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(おう)は、おおむね君主国王)を指し、その君主号である。また、特定の領土を持たずとも、ある部族種族の長たる者を王と呼ぶ。転じて、ある特定の分野での頂点あるいは頂点に近い位置にある者、または物を指すこともある。

または、主に東アジア地域において用いられた爵位の一つ。

王の定義[編集]

君主[編集]

君主一般を指す普通名詞の王(キング、英語: king)。国家を統治するものは国王と呼ばれる。この国家はウガンダ内の諸王国のように、必ずしも国際的承認を受けた独立国家を意味しない。またアフリカクバ王国など、現在では国家としては存在していない部族集団の首長も王と訳されることもある。

漢字文化圏における天下を束ねる権威者の号[編集]

  • 中国史の華北青銅器時代都市国家社会において、都市国家群の盟主として振る舞った朝・朝の君主が、天下でただ一人の権威者として称した号。
  • 華北の都市国家社会に君臨した周の王に対抗して、江南揚子江中下流域から勃興したといった諸国の君主もまた天下でただ一人の権威者として王を称した。
  • 中国の春秋時代まで周王の権威を戴いていた華北の諸侯は、鉄器時代に突入した戦国時代になると、競って自らこそが天下でただ一人の権威者だとして「王」を称した。

爵位[編集]

代以降の中国において用いられた爵位の一つ。プリンス(prince)諸侯王

神聖ローマ皇帝の次期継承者はローマ王を称したが、ローマの国王というわけではなく、皇太子としての称号として用いられた頃の実態は爵位に近い。

請求権を示す王位[編集]

フランス国王が称しているナバラ王や、現在のスペイン国王が称している複数の王位のように[1]、実態としての国家が存在していない状態の王国の王号を称することがある。またスペイン国王などが称するエルサレム王など、実際には統治していない地域の王号を名乗る者もあるが、現在では単なる称号に過ぎなくなっている。

皇族・王氏・李王家の称号[編集]

  • 王 (皇族)(おう、みこ、おおきみ)。皇帝や天皇の一族男子の称号の1つ。親王よりも下位。その範囲は時代・国によって異なる。日本では、皇曽孫である三世王から五世王の代までに皇族でなくなるのが通例だが、かつては、花山源氏白川伯王家のように職務上の必要から一旦臣籍降下した家系に対しても王号が授けられた例も存在した。現在は皇室典範に基づいて、天皇から三親等以下の男子の身位とされる。
  • 平安時代皇室から分かれて未だ賜姓されていない(つまり皇別氏族になっていない)「○○王」と称した人々を「諸王」と呼んだ。諸王は賜姓されていない皇胤だが、臣籍に分類されていたので、この諸王たちをまとめて、「源氏」「平氏」「藤原氏」などのような一つの氏族とみなして「王氏」といった。
  • 日本における李王家当主の称号。

その他[編集]

  • 儒教的な立場からは、徳をもって国を治める者が「王」、法をもって国を治める者が「」であると言われている。いわゆる王覇の弁であるが、歴史的には、春秋時代の、王に代わる実力者としての諸侯の盟主を「覇」と称したことに由来する。「孟子曰、覇者之民、驩虞如也。王者之民、皥皥如也」(『孟子』尽心章句上13)。


王の言葉の派生[編集]

王の姓名[編集]

  • の一つで、読み方は「ワン(Wang1)」。中国内陸香港台湾などに多い(例:王羲之王安石)。朝鮮では、高麗王家が「王」姓であったため、その後の李氏朝鮮時代になってから迫害を恐れ、「王」姓の多くは「全」や「玉」に変えたとも言われる。
  • 王(こにきし)。日本の飛鳥時代に作られた(カバネ)のひとつ。百済王族ら少数の渡来人系氏族に与えられた。その一例が百済王(くだらのこにきし)氏である。桓武天皇の後宮で一時百済氏出身の女性たちが重要な地位を占めた。

王様[編集]

王様(おうさま)

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ スペイン国王フェリペ6世の称号と栄典英語版
  2. ^ これらの者を英語ではタイクーン (tycoon) と称する。日本国大君に由来する「実力者」や「大物」という言葉である。