  33. ^ a b c d “ヤクルト西浦プロ初打席で初球ホームラン”. 日刊スポーツ. (2014年3月29日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/p-bb-tp0-20140329-1276995_m.html 2023年7月27日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]