うみへび座

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うみへび座
Hydra
Hydra
属格 Hydrae
略符 Hya
発音 [ˈhaɪdrə]、属格:/ˈhaɪdriː/
象徴 the sea serpent
概略位置:赤経 8-15
概略位置:赤緯 −20
正中 4月
広さ 1303平方度 (1位
主要恒星数 17
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
75
系外惑星が確認されている恒星数 7
3.0等より明るい恒星数 2
10パーセク以内にある恒星数 2
最輝星 α Hya(1.97
最も近い星 LHS 3003;(20.9光年)
メシエ天体 3
流星群 うみへび座α流星群
うみへび座σ流星群 (σ Hydrids)
隣接する星座 ポンプ座
かに座
こいぬ座
ケンタウルス座
からす座
コップ座
しし座
てんびん座
おおかみ座(角で接する)
いっかくじゅう座
とも座
らしんばん座
ろくぶんぎ座
おとめ座
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うみへび座(うみへびざ、海蛇座、Hydra)は、トレミーの48星座の1つ。星座の中で最も領域が広いみずへび座 (Hydrus) とは、ラテン語の綴りもよく似ている。

主な天体[編集]

恒星[編集]

全天で最も大きな星座であるにもかかわらず、2等星のα星以外には、3等星が5つあるのみで、残りは暗い星である。

以下の恒星には、国際天文学連合によって正式な固有名が定められている。

その他に以下の恒星が知られている。

星団・星雲・銀河[編集]

楕円銀河NGC 4993と連星中性子星合体によるガンマ線バーストGRB170817A。

なお、うみへび座には、うみへび座銀河団という銀河団がある。

その他[編集]

  • うみへび座A:電波源。

神話[編集]

勇者ヘーラクレースヘルクレス座)の12の冒険のうち、2番目がこの怪物ヒュドラー退治であった。この怪物は、9つの首を持ち、そのうちの1つは不死であった。また首を切ればすぐに新しい首が2つ生えてくるため、ヘーラクレースは苦戦した。彼は従者のイオラーオスを呼び、切り口に火を当てて焼き、新しい首が生えないようにした。そして、不死の首は大きな岩の下敷きにしてようやく退治した[11]

呼称と方言[編集]

日本天文学会の会誌『天文月報』の1910年(明治43年)2月号の記事「星座名」では既に「海蛇」と訳が充てられており[12]、『理科年表』でも1922年の初版から継続して「海蛇(うみへび)」という呼称が使われている[13]

この訳語に対しては、京都大学系の研究者から反発があった[14]。1934年、山本一清東亜天文学会の会誌『天界』第161号に「天文用語に關する私見と主張 (3)」と題した記事を寄稿し、Hydraはギリシャ神話に登場する怪物であって海蛇ではないとして「ヒドラ」と呼ぶべき、と主張した[15]。山本のこの主張を受けて、翌1935年には野尻抱影も、オーストラリアの教育者 Percy Ansell Robin の1932年の著書『Animal Lore in English Literature』に書かれた「Hydraは神話上の怪物、hydrusは一般の蛇も指す言葉であった」とする説を引き、「Hydraは「ヒドラ」、Hydrusは「水蛇」とすべき」と主張した[16]。しかし、その後数度行われた星座名の改訂でも彼らの主張は容れられず、現在も Hydraに対しては「うみへび」という訳が充てられている。

出典[編集]

  1. ^ "alp Hya". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月8日閲覧
  2. ^ a b c d IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合 (2022年4月4日). 2022年11月8日閲覧。
  3. ^ "eps Hya". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月8日閲覧
  4. ^ "iot Hya". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月8日閲覧
  5. ^ 草下英明 『星座手帖』社会思想社、1969年。ISBN 978-4390106580 
  6. ^ Allen, Richard H. (2013-2-28). Star Names: Their Lore and Meaning. Courier Corporation. p. 250. ISBN 978-0-486-13766-7. https://books.google.com/books?id=vWDsybJzz7IC 
  7. ^ "sig Hya". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月8日閲覧
  8. ^ "ups01 Hya". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月8日閲覧
  9. ^ "HD 85951". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月8日閲覧
  10. ^ Approved names” (英語). Name Exoworlds. 国際天文学連合 (2019年12月17日). 2022年11月4日閲覧。
  11. ^ Ridpath, Ian. “Star Tales - Hydra”. 2014年2月4日閲覧。
  12. ^ 星座名」『天文月報』第2巻第11号、1910年2月、 11頁、 ISSN 0374-2466
  13. ^ 東京天文台『理科年表 第1冊』丸善、1922年、61-64頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/977669 
  14. ^ 原恵 『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、44頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 
  15. ^ 山本一清「天文用語に關する私見と主張 (3)」『天界』第14巻第161号、東亜天文学会、1934年8月、 406-411頁、 doi:10.11501/3219882ISSN 0287-6906
  16. ^ 野尻抱影「星座の譯名」『天界』第15巻第171号、東亜天文学会、1935年6月、 322-326頁、 doi:10.11501/3219892ISSN 0287-6906

座標: 星図 10h 00m 00s, −20° 00′ 00″