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虎に翼

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
虎に翼
虎に翼ロゴ
ジャンル テレビドラマ
吉田恵里香
演出 梛川善郎
安藤大佑
橋本万葉
伊集院悠
出演者 伊藤沙莉
石田ゆり子
岡部たかし
仲野太賀
森田望智
上川周作
三山凌輝
土居志央梨
桜井ユキ
平岩紙
ハ・ヨンス
岩田剛典
戸塚純貴
和田庵
田中要次
高橋努
塚地武雅
平埜生成
小林涼子
安藤輪子
中村育二
田中真弓
高橋克実
筒井真理子
平田満
岡田将生
沢村一樹
滝藤賢一
松山ケンイチ
小林薫
ナレーター 尾野真千子
音楽 森優太
オープニング 米津玄師
さよーならまたいつか!
国・地域 日本の旗 日本
言語 日本語
時代設定 1931年昭和6年) -
製作
制作統括 尾崎裕和
プロデューサー 石澤かおる
舟橋哲男
徳田祥子
製作 NHK
放送
放送チャンネルNHK総合
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2024年4月1日 -
放送時間月曜 - 金曜 8:00 - 8:15
放送枠連続テレビ小説
放送分15分
回数130(予定)
公式サイト
番組年表
前作ブギウギ
次作おむすび

特記事項:
2024年6月29日までは令和6年能登半島地震に伴い、BS103チャンネル(旧BSプレミアム)で『総合テレビ(石川県内)同時放送』としてサイマル放送[1][2][3]
テンプレートを表示
主人公のモデル・三淵嘉子

虎に翼』(とらにつばさ)は、2024年令和6年)度前期放送のNHK連続テレビ小説」第110作である[4]。2024年4月1日から放送中。吉田恵里香作、伊藤沙莉主演[4]

「虎に翼」は、中国の法家・韓非子の言葉で[5]「鬼に金棒」と同じく「強い上にもさらに強さが加わる」の意味[6]であり、日本書紀の中でも引用されていることわざ

制作[編集]

主人公のモデル・三淵嘉子が在学した明治大学・3代目記念館

2023年2月22日、制作が発表された[6]。原作は存在せず、日本で初めて女性として弁護士判事、裁判所長それぞれを務めた三淵嘉子をモデルに、オリジナルストーリーのフィクションとして制作される[7][6]

ヒロイン選定に際してはオーディションは行われず、2022年末にNHK側から伊藤側へオファーされた[8]。伊藤は、2017年度前期の『ひよっこ』以来2回目の朝ドラ出演となる[8]

NHKは出演者として、2023年7月31日に主人公の寅子と一つ屋根の下で暮らす猪爪家の人々[9]、8月1日に寅子が通う明律大学の仲間たち[10][11]、8月2日に「法の世界」の先達たち[12][13]を、それぞれを発表する。

9月28日につくばみらい市のオープンセットでクランクイン[14]して、番組ロゴを発表する[14]。番組主題歌として米津玄師さよーならまたいつか!」を採用することを、2024年1月18日に発表する[15]

2011年(平成23年)度後期『カーネーション』でヒロインを務めた尾野真千子が、本作品で語りを担当することを1月19日に発表する[16]。この尾野のナレーションについては初週から、主人公の心の声となっていて心地よいなどと話題になった[17]

出演者として、1月25日に法を学ぶ寅子が出会う人々[18]、1月26日に寅子の運命を導く人々[19]を、それぞれ発表する。

2月29日には、森優太が音楽を担当することを発表して、メインビジュアルを公開し[20]、公式ウェブサイトを開設した。

衛星波のBSBSプレミアム4Kで土曜日に1週間分をまとめて再放送する『今週の連続テレビ小説』の放送時間が、BSは8時15分 - 9時30分に、BSプレミアム4Kは10時15分 - 11時30分に変更となるほか、地上波の週末ダイジェスト版(土曜8時初回)の放送のうち、日曜11時の回が廃止された[21]

あらすじ[編集]

第1週 - 第9週[編集]

昭和6年(1931年)の東京。女学生の猪爪寅子は母親のはるの勧めで気乗りしないお見合いを続けていた。下宿人の佐田優三の夜学に弁当を届けにいった寅子は、教鞭を取る桂場等一郎穂高重親に出会う。穂高から明律大学女子法科への進学を勧められた寅子は願書を提出するが、はるは猛反対する。後日、桂場が寅子に「時期尚早」と言うのを聞いたはるは激怒し、その足で書店に赴き寅子に六法全書を買い与える。こうして寅子は念願の進学を許されたのだった。

昭和7年(1932年)春、晴れて女子法科に入学した寅子は、華族の桜川涼子、弁護士夫人の大庭梅子、留学生の崔香淑と同じ二期生になる。しかし一期生は80人の入学者が7人しか残らなかったこと、男子学生に嘲笑されたり縁談を断られたりと困難な状況にあることを知る。さらに女子に弁護士資格を与える法改正が延期される。学校を飛び出した山田よねを追いかけた寅子は東京地方裁判所で離婚裁判を傍聴。離婚できない妻が夫から着物を取り返せないと聞いて立腹するが、法律上どうすることもできないとよねに言われる。翌日穂高にこのことを質問すると、穂高は生徒たちに弁護を考えさせる。穂高と女生徒たちは裁判を見学。「権利の濫用」を理由に妻が勝訴。寅子は「法律は人を守るもの」と理解する。

寅子が入学して1年、大量の退学者と入学者の減少で女子部は存続の危機にあった。寅子たちは「毒まんじゅう事件」をモデルにした法廷劇上演を計画。皆と距離を置くよねも加わり本番を迎えるが、男子学生たちが野次で進行を妨害し、食ってかかったよねが突き飛ばされる。劇は中止に追い込まれ、その上新聞に興味本位で掲載され、学長から注意される。寅子たちは怪我をしたよねから辛い生い立ちを聞く。寅子はよねと和解するため猪爪家でまんじゅうを作って事件を検証し、事件の不自然さに気付く。涼子は学長が客の興味をひくため脚本の改変をしていたことを告白する。話し合う寅子たちを見て、花江は誰にも褒めてもらえないと泣きだす。よねはいらだつが寅子は弱音に寄り添うことを呼びかける。昭和10年(1935年)春、寅子たちは女子部を卒業し、共学の本科に進む。

寅子たちは法学部へ進学。予想に反して男子学生たちは女子たちを友好的に迎える。ある日穂高に代わって梅子の夫の大庭徹男が教壇に立つ。徹男は判例を紹介しながら、妻の梅子の容姿や能力をくさす。後日男子と女子はハイキングに行く。梅子は末の息子の光三郎を連れてきていたが、男子学生が徹男の妾の話をするの聞いて寅子が止めに入る。花岡は寅子と口論の末崖から落ちて大けがをして入院。梅子は女子部に進学した理由を告白する。花岡は退院の日、轟に説教されて梅子に謝罪し寅子も花岡と和解した。その直後に寅子が帰宅すると、玄関に多数の男がおり、はるがその人らに向けて土下座する様子を目にする。直言が突然贈賄の疑いで逮捕され、検察が猪爪家へ家宅捜索に来たとのこと。事件は「共亜事件」(用語参照)と報道され寅子も大学に行けない日々が続いた。麻布の笄町では新聞記者に監視される猪爪家に花岡と穂高がこっそり訪ねてくる。

穂高は直言の弁護を引き受ける。寅子は大学に復帰。逮捕から4か月後の10月、裁判前の予審で罪を自白した直言が帰宅する。寅子ははるの手帳の記録をもとに直言を問い詰め、ついに無実との証言を引き出す。穂高は寅子を共亜事件被告人の弁護士たちに引き合わせ、無実を主張すると話す。証拠集めをする寅子は暴漢に襲われ、新聞記者の竹中に助けられるが、首をつっこむなと言われる。裁判官は桂場も務めることになる。昭和11年(1936年)1月第1回公判。直言は予審で自白を強要されたと無実を訴える。弁護人の穂高たちは無実の証拠を検察に次々突き付ける。昭和11年(1936年)12月、16人の被告全員が無罪となる。判決文を書いた桂場は寅子に裁判官になりたいのかと問う。

昭和12年(1937年)6月、寅子らは高等試験に臨むが、不合格となる。女子部出身者の合格者がゼロとなったため、明律大学は翌年以降の女子部の募集を中止すると発表した。香淑をはじめ女子部出身者一同は、次は必ず合格する、あと1年だけ待ってほしいと大学側に頼み込む。穂高からの助言もあり、学長は来年度の試験で合格者がでれば女子部の募集を再開すると決断する。時が経ち、昭和13年、弁護士事務所で働きつつ勉強を続け、再度高等試験に臨んだ寅子は先輩の久保田、中山とともに合格を勝ち取る。しかし、この1年間に同期の涼子や梅子、香淑らが家庭事情などから法曹の道を断念。よねは口述試験の最後に試験官から容姿に難癖をつけられ反発、不合格となる。3人の合格祝賀会で新聞記者からの質問に対し、男女関係なく弱者を助ける弁護士になりたいと寅子は宣言。場はしらけ、翌日の新聞ではほぼ全紙が黙殺する一方、竹中だけは寅子の主張を前向きに紹介する記事を書いていた。

