さくら (2002年のテレビドラマ)
連続テレビ小説 | ||
通番 | 題名 | 放映期間 |
第65作 | ほんまもん | 2001年10月1日 - 2002年3月30日 |
第66作 | さくら | 2002年4月1日 - 9月28日 |
第67作 | まんてん | 2002年9月30日 - 2003年3月29日 |
さくら | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
脚本 | 田渕久美子 |
出演者 | #登場人物 |
ナレーター | 大滝秀治 |
製作 | |
制作 | NHK放送センター |
放送 | |
放送国・地域 | ![]() |
放送期間 | 2002年4月1日 – 9月28日 |
放送時間 | 15分 |
放送枠 | 連続テレビ小説 |
『さくら』は、2002年度上半期のNHK連続テレビ小説(第66作)。
連続テレビ小説ではこの作品から、BShi放送用に全編ハイビジョン映像で撮影されるようになり放送枠が追加された[1]。
各放送時間は、
- デジタルBShi (HD) 初回放送 月 - 土曜 7:30 - 7:45、
- アナログBShi (HD) 初回放送 月 - 土曜 7:30 - 7:45、
- デジタルBS2 (SD) 初回放送 月 - 土曜 7:30 - 7:45、
- アナログBS2 (SD) 初回放送 月 - 土曜 7:30 - 7:45、
- アナログ総合テレビ (SD) 初回放送 月 - 土曜 8:15 - 8:30、
- アナログ総合テレビ (SD) 再放送 月 - 土曜 12:45 - 13:00、
- デジタルBS2 (SD) 再放送(一週間分) 土曜 9:30 - 11:00、
- アナログBS2 (SD) 再放送(一週間分) 土曜 9:30 - 11:00。
デジタルBShiとアナログBShiはサイマル放送、デジタルBS2とアナログBS2はサイマル放送。また、現在と違い当初はBShiとBS2の初回放送は同時間帯に放送されていたため、月〜土曜の7:30 - 7:45は4つのチャンネルで、土曜の9:30 - 11:00は2つのチャンネルで同番組が放送されていた。
また、2007年4月2日 - 9月29日までアンコール放送された(BS2月 - 土曜 7:45 - 8:00、NHKワールド)。
概要[編集]
ヒロインオーディションには2512人が応募した[2]。
今までの作品は、4月・10月の「第一月曜日」から9月・3月の「最終週」まで放送されていたため、最終回が月を跨ぐ事が常だったが、この作品から9月・3月の「最終土曜日」に終わるようになった(ただし、10月・4月2日が土曜・日曜の場合は例外)。そのためドラマの話数の方も1週分減ったため、週6で放送された最後の作品、2019年度下半期の『スカーレット』まで全150話になることが多かった[3]。
2002年の初放送時の平均視聴率は23.3%、最高視聴率は27.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)[4]。
次作ヒロインへのバトンタッチセレモニーは万博記念公園(大阪府吹田市)にある太陽の塔で行われた[5]。
視覚障害者向けの解説放送は、前作『ほんまもん』を以て卒業した関根信昭の後任として、江原正士が本作から担当した。
完全版DVDは未発売。
あらすじ[編集]
舞台は、岐阜県(旧高山市・古川町・郡上八幡)、東京都、ハワイ州ホノルル。
ヒロインのエリザベス・さくら・松下(スタッフロールでは「松下さくら」と表記されている・高野志穂)はアメリカ、ハワイ生まれの日系4世(父が日系3世、母が日本人)。ハワイ大学在学中に岐阜県・飛騨地方の男子中学校にALTとして赴任し、下宿先で目の当たりにした嫁姑バトルなど日本文化とのギャップを痛感しつつ成長していきながら、日本の中学生と交流していく様をさわやかに描いた。
スタッフ[編集]
- 作 - 田渕久美子
- 音楽 - 小六禮次郎
- テーマ音楽指揮 - 竹本泰蔵
- サックス演奏 - 須川展也
- 演奏 - エドヴァ☆シンフォニカー
- 英語教育指導 - 吉田研作
