たまゆら (テレビドラマ)

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たまゆら
ジャンル ドラマ
原作 川端康成
脚本 山田豊、尾崎甫
出演者 笠智衆
加藤道子
ほか
ナレーター 坂本和子
時代設定 現代
製作
制作 NHK
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1965年4月5日 - 1966年4月2日
放送時間月曜 - 土曜8:15 - 8:30
放送枠連続テレビ小説
放送分15分
番組年表
前作うず潮
次作おはなはん
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たまゆら』は、NHK連続テレビ小説の第5作。1965年昭和40年)4月5日から1966年(昭和41年)4月2日まで放送された[1]

あらすじ[編集]

会社を引退した老人が、第2の人生の門出に、『古事記』を手に旅に出る。

内容[編集]

川端康成が初めてテレビのために書き下ろした作品[注 1]。川端は他の仕事を見合わせて原作を執筆し、ロケにも同行、エキストラとしてカメオ出演している。

本作では宮崎市日南海岸の観光地で広くロケを行っている点に特徴がある。これは取材旅行で宮崎を訪問した川端がその景色を気に入り、ドラマの舞台に選定したからである。なかでも気に入ったのが夕陽に映える大淀川で、「大淀川は広いし、橘橋[注 2]はきれいだ。これに夕日があれば宮崎の宝だ」と、橘公園一帯からの眺めを絶賛している。ドラマでも、矢野周一夫妻が、橘公園のロンブルテントから夕日を眺めるシーンが放送されている。このドラマの影響で、宮崎への新婚旅行ブームがさらに高まり、「観光宮崎」が最高潮を迎えるきっかけとなった。

男性の単独主演の作品は、本作の放送後『ロマンス』まで途切れる(『旅路』は女優との共同主演)。また、主演の笠智衆は、歴代朝ドラ主演としてはシリーズ5作目にして最後の大正以前の生まれとなった(次作からは全て1926年以降の生まれである)[注 3]

なお、再放送時間が月 - 土12:40 - 12:55体制は本作までで、次作『おはなはん』より現在と同じ月 - 土12:45 - 13:00となる。

2015年10月、川端康成による直筆原稿が神奈川県鎌倉市の川端邸で発見された[2]

映像の喪失[編集]

当時の放送用VTRはテープ・機器とも高価だったうえ、著作権法の縛り等で番組の保存が原則行えず、本作を収録した全話のマスターテープは他の番組収録に使い回された。それ故にNHKに映像は現存していないため本作は再放送もソフト化も不可能である。撮影風景などを収めたニュースフィルムのみが現存している。

視聴率[編集]

1965〜66年の平均視聴率は33.6%、最高視聴率は44.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)[3]

キャスト[編集]

ほか

スタッフ[編集]

備考[編集]

東京制作としては、メインビジュアルを作成した最初の作品である[4]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 川端は1951年に本作と同題名の小説『たまゆら』を発表しているが、連続テレビ小説の原作として使用されたのは川端自身による新規のオリジナル作品であった。
  2. ^ 現在架設され供用されている6代目橋梁ではなく、1932年に完成して1975年まで供用されていた5代目橋梁である。
  3. ^ 笠智は1904年(明治37年)生まれ。

出典[編集]

外部リンク[編集]

NHK 連続テレビ小説
前番組 番組名 次番組
うず潮
(1964年度)
たまゆら
(1965年度)
おはなはん
(1966年度)
NHK 月~土12:40 - 12:55枠
うず潮
たまゆら(再放送)
月-シャープさんフラットさん
火-ひるの歌謡曲
水-テレビ演芸館
木-若い民謡
金-リズムにのって
土-モダン寄席
※全て12:20 - 12:45
【全て5分繰下げ】
おはなはん(再)
※12:45 - 13:00