昭和14年(1939年)、寅子は修習生として雲野法律事務所で働き始める。一方、花岡は修習後の試験に合格し裁判官として佐賀地裁に赴任する。二人は互いに惹かれあっていたが、裁判官と弁護士というそれぞれの道を進むことを選ぶ。一年半の修習期間を無事に終えた寅子は弁護士資格を取得したが、女性だからと客に弁護を断られる日々が続く。意気消沈する寅子は、婚約者と連れ添って歩く花岡とばったり出会う。未婚が社会的に信頼されない理由の一つであることから、結婚するために寅子は再びお見合いすると決め、両親に頭を下げ相手を探してもらう。しかし、相手探しは難航。そんななか、寅子が結婚相手を探していると聞いた優三が「僕じゃ駄目でしょうか?」とプロポーズ、寅子は優三を夫とし結婚する。その甲斐もあってか弁護の依頼人も現れ、寅子は名実共に一人前の弁護士として活躍し始める。

寅子は手伝いとして働くよねとともに、子の親権をめぐって義父母と争う女性・領国満智の依頼を引き受ける。寅子は奮闘するが、満智の嘘を見抜けず自身の甘さを痛感する結果となる。一方、私生活では子供を授かり猪爪・佐田両家は大きな喜びに包まれる。そんな中、寅子は久保田から、夫の実家のある鳥取に移住し、弁護士も辞めると聞かされる。久保田や中山が弁護士を辞め、女性の弁護士は私しかいないと身重で頑張る寅子だったが、無理がたたって倒れる。雲野や穂高から子育てに専念すべきだと諭され、寅子も弁護士を辞める決意をする。昭和19年(1944年)春、寅子は娘・優未(ゆみ)を出産、地獄のような日々から解放され幸せに暮らしていたが、佐田家に召集令状が届く。優三は「必ず帰って来る」と言いつつ出征する。

昭和20年(1945年)、太平洋戦争が激化し本土への空襲も始まり猪爪家は疎開する。疎開先では直道の戦死が伝えられ、花江は泣き崩れる。8月15日、日本は降伏し終戦を迎える。東京に戻った猪爪家に、岡山に進学していた直明が帰って来て一家は明るさを取り戻す。優三は帰って来ず、猪爪家は細々と内職で食いつなぐ。そんなある日、病に侵されていた直言が倒れる。はるや花江と直言を看病していた寅子は、優三の戦病死を記した告知書を見つける。寅子が悲しむからと、直言は長らく隠し続けていたことを打ち明け謝罪する。数日後、直言は静かに息を引き取る。優三の遺品だけが届き寅子は悲しみに暮れるが、はるに促され優三の死と向き合うなか、新聞で日本国憲法の「すべての国民は法の下に平等」という条文を目にする。寅子は「人生をやり切る」という優三の言葉を思い出し、法律の世界に戻ると決心する。

裁判官編(第10週 - 第15週)[編集]

昭和22年(1947年)3月、家族を養い直明の学費を稼ぐため、寅子は意を決して法曹会館にある司法省(仮庁舎)へ向かう。人事課に乗り込むと、人事課長は桂場であった。寅子は自分を採用するよう直談判するが、桂場は難色を示す。そこにアメリカ帰りの裁判官・久藤頼安が通りがかり「人手不足のうえ、GHQも彼女を見たら喜ぶ」と助け船を出し、桂場は渋々同意し嘱託として採用する。寅子は久藤の率いる民事局民法調査室で民法改正に携わるが、弁護士の仕事から逃げたという思いから、自分らしさを出せずにいた。そんな中、寅子は東京に戻っていた花岡と再会する。悩みを吐露する寅子に花岡は梅子の受け売りと言いつつ助言する。民法改正審議会では保守派・神保と改革派・穂高の間で激しい議論が交わされるが、寅子の尽力もあって家父長制を廃止し戸籍を夫婦単位とする改正民法が12月に成立する。一息ついた寅子はある日、同僚の小橋から「花岡が死んだ」と聞く。

花岡が闇市の食糧を一切拒否し栄養失調で亡くなったと聞き、寅子は衝撃を受ける。戦地から戻った轟はよねと再会し、共同で弁護士事務所を立ち上げる。翌年(昭和23年)、GHQからの通達を受け、桂場らは家庭裁判所設立に向け動き出す。寅子は異動となり、家裁設立の暁には裁判官にするとの言質を桂場から取るも、わずか2カ月で家裁を発足という難題を強いられる。上司の多岐川はあてにならず、家事審判所と少年審判所の合併交渉は難航を極めるが、寅子は戦災孤児の支援活動に携わる直明らの助けを借り、両審判所の説得に成功。一同総出で準備に掛かり、家裁の壁に花岡の妻・奈津子の描いた絵を掲げさせた多岐川は「法律は人が幸せになるためにある」と説く。こうして期限ぎりぎりながらも、昭和24年1月1日に家庭裁判所が発足する。

寅子は東京家庭裁判所判事補最高裁判所家庭局事務官に任命され、多岐川の下で戦災孤児の問題に取り組む。一同は視察のため上野に赴くが、汐見が財布をすられる。寅子はスリの少年・道男を追いかけ、道男が駆け込んだ先で轟弁護士事務所を見つける。三人は再開を喜ぶも、よねは寅子を拒絶する。寅子は道男の引き取り先を探し奔走するが中々見つからず、はるの了承を得て猪爪家にしばらく居候させる。当初は直人や直治と折り合いの悪かった道男も少しずつ心を開いていくが、花江との間で誤解が生まれ飛び出してしまう。道男は10日経っても帰らず、はるが心臓発作で倒れる。寅子は道男を探し出し説き伏せ、はるに会わせる。はるは道男を抱きしめて労わり、後のことを寅子と花江に託し息を引き取る。寅子はある日、家裁で笹山と偶然再会する。笹山は再開した自分の寿司屋で住み込みの働き手として、審判で不処分となった道男を引き取る。

寅子は特例判事補となり、多忙を極める。多岐川は「愛のコンサート」開催を一方的に決定する。ある日、死去した大庭徹男の・元山すみれが寅子を訪れる。すみれは全遺産を彼女が相続すると記した遺言書を持っていた。後日、梅子が遺産相続の件で家裁を訪れ寅子と再会する。寅子の案内で、轟とよねが梅子の弁護を担当することとなる。轟らの調査で遺言書の偽造が判明。その後も大庭家内は合意に至らず、遺産相続問題は家裁の調停に委ねられる。ある夜、寅子は光三郎とすみれが抱き合う現場を目撃。後日、轟ら立ち合いのもと大庭家は家族会議を開く。すみれと光三郎の件が発端となり場が紛糾すると、梅子は大声で高笑いした後、遺産相続や母としての役割の放棄を宣言し立ち去る。多忙な折、寅子は多岐川とラジオ番組に出演。久藤のコネで茨田りつ子が出演した「愛のコンサート」も成功裏に終わり、家庭裁判所は広く知られるようになる。

家裁の広報で有名になった寅子はさらに仕事に追われる。家事や優未の世話を花江に任せきりにしつつも、星朋彦の本の改稿作業の手伝いを引き受けてしまう。寅子は星の代理で改稿作業を行う息子・航一と出会う。星は本の出版より前に病で他界し、山本紘作が長官に就任。一方、家裁で寅子は梶山裕司と妻・ルイーズの離婚調停を担当。両者とも、窃盗を犯した息子・栄二の親権放棄を望んでいた。頑なに心を閉ざす栄二を救おうと寅子は腐心する。最高裁は尊属殺の規定は合憲との判決を出すが、穂高は違憲との判断を示す。退任記念祝賀会を途中で立ち去り穂高を困惑させた寅子だったが、翌日穂高と腹を割って話し、互いに和解する[注釈 1]。離婚調停では、苦しまなくて済むよう助けたいと話す寅子に栄二が伯母のことを言及。家事部と少年部の協力も得て、裕司が親権者、伯母・勝枝が監護者となることが決まる[注釈 2]。穂高は穏やかにこの世を去る。

昭和26年(1951年)、視察のため米国に行っていた寅子が帰国する。家族と雑誌取材を受け、多岐川とラジオにも出演。寅子は「家庭裁判所の母」と呼ばれ、時の人となる。一方、家庭では小さな違和感が重なり、優未たちは寅子の前では良い子を演じるようになる。家裁で寅子は福田慶太・瞳の離婚調停を担当。不貞を諫められ逆上した瞳に切りつけられ、無事ながらも寅子は困惑。そんな中、寅子に新潟地家裁三条支部への異動の内示が出る[注釈 3]。多岐川は桂場に怒鳴り込むが、桂場は一蹴。桂場は寅子の有能さを認めるが、裁判官として本来積むべき経験をさせるための異動だと説明する。猪爪家では家族会議で皆に本音をぶつけられ寅子は反省、優未は引っ越しに同意する。昭和27年春、家族に見送られ、寅子と優未は新潟へと旅立つ。

登場人物[編集]

主人公[編集]