- ハワイ英語指導 - 小泉珠代
- 飛騨ことば指導 - 荒木優騎(庄司照男役を兼任)
- 舞踊指導 - 若柳禄寿
- 和ろうそく指導 - 三嶋順二
- 指圧指導 - 宮本俊和
- フラダンス指導 - 上原まき
- 出産指導 - 三宅はつえ、大葉ナナコ
- コーディネーター - コーキ西谷
- 撮影協力 - 岐阜県、岐阜県高山市、岐阜県古川町(現・飛騨市)、ハワイ観光局、日本鑑賞魚振興会
- 資料提供 - ビショップ博物館
- 語り - 大滝秀治(松下武朗役を兼任)
- 副音声解説 - 江原正士
- 制作統括 - 吉川幸司
- 制作 - 青木信也
- 美術 - 竹内光鷹、岡島太郎
- 技術 - 市川隆男、佐々木喜昭
- 音響効果 - 浜口淳二、太田岳二、片平洋資
- 記録 - 野田茂子
- 編集 - 岩崎幹子
- 撮影 - 小笠原洋一、安藤清茂
- 照明 - 中村正則、笠原竜二
- 音声 - 鈴木克明、三神強
- 映像技術 - 片岡啓太、堀田恵子、寺島朗、竹屋佳亮
- 美術進行 - 小山隆、窪喜圭、田中裕、関本千恵
- 演出 - 清水一彦、藤澤浩一、佐藤譲/新田真三、木村明広、三鬼一希
挿入歌[編集]
- 『桜景』
- 『四季のさくら』
作詞 - 麻生香太郎、作曲・編曲 - 小六禮次郎、歌 - 森公美子(松本なよ子役)
登場人物[編集]
松下家(ハワイ・ホノルル)[編集]
- 松下さくら(エリザベス・さくら・松下) - 高野志穂
- 本作のヒロイン。ハワイ生まれの日系4世で、来日してあけぼの中学校に英語指導助手として赴任する。
- 松下武朗(ジェームス・武朗・松下) - 大滝秀治(語り兼任)
- さくらの父方の祖父、物語開始時点で既に故人。日系2世だが、先祖は飛騨白川郷の出身。
- 松下淑子 - 津島恵子(回想では浅井江理名)
- さくらの父方の祖母。日本生まれで飛騨高山出身。
- 松下一朗(アンソニー・一朗・松下) - 寺泉憲
- さくらの父。高校教師。日系3世。
- 松下響子 - 太田裕美
- さくらの母。旧姓は神山。日本生まれで実家は東京の神山養魚場。
- 松下もも(ステファニー・もも・松下) - 板倉香
- さくらの妹。
- ロバート・ホフマン - セイン・カミュ
- さくらの恋人で婚約者だったが、後に破局する。通称“ロビー”。
- マイケル・ホフマン - マーティ・キーナート
- ロバートの父。息子のロバートがさくらと結婚する事を楽しみにしていた。ハワイの事を冗談で"ハワチ"と言ったりするなどお茶目な一面もある。
神山家(東京・神山養魚場)[編集]
- 神山功 - 小林亜星
- さくらの母方の祖父。神山養魚場の場長。意地っ張りな頑固親父であり、外国人を見下す程である。そのため娘の響子がハワイに住む日系人の一朗と結婚したため彼女と折り合いが悪くなったが、後に和解する。
- 神山はま - 中村メイコ[6]
- さくらの母方の祖母。夫といつも口喧嘩ばかりしているが、夫婦仲は非常に良い。
- 川口良彦 - 新井康弘
- 神山養魚場の従業員。功は自身を響子の夫にさせたがっていた。離婚歴がある。後に沼田みどりに交際を申し込む。
- 女性記者 - 小野真弓
- 神山養魚場を取材する。
- 校長 - 左右田恒夫
沼田ろうそく店(さくらの下宿先、古川町)[編集]
主人公の下宿先が和蝋燭店という設定だったため、古川町にある店には注文が殺到し、観光客増加も惹起した。
- 沼田孫作 - 奥村公延
- 沼田ろうそく店の店主。健一の父で、大介の祖父。ろうそく作りの仕事を長年続けているベテランのろうそく職人である。職人気質で頑固一徹な性格であり、息子の健一をなかなか一人前のろうそく職人だと認めない程である。
- 沼田たね - 佐々木すみ江
- 孫作の妻で、大介の祖母。筆子とは折り合いが悪くていつも喧嘩ばかりしている。
- 沼田健一 - 河西健司
- 孫作とたねの息子で、大介の父。実家のろうそく店を継ぐためにろうそく作りの修業に励むが、父からはまだ一人前のろうそく職人だと認められていない。
- 沼田筆子 - 浅田美代子
- 健一の妻で、大介の母。さくらの相談役。姑のたねとは折り合いが悪くていつも喧嘩ばかりしている。
- 沼田省一 - 飯泉征貴