猪爪寅子(いのつめ ともこ) → 佐田寅子(さだ ともこ)
演 - 伊藤沙莉[4](幼少期:笹の葉さら[注釈 4][25]
本作の主人公。大正3年(1914年五黄寅年に生まれる[26]。あだ名は「トラコ」もしくは「トラちゃん」。口癖は「はて?」。
女学校に通う最中にはると直言から縁談を勧められたが、一言多いことが禍してか、何度も失敗に終わってしまう。世の中の「スンッ」な事柄を疑問に感じると、たとえ上司や恩師であろうと意見を主張する。
明律大学の夜間部に通う優三に弁当を届けた際に講義を聞き、穂高と運命的な出会いを果たす。寅子の法律への熱意を見抜いた穂高から、明律大学女子部への入学を勧められる。
昭和13年、高等試験に2度目で合格し、日本初の女性弁護士の一人となる。
社会的信用を得るために、お見合いを重ねるも幾度も破談。見兼ねた優三が寅子にプロポーズして結婚し、昭和18年には長女の優未を授かった。しかし、女性弁護士が自分一人となったことに加えて出産・育児などで苦悩し、弁護士の道を一旦断念する。
戦争で夫・優三や兄・直道を失うも、戦後の日本国憲法に希望を見出して再び法曹の世界へ。事務官として新民法の起草や家庭裁判所の設立に関わり、家庭裁判所発足と同時に裁判官である判事補に任命される。
女性として初めての裁判所長も務めた三淵嘉子がモデル。

猪爪家の人々[編集]

猪爪はる(いのつめ はる)
演 - 石田ゆり子[9]
寅子の母。旧姓は直井。丸亀市出身。直言からは「はるさん」と呼ばれる。家事も家計も完璧にこなす現実主義者。直言とは対照的に、夢を語る寅子に厳しい態度を取り、お見合いを勧めていた。
寅子が桂場から「進学は時期尚早」と言われている現場に遭遇すると激怒。六法全書を寅子に買い与えて進学を許可する。自身も過去には進学を夢見たが、女性であり、かつ兄弟がいることから諦めさせられている。
毎日手帖に日記をつけており、それが共亜事件の有力な証拠となった。
昭和12年度の高等試験に不合格だった寅子に苦い顔を見せるも「タダ飯食らいは許さない」と働きながら合格を目指すように発破をかける。
優三を亡くした寅子に直言の形見のカメラを売って手に入れたお金を渡し、優三の死とゆっくり向き合って欲しいと伝えた。
昭和24年2月、戦災孤児の道男と向き合う中、心臓発作により倒れ、息を引き取った。
猪爪直言(いのつめ なおこと)
演 - 岡部たかし[9]
寅子の父。明治14年9月17日生まれ。温和な性格だが、イマイチ頼りない面がある。我が子のように優三の進路も応援する。また、寅子が弁護士となってからは記事をスクラップしていた。
帝都銀行に経理第一課長として勤めていた折、共亜紡績の不当な利益で起きた共亜事件に巻き込まれ、贈賄罪で逮捕される。予審では罪を認め、厳しい取り調べの記憶に怯えていたが、寅子らの助力で一転して無罪を主張。無罪、判決を勝ち取る。
判決後、銀行を退職し、新たに「登戸火工」という会社を起こす。戦時中は需要があったが、戦後は仕事が激減してマッチ作りでしのぐ[注釈 5]
昭和21年10月、体調を崩し、栄養失調と肺炎を併発。寅子に優三の死を隠していたことを詫び、これまでの懺悔を家族に伝えた数日後に逝去した。
猪爪直道(いのつめ なおみち)
演 - 上川周作[9][注釈 6]
寅子の兄。5歳年上[28]。婚約中の花江と女学校卒業前に結婚。「俺には分かる!」が口癖。余計な一言や的はずれなことを言ってしまう。
昭和9年、猪爪家から引っ越し、翌年には子宝に恵まれ、息子二人の父親となった。
昭和20年6月20日、南西諸島方面で戦死したことが7月に戦死公報で知らされた。
死後もたびたび花江の夢枕に立っている。
猪爪直明(いのつめ なおあき)
演 - 三山凌輝[19](幼児期:永瀬矢紘[29]、幼少期:正垣湊都[30]、少年期:小林未来[31]
寅子の弟。12歳年下[28]のため、両親からも非常に可愛がられている。責任感が強く、家族のためなら自らを犠牲にすることも厭わない。素直で成績優秀。本を読むのが好き。
昭和14年の春に親元を離れて岡山で寄宿舎生活を送る。
戦後、家族のもとへ戻って同居。大学への進学を諦めて働いていたが、寅子に説得されて大学進学を決意。
大学入学後、アメリカのBBS運動 (Big Brothers and Sisters Movement) に倣って導入された学生による孤児たちの保護活動である東京少年少女保護連盟の一員となって活動する[32]
大学卒業後の昭和26年4月、中学校の教師になった。
米谷花江(よねたに はなえ) → 猪爪花江(いのつめ はなえ)
演 - 森田望智[9]
寅子の女学校の同級生。寅子の兄・直道に好意を抱き、お見合いを経て卒業前に結婚し、義姉となる。
当初は猪爪家に同居していたが、一時的にはると険悪になってしまい、直道の配慮によって別居。その翌年には子供に恵まれ、息子二人の母となる。
東京大空襲で両親、太平洋戦争では直道を失う。戦後は寅子らと同居し、家事や息子二人と寅子の子・優未の世話などをして一家を支えている。
佐田優三(さだ ゆうぞう)
演 - 仲野太賀[9]
猪爪家に下宿する書生。両親を早くに亡くし、昼は銀行で働きながら夜間は大学で勉学に励む。気弱で頼りなく、緊張するとお腹を壊す癖があるが、優しく、芯が通っている。法学の知識があり、寅子の良き相談相手となる。
父と同じ弁護士を目指していたが、高等試験(司法試験)には落ち続け、昭和13年の高等試験をもって弁護士への道を諦め、直言が新たに立ち上げた会社に勤めた。社会的信用を得るための結婚を画策する寅子にプロポーズし、晴れて夫婦となった。
娘の優未が生まれて間もない頃に出征。昭和21年4月25日、収容所の病室で戦病死したものの、死亡告知書は直言が隠し持ち、寅子がそれを知ったのはその死から半年ほど経った頃のことだった。
猪爪直人(いのつめ なおと)
演 - (幼児期:柴田秀翔[注釈 4][33]髙橋誠[34]、幼少期:阿久津将真[35]山田忠輝[36]、少年期:琉人[37]
直道と花江の長男。昭和10年生まれ。
猪爪直治(いのつめ なおはる)
演 - (幼児期:廣瀬樹季[35]、幼少期:二ノ宮陸登[36]、少年期:楠楓馬[37]
直道と花江の次男。
佐田優未(さだ ゆみ)
演 - (0歳:山中天喜[注釈 4][38]三上ひめな[注釈 4][38]、2歳:斎藤羽結[39]、4歳:金井晶[40]、6歳:竹澤咲子[41]
寅子と優三の長女。昭和18年12月生まれ。

明律大学の仲間たち[編集]

明律大学は三淵が在学していた明治大学を参考にしている[42]

女子部[編集]

女子部二期生[編集]
山田よね(やまだ よね)
演 - 土居志央梨[10][注釈 6](少女時代:早瀬憩[43]
男装の女性。貧しい農家の次女として生まれる。姉の夏が15歳で東京の置屋に女郎として売られ、自分も売られそうになったために髪を切って家出。夏の紹介で上野にあるカフェー「燈台」で住み込みのボーイとして働き出すも、夏が稼いだ金を置屋に騙し取られていることが判明。客で弁護士でもある緒方が置屋を脅して金を取り返してくれた[注釈 7]が、夏は置屋を追い出されて男と出奔し、そのままよねとは絶縁状態になった。新聞で女子部設立の記事を見て「舐め腐った奴らを叩きのめす力が欲しい」と猛勉強して明律大学に入学した。同級生の誰とも群れたがらず、「時間の無駄」との考えから入学式も欠席する。
女子部卒業と大学進学を経て高等試験には二度落ちたが、寅子の勤める法律事務所で助手として働く。戦時中に優三と結婚した寅子の妊娠を穂高と雲野たちの会話で知るが、妊娠のことを黙っていたことをカフェーまで謝りに来て弁護士を辞めると言い出した寅子を「二度とこっち(=弁護士)の道に戻るな」と冷淡に突き放してしまう。
戦局の悪化に伴い法律事務所を辞めたあと、東京大空襲にてマスターの増野を失い、自身は右腕に火傷を負った。終戦後はカフェー「燈台」に一人残り続けながら、法律相談の真似事をする日々を送っていた。
戦地から復員した轟を偶然見つけ、再起させると共同で轟法律事務所を立ち上げる。
桜川涼子(さくらがわ りょうこ)
演 - 桜井ユキ[10]
桜川侑次郎男爵の一人娘。華族令嬢として雑誌にたびたび取り上げられ、女子の憧れの的になっているが、家庭は崩壊気味。御付きの玉を伴って行動している。英語が得意。
昭和13年の高等試験が近づく中、父の侑次郎が芸者と駆け落ちする形で家出したため、桜川男爵家存続のために婿を取らざるを得なくなり、高等試験受験を断念して、有馬男爵家の子息と結婚した。
大庭梅子(おおば うめこ)→ 竹原梅子(たけはら うめこ)
演 - 平岩紙[10]
二期生で一番年上。夫・徹男は弁護士で3人の子がいる。おっとりした話し方をする。おにぎりが得意で昼休みに学生たちにふるまっている。
良妻賢母として、夫が妾を持つのも長男が姑に取り上げられるのも我慢していたが、成長した長男・徹太が夫そっくりの顔つきと言動で自分を見下すようになったことに気が付く。下の子の親権を取って離婚するために、女子部に来たことを寅子たちの前で告白する。
昭和13年の高等試験が近づく中、徹男から離婚届を突き付けられ、三男・光三郎を連れて家を出る。しかし、10日もせずに「光三郎と一緒に居て良い」との条件で連れ戻され、結局、離婚はしなかった。その後、徹男の10年に及ぶ闘病の世話をする。
昭和24年、徹男の死後の遺産相続をめぐる大庭家の揉め事に巻き込まれ、光三郎と夫の妾であった元山すみれとの交際発覚でついに心が折れ、相続放棄した上で大庭家を去る決断をする。その後、「轟法律事務所」で暮らしながら、「甘味処・竹もと」で働き始める。
崔香淑 (さい こうしゅく / チェ・ヒャンスク)/ 汐見香子(しおみ きょうこ)[注釈 8]
演 - ハ・ヨンス[10]
朝鮮半島(当時は日本統治下)からの留学生。日本語が堪能。東京帝大で法律を学んだ兄の勧めで明律大学女子部に進学。寅子たち女子部二期生の間では「ヒャンちゃん」と呼ばれている。
1度目の高等試験には不合格となり、甘味処「竹もと」で働きながら合格を目指していた。
日本国内で出版社に勤める兄・潤哲が労働争議に加担した治安維持法違反の容疑で特高警察による取調べを受けた為、香淑自身もマークされてしまう。それにより、日本にいづらくなってしまい、昭和13年の2度目の高等試験受験前に帰国。
帰国後、朝鮮半島で汐見と多岐川と知り合う。汐見と惹かれ合うが、反対する実家からの勘当を受け、引き揚げで帰国する汐見と来日した。
日本に渡って汐見と結婚。汐見香子を名乗ったあとは、夫と多岐川の自宅で世話になっている。寅子と自宅で再会したが、よそよそしい態度を取っている。昭和24年の春、汐見との間に長女・薫(かおる)を出産した。
笠松まつ(かさまつ まつ)
演 - うらじぬの[44]
寅子の同級生。おじいさん講師の授業では白目を剥いて居眠りをしていた。
荒木りえ子(あらき りえこ)
演 - 太田いず帆
寅子の同級生。
井田佐和子(いだ さわこ)
演 - 榊原有那
寅子の同級生。
沢田礼子(さわだ れいこ)
演 - 高橋ユキノ
寅子の同級生。
工藤ナミ(くどう ナミ)
演 - 中山由紀
寅子の同級生。
林美恩(はやし みおん)
演 - ミチ
寅子の同級生。
戸川あき(とがわ あき)
演 - 祖父江莉奈
寅子の同級生。
石山桃子(いしやま ももこ)
演 - 平山咲彩
寅子の同級生。おじいさん講師の授業で寝落ちしそうになり音を立て、よねから「出て行け!」と一喝される。
夏目京子(なつめ きょうこ)
演 - 光藤えり
寅子の同級生。
佐野光子(さの みつこ)
演 - 山﨑翠佳
寅子の同級生。
女子部一期生[編集]
久保田聡子(くぼた さとこ)[注釈 9]
演 - 小林涼子[18]
明律大学における寅子の先輩。女子部一期生のリーダー的存在。とっつきにくい話し方をするが、後輩に対する接し方は柔軟。
寅子・中山と共に昭和13年の高等試験に合格。修習は錦田のもとで行っていた。
中山千春(なかやま ちはる)[注釈 10]
演 - 安藤輪子[18]
久保田と同じ女子部一期生。人当たりが柔らかいが、涙もろくてすぐに泣く。
寅子・久保田と共に高等試験に合格する。
高田尚子(たかだ なおこ)
演 - 浅見姫香
久保田や中山と同じ女子部一期生。昭和8年時点では既に女子部を去っている。
菊田千鶴子(きくた ちづこ)
演 - 綾乃彩
久保田や中山と同じ女子部一期生。昭和8年時点では既に女子部を去っている。
鈴木博子(すずき ひろこ)
演 - 江守沙矢
久保田や中山と同じ女子部一期生。昭和8年時点では既に女子部を去っている。
大木(おおき)
演 - 佐々木史帆
久保田や中山と同じ女子部一期生。昭和8年時点では既に女子部を去っている。
馬場トキ子(ばば トキこ)
演 - 山本優貴
久保田や中山と同じ女子部一期生。昭和8年時点では既に女子部を去っている。
女子部三期生[編集]
小泉由紀子(こいずみ ゆきこ)
演 - 福室莉音[46]
寅子の後輩。女子部三期生。昭和18年、明律大学女子部の閉鎖が決定したことを寅子に伝えに来る。
女子部四期生[編集]
山下(やました)
演 - おぎのさな
寅子たちの法廷劇を母親と共に見ていた女学生。後に女子部に入学している。

本科[編集]

轟太一(とどろき たいち)
演 - 戸塚純貴[10]
男子学生。佐賀出身。男らしさにこだわる。寅子たち女子とは距離を置いていたが、女を見下す態度を取る花岡に怒り、退院の日に「あの人たちを好きになった」と説得。梅子への謝罪を見守った。
昭和13年の高等試験で合格。錦田のもとで修習し、寅子とよねと同じ弁護士の道を歩むが、戦時中、召集令状を受け出征する。昭和21年7月、戦地からの帰還後に花岡の餓死を新聞で知る。自暴自棄になって酔い潰れたときに通りかかりのよねと再会する。カフェー「燈台」でよねとお互い苦しい心情を吐露し合い、よねからの誘いを受け共同で弁護士事務所を開くことに同意する。
新しく轟法律事務所を開くと代表となる。よねと共同経営し、戦災孤児の支援なども始める。
花岡悟(はなおか さとる)
演 - 岩田剛典[10]
男子学生。轟と同郷で、佐賀出身。父は法曹関係者、母は早くに亡くしている。当初は寅子たちに紳士的に接するが、ハイキングで寅子と口論になった際に「どこまで特別扱いを望むんだ」と本音を吐き出す。
退院後、帝大を出て弁護士になるつもりだったが思うようにならず、女子部を内心妬んでいたことを梅子に打ち明けて謝罪。寅子とも和解し、寅子の初恋の男性となった。
昭和12年の高等試験には一発で合格する。昭和14年には修習生を終えて裁判官試験に合格し、佐賀地裁に赴任することとなる。そのため、寅子の恋心を知りながらあえて同郷の奈津子との結婚を決め、奈津子を伴って佐賀に帰郷する。
奈津子との間に子供が2人(長女と長男)いる。終戦後は東京地裁に戻り、判事として主に食糧管理法違反の事件を担当するが、食料不足の時勢の中で闇市を取り締まる判事の立場から一切の闇買いを拒否し続けた結果、昭和22年10月、栄養失調で死去した[注釈 11]。この事件は当時の法曹界のみならず世間にも大きな衝撃を与え、内心彼に恋心を抱いていた寅子にも暗い陰を落とした。
小橋浩之(こはし ひろゆき)
演 - 名村辰[48]
男子学生。女子部の学生たちに対して執拗に「魔女部」などと罵声を浴びせる。女子部の法廷劇を妨害した際には、怒りを買ったよねに股間を蹴り上げられた。
昭和22年、太平洋戦争を生き延び、司法省民事局民法調査室に勤務。同じく勤務することとなった寅子と再会する。家庭裁判所立ち上げの際には、寅子とともに設立準備室に配属される。久藤からは「ハーシー」、ナレーションでは「失礼垂れ流し野郎」と呼ばれる。上向きにピンと立った前髪のはね毛を強調した演出もあり、「発芽玄米」という愛称も多く用いられている[49][50][51]
稲垣雄二(いながき ゆうじ)
演 - 松川尚瑠輝[48]
男子学生。小橋とつるんで女子を見下していた。
昭和12年の高等試験では花岡と共に合格する。
太平洋戦争を生き延びており、家庭裁判所設立準備室に配属される。
男子学生
演 - 草野大成
男子学生。小橋と共に女子部の学生たちに嫌がらせをする。
小田耕三郎(おだ こうざぶろう)
演 - 吉田健悟
男子学生。小橋と共に女子部の学生たちに嫌がらせをする。

明律大学の教員[編集]