- 健一と筆子の長男で、大介の兄。さくらに片想いするが、あえなく玉砕してしまう。長男でありながら実家のろうそく店を継ぐ気はなく、役所で働いている。
- 沼田佳奈子 - 長澤まさみ
- 健一と筆子の長女。省一の妹、大介の姉。高校生。
- 沼田大介 - 江成正元
- 健一と筆子の次男で、省一と佳奈子の弟。さくらのクラスの生徒。後に、実家のろうそく店を継ぐ決意を固める。
- 沼田(鮎沢)みどり - 熊谷真実[7]
- 健一の妹。夫と不仲になって離婚し、沼田家に戻ってくる。
- 鮎沢信也 - 斉藤洋介
- みどりの夫だったが、離婚する。
- 沼田さくら - 諏訪汐香
- 信也・みどりの長女。劇中で誕生。
- 沼田(鮎沢)拓也 - 阿部修也
- 信也とみどりの子。
あけぼの中学校(さくらの赴任先、飛騨高山)[編集]
私立の男子校という設定。なお、舞台となった地域では実際には私立中学校は存在しない。
- 桂木慶介 - 小澤征悦
- 体育担当。快活な性格で生徒から慕われる人気教師。世話好きで何かとさくらの面倒を見るうちに、やがて魅かれていく。実はアメリカへの留学経験があり、MBAも取得している。
- 沢田純一郎 - 野口五郎
- 英語担当。生徒の成績と進学しか頭に無いが、さくらに振り回されていくうちに考えを改めていく。
- 竹下徹 - 笹野高史
- 教頭、数学教師。中曽根校長におもねってばかりいるが、生徒に対する責任感が厚い。
- 中曽根正晴 - 江守徹
- 校長、英語教師。さくらのよき理解者。
- 曙大作 - 内藤武敏(回想では草野康太)
- 理事長。若い頃、淑子の恋人だったが、太平洋戦争で生き別れる。東京在住の一人暮らし。後に理事長を辞職し、淑子を追ってホノルルへ移住する。
- 花園まどか - 鍵本景子
- 理科担当。
- 守口武 - 見栄晴
- 社会担当、まどかと交際している。
- 矢富信吉 - 岩崎ひろし
- 教務主任、国語担当
- 勅使河原容子 - 今村恵子
- 養護担当、慶介に好意を抱いている。
- 庄司照男(数学担当) - 荒木優騎(飛騨ことば指導を兼任)
- 大庭弘子(美術担当) - 高村尚枝
- 遠山洋平(家庭科担当) - 豊嶋稔
- 雪村哲治(音楽担当) - 岸本光正
- 井上雅彦(国語担当) - 加藤千秋
- 寮母 - 此島愛子
- 慶介が住む学校寮(校内に併設)の管理人。本名は山中育子(さくらへのお別れプレゼントを渡すときにやっと判明する)。
- 竹内遼平 - 川本貴則
- さくらのクラスの生徒。大介の友人
- 小田哲平 - 安藤奏
- さくらのクラスの生徒。大介の友人
- 牛丸彰 - 小林元樹
- さくらのクラスの生徒。大介の友人
- 大久保潤 - 石原裕人
- さくらのクラスの生徒。大介の友人
- PTA会長 - 藤田宗久
- PTA役員 - 福井裕子、松田智恵子、横尾香代子
岐阜・飛騨高山の人々[編集]
- レオナルド - ラモス瑠偉
- 豆腐料理「〈俺〉鳴門」(俺が上下逆で「れおなるど」)の主人。ブラジル人。
- 夏子 - 鈴木砂羽
- レオナルドの妻。
- ベン - ケント・デリカット
- 〈俺〉鳴門の常連客。アメリカ人。大工の勉強のためユタ州から来日。
- アイーシャ - ディア・ベネディクト
- 〈俺〉鳴門の常連客。セネガル出身。陶芸を学ぶために来日。
- イボンヌ - マサボ・イザベル・ナオミ
- 〈俺〉鳴門の常連客。フランス人。短期大学で日本酒を研究。
- ハワイアン歌手 - KONISHIKI
- マイケルが文化祭のために呼んだ歌手。
- ハワイアンバンド - 山内雄喜、上原まき
- ハワイアン歌手の演奏担当。
- 徳富静山 - 沼田曜一
- 書道の先生。
- 松本なよ子 - 森公美子
- 沢田の元妻。
- 中曽根富士子 - 大川栄子
- 中曽根校長の妻。
- 篠崎えりか - 石田未来
- 大介の交際相手。
- 野本トキ - 冨士眞奈美
- 産婆、みどりの出産を手伝う。
- 倉持 - 安藤麗二
- 竹下教頭の元教え子。地上げ屋の手下として登場、始め豆腐料理「〈俺〉鳴門」の立ち退かせに加担していたが、教頭やさくらに説得され次第に改心していく。
- 海原涼子 - 辻沢杏子