穂高重親(ほだか しげちか)[注釈 12]
演 - 小林薫[12]
高名な法学者。直言の恩師であり、寅子にとっても生涯の恩師となった人物。
徹底した男尊女卑の法制度が支配していた戦前の日本にあって、男女平等の社会の実現を訴え、女子教育にも深い理解を示していたリベラルな思想の持ち主。明律大学に女子部を立ち上げたほか、寅子の才能を見抜き、女子部への入学を勧めた。
共亜事件では花岡の助言で直言の弁護人を買って出る。
法律を通して女性の権利獲得や社会進出を応援する立場にあるが、その進め方は穏健。積極的に進めようとする寅子との間に次第にわだかまりが生じる[55][22]
太平洋戦争終了後、日本国憲法が公布されたのちは民法改正審議会の委員となる。
晩年は最高裁判所判事に就任。尊属殺裁判で大法廷が合憲の判断をする中、違憲の反対意見を示す[注釈 13]
昭和26年、入院先の帝大病院で心臓筋肉変形症(心筋症)により74歳で亡くなる。
明律大学学長
演 - 久保酎吉[56]
女子部で行われた法廷劇が騒動に発展したため、寅子を含め女子部の学生に「女性らしい振舞いをするように」と注意する。
総務部長
演 - 津村知与支[56]
明律大学の教員。
おじいさん講師
演 - 五頭岳夫[56]
法学を淡々と教え、眠気を誘ってしまう。
憲法の先生
演 - 才勝
哲学の先生
演 - 石坂史朗

桜川家の人々[編集]

桜川寿子(さくらがわ ひさこ)
演 - 筒井真理子[18]
涼子の母。自分が婿の侑次郎を迎えて桜川家を守ったように、娘にもそうしてほしいと願っている。
いつも酒を手にし、侑次郎が家出したときにも手放せない状態であった。
桜川侑次郎(さくらがわ ゆうじろう)
演 - 中村育二[18]
男爵。涼子の父。入婿であり、妻の寿子に頭が上がらない。共亜事件の際に陰ながら協力するなど、関係は悪くないが、基本的に子育ては放任主義。
昭和13年、芸者と駆け落ちして桜川家を出る。
玉(たま)
演 - 羽瀬川なぎ[57]
涼子のお付き。いつも涼子の傍におり、寅子たちとも親しくなる。
岸田(きしだ)
演 - 奥田洋平[58]
桜川家の執事。涼子の監視に猪爪家まで来たことがある。
女中
演 - 志武明日香[注釈 4][59]
桜川家の女中。

米谷家の人々[編集]

米谷信子(よねたに のぶこ)
演 - 赤間麻里子[56]
花江の母。真一と共に花江たちの結婚準備のために猪爪家を訪れた。
東京大空襲で亡くなる。
米谷真一(よねたに しんいち)
演 - 横堀悦夫[56]
花江の父。信子と共に花江たちの結婚準備のために猪爪家を訪れた。
東京大空襲で亡くなる。
稲(いね)
演 - 田中真弓[19]
米谷家で働く女中。猪爪家に結婚準備で訪れた時、花江と寅子を温かく見守った。

大庭家の人々[編集]

大庭徹男(おおば てつお)
演 - 飯田基祐[60]
梅子の夫。職業は弁護士。妻の梅子を見下しており、謙遜するために梅子を人前でも平気でけなす。
穂高から特別講師として招かれても、梅子を下げながら授業を行い、寅子たちの反感を買った。
梅子の2回目の高等試験受験の際に離婚届を突きつけたが、梅子が連れ戻された直後に病に倒れる。
昭和24年に10年もの闘病の末に死去。
大庭徹太(おおば てった)
演 - 見津賢[61]
梅子の長男。寅子と出会った当時は帝国大学在学中であり、大学卒業後に父と同じく弁護士となる[26]
父と同じく母を見下していた。父の死後は梅子や弟たちに相続放棄を求めた。
大庭徹次(おおば てつじ)
演 - 堀家一希
梅子の二男。戦地で負傷し、復員後は何年も社会復帰できないでいる。梅子との家出に同行することを拒否していた。相続協議の際には、梅子一人に持分放棄を求め協議がこじれる原因を作った。
大庭光三郎(おおば こうさぶろう)
演 - 本田響矢(幼少期:石塚陸翔
梅子の三男。大学で法律を学ぶ。梅子の唯一の望みであり寅子たちとのハイキングにも同行していて、また梅子の家出にも同行していた。
相続協議には梅子だけでなく、祖母・常の面倒も見ると言っていた。しかし元山すみれとの交際が発覚し、梅子が大庭家を出る原因になってしまった。
大庭常(おおば つね)
演 - 鷲尾真知子[62]
梅子の姑。徹男の母。徹太、徹次、光三郎の祖母。梅子に厳しく当たっていた。
遺産相続については孫の徹太に全てを相続させる意向ではあったが、徹太の嫁の静子と不仲だったため光三郎に持分を多くするように求めた。
大庭静子(おおば しずこ)
演 - 於保佐代子[63]
徹太の妻。大姑である常と不仲。「長男の嫁」との思いは強い。
元山すみれ(もとやま すみれ)
演 - 武田梨奈[64]
徹男の妾。徹男が残した遺言書を理由に、大庭家の遺産をすべて相続する権利を主張したことで相続問題へ発展。しかし、轟の調査で遺言書が偽造のものと判明した。

法を学ぶ寅子が出会う人々[編集]

桂場等一郎(かつらば とういちろう)[注釈 14]
演 - 松山ケンイチ[12]
裁判官。穂高に代わって教鞭を取っていた際、寅子と知り合う。裁判官としては敏腕だが、穂高とは正反対に保守的な考えの持ち主。男女平等の社会を提言する穂高の思想を「非現実的」「時期尚早」と切り捨て、寅子たち女性を露骨に差別する。その態度は終戦後に男女平等の日本国憲法が実現してからも変わることはないが、その発言は確かな根拠に基づいた正論でもある。
共亜事件では担当裁判官の一人となり、全員無罪の判決文を書いた。終戦後は司法省の人事課長、昭和23年には初代最高裁判所人事課長になっている[66]
非常にプライドが高く頑固で気難しい反面、甘い物(特に餡子)が好きで、甘味処「竹もと」[注釈 15]後述)の常連でもある。
異様に酒癖が悪いという一面も発覚している。
笹山(ささやま)
演 - 田中要次[18]
「笹寿司」の主人であり寿司職人。生粋の「傍聴マニア」。史上初の女性弁護士の一人になった寅子を応援している。
戦時下で食材が手に入りにくくなり、寅子が弁護を担当する初の法廷を見届けると店を畳んで田舎に帰る。
戦後、再度東京で寿司店を始めたところ、家庭裁判所にて寅子と十数年振りに再会。審判で不処分となった道男を引き取り、自分の店に住み込みで働くよう取り計らった。
竹中次郎(たけなか じろう)
演 - 高橋努[18]
新聞記者。ゴシップのネタになることを常に探している。
共亜事件の証拠を探す寅子を襲った暴漢を追い払い、「首を突っ込むな」と忠告した。
日本初の女性弁護士となった寅子の記事を唯一扱う。

雲野法律事務所[編集]

雲野六郎(うんの ろくろう)[注釈 16]
演 - 塚地武雅[18]
寅子が弁護士として最初に勤務する「雲野法律事務所」代表。お人よしな性格で、貧しい人々からの依頼を次々にタダ同然で引き受けてしまうため、正直経営は苦しい。共亜事件では穂高と共に弁護人を務めた。
寅子は戦後に再雇用を願い出ようとしたが、変わらずの経営状況だったために断念する。
岩居(いわい)
演 - 趙珉和[69]
「雲野法律事務所」弁護士。
常盤(ときわ)
演 - ぼくもとさきこ[70]
「雲野法律事務所」事務員。

寅子の運命を導く人々[編集]

久藤頼安(くどう よりやす)[注釈 17]
演 - 沢村一樹[19]
桂場の同僚で、性格は桂場と対照的にフレンドリー。裁判官を目指す寅子が司法省で採用されるよう力を貸し、同省民事局民法調査室で上司となる。
戦前にアメリカの裁判所を視察した経験からか、アメリカかぶれの性格。自分を「ライアン」、寅子を「サディー」と呼ぶなど、周囲からは変わり者扱いされている。寅子の第一印象は「うさんくさい」。久藤藩藩主の子孫で、世が世なら殿様の身分だったことから、小橋や多岐川などからは「殿様判事」と呼ばれている。人脈が広い。
昭和23年には初代最高裁判所秘書課長になっている[66]
多岐川幸四郎(たきがわ こうしろう)[注釈 18]
演 - 滝藤賢一[19]
家庭裁判所設立準備室における寅子の上司。寅子や汐見とともに家庭裁判所設立に奔走する。勤務中にスルメを炙って飲酒する、突如激怒するなど、変わり者として知られる。趣味は滝行。初登場時にナレーションからは「チョビ髭」と呼ばれ、久藤からのあだ名は「タッキー」。
自身が死刑判決を下し、実際に執行される様子を見てから凶悪事件を担当しなくなった過去がある。戦時中は汐見と朝鮮へ渡っていた。
家庭裁判所設立後は最高裁判所家庭局局長となる[26]
汐見圭(しおみ けい)[注釈 19]
演 - 平埜生成[19]
多岐川とともに家庭裁判所設立に奔走する。優しい人柄で、破天荒な多岐川をしっかりとフォローしている。酒に弱い体質。
汐見香子(崔香淑)の夫。妻ともども多岐川の世話になっている。
家庭裁判所設立後は、最高裁判所家庭局課長となる[74]
星朋彦(ほし ともひこ)[注釈 20]
演 - 平田満[62]
初代最高裁判所長官。司法界の頂点に立つ身分でありながらも謙虚で威張らない温厚な人物。寅子にも好意的に接する。妻を亡くしており、百合(ゆり)という女性と再婚している。
寅子の判事補登用の辞令を自ら伝えたほか、戦前に著した自身の著作『日常生活と民法』[注釈 21]の改稿作業を息子の航一と寅子に依頼した。また、穂高とも懇意の間柄で、亡くなる前に穂高を最高裁判所判事に推薦した。
星航一(ほし こういち)
演 - 岡田将生[19]
星朋彦の息子。同じく裁判官。口癖は「なるほど」[75]。父からの依頼で寅子と父の著作の改稿作業を行った。
朋彦と同じく妻を亡くしている。
山本紘作(やまもと こうさく)
演 - 矢島健一
星朋彦の後任の二代目最高裁判所長官。寅子や多岐川と共に家庭裁判所の広報活動の一環として、ラジオ番組に出演する。