- 中西 - 井沢勉
- 地主 - 吉野悠我
- 医者 - 梅田宏
- 通行人 - 原一平
- 近所の人 - 加世幸市、山口みよ子
郡上八幡(桂木慶介の実家)の人々[編集]
演出[編集]
この作品から、番組末尾5秒のエンドカードを利用したミニコーナーが取り入れられた[8]。
本作では、AからZの順に毎週1つ、その文字で始まる英単語を高野が紹介した(年末の総集編は季節の英語読み)。
Apple, Balloon, Candle, Door, Earth, Family, Gift, Hammer, Iron, Jelly, King, Love, Magic, Nose, Onion, Penguin, Question, Rainbow, Skirt, Teacher, Ukulele, Vampire, Wing, X-ray, Yellow, Zipper
ナレーションのさくらの祖父(大滝秀治)が、毎週土曜日の放送の終わりに「それではまた来週。See You Next Week」などと英語での挨拶を行った(最終回のみ「それではまたいつか。See You Again」となった)。ちなみに、最終週の演出のZipperは、ジッパー(ファスナー)が開いてそこから高野が現れるという段取りであったが、最終回(土曜日)のみ高野が後ろで手を振り、ジッパーがしまっていく段取りになっていた。
受賞[編集]
- 第34回ザテレビジョンドラマアカデミー賞
- 新人俳優賞(高野志穂)
放送飛ばし事故[編集]
2002年9月20日(金曜日)の総合テレビでの放送で誤って翌日の21日(土曜日)分の放送を流してしまい、視聴者から7000件以上の苦情が来た。本来、土曜日に流れるはずの「See You Next Week.」(上述)が金曜日に流れて疑問に思った視聴者も多くいた。原因は放送テープの取り違え。BSでは通常通りに放送されていた。
NHKはニュースと12:44の特設枠で謝罪放送を行った上で、次のように対応した。
- 20日放送分の本放送を本来の再放送時間帯に臨時枠移動(つまり、12:45枠は当初予定の内容が放送された)。
- 21日の本来の本放送時間帯に20日の再放送を臨時枠移動。
- 21日の本放送(20日に誤って放送されたものと同じ)を15分繰り下げ。
この結果、21日朝には2話連続で放送された[9]。後日、確認ミスをした担当者は処分を受けた[10]。
総集編エピソード[編集]
- 第1回「雨降って地固まる」
- 第2回「親の心子知らず」
- 第3回「明日は明日の風が吹く」
- 最終回「かわいい子には旅をさせよ」
舞台化[編集]
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ^ NHK放送文化研究所 編集 『NHK年鑑2003』日本放送出版協会、2003年、125,160頁。
- ^ 「さくら」で見つけよう!ニッポン ~NHK番組制作局ドラマ番組部 チーフ・プロデューサー 吉川幸司 氏~ - TOEFL Mailmagazine Vol.9、2002年8月23日に配信
- ^ 放送年表 | 朝ドラ100 | NHK放送史 | NHKアーカイブス
- ^ ビデオリサーチ NHK朝の連続テレビ小説 過去の視聴率データ
- ^ バトンタッチ「さくら」→「まんてん」
- ^ 中村メイコ - NHK人物録
- ^ 熊谷真実 - NHK人物録
- ^ NHK放送文化研究所 編集 『NHK年鑑2003』日本放送出版協会、2003年、345頁。
- ^ NHK「さくら」1話飛ばし放送,スポーツニッポン,2002年9月21日
- ^ NHK紅白 司会は局アナ,スポーツニッポン,2002年10月4日
外部リンク[編集]
- NHK公式サイト(左記オリジナルURLのアーカイブ1(2002.8.2時点)、アーカイブ2(2002.10.1時点))
- 連続テレビ小説 さくら - NHK放送史
- NHKドラマ 連続テレビ小説「さくら」
- NHK朝ドラ100 第66作「さくら」 - NHKアーカイブス
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