猪爪家の近所の人々[編集]

三河屋
演 - きづき[56]
猪爪家の近所で酒屋を営む。
伊藤一二三
演 - 志賀圭二郎[56]
猪爪家の近所に住む老人。山根からは「ご隠居」と呼ばれる。
弁護士になった寅子を「利発そうな子だと思っていた」と言う。
山根初代
演 - 水木薫[56]
猪爪家の近所に住む老女。
寅子の見合いの世話を焼くなど、付き合いがある。

甘味処「竹もと」[編集]

店主
演 - 仲義代[76]
寅子の行きつけである甘味処「竹もと」の店主。戦時中に一度閉店を余儀なくされ、戦後は女将とともに屋台でふかし芋を売り始めていた。
昭和24年時点で以前よりも小さいながらも店を構えて営業を再開。また、久しぶりに店を訪れた梅子を女将とともに歓迎して雇う。
女将
演 - 中原三千代[76]
寅子の行きつけの甘味処「竹もと」の女将。

共亜事件の関係者[編集]

武井吾郎(たけい ごろう)
演 - 平田広明[77]
直言が巻き込まれた共亜事件を担当する裁判長。検察側が提示する証拠は信憑性に乏しいと認め、直言を含む被告人に無罪判決を下した。
日和田(ひわだ)
演 - 堀部圭亮[78]
共亜事件を担当する検察官。威圧的な物言いをする。
滝田(たきた)
演 - 石田佳央
直言が巻き込まれた共亜事件を担当する検察官。
若島武吉(わかしま たけきち)
演 - 古谷敏[79]
直言が巻き込まれた共亜事件で逮捕された大臣(男爵)。
水沼淳三郎(みずぬま じゅんざぶろう)
演 - 森次晃嗣[79]
貴族院議員。日和田と通じている。竹中からは共亜事件の黒幕を疑われていたが、うやむやになった。
錦田力太郎(にしきだ りきたろう)
演 - 磯部勉[80]
直言が巻き込まれた共亜事件で逮捕された若島大臣の弁護人。
轟と久保田は一時期錦田のもとで勤務していた。

家庭裁判所の人々[編集]

壇(だん)
演 - ドンペイ[81]
少年審判所所長。家事審判所と合併して家庭裁判所を設立することに強く反対する。家庭裁判所発足後は、家庭裁判所少年部に所属[26]
浦野(うらの)
演 - 野添義弘[81]
家事審判所所長。少年審判所と合併して家庭裁判所を設立することに強く反対する。家庭裁判所発足後は、家庭裁判所家事部に所属[26]
根本(ねもと)
演 - 清水伸[82]
家庭裁判所の調停委員。寅子と共に大庭家の相続問題の解決策を探る。
長峰(ながみね)
演 - 福田温子[82]
家庭裁判所の調停委員。寅子と共に大庭家の相続問題の解決策を探る。

その他の人々[編集]

横山太一郎(よこやま たいいちろう)
演 - 藤森慎吾[83]
寅子の3人目の縁談相手。帝国大学出身者。貿易会社のニューヨーク支店に3年間勤務している。
当初は寅子と話が弾むが、自分を差し置いてまで話す態度に腹を立て、後日、電話で縁談を断った。
高井通(たかい とおる)
演 - 小須田康人[84]
帝国銀行理事。直言の上司にあたり、花江と直道の仲人を務める。
直言らと共亜事件に加担したとされて逮捕される。
寅子の女学校の担任教師
演 - 伊勢佳世[85]
寅子の内申書の用意を直言から依頼されたが、はるに話を通してないことを心配した。
法学専門書店店主
演 - 佐野啓[86]
はるが寅子のために「六法全書」を購入した書店の店主。
田中(たなか)裁判長
演 - 栗原英雄[87]
東京地方裁判所の裁判長。寅子が傍聴した着物の物品返還訴訟で、「妻の財産は夫が管理する」とする当時の民法の規定を尊重しつつも、甚太の横暴極まる行為は「権利の濫用」に当たるとして、「峰子の着物を引き渡すように」との判決を下した。
川井善兵衛
演 - じろう[88]
着物の物品返還訴訟で峰子側につく弁護士。
横井忠次
演 - 長谷川忍[88]
着物の物品返還訴訟で甚太側につく弁護士。
東田峰子(ひがしだ みねこ)
演 - 安川まり[89]
寅子たちが傍聴した着物の物品返還訴訟の原告側の女性。夫の甚太からの家庭内暴力に耐えかね、離婚調停を起こしている。母親の形見であった着物を甚太に返却してもらえず、物品返還訴訟を起こして勝訴。判決後、訴訟を傍聴していた寅子たちに「離婚裁判は続くが、最後まで戦う」と語った。
東田甚太(ひがしだ じんた)
演 - 遠藤雄弥[90]
峰子の夫。峰子に家庭内暴力を加え、離婚調停で敗訴したものの離婚に応じていない。民法を盾に峰子の母親の形見の着物を返却しておらず、峰子から物品返還訴訟を起こされ、「権利の濫用」を理由に敗訴。裁判後も峰子を脅しつけ、仲裁に入った寅子と乱闘寸前になった。
東京地方裁判所職員
演 - 湯浅崇[91]や乃えいじ[91]
よねの後を追って裁判所にやって来た寅子に怒鳴るように、裁判所の中へ誘導する。
増野(ますの)
演 - 平山祐介[92]
よねが住み込みで働くカフェー「燈台」のオーナー。男装のよねをボーイとして雇っていた。
よねとともに上野に残り、東京大空襲を経験するが、よねと轟との会話から東京大空襲で焼死したことが明かされる。
緒方(おがた)
演 - 戸田昌宏[93]
カフェーの客の弁護士。姉がだまし取られた給料の返還に悩むよねにすりより、弁護を申し出る。訴えると脅して置屋から金を巻き上げ、一部を手数料として懐に入れた。
夏(なつ)
演 - 原愛音[94]
よねの姉。父に殴られるよねを庇う優しい姉だったが、貧しさのために父から女郎屋に身売りされた。家出したよねがカフェーのボーイになれるよう口利きする。長らく置屋から稼いだ金を騙し取られていた。よねと緒方によって金は取り返したが、置屋を追い出され、転職もできず、男と出奔して音信不通になった。
よねの父
演 - 佐藤誠[94]
口答えするよねに虐待を加え、貧しさのために娘たちを女郎屋に身売りした。
崔潤哲(さい じゅんてつ / チェ・ユンチョル)
演 - ソンモ[95]
香淑の兄。朝鮮総督府の支援の下、東京帝大で法律を学び、日本国内の出版社に勤めていた。香淑に明律大学女子部で法律を学ぶように勧めた。
出版社の同僚が体制批判の集会に参加した治安維持法違反容疑で逮捕された際、潤哲も特高警察に連行される。すぐに釈放されるものの、日本にいづらくなって朝鮮へ帰国。その際に香淑にも帰国を促した。
帰国後に逮捕されたことが汐見と寅子との会話で明らかになる。この事件の予審判事を務めたのが多岐川であり、潤哲は罪に問われなかった。
小高奈津子(おだか なつこ) → 花岡奈津子(はなおか なつこ)
演 - 古畑奈和[96]
花岡の妻。初めは婚約者として紹介された。佐賀で花岡と結婚し、子供二人に恵まれる。
戦後、花岡を栄養失調で失い、チャリティー企画で美術展を開いて自らの作品を展示した。
寅子とは桂場を通じて再会。花岡の苦しみに気づかなかったことを謝罪する寅子に「(寅子が分けてくれた)チョコレート半分のおかげで久しぶりに家族が笑顔になれた」と感謝を述べる。
家庭裁判所開設に際し、寅子が手渡したチョコレートを分け合う大人と子どもの手を描いた絵画が飾られた[97][注釈 22]
両国満智(りょうごく まち)
演 - 岡本玲[100]
夫に先立たれ、夫との2人目の子を身籠る未亡人。義両親と子の親権を争い、寅子に弁護を依頼し、勝訴する。判決後、実際には満智の話はすべて嘘であり、2人の子はいずれも亡夫の子ではなく、夫の存命中から亡夫の友人の歯科医・神田と私通関係にあったことが明らかとなる。
重田(しげた)
演 - 緒方賢一[101]
直言の会社「登戸火工」に勤める老人。通称は「重田のじいさん」。
戦後、再雇用されて寅子と直明のマッチ製造を手伝う[102]
小笠原(おがさわら)
演 - 細川岳[103]
優三が戦病死した収容所の病室でベッドが隣だった復員兵。寅子が優三に持たせた手製のお守りを寅子の元へ届けた。
自身の病気が悪化した際にはそのお守りを優三から託され持ち直している。
神保衛彦(じんぼう もりひこ)
演 - 木場勝己[104]
帝国大学教授で民法改正審議会の委員でもある。桂場の恩師。
保守的な考えを持ち、民法改正において家制度や戸主の廃止について強く反対する。その後、最高裁判所判事として、尊属殺重罰規定合憲判決を支持する。
立花幸恵(たちばな ゆきえ)
演 - 伊勢志摩[105]
婦人代議士。寅子が広く意見を募るために参加した婦人代議士らの集まりのリーダー格。当初、寅子はその迫力にタジタジになっていたが、寅子が自分も署名させてもらえないかと許可を求めた際には笑顔とともに二つ返事で承諾した。
第64話で寅子や多岐川と共に家庭裁判所PRでラジオ番組に出演する。
アルバート・ホーナー[注釈 23]
演 - ブレイク・クロフォード[106]
GHQの民法改正担当者。久藤とは旧知の仲。司法省で働く寅子と出会う。
猪爪家を訪れ、寅子たちにチョコレートを贈った。また、ユダヤ系移民3世であることも明かされ、寅子らの姿を戦争で亡くした親戚の面影に重ねて涙する。
ヤマモト
演 - 丸山優子[107]
多岐川・汐見家の隣人。
道男(みちお) [注釈 24]
演 - 和田庵
戦災孤児スリの少年。東京大空襲で両親を失った(父は酒浸りで、たびたび母ともども暴力をふるわれていたらしい)。寅子と口論したことがきっかけで、成り行きで猪爪家に居候する[108]
家庭裁判所での審判では更生の余地が認められて不処分となる。その直後、東京で寿司店を再度始めた笹山の下で住み込みで働く運びとなった。
タカシ
演 - 令旺
戦災孤児。道男の弟分のスリの少年。小橋の財布を盗んだ[109]
茨田りつ子(いばらだ りつこ)
演 - 菊地凛子[110][111]
家庭裁判所の広報活動の一環として開催された「愛のコンサート」に出演した人気歌手。コンサート出演は旧知の仲の久藤が依頼したもので、家庭裁判所をPRするための広告のモデルにも起用された。
梶山栄二(かじやま えいじ)
演 - 中本ユリス[112]
窃盗事件の加害者となった少年。両親は離婚調停中で互いに自分の親権を放棄されそうになる。責任転嫁する両親の姿に心を閉ざしてしまう。
梶山ルイーズ(かじやま ルイーズ)
演 - 太田緑ロランス[113]
栄二の母。寅子が担当することになった離婚調停の妻側のフランス人女性。裕司との間に儲けた息子の栄二が窃盗事件を起こしたことで、親権を手放そうとしていた。
梶山裕司(かじやま ゆうじ)
演 - 菟田高城[114]
栄二の父。ルイーズの夫。ルイーズとの間に儲けた息子の栄二が窃盗事件を起こしたことで、親権を手放そうとしていた。既に浮気相手との間に子を作り、浮気相手との結婚を進めるためにルイーズとの離婚を急いでいた。
勝枝(かつえ)
演 - 小林美江[115]
裕司の姉。栄二の伯母。親権を巡って争う裕司達に代わって、栄二の監護者となった。
カメラマン
演 - 笹井達規[116]
寅子の雑誌取材の撮影を行うカメラマン。
福田瞳(ふくだ ひとみ)
演 - 美山加恋[117]
寅子が担当することになった離婚調停の妻側の女性。夫の慶太から不倫を理由に離婚を求められた。寅子から相手に寄り添うように提案をされたことに激高する。後日、離婚調停不成立となったことで寅子を逆恨みし、剃刀で寅子に襲い掛かった。しかし、小橋の活躍で失敗に終わった。
福田慶太(ふくだ けいた)
演 - 中村無何有[118]
寅子が担当することになった離婚調停の夫側の男性。妻の瞳の不倫を理由に離婚訴訟を起こした。
杉田太郎(すぎた たろう)
演 - 高橋克実[62] [注釈 25]
新潟県三条市の弁護士。

用語[編集]

物品引渡請求ノ訴
寅子が初めて傍聴した裁判。原告・東田峰子は7年前被告・東田甚太と結婚したが、暴力に耐えかね実家に戻り離婚裁判を起こし勝訴。すぐ被告は控訴しており係争は続いているが、これとは別に原告が嫁入りの際に持参した物品返還を求めて起こした裁判。特に亡き母親の形見である色留袖の返還を求めている。(当時の)民法第801条第1項では夫は妻の財産を管理すると定められており、訴えは無理筋と思われたが、裁判官は夫が妻への嫌がらせ目的の「権利の濫用」を理由に原告の主張を認めた。判例の「物品引渡請求事件」を参考にしている[119][120][53]
毒饅頭殺人事件
寅子たちが大学祭で上演した法廷劇。学長が判例から選び、涼子が台本を執筆した。女給甲子は7歳年下の医学生乙蔵と甲子のアパートで同棲し結婚を約束していた。甲子は乙蔵が実家に戻ってからも5年以上生活費を援助していたが、医師になった乙蔵は甲子に別れを告げ、乙蔵の両親からも拒絶される。甲子は防虫剤入りのまんじゅうで乙蔵一家殺害を計画。まんじゅうを食べた乙蔵と両親は重体、乙蔵の祖父が亡くなった。しかし寅子たちの検証で饅頭に致死量の防虫剤を仕込むのは不可能と判明。実はこれは女性の興味をひくため学長が改変したものであり、実際は甲子は乙蔵の両親から一度結婚の許諾を受けており、乙蔵に婚約不履行の裁判を起こして勝訴し慰謝料7000円を受け取っている。また甲子の職業は医師で饅頭に入れたのはチフス菌だった。事件の内容から1939年に起きた「チフス饅頭事件」を参考にしたと思われる。
共亜事件
共亜紡績の株価が高騰することを知って政財界に不正に得た利益がばらまかれたとする汚職事件。帝都銀行が株の取引実務を行い、直言は高井理事と共謀して賄賂を贈った容疑で逮捕された。現職の若島大臣ら16人が逮捕され、藤倉内閣は総辞職した。裁判では予審で許可なく革手錠を使用し自白を強要させたことや贈賄の事実がない証拠が次々突きつけられ、16人全員が無罪となった。史実の「帝人事件」を参考にしている[121][注釈 26]。番組内で読み上げられた判決文中の「あたかも水中に月影を掬いあげようとするかのごとし」の文言は、実際の帝人事件の判決文中にあるものであり、当時の左陪席裁判官・石田和外が起草したものである[65]
予審
予備審問。本格的な裁判の前に行われる審判。予審判事によって取り調べが行われ、弁護士は同席も傍聴もできない。「予備審問#日本」を参照。

その他[編集]

モン・パパ
劇中に寅子の愛唱歌としてしばしば歌われた歌曲。
フランスのコメディアンでシャンソン歌手ジョルジュ・ミルトンフランス語版が映画『巴里っ子フランス語版』(1930年)で歌った「セ・プール・モン・パパ(私のパパのために)」という歌がオリジナルで、日本においても、宝塚歌劇団レヴュー『ローズ・パリ』内の劇中歌として採用し(訳詞:白井鐵造)人気を得ていたが[122]、1932年(昭和7年)大幅に改訳(訳詞者不明)して榎本健一二村定一のデュエットでビクターよりレコードとして発売されヒットとなった[123]
ブギウギ
前作『ブギウギ』と同時期の時代設定で、次のように『ブギウギ』とコラボレーションしている[124]
  • 寅子は見合いを嫌い、家出をして「梅丸少女歌劇団」へ入団を目論む(第1話)[125]
  • コンサートの準備にあたって「福来スズ子[126]」や「日本コロンコロン株式会社[127]」の名が登場する(第62話)。
  • 人気歌手として「愛のコンサート」に茨田りつ子が出演する[124](第64・65話)。

スタッフ[編集]

オープニング[編集]

主題歌の米津玄師さよーならまたいつか!」の曲に合わせて、yurinasiaが振り付けをし、伊藤沙莉が複数のダンサーと共に実際に踊る映像を使用してシシヤマザキがタイトルバックを制作した[133]

エンディング[編集]

視聴者から「わたしの翼」と題した公募写真を紹介する。主人公の寅子のように、夢に向かって夢中になって取り組んでいることや視聴者を強くしてくれる存在など、視聴者にとっての「翼」、心が羽ばたく瞬間の写真を公募し、1篇ずつ紹介する[135][136]。6月14日に放送された第55話(第11週その5)では、はるを演じた石田ゆり子の飼い猫・ハニオが紹介された[137]

放送日程[編集]

放送日 サブタイトル 演出 週平均視聴率
1 001 - 005 04月01日 - 04月05日 女賢しくて牛売り損なう? 梛川善郎 16.2%[138]
2 006 - 010 04月08日 - 04月12日 女三人寄ればかしましい? 16.4%[139]
3 011 - 015 04月15日 - 04月19日 女は三界に家なし? 橋本万葉 16.5%[140]
4 016 - 020 04月22日 - 04月26日 屈み女に反り男? 梛川善郎 16.3%[141]
5 021 - 025 04月29日 - 05月03日 朝雨は女の腕まくり? 安藤大佑 15.8%[142]
6 026 - 030 05月06日 - 05月10日 女の一念、岩をも通す? 16.5%[143]
7 031 - 035 05月13日 - 05月17日 女の心は猫の目? 梛川善郎 16.6%[144]
8 036 - 040 05月20日 - 05月24日 女冥利に尽きる? 橋本万葉 16.5%[145]
9 041 - 045 05月27日 - 05月31日 男は度胸、女は愛嬌? 安藤大佑 17.0%[146]
裁判官編(第10週 - 第15週)
10 046 - 050 06月03日 - 06月07日 女の知恵は鼻の先? 梛川善郎 16.7%[147]
11 051 - 055 06月10日 - 06月14日 女子と小人は養い難し? 17.3%[148]
12 056 - 060 06月17日 - 06月21日 家に女房なきは火のない炉のごとし? 安藤大佑 17.2%[149]
13 061 - 065 06月24日 - 06月28日 女房は掃きだめから拾え? 橋本万葉 17.2%[150]
14 066 - 070 07月01日 - 07月05日 女房百日 馬二十日? 梛川善郎 17.3%[151]
15 071 - 075 07月08日 - 07月12日 女房は山の神百石の位? 伊集院悠 17.1%[152]
新潟編(第16週 - )
16 076 - 080 07月15日 - 07月19日 女やもめに花が咲く? 梛川善郎
ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)

キャッチアップ放送[編集]

総集編[編集]

関連番組[編集]

  • もうすぐ!虎に翼(2024年3月20日、総合 / 3月24日、BS[156][157]
  • 以下以外にも、猪爪寅子のモデル・三淵嘉子を紹介する番組が随時放送された。
    • 「虎に翼」三淵嘉子伝(2024年3月26日 - 、総合、リポーター:藤森慎吾)[158]
      1. 女性法律家の先駆者・三淵嘉子[159]
      2. 法曹界の扉を開いた女性たち
    • 虎に翼劇場[160]インターネット見逃し配信「NHKプラス」についての紹介寸劇
    • みみより!解説「虎に翼」解説(2024年4月2日 - 、総合、連続テレビ小説「虎に翼」の背景を解説するシリーズ)[161]
      1. 三淵嘉子と“男女平等”[162]
      2. にぎやかな法廷と「権利の濫用」[163]
      3. 女性弁護士と戦争[164]
      4. 個性的な上司と絵画[98]
      5. “判事”寅子と新潟[165]

関連商品[編集]

書籍[編集]

  • 吉田恵里香; 監修・NHKドラマ制作班; 編・NHK出版『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 虎に翼 Part1』NHK出版、2024年3月25日。ISBN 978-4-14-923608-7 
  • 吉田恵里香; 監修・NHKドラマ制作班; 編・NHK出版『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 虎に翼 Part2』NHK出版、2024年7月25日。ISBN 978-4-14-923609-4 
  • NHK連続テレビ小説 虎に翼 上(NHK出版、作・吉田恵里香 / ノベライズ・豊田美加、2024年3月25日、ISBN 978-4-14-005743-8

音楽商品[編集]

  • NHK出版オリジナル楽譜シリーズ 連続テレビ小説 虎に翼 さよーならまたいつか!(NHK出版、作詞・作曲 米津玄師、2024年5月24日、ISBN 978-4-14-055446-3

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 穂高が「自分は古い人間だ。既存の考えから抜け出すことが出来なかった」と自身を卑下するのに対し、寅子は「先生が古い人間とは思いません。先生の教え子であることは心から誇りに思っています。」と返し、二人が和解する展開となっているが、村上一博は「二人のわだかまりは最後まで溶けることなく、穂高は亡くなってしまった」との解釈を示している[22]
  2. ^ 寅子は親権者を親以外にも設定できると栄二に説明していたが、最終的に劇中で祐司が親権者、伯母の勝枝が監護者となったように親権者と監護者を分けることが可能である[23]
  3. ^ 史実では三淵嘉子は1952年12月に新潟ではなく名古屋地裁への異動となったことを村上一博は指摘している[24]
  4. ^ a b c d e ノンクレジット。
  5. ^ 三淵嘉子の父・武藤貞雄も台湾銀行を退職後、登戸に軍需物資である発煙筒焼夷弾を造る工場を設立、戦後、操業困難となり困窮している[27]
  6. ^ a b 上川と土居は、京都芸術大学(在学当時は京都造形芸術大学)で同期生だった。
  7. ^ この際、緒方に身体の関係を求められたことが暗示されている。
  8. ^ 第54話以降「崔香淑/汐見香子」とクレジットされている。それまでは「崔香淑」のみのクレジット。
  9. ^ 法律考証を担当する明治大学法学部教授の村上一博は、モデルを中田正子としている[45]
  10. ^ 村上一博は、モデルを久米愛としている[45]
  11. ^ 山口良忠の事件をモチーフとしている[32]。なお、山口は花岡の設定と同じ佐賀出身であるが、三淵嘉子と同窓ではなく、高等試験司法科も同期合格である[47]
  12. ^ 読売新聞オンライン弁護士ドットコムは、モデルは穂積重遠とみられていると報じている[52][53]。穂積重遠は、渋沢栄一の初孫であるが、小林薫は2021年の大河ドラマ『青天を衝け』において、栄一の父を演じており、小林薫はこれを「モチーフとなった方は渋沢栄一の縁者だと聞いて驚きました。[54]」と語っている。
  13. ^ 当時の最高裁判事・穂積重遠は、尊属殺及び尊属傷害致死の裁判において、同規定に関する違憲の反対意見を述べている[22]
  14. ^ 読売新聞オンラインは、モデルは石田和外草野豹一郎とみられていると報じている[52]。「共亜事件」のモデルとなった帝人事件において、石田和外は判事として関与しており[65]、また、最高裁判所初代人事課長でもある。
  15. ^ 村上一博によると、万世橋近くにある実在の「竹むら」をモデルにしたとのこと[67]
  16. ^ 村上一博は、モデルを海野普吉としている[68]
  17. ^ 村上一博は、モデルを内藤頼博としている[71]
  18. ^ 歴史人WEBは、モデルは「家庭裁判所の父」と呼ばれる宇田川潤四郎であると報じ[72]、村上一博も、その旨を認めている[32]
  19. ^ 歴史人WEBは、モデルは家庭裁判所設立準備室の責任者だった市川四郎であると報じている[73]
  20. ^ 村上一博は、モデルを実際に初代最高裁判所長官であった三淵忠彦としている[22]
  21. ^ モデルとなっている三淵忠彦には、戦前に同名の著作があり、戦後、三淵嘉子(当時、和田嘉子)らにより改訂がなされている[22]。ただし、もう一人の改訂者は関根小郷である。
  22. ^ 山口良忠の死去後に夫人である矩子の個展が開かれ、最高裁判所は、出展された8点の絵画を買い上げて哀悼の意を表している[32]。取材を担当するNHK解説委員清永聡によると、最高裁には合計5点の絵画が今も残されていることが判明しているとのこと[32][98][99]
  23. ^ 村上一博は、モデルをアルフレッド・オプラーとしている[71]
  24. ^ 第60話で少年調査記録の表紙に「島田道男」と記載されている。
  25. ^ 演じた高橋自身も、新潟県三条市出身。
  26. ^ 史実の帝人事件は勃発から被疑者16名の無罪判決が出るまで4年ほどかかったが、本ドラマの共亜事件は発生から無罪判決まで1年半とやや短い期間となっている。なお、寅子のモデルである三淵嘉子の父・武藤貞雄がこの事件の被疑者となった事実はない。
  27. ^ 法律考証の観点から見た本ドラマの振り返りコメントを、明治大学史資料センターとMeiji NOWのサイトで毎週金曜日夕刻に発信している[130][131][53][132]

出典[編集]

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外部リンク[編集]

NHK 連続テレビ小説
前番組 番組名 次番組
ブギウギ
(2023年度下半期)
虎に翼
(2024年度上半期)
おむすび
(2024年度下半期)
NHK総合 土曜日 8:00 - 8:15枠
ブギウギ「第○週」
虎に翼「第○週」